勤続10年から見えた、キャリアと人生を豊かにする働き方。 執行役員 根本悠子〈前編〉

勤続10年から見えた、キャリアと人生を豊かにする働き方。 執行役員 根本悠子〈前編〉

ミクシィグループは、2018年4月より執行役員制度が立ち上がり、現在12名の執行役員がいます。それぞれの専門領域もしくは、事業担当領域の執行に責任を持ち、事業や組織の運営を担っています。各執行役員の、キャリア、仕事観、事業ビジョン、組織体制など赤裸々に語るコンテンツとしてシリーズでお伝えしていきます。

トップバッターは、2007年5月に入社し、2018年4月にマーケティング領域の執行役員に就任した根本。前編では、構築してきたキャリアと実績、家庭と仕事観に迫ります。
※後編はこちら

■ミクシィでのキャリアについて
【「Find Job!」のプランナーから、SNS「mixi」のプロモーションへ。サービスを大きく発展させていく過程を経験する。】

2007年5月に、求人サイト「Find Job!」のコンテンツプランナーとして入社しました。仕事内容は、転職に関するコンテンツの企画や集客プロモーション、メルマガ作成、Web広告出稿など。B to CモデルにおけるCの部分、いわゆるユーザーコミュニケーションを中心に担当していました。

それから2008年8月に、新設されたばかりのSNS「mixi」事業部のプロモーショングループへ異動。私自身のスキルの幅をもっと広げたいと考えていたのと、急成長中のサービスのユーザーコミュニケーションに携わること自体が面白そうだと感じたからです。

異動してから数年間はSNS「mixi」が劇的に変化を遂げていた時期で、プロモーショングループとしては、ユーザーが『直観的にmixiを使っていることが楽しくて、便利で、カッコいい』と思ってもらえるようなことを意識しながら企画を実施していました。

【「mixi」は社会のインフラとなるサービスになった――プロダクト企画に異動して、見えてきた仕事の意義。】
その後、2010年1月にプロダクト企画に異動しました。今でも忘れられないのが、2011年の3月に起きた東日本大震災での出来事です。当時、「mixi」のログイン情報を見て安否確認として使われていました。社としても震災対応として、安否オッケーサインを付けられる機能を追加したり、募金機能や震災コミュニティを作ったり。そのときユーザーが「mixi」に必要としているものは何か?を考え、タイムリーに機能を作っていきました。大震災の影響で出社できない人もいる中、出社できる人で「やれることをやろう!」と団結していたと思います。連日たくさんのユーザーからアクセスが集中し、「mixi」はインフラのように社会に必要とされるサービスなんだと心底実感しました。より一層責任も感じ、身が引き締まる思いでしたね。

ミクシィに入社してからユーザー集客、サービス啓発のプロモーション企画、プロダクト開発など幅広くさまざまな仕事をしてきたことが大きな財産になりました。また、SNS「mixi」でソーシャルグラフによるバイラルマーケティングの面白さや可能性に気付いたのも、私のマーケター人生において大きかったと思います。

 

【産休を経て、モンスト事業部のプロモーション担当へ。全方位的なプロモーションを経験し、新たなキャリアを切り拓く。】

2013年5月に産休に入り、6月に子どもが生まれました。同年9月にスマホアプリ「モンスターストライク(以下、モンスト)」がローンチ。いちユーザーとして私自身もプレイしていました。12月にAndroid版のモンストがリリースされ、プロモーションに力を入れたいので手伝ってほしい、と当時の代表から声を掛けられました。「若手が必死に頑張っている現場と上層部の間に立つ調整役として適任だと思うから」と。個人的に新規事業やサービスにチャレンジしてみたいという気持ちもあったので、2014年4月の復職のタイミングでモンスト事業部へ異動しました。

新しい部署では、プロモーション担当として、サービス拡大をミッションとして掲げる中、マス向けのTVCMやWeb広告、リアルイベントの企画・実施をしていました。これまでSNS「mixi」ではユーザー向けの内部的なプロモーションの業務が中心でしたが、モンストでは外向けの全方位的なキャンペーンを経験できたことも、新しいキャリアにつながったと思います。成長しているサービスだからこそ、自分が考えた施策の反響やインパクトは大きかったです。

