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2018/02/22

「minimo」は美容業界を救う? 業界構造を変える壮大な挑戦

サロンスタッフ直接予約アプリ「minimo (ミニモ)」。
従来の店舗単位での掲載ではなく、美容師やネイリスト、アイデザイナーなどのサロンスタッフ個人がキャリアやスキルに合わせて情報や施術メニュー・価格を掲載し、お客さまはその情報を見て自分の希望に合ったサロンスタッフを直接予約することができます。お客さま、サロンスタッフ双方にご好評いただき、現在累計250万ダウンロードを超え、月間の予約申込数は40万件以上、掲載しているサロンスタッフ数は2万7千人に達しています。

そんな中、「minimo」では特に現場で働く美容師やネイリストなどに対して、“サロンスタッフがもっと活躍しやすい業界構造に変えていきたい”という大きな野望を持って事業に取り組んでいます。サービスの生い立ち、業界の課題、そして「minimo」が取り組むサービスの在り方など、普段は裏方としてサロンスタッフへのminimoの利用促進を担当している、minimo事業部 事業推進グループ所属の田中(画像右)と齋藤(画像左)にインタビューを実施しました。

 

潜在ニーズを引き出す

━━━━「minimo」の事業について教えてください。

齋藤 いわゆる「お店を探す」ではなく、「サロンスタッフを探す」サービスです。予約を取るお客さまには、お得にサロンが利用できるアプリとして認知していただいているかと思います。美容師、ネイリスト、アイデザイナーなどのサロンスタッフの方にとっては、集客をバックアップするサービスです。

田中 他社との大きな違いは「モデル募集」でしょうか。美容師になりたての方がサロンの前や街で「カットモデルをお願いできないでしょうか」といったキャッチセールスに遭遇、もしくは見かけたことがあるかと思います。

━━━━あります。

田中 街を歩く人の中からカットモデルを探し、ひたすら練習する、というのがアシスタントの恒例行事みたいになっていて、とても非効率だったんです。そんな中、SNS「mixi」のmixiコミュニティにはカットモデルを募集するコミュニティや書き込みが数多く存在していて、これはニーズがあるのではないかということで2014年1月に美容師とカットモデルをつなぐアプリとしてminimoがスタートしました。その後2015年2月から、カットモデルだけではなく、美容師やネイリスト、アイデザイナーなど様々な美容に関する施術募集ができるアプリとしてリニューアルし、現在にいたります。

※事業化の経緯はコチラ

━━━━収益モデルはどのような構造でしょうか。

田中 minimo」経由で予約したお客さまが来店されたら、施術料金が2000円以内の場合は300円、2001円を超えると500円の成果報酬という形でいただいています。ただし、施術料金が0円の場合は、一切手数料はかかりません。
例えば、美容師が「技術を向上させしたい」とカットモデルを募集し、お客さまから代金をいただかない場合は、「minimo」に支払う手数料も0円です。

━━━━ちなみに、サロンスタッフからの反響はいかがでしょうか。

齋藤 お客さまから予約指名して来店いただけるので、「minimoを利用してよかった」と多くのサロンスタッフから嬉しい声をいただいています。直接予約してもらえたことでスタッフの方のモチベーション向上につながっているようです。

これまでお客さまのニーズは、美容室やサロンを価格、雰囲気、立地などの条件で選ぶケースが多かったと思います。しかし、従来の条件とは別軸で「どんな方に施術してほしいか」と、お客さまの潜在ニーズを引き出すことにチャレンジしています。というのも、お客さまの美容への意識は日に日に高くなっていて、求める要求もシビアになっているはず。実際に施術するのはサロンで働くスタッフで、お客さまの思い通りにカット・カラー・アレンジをしてくれるスタッフのテクニックやサービスが、お客さまの得られる価値です。そこをもっと掘り下げていきたいと考えています。

また、お客さまは自分と相性が良いサロンスタッフを見つけることで、継続的に通う可能性も高い。これによってサロンスタッフの技術向上、インセンティブによる生活の安定、などの良いサイクルにつながります。もちろんサロンのオーナーとしても、お客さまがお店に定着してくれるので嬉しいですよね。

