リリース直前の“危機感”が教えてくれたこと 〜先輩と後輩 #09〜

リリース直前の“危機感”が教えてくれたこと 〜先輩と後輩 #09〜

今回の先輩後輩対談は、エンジニアの安蒜(あんどう/写真左)と田岡(たおか/写真右)です。

二人が所属するのは、ID・ペイメント事業部 システムグループ。新決済サービス『6gram』の開発に取り組む安蒜と、マネージャーの田岡に話を聞きました。安蒜が入社したのは、まさに『6gram』の立ち上げ期。入社して1年が経ち、サービスと共にどのような成長を遂げてきたのかを追いました。

※新決済サービス『6gram』とは…アプリ上でカードを発行しチャージして使うウォレットサービス。タッチ決済(QUICPay+)対応の日本全国のお店で使うことができます。特徴的なのは、グループで使えること。みんなで自由にお金を出し合って支払うことができるので、割り勘も不要です。Android・iOS対応。

 

━━━━早速ですが、お互いの第一印象はどうでしたか?

田岡 「すごく真面目そうな人が来たな」という印象でした(笑)。「僕は何を求められていますか?」という気合を感じて。安蒜さんはうちのグループにはいないタイプだったので、印象に残っていますね。

安蒜 そんな風に見えていたんですね…。あのとき、緊張していたんです。配属面接で初めて田岡さんにお会いしたとき、かなりフランクな空気感だったので、逆に気を引き締めないといけないのかも、という意識が働いたのかもしれません(笑)。

田岡 (笑)。安蒜さんが入社した頃は、『6gram』のAndroidアプリを先行開発していて、これからiOSを作っていこうという時期でしたよね。安蒜さんは大学時代、iOSや機械学習の研究に取り組み、内定者アルバイトでは『minimo』のiOS開発も経験していたので、ぜひ手伝ってほしいと思っていました。

安蒜 田岡さんが「色々教えていくから」と言ってくださったので、安心して一歩を踏み出すことができたと思います。

 

自由度の高い仕事へのワクワクと戸惑い

━━━━一番初めに任された仕事は覚えていますか?

安蒜 認証コード入力欄の分割です。当時はiOSのプロトタイプがある程度出来上がっている状態で、ユーザーが入力するフォームを見栄えのいい形にしてほしい、という仕事を任せてもらいました。

田岡 情報を入力したら色が変わるとか、アニメーションを含めたデザインを当てて、見栄えを良くしようという内容でしたね。仕事を振られてみて、正直どう思った?

安蒜 『minimo』で内定者アルバイトをしていたときは、すでに5年も動いているアプリを改善する仕事がメインで、立ち上がりたてのサービスを改造するのは初めてだったので、「できるかな?」というのが正直な気持ちでした。UIのパーツをどういう方針で分割して設計していくかについては具体的に指示されていたわけではなかったので、自分の好きにできそうだなと思いつつ、不安もありましたね。

田岡 自分で考える余地はたくさんあったと思います。新しく作るからには違和感なく使ってほしいし、それに変わりゆくトレンドも取り入れたいので、どういう形がベストか?というのはその都度判断していこう、と思っていました。なので、安蒜さんには「最適によろしく!」というスタイルでお任せしましたよね。スタートとゴールと押さえるべきポイントだけ話して、「ハイ!」って(笑)。とはいえタスク自体はベーシックで、難易度としても高くなかったと思います。

安蒜 そうですね。自分で考えて提出するまでは早かった気がします。入力欄に何文字まで打って、そのあとボタンをタップしたらどうなる、という細かい対応が明文化されていないことも多いので、「こういう場合はどうするのが自然だろうか?」を考えながら進めていきました。

田岡 入力を間違えたときに、一文字消そうと思うのか、一番最初から打ち直そうと思うのか。自分がユーザーの立場に立って想像しながら、一番使いやすいフォームを目指していきましたよね。