失敗から学ぶことも多く、刺激的でしたね。今振り返ってみても、大きなターニングポイントとなったと思います。一生のうちでもなかなか経験できないことを短期間にたくさん積み重ねられた怒涛の数年だったと感じています。

【「MAU過去最高を記録」したプロモーションの裏側】
モンストは、2015年あたりから成長してはいるものの、当たり前ですが経年における勢いの鈍化を迎えていました。

そして、モンストのターニングポイントとなった3周年を迎える頃、一大イベントを前に大胆な組織編制があり、プロモーショングループが、ゲーム企画や開発などのチームと横並びになりました。3周年の施策に向けて、関わるグループメンバーでKGIを共有し、共通のゴールに向かって、どんなメッセージをユーザーに届けるべきか、ユーザーが継続するために何をすべきか、どんな体験を提供すべきかを考える必要がある。そこで初めて、深く一緒に膝を付き合わせて話し合いをしました。後で振り返っても、これによってモンストがさらなる成長を遂げるきっかけになったと思います。

結果、MAUは過去最高を達成。2016年10月の3周年イベントでV字回復を遂げました。マーケティンググループがユーザーを刺激して、集客して、ゲーム内にはユーザーがしっかり楽しめる受け皿が作られました。ゲーム企画や開発・デザインも含め、力を合わせる、つまり組織力を高めることで、こんなにも大きな成果を出せるんだということを身を持って感じた出来事です。

■家庭と仕事の両立
【子どもとの生活で変わったこと。効率よく働くための変化 】

2013年6月に子どもが生まれ、2014年4月に育休から復帰しました。復帰した当時は2ヵ月ほど時短で働き、3ヵ月目からフルタイム勤務に戻りました。夜は保育園に子どもを迎えに行く必要があるので、会社の定時は19時ですが、タイムシフトを活用して、9時に出社し、18時頃には退社しています。保育園に迎えにいく時間は絶対にズラせないので、自分のタイムマネジメントを意識するきっかけになりましたね。時間管理という部分で、1タスクにあたる集中力や、かけるべきコストも踏まえて仕事に取り組めるようになりました。

「育児をしながらの働き方」については、意外とバランスが取れているのかなとは思いますね。私の働ける時間が限られているため、一緒に仕事をするメンバーのなかには仕事の優先順位で考慮してくれたり、組織が大きくなるにつれてマネジメント層も育ち、自分で裁量を持って進めてくれるようになり、メンバーの自主性にもつながった気がします。

組織はフラットを心がけているので、私(上司)になんでもかんでも承認を通す必要はないと理解してくれていると思いますし、上司なんてもんは優秀じゃないほうが、メンバーは育つんだなと思ってます(笑)。

 

【働き方についての想い】

一度きりの人生だからこそ仕事に打ち込みたい、という気持ちも理解できます。でも仕事だけがすべてではないとも思います。自分の人生を豊かにするための「引き出し」は、色々なものを見たり、自分と違う考えかたの人と話したり、外に出てさまざまな刺激に触れることが大切で。何事もバランスの良い接点をどのように創れるかなんだろうなと思います。

例えば先日海外出張で行ったベルリンでは、朝8時くらいから仕事がスタートして、みんな17〜18時には絶対帰るんですね。街のスーパーや商店は(レストランやパブを除く)と20〜21時くらいには閉まってしまうし、コンビニがない(笑)。家族を大事にする文化だからなるべく家族と過ごしたいという風潮が強い。家族がいない人はビールを買って友達と河原でしゃべったり、パブに行って飲んだり、クラブに行ったり。仕事以外のことを楽しむ時間が自然に存在してるんです。だから「自分の人生はそれで豊かになるのか?」という視点で、自分の働き方を見直してみることが肝要なんだなと強く思いました。ラクをしたいというわけではないですよ(笑)。


※後編はマーケティング本部の組織論と事業戦略について近日公開予定です。
※記事内容についてはインタビュー時点のものです。

 

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