事業部の想いに応え、最大の支援を。MIXI法務部ならでは働きがいとプロの信念

2025.05.30
唐澤 克弥
システム開発会社での法務担当を経て、2019年にミクシィ(現MIXI)に入社。法務部でプロサッカークラブ「FC東京」の買収を担当し、株式譲渡契約をリード。現在は法務グループのマネージャーとして、各種契約や子会社の契約に関する相談、新規事業立ち上げの法務相談に応じている。
荒井 真人
モバイルコンテンツ会社で総務や法務、Web広告代理店でSEOコンサルタントを経験し、2017年にミクシィ(現MIXI)に入社。法務部で契約審査や内部統制対応などを担い、現在はコンプライアンスグループで会社全体の規程整備・運用、取締役会・リスク管理委員会の事務局業務に従事している。
泉 望
エンターテインメント関連会社などで総務や経理に携わり、2011年にミクシィ(現MIXI)に入社。総務で庶務やオフィス増築に関わった後、社内公募制度を活用して法務に異動。現在、法務総合グループ(2025年5月に法務グループと統合)の法務総合チームでリーダーとして個人情報全般に対応しているほか、契約書管理などを担当するオペレーショングループのマネージャーも兼任している。

 

MIXIにキャリア採用で入社し、法務部で働く唐澤 克弥と荒井 真人、泉 望。それぞれが専門領域で業務に励み、MIXI GROUPの各事業を法律面で支えています。法務のプロとして進化を遂げる3人が、MIXIならではの働きがいや、仕事をする上で大切にしている考え方などを語ります。

契約の相談対応や会社の規程整備、個人情報の運用。業務プロセスの改善にも注力

各種契約や取締役会・株主総会の事務局運営など、法律関連の業務を専門的に担う法務部。部内の各グループの役割について、法務グループマネージャーの唐澤が説明します。

唐澤:法務グループでは契約書や利用規約、個人情報の取り扱いといったビジネス法務全般をはじめ、投資案件やM&Aなどにも携わっています。さらに、部内の庶務業務を担うオペレーショングループ、全社的なコンプライアンス体制の整備・運用を担うコンプライアンスグループ、関係団体との調整や交渉などを行う渉外グループがあります。さらに2025年5月には、特定の案件やプロジェクトに対応する戦略グループが新設され、複数の弁護士が専門的に対応する体制も整いました。

3人が、自らの担当している業務内容を語ります。

唐澤:まずは契約書に関する相談対応です。サービスの企画、開発で社外の方にご協力いただく時に業務委託契約を締結したり、その内容を確認したりします。たとえば、当社のひっぱりハンティングRPG「モンスターストライク」(以下、「モンスト」)で他社のコンテンツを使う際には、使用許諾契約やライセンス契約を結ぶということもありますね。

新規事業の立ち上げ時などには、「こういう形で進めても法律上問題ないか」といった、事業部からの法務相談に対応しています。また、法務部の機能を持たない子会社についても契約に関する相談に応じています。

荒井:私はコンプライアンスグループで会社全体の規程整備や運用に携わっています。2024年度に策定した行動規範「MIXI GROUP ビジネスコンダクトガイドライン」をベースとし、国内外のグループ各社全体を対象にしたコンプライアンスプログラムの検討や運用を進めてきました。加えて、MIXI本体の取締役会や、MIXI GROUPの各事業のリスク評価、モニタリングを行う「リスク管理委員会」の事務局運営も担当しております。

そして、部内の業務プロセスの改善にも力を入れていますね。たとえばクラウドサービスを導入して契約書の情報とpdfデータを一括管理できる環境を整えるなど、何か課題を見つけては解決策を考える日々です。

泉:現在、法務総合グループ(2025年5月に法務グループと統合)の法務総合チームでリーダーを務めており、あわせて契約書管理などを担当するオペレーショングループのマネージャーも兼任しています。