━━━━潜在ニーズを引き出し、サービスの拡大につなげていくわけですね。そもそもお二人は美容業界出身者と聞いています。

齋藤 美容学校を卒業して、美容師として働いていました。そこから、「もっとサロン経営やマネジメントを学びたい」と思い、サロンの運営をサポートする営業職へ転職したんです。各サロンの課題解決や集客などのお手伝いをしていました。しかし、サロンオーナーが主な顧客ですので、現役美容師の方とコミュニケーションがとりづらい状況が発生していました。やはり自身が美容師だったこともあり、もっと現役美容師の方の不安や悩みを解決できないかと思うようになったんですね。

━━━━なるほど。「minimo」にジョインしたのは。

齋藤 「minimo」の事業モデルなら、サロンスタッフ個人の課題を解決できるのではないかと共感できたのが大きかったですね。営業としてオーナーの悩みをヒアリングしていくと、抜本的に解決していくには、サロンスタッフの悩みを解決するしかないと考えていました。現在は、「minimo」をご活用いただける方の開拓や集客に関してヒントにつながる「#集客ノート」の運営をメインにやっています。

田中 私は技術職出身ではなく、美容業界の広告事業関連で働いた後、都内のサロンでバックオフィスとして、サロンへの集客・マネジメントを担当していました。美容サロンでは珍しいポジションではあったのですが、サロン拡大が当時のオーナーの念頭にあったので、施術以外を担った形です。その後、「美容師個人にフォーカスするサービス」があると話を聞き、「minimo」と出会ったんです。

━━━━なぜ「minimo」に興味が湧いたのでしょうか。

田中 例えば、複数のサロンが同じエリア、同じ価格帯で営業活動をしていたとして、どこで差別化を図るかといえば、セルフブランディングでお店の良さ・人の良さをいかに表現できているかなんです。2013、14年頃から、美容師個々でSNSを活用して、集客やセルフブランディングに成功し始めた事例が少しずつ出てきました。個人で情報発信していくことの重要性を再認識させられましたね。だからこそ、美容師個人にフォーカスしたサービス「minimo」なら新しい潮流を作れる環境で、私自身も成長できるのではと思ったのが大きいです。

現在は、齋藤と同様に「minimo」の利用者の増加施策をやっています。齋藤と一緒に動くことも多いですね。私はサロン向けの講演活動なども行っています。

 

離職率80%の業界構造

━━━━熱い想いをお持ちなのですね。そもそも美容業界にはどんな課題があるのでしょうか。

田中 まず離職率の問題があります。多くのサロンオーナーや現役の美容師などから話を聞くと、美容師の離職率は美容学校を卒業して1年後には約50%、3年後には約80%のという異常な状況です。私もサロンに勤務していたのでこの数字はほぼ正しいと思います。離職の理由は多数ありますが、上位には「長時間労働」や「給与」が考えられます。そもそも美容師になりたての“アシスタント”の立場だと「給与」や「長時間労働」などが離職の大きな要因になりやすいですね。実際のお客さまを施術する一人前として認められるためには、カット技術やサービスの向上が必要です。しかしそのためには、練習と練習相手となってくれるカットモデルを探す時間も必要です。その課題を解決するため、「minimo」を活用いただくことで、美容学校卒業後、美容師として少しでも早く一人前になって、すぐに美容師一人ひとりがしっかり稼げるような体制を実現できれば、と考えています。

もう一ついうと、美容師一人ひとりが各々の固定ファンを見つけるためのサポートですね。新規の顧客獲得とリピーターの増加が実現しないことには、売上を作れない厳しい現実もあります。だからこそ、「minimo」を活用してもらうことで、美容師には「自分のファンを見つける」という感覚でも利用してほしいですし、お客さまには「運命の美容師」を探してもらいたいですね。

齋藤 資格取得者が年々減少傾向にもありますから、慢性的な人手不足も否めないです。全国で50万人ぐらいの美容師の方がいますが、23万件ほど美容室やサロンがありますから、一店舗あたり約2.2名しかいない計算です。その観点からも美容師個人にファンを作ることの重要性が見えてきますね。

 