安蒜 ユーザーに対してどういう状態が自然かというのは、知識や経験が足りなくて難しかったです。

田岡 実はこの『6gram』は、プロジェクトとしては割と珍しい形でした。アプリを作るときはiOSを先に作って、AndroidはiOSのデザインや仕様をAndroid風に寄せていくケースが多いと思いますが、『6gram』の場合はAndroidアプリを先行で開発・制作していました。うちの方針は、AndroidはAndroid、iOSはiOSらしくやりましょう、と。だからiOSをAndroidに合わせていくのは違うし、かといってiOSらしくやりましょうと改めて言われると、その差がどこにあるのか…迷いますよね。本当はAndroidと同じ動きをしたっていいのかもしれないけど、「iOSらしさとは?」という壁にはぶつかったと思います。

 

━━━━安蒜さんから提出されたものを見て、田岡さんはどんなフィードバックを?

田岡 細かいな、と思いました(笑)。アプリの開発はそこそこ長いもの。当時はまだ進捗率が10%いくかいかないかという状況でもあったので、その中で安蒜さんは今の100点満点を目指すというか、一つひとつをきちんとこなすタイプだなと。

安蒜 今振り返るとそうかもしれません。一番初めのタスクだったので、どれくらい詰めるべきかという温度感が分かっていなかったところもありますが…。決済に関わるアプリということもあって、認証コード入力というサービスの入り口となる部分はきちんと進めていきたいという思いがありました。

田岡 任せたことを100点満点でやってくれることは全然悪いことではないです。安蒜さんは自分の中の100点満点と、世の中の水準と比べてみても高いクオリティを目指している動きをしていたので、全く心配はなかったですよ。そのうち肩の力は抜けてくるだろうな、くらいで。

 

リリースを遅らせるという大きな決断が契機に

━━━━優秀だったんですね!この1年で思い出深い出来事はありますか?

安蒜 もともとAndroidアプリは10月、iOSアプリは11月リリースを目指していました。夏頃に進捗具合とタスクを見直していたら、これは間に合わないんじゃないか…と気づいて。iOSの開発は田岡さんと僕が担当していましたが、田岡さんは決済基盤の裏側になるサーバーと全体のマネジメントを手掛けていました。仮に僕一人がタスクをこなしていたら間に合わない。とはいえ田岡さんが手伝ってくれても間に合わない…。田岡さんが戻ってくるのを待つのではなくて、自分が死ぬ物狂いで頑張らないと、と危機感を覚えました。

田岡 そうでしたね。リリースがずれ込むというのは開発チームだけでなく、プロモーションチームも関わってくる話なので、早い段階で仕切り直したいと相談してきてくれて。まずは数字が書かれたカードを使って、タスクの規模を相対的に見積もる「プランニングポーカー」でお互いの意識を合わせましたよね。「このタスクは一週間でいけるんじゃないか」「整理してみたらすぐ終わりそうだ」とか。安蒜さんが主導となってスケジュールの組みなおしをしてくれました。

安蒜 新卒で入って初めて携わるサービスでしたし、ゼロから立ち上げているアプリなので、何が何でもリリースしたいし、クオリティの高いサービスにしたい。そういう思いが強かったと思います。「ヤバイ」という危機感が自分事だった気がしますね。スケジュールを仕切り直してからは、より気を引き締めて取り組み、無事にリリースにこぎつけることができました。

大変だったとはいえ、田岡さんの存在は心強かったです。いつでも相談しやすい雰囲気がありますし、自分が疑問に思ったことを伝えれば、噛み砕いて説明してくれる。率直に意見を伝えやすい関係はありがたかったです。

田岡 やっぱり緊張しちゃうと上手くいかないことが多いから、チームの中では意識的にそういう雰囲気は出せるよう意識しているかもしれないですね。

 

━━━━危機を乗り越えて、さらに信頼関係が強まった感じですね。現在の仕事について教えてください。

安蒜 AndroidアプリもiOSアプリも無事にリリースされて、最近はサーバ関係も担当するようになりました。『6gram』の月ごとの利用レポートを新しく作ることになり、ユーザーの決済履歴から数字を足し合わせてデータを出すというタスクが最初の仕事でしたね。今まではサーバ側とクライアント側のエンジニアが話し合って一番よいAPIの形式を探る流れでしたが、アプリを開発している本人ならどういう形が一番楽かというのが分かっているので、挑戦してみることができたと思います。