個人情報関連の相談に乗るほか、リスクの洗い出し、改善の提案などにも携わっています。当社にはグローバル展開をしているサービスもあるので、国ごとに異なる法律への対応が必要です。新たな国に接するたびにその国の法制度を一から調べ、弁護士の見解も取り入れながら適切な同意の取得方法を検討するほか、必要に応じてプライバシーポリシーの反映も行います。

新規サービスで個人情報を取得する際には、どの項目をどう扱うのか、どのように同意を得るかといった点について確認・助言を行います。同意の取り方一つをとっても、システム面への反映やUIの設計にも関わる関係部署と調整しながら慎重に進めています。

キャリアアップをめざしてMIXIへ。事業領域の広さや意思決定のスピードに驚き

MIXIにはキャリア採用で入社したという3人。それぞれに、前職時代に転職を考えたきっかけやMIXIとの出会いを話します。

泉:当社に入社するまではエンターテインメントやゲーム関連の会社に勤務し、バックオフィス全般を担当していました。毎日終電で帰るような生活を送っていた頃、MIXIで働く知人から「採用試験を受けてみたらどうかな。同じものづくりの会社だから肌に合うんじゃない?」と声を掛けられたんです。

実際に面接を受けてみると、社風に親しみを感じましたね。当時SNS「mixi」を展開していて社内がほっこりとした雰囲気で、役員と従業員の距離が近いなと。対応してくれた人事の皆さんが優しく、大きな会社なのに採用候補者一人ひとりの想いを丁寧に聞いてくれる姿勢にふれて、この環境なら安心して働けると思いました。

荒井:モバイルコンテンツ会社に勤めていた前職時代は、法務担当がほぼ私一人で「より規模の大きい会社で他の法務メンバーと一緒に働き、キャリアアップしたい」と思い始めた頃、MIXIと出会いました。「モンスト」という大きなサービスを抱える会社で、モバイルコンテンツに関わった経験を活かして働けそうだと感じたんです。面接では、Webサービス以外の事業にも挑戦する方針だと聞いておもしろそうだと思いましたし、人事の皆さんの話しぶりからは風通しのよさが伝わってきました。
唐澤:私は、BtoBのシステム開発会社で契約書対応や取締役会の事務局運営など一通りの法務業務に関わりましたが、M&Aの経験をもっと積みたいと思っていて。そんな中、転職エージェントから紹介されたのがMIXIでした。もともと私自身、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」(以下、「みてね」)のユーザーで会社には親しみがありましたし、何よりM&Aに積極的だと知って惹かれましたね。キャッシュリッチで、財務諸表を見ると健全な会社であることも好印象でした。

3人は入社後、MIXIに対していい意味でギャップや驚きを感じたと振り返ります。

荒井:「モンスト」や「みてね」だけでなくスポーツ、公営競技、アリーナ事業にも関わり、事業領域が想像以上に広いなと感じました。他のIT企業では触れられないような事業に、法務を通して携わることができているなと。実際、入社後最初に携わったのが「エナジードリンクを販売するために子会社を立ち上げたい」という話で、「IT企業に入ったはずなのに飲料?」と予想外の展開にびっくりしました(笑)。業界の知識がなかったので、事業部の担当者に教わりつつ、子会社の登記や契約、独特な取引スキームの整理などを進めていきました。
唐澤:一番驚いたのは、上場企業とは思えないほど意思決定がスピーディーなこと。確認すべき人が最小限に絞られていて、最終決定までのステップも非常にシンプルなんです。さらにオフィスには「モンスト」などのグッズやポスターがずらりと並んでいて、前職の“ザ・法人”な雰囲気とは全く違う雰囲気だなと感じました。

泉:私自身も、意思決定の速さには驚きました。役員が普段から社内のオープンスペースにいて、日頃から事業部メンバーとコミュニケーションをとっているからかもしれません。「この前話していたことが、もう事業になってる!」なんてことも、珍しくないんです。