━━━━美容師個々にファンの固定化がねらいなわけですね。疑問ですが、固定化したら直接サロンに予約されてしまい、「minimo」の利用が減るのではないでしょうか。

田中 もちろんその点の課題はあります。サロン側からすると、お客様が「minimo」を利用して来店されたとしても、「自分たちのお客さま」という意識が強くあります。仮に2回目以降の来店を電話や独自で予約すれば、手数料はかかりません。しかし、止めてほしいと「minimo」側が美容師の方に注意をするのもおかしな話。そこで、お客さまが「minimo」を利用し続けたくなるムーブメントをおこせれば、カバーできると考えています。具体的な施策などはまだお伝えできないんですが、現在いくつか検討を進めています。

━━━━なるほど。もう一つ疑問ですが、美容師が「minimo」で集客すると、同じサロンに直接予約をされたお客さまがバッティングするケースが発生しないでしょうか。

齋藤 その課題は確かに当初ありました。サロンからしても個々のスタッフが個人で集客していると、混乱を招く可能性があります。この点に関しては、サロン側で複数の「minimoアカウント」を管理できる無料のツール「minimoサロンツール」の提供を行っています。これまで美容師個人が支払っていたサービス手数料をサロン単位で請求できる仕組みも盛り込んでいます。サロンに管理ツールがあることで、お客さまの動向が管理できるため利便性が上がり、「サロン単位で導入したいという」という嬉しい声もいただいています。

意識改革を

━━━━課題解決にも積極的に取り組んでいるんですね。現在のサービスの成長について教えてください。

齋藤 ダウンロード数だと、昨年12月に250万件を突破しました。2017年7月に200万件突破でしたので、着実に成長しているといえると思います。また、月間の予約申込数も40万件を超えています。ただ、これら数値の伸びよりも嬉しいのは、サロンスタッフやオーナーからの声ですね。美容師という仕事を楽しく続けてもらいたいという強い思い入れがありますから、「minimoで多くのカットモデルを募集できたおかげで技術成長につながった」などの美容師の声は嬉しいですね。また、サロンのオーナーからは「minimoのおかげてスタッフの離職率が大幅に減った」という声を多く頂くようになっています。これもわれわれが目指す課題の解決例なので、とても嬉しいですね。

田中 同じですね。美容師の育成を目的にminimoを導入したサロンもありますし、「minimoのおかげで無事お客さまの髪をカットできるスタイリストとしてデビューできた」という反応があると嬉しいです。サロンスタッフとお客さまのベストマッチングを生み出すことにサービスのコアバリューがあると思いますので。

━━━━「minimo」で美容業界の発展をサポートできればいいですね。

齋藤 もちろんそれが目的です。しかし、「minimoを使えば集客できます」と考えるのではなくて、美容師個々が、何を得意とし、どういう方に来店してもらいたいかを発信し、ブランディングしていく必要があると考えています。

田中 元々この業界で活躍している方は、感覚値にはなりますが、学ぶことに長けている人が多い気がします。ただ、技術を学ぶだけではなくて、「こうやって人を巻き込んだらいいんだ」「ビジネスってこうやって作るんだ」など美容師をビジネスとして考えていけたらもっとよくなるんじゃないかと。

━━━━意識改革のきっかけにもなったらいいと。

田中 そうですね。これまでは、技術のみを追求していればよかったかもしれませんが、それだけでは難しいのが現実です。そのために、もっと広く学べる機会を増やしていければいいのかなと。

齋藤 集客においても「#集客ノート」を無料で公開しています。新規、リピートなどの顧客化させることもロイヤル化させることも集客の一つですから、ヒントを掴んでほしいと思います。これからも美容業界発展のために尽力していきたいですね。

 

齋藤 周平 写真左

美容師、美容系集客サイトの営業を経て2016年10月、ミクシィに入社。サロンスタッフ直接予約アプリ「minimo」の掲載者向けマーケティング、開拓、サポートなどを手がけている。

田中 祐一 写真右

某美容ポータルサイトの営業責任者を経て、表参道の美容室でウェブ集客担当者として従事した後、2015年12月ミクシィに入社。minimo事業部にて掲載者獲得業務を担当し戦略の立案、パートナー会社の管理などを手がけている。