「minimo」を事例に。事業創造を志す学生向けイベント「ミクユニ」で語られたこと

「minimo」を事例に。事業創造を志す学生向けイベント「ミクユニ」で語られたこと

2017年12月6日に、事業創造>を志す学生向けイベント「Business Creation Collegeミクユニ(※1)」を実施しました。

Vantage スタジオのminimo事業部(※2)で事業責任者を担当している田中秀一郎が講師をつとめ、「ミクユニ~インターネットサービス編~」としてminimoの事業戦略や、事業創造をする上での重要なポイントを語りました。

 

※1(本イベントの趣旨)
ミクシィグループは、新たな市場の創造に挑戦する会社であり続けるために、既存事業のブラッシュアップのみならず、新規事業の創出にも取り組んでいます。その最前線で牽引し続ける社員とともに、”新しい価値創造”について考える場として、ミクユニを実施。将来、事業を牽引していきたいという方たちに向け、事業創造やマーケティングの事例・ノウハウを学ぶプログラムを開講しています。

※2(minimo事業部について)
美容師やネイリスト、アイデザイナーなどのサロンスタッフ個人を、お客さまが直接予約できるアプリ「minimo」を提供しています。

 

 

今回のイベントでは、下記内容を講演でお伝えしています。

■『minimo』の原石はmixiコミュニティにあった

■新規事業創造のポイントは3つ

■学生たちに伝えたい指針

『minimo』の原石はmixiコミュニティにあった

■経験がないからこそ徹底してリサーチ

「『minimo』はSNS mixiの『mixiコミュニティ』を観察し、サービスとして具現化することで誕生した」という、事業責任者の田中よりサービススタートの経緯から講演はスタートしました。新規事業に携わった経験はなかったからこそ、トレンドのリサーチ、ニーズの洗い出しなど、新規サービスを作るために徹底して検討することから始めた、といいます。

トレンドや世の中のニーズをリサーチしていると、「mixiコミュニティでの体験を素に新サービスを考えました」という興味深い記事を発見。そこで、改めて『mixiコミュニティ』を観察し、何がトレンドなのか、活発に活動しているコミュニティは何か、などを分析し新規事業の可能性を探ってみた、とのこと。そこで見つけたのが、“カットモデル”や“カラーモデル”の分野。当時1番盛り上がっていたコミュニティだったのもあり、新規事業の可能性を感じたそうです。

■世間のニーズとハマった結果…

改めて、カットモデルになりたい、カットモデルを探したいというニーズが本当に世の中にあるか、個人の実体験がないため確証が持てなかったが『mixiコミュニティ』やTwitterのやりとりを考察してみて、世の中のニーズを満たすサービスになりうると確信。『mixiコミュニティ』ですでに活発化していた点からニーズの検証ができたのは、ある種ラッキーだったと語ります。

そして、サービス開発においてこれまで主流だったブラウザからアプリ化することで、利便性と社会のトレンドを追求。マーケット戦略ではプチプラ訴求を行い当時のターゲットである女子大生の口コミ力も得て、開始から約2年は口コミだけでユーザーが徐々に増加したそうです。口コミのパワーを感じた田中はサービスが拡大していく可能性を感じました。

新規事業創造のポイントは3つ

田中自身のこれまでの体験から、新規事業におけるポイントが大きく3つあると言います。

■ニーズの見極め

どんなサービスを作るか、どんな事業を展開するかといった志向よりも、まずニーズがあるものを作るということがとても重要。理由として、その部分にズレがあると頑張り続けてもうまくいかないことが多く、失敗の可能性が高い。大事なのはニーズがそもそも実在するのか、またニーズに合致したサービスが作れているかという見極めが大切。

■定量分析よりもユーザーの行動そのものを観察

市場分析やインタビュー等も重要だが、それはやり方次第でどうにでもなる。例えば市場分析は定量的な分析が多く、トレンドが見えるケースもあるが、分析者の意思が入ってしまう可能性も考えられる。数字から見えるトレンドは切り出し方次第でコントロールができてしまうケースもある。また、ユーザーに対してのインタビューも、インタビューの中で聞き出せるものもあれば、判断できないと思うところも多い。
>しかし、【人の行動】というのは、その人のニーズに沿って行動しているため嘘がないという。嘘がないからこそ本質が見える。だからこそ人の行動を観察するというのはすごく重要だ。

■やりぬく力

インターネットの事業は、『minimo』も含め比較的プラットフォーム型が多く見られる。『minimo』に関しては、ユーザーに「美容師」と「利用者」がいて、そのどちらも集まる場を作らないと、サービスの価値がなくなってしまう。
imo』を始める際には、サロンで働く美容師の方にサービス説明をするために一軒一軒訪問するなど、根性で乗り切る場面もあった。

学生に向けてのメッセージ

田中から最後に学生に向けた熱いメッセージを送り、講演を締めくくりました。

■ネット業界には特にチャンスがある

ネット業界の特徴のひとつとして、トレンドの変化は激しいが新規事業を始めるコストが少なくてすむ。少人数のチームで新規事業のチャレンジが可能で、成功するとリターンが大きい。そのため必然的にたくさん新規事業を開拓していこう、という話につながる。若い人にも新規事業のチャンスが比較的多い業界なので、チャレンジしていくべき。

■ユーザーが最優先

ミクシィグループのサービスは、ユーザーを最優先に考えて作られていることが特徴。これは一見、当たり前のことだが、ミクシィグループの文化に「ユーザーを最優先したサービスやプロダクトを作れば、収益は後から付いてくる」があるから。「まずユーザーのことを第一に考える」などの一つのブレない軸を持つ。

■チャレンジに終わりはない

ネットサービスには、流行り廃りがある。これは田中自身が身をもって学んだことのひとつ。流れが早い業界のため、新しいチャレンジをし続けないと今をキープすることですら難しい。よって、これからもどんどんチャレンジしていき、その時も必ず“つながり”や“コミュニケーション”を大切にしたサービスを作っていきたい。

 

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約90分ほどの講演でしたが、新規事業をスタートするための考え方やアクションプランなど密度の濃い話が盛り込まれていました。
参加した学生たちの講演終了後のアンケートを見てみると、

 

  • 「新規事業創造について日々の生活の中から見出した課題点などを詳しく、かつ具体的に知ることができ、とても満足できた」
  • 「minimoを実際に利用している学生も多く、身近なサービスが作られた背景なども知ることが出来た」

などの感想があり、有意義な時間を過ごせてもらえたようで大変嬉しく思います。新規事業を作るポイントやどんな視点で臨めばいいのか大きなヒントになったのではないでしょうか。

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