サービスの立ち上げから撤退まで。十何社も経験したかのような密度の濃さ

MIXIで働く中でとくに印象に残っている出来事について、それぞれに語ります。

泉:総務から法務に異動したことと、その後の子会社支援ですね。総務でサテライトオフィス設立に携わり、多くの契約を締結した際、私にもっと関連知識があれば法務の人たちの負担を減らせたのではと思い、法律の仕事をしたいと考えるようになりました。そこで社内公募制度「MIXI CAREER CHALLENGE」を活用し、「挑戦するなら今しかない」と応募し、法務への異動を希望しました。不安はありましたが、前職でNDA(秘密保持契約)や業務委託契約などに関わった経験を活かしつつ、学びを深めていこうと思いました。

法務に異動してからは子会社支援を担当する機会がありました。その会社の個人情報体制を確認し、必要に応じてプライバシーポリシーを変更したり、社内規程を整備したりと土台作りから関わらせていただきました。子会社の従業員に向けては、「なぜこういう手続きが必要なのか」をしっかり説明することを心がけましたし、それ以外の領域でも助言し「話しやすい人だな」「この人に言えばなんとかなる」と思ってもらえるように気を配りました。何事も信頼関係がなければ成り立たないと思っているので、そこは大切にしているところです。

荒井:印象深いのは、コロナ禍での取締役会の事務局運営です。私が事務局に入ったのがコロナ禍真っ只中の2020年で、対面からリモート開催に切り替わったタイミングで。オンラインツールに慣れない中、決議の確認方法を調整しなければならず、進行や意思表示の方法をどう行っていただくのかなど、議長や関係者の意向を聞きつつ、適法な運営となるよう対応していきました。

また、機密性の高い資料の管理にも心を砕きましたね。取締役会でしっかりと議論いただけるよう、社内外の関係者に前もってオンラインで資料を共有する必要があるのですが、共有するタイミングや案内の方法、アクセス権の適切な設定などには細心の注意を払いました。

唐澤:思い出すのはプロサッカークラブ「FC東京」がMIXI GROUP入りする際の株式譲渡契約をとりまとめたことです。対象会社の法務リスクをチェックしたり、社内の取締役会などに付議するにあたって事業部のフォローをしたりしました。

このプロジェクトでとくに心がけたのは、「FC東京」のルーツである東京ガス社の文化や企業風土に敬意を払うことでした。MIXIと東京ガス社では、それぞれに大切にしてきた考え方や運用スタイルがありましたが、一方的にこちらのやり方を押しつけるのではなく、違いを尊重しながら一つひとつ丁寧にすり合わせていきました。すべてを一度に整えるのではなく、段階的に整理しながら、時間をかけて信頼関係を築いていったプロジェクトだったと思います。

MIXI法務部ならではの働きがいや魅力に関して、それぞれに想いを語る3人。

荒井:やはり、スピードですよね。新サービスにおいても各部門のプロフェッショナルたちがきちんと検討した上で意思決定し、すぐにスケジュールを引いてみんなで「よーい、どん」でとりかかります。一方でクローズの判断も早く、決められた撤退条件に沿って対応します。ユーザーの不利益にならないよう適切に残務整理して閉じるのは、単一事業を展開する会社ではできない経験です。

また、法務担当者でもユーザーの反応に接することがあります。飲料の子会社が販売した商品が店頭に並んでいるのを目にしたり、SNSでよい反応を見つけたりすると「頑張ってきてよかったな」と達成感を味わえます。

唐澤:たしかにそうですね。自分の関わった案件が世に出て話題になった時には大きなやりがいを感じます。「FC東京」のMIXI GROUP入りではスポーツの歴史が変わる瞬間に立ち会うことができ、仕事の影響力の大きさを実感しました。M&Aをこれほどの規模で繰り返すBtoCの会社は国内でも限られており、貴重な経験ができています。

泉:サービスの立ち上げからクローズまで、多様な業務に携わることができるのが魅力ですね。あと経験がないことと言えば、本社のクローズぐらいかもしれません。一つの会社にいながら、何十社も経験したかのような密度の濃さを感じます。