田岡 新しい機能を作るときには、ある程度自分でハンドルしていってほしいと思っていました。自分ができるところはある程度できて、クライアント側でどうするかというのも分かっている。じゃあこのサーバは誰が書くんだろう?と。安蒜さんは自分でハンドルを握っていたので気づくわけです。まぁ新たなタスクが見えてきて、「自分がやるしかない」という状況でもあったかもしれませんが(笑)。

安蒜 確かに(笑)。実際にAndroidのエンジニアもサーバを書くこともありますし、他のタスクを手広く担当しているので、僕自身もクライアントの実装と合わせてサーバ開発も挑戦してみたいという気持ちでした。

 

より活躍の幅を広げられるよう行動していきたい

━━━━安蒜さんは、今度どんなエンジニアを目指していきたいですか。

安蒜 私はiOS開発という一本柱があった上で、他のこともできるエンジニアを目指してミクシィに入社しました。今はiOSだけでなくサーバにも関わっているので、自分が思い描く方向に進ませていただいている気がします。こういう動き方は引き続きしていきたいです。開発に興味があるので、マネジメントよりもコードを書く人でいたいと思っていますが、人数が少ない状況でプロダクトを作り、これから伸ばしていこうというフェーズに入っている中で、コードだけでなく細かい施策も自分でハンドリングできるようになりたいですね。それがこの1年の目標というか、現在の行動の目安になっていると思います。

田岡 僕たちの部署は、エンジニアがエンジニアリングだけやります、という部署ではないので、色々な仕事を経験する中で選択肢が増えるのはいいことだと思います。僕はマネージャーなので、メンバーが最大限活躍できるところを考えて評価が伸びるようにサポートしたいと思っているのですが、ときにはそういう仕事がないときもあるんですよね。だから、どんな会社の状態でもパフォーマンスを発揮していくためには、ある程度幅を持っておかないとキツイ部分が出てくるだろうなと。

安蒜 田岡さん…真面目に話してますね(笑)。

田岡 いやー、真面目な話は恥ずかしくて、普段はあんまり言わないんですけど(笑)。あと安蒜さんに望むことは、せっかく自社プロダクトに関わっているので、サービスの改善案を1~2個出して動いてくれると嬉しいなと思っていますね、個人的には。たぶんみんなプロダクトに対して思うところって違うはずなんですよ。マス向けのサービスを作る立場にあるからこそ、みんなのアイデアを出し合っていかないと、すごく偏ったものになってしまうので。新しいことを考えるときに、チームに対して気づきを与えると方向が変わることもあるじゃないですか。自分のアイデアがみんなの発想の種になるかもしれないので、受け身になるのではなく、自分の色を少しずつ出していけるといいのかなと。

安蒜 ありがとうございます。田岡さんはメンバーの主体性を尊重しながら、うまく誘導してくれるところがすごいなと思いますし、仕事の進め方も技術力も尊敬しています。内定者アルバイトを1年、新卒入社で1年、エンジニアとして2年のキャリアでは到底持てないスキルを伸ばしてもらえたなと。しかも裁量を持たせてもらえるので、何をやってもいいという感じですが(笑)、ただ仕事を任せてくれているだけではなくて、押さえるべきポイントをしっかり教え、サポートしてくださるのでとてもありがたいです。

 

安蒜 祥和
2019年新卒社員として入社。ID・ペイメント事業部に所属し、『6gram』のiOSクライアント開発者として開発初期からリリース、その後の運用も含めて担当している。

 

田岡 文利
2012年新卒として入社。SNS「mixi」でサーバー、クライアント問わず幅広いサービス開発を担当したのち、経営企画本部に異動。グループ会社の開発支援のために、開発プロセス改善や基幹システムの開発に注力。2016年XFLAGに異動し、サービスやゲームをつなぐプラットフォームの開発と運用を担当。現在はIDペイメント事業部のシステム部マネージャーとして、自社のID管理やペイメントシステムの開発を統括。
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