法務が「できない」と言えばサービスは消えてしまう。事業部の想いに応えたい

3人はMIXIの企業理念PMWV(※)に想いをはせ、普段の仕事にどう活かしているかを話します。

唐澤:大切にしているのは「誠実」です。事業部の人たちはサービスのリリースに命を懸けているといっても過言ではありません。法務が「できない」と言えばサービスは消えてしまうので、その言葉を安易に使ってはいけないなと。本当にできない場合はそう伝える必要があるのですが、法律には解釈の余地があり、事業部の皆さんの想いに極力応えていきたいです。

荒井:私は「ユーザーサプライズファースト」を意識しています。顧客の方々と直接やり取りをすることは少ないため、私たちがサプライズを直接届ける相手は事業部の人たちであると考えています。彼らから相談を受けた時、杓子定規に答えるのではなく、相手の真意をくみとった上で提案したり、将来を見通しながら助言したりと、期待以上の答えを出せるように心がけています。

泉:会社がグローバル展開に重きを置く中、私は「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」を心に留めています。海外のユーザーは自分の個人情報がどのように使われているかに敏感で、実際にお問い合わせをいただくことも少なくありません。そこで、各国の法制度を考慮しながらプライバシーポリシーなどで適切に情報を開示し、安全に利用していただけるようにすることがとても重要だと考えています。、ユーザーの皆さんにいかに安全に使っていただくか、そして世界中の人たちから信頼される会社であり続けられるよう法務の立場から貢献していきたいです。

日々働く上で、それぞれが感じている「MIXIらしさ」とは──。

荒井:PMWVという企業理念のもと、部署の目標や自分の役割を意識し、誠実に取り組む姿勢ではないでしょうか。事業部の人たちは、検討している施策や契約内容を隠すことなく私たちに伝え、不明点があれば「わからない」とはっきり言ってくれます。後になって新たな事実が発覚すると、やり方を根本から見直さなければならないので、その姿勢はありがたいですね。こうして感覚が近い人たちがそろうことで「MIXIらしさ」が生まれ、コミュニケーションの会社として成り立っているように感じます。

唐澤:決められたことだけでなく、いろいろなことに挑戦しようとするマインドですね。社内では新しいことや、ユーザーが驚くようなことをやろうとする人たちをよく目にし、まさに「ユーザーサプライズファースト」を体現しているなと。そういう意味では、法務は大変なんですけどね(笑)。また、話せばわかる人が多く、論理立てて説明すれば納得してくれるという印象もあります。

泉:PMWVに通じますが、事業部の皆さんが自分の手がけているプロダクトに対してすごく夢中になっているんですよね。そして社内の一人ひとりに、人としての温かみがあるといつも感じています。たとえば、私が意見や提案をした場合、もしそのままでは難しい内容であったとしても頭ごなしに否定するのではなく、「こういう方向ではどうでしょう?」と相手を思いやった話し方で寄り添ってくれる。そんな雰囲気が自然と根付いている職場だと感じています。

3人は今後に目を向け、チャレンジしたいことをこのように話します。

泉:「法務に相談すると時間がかかる」と言われないようにスピード感を持って対応できるよう、引き続き工夫を続けていきたいです。セキュリティやAIなど他の領域にも視野を広げ、より多角的な視点でスピーディーに事業部の求めに応じられる存在になれたらと考えています。

荒井:当社ではグローバル化を掲げており、海外子会社のガバナンスが求められています。コンプライアンス観点での基準の策定を進めてきましたので、今後はそれらの具体的な運用に力を入れ、グループ全体で各事業の優位性を確立できるような動きをとっていきたいです。
唐澤:私はこれまで、個人のスキルを高めるためにいろいろな挑戦を続けてきました。今後は組織として事業部への支援をどれだけ最大化できるかや、チームビルディングに力を入れることで、会社の成長を後押ししていきたいです。

※PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」
MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」

※記載内容は2025年4月時点のものです

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