- 後藤 満喜
- コンサルティング会社、アパレル製造小売業などで人材採用、HRBP、人事開発、人材戦略などを広く担当し、2022年にミクシィ(現MIXI)へ入社。同年に人事本部長へ就任。長年の人事経験を活かし、2024年には人事本部内におけるミッションを策定。「従業員一人ひとりが日々PMWVの体現に向けて働く環境」づくりに邁進する。
- 卯木 源一
- 新卒で大手人材紹介会社へ入社し、大手自動車メーカー、半導体メーカーなど製造業向け人材紹介の営業に従事。「幸せに生きるために必要な事業に関わりたい」という思いから、2020年にミクシィ(現MIXI)へ入社。2023年4月に中途採用組織のグループマネージャーに就任。採用ブランディング事業にも取り組む。
- 川原 友希
- 新卒で飲食店検索サイト運営会社へ就職し、Webアプリエンジニアとして勤務した後、会社で働く「人」の重要さに気づき、IT業界のベンチャー企業に人事として転職。エンジニアを中心とした新卒採用・中途採用、新卒育成、インターンシップ開催などに携わる。「日常がもっと豊かになるサービスを提供したい」と考え、2020年にミクシィ(現MIXI)へ入社。現在、新卒採用グループマネージャー。
MIXIに「人」という観点で向き合い、発展を支えてきた人事本部。2024年にはあらためて部署全体でのミッションを定め、組織の成長をめざしたプロジェクトにも取り組んでいます。そんな人事本部メンバーが思う「MIXIらしさ」とは。本部長の後藤 満喜とマネージャーの卯木 源一、川原 友希に話を聞きました。
「キャリアの充実」を全従業員に── MIXI人事本部がめざす理想の会社像
採用から人材育成まで幅広い役割を持つ人事本部。今回はその中でも採用に関わるメンバーが集まりました。
後藤 満喜:人事本部長という立場で、MIXI本社とグループ会社のサポートを人事面で統括しています。実際の業務は各部署のメンバーが率先して取り組んでくれているので、私はその方向性を一緒に確認したり、経営の方針をサポートできているかアドバイスをしたりすることが多いですね。
卯木 源一:私は中途採用グループのマネージャーとして、年間数十〜数百人ほどの採用計画を立て遂行する立場です。また並行して採用ブランディングにも取り組み、候補者に「入社したい」と思っていただけるよう、会社の発信などを考え推進しています。
川原 友希:新卒採用グループのマネージャーとして「なぜ新卒採用を行うのか」という根本の部分から考え、採用をしていくのが私の仕事です。また卯木さんたちと一緒に、新卒に特化した採用ブランディングにも取り組んでいます。
それぞれの思いや仕事をする上で大切にしていることについても聞きました。
卯木:採用領域のプロフェッショナルとして計画遂行にコミットしながらも、採用以外の手段も視野に入れ、「人」や「組織」のさまざまな課題を解決できる集団をめざしています。
加えて、私はマネージャーになってまだ1年半。今はチームメンバーが幸せに働ける環境づくりにも力を入れています。
川原:私も2024年4月にマネージャーになったばかり。今は役職にこだわらず、メンバーとフラットにコミュニケーションをとることを大切にしています。
新卒採用は人員を補充するための採用ではなく、会社をめざす方向性へと誘うための採用。「採用する必要はあるか」「どんな人が必要なのか」というところをゼロから考えていくようにしています。
後藤:これまでMIXIが培ってきたものや今思い描いている方向性を大切にしながら、「人」という観点で会社の成長につながるようなアクションができるように心を注いでいます。私たちの取り組み全体を通じて、従業員全員がパフォーマンスを発揮し、キャリアが充実するような会社にしていきたいですね。
コミュニケーションの会社として歩む道。MIXIとの出会いとPMWV制定による変化
それぞれのキャリアを経てMIXIに加わった3人。共通していたのは、MIXIの理念への共感でした。
川原:過去のキャリアでは、エンジニアとしてものづくりに携わる中で、よりよいサービスをユーザーに届けるにはやはり「人」が重要だと感じ、人事業界に飛び込みました。MIXIに入社を決めたのは、現在のパーパスにも共通する「豊かなコミュニケーション」などMIXIが掲げる理念に共感したから。もともと「なくても困らないけれど、あることによって日常がもっと豊かになるようなサービス」が好きで、MIXIのプロダクトはそれを体現していると思いました。
卯木:私も川原さんと同じで、理念に共感して入社を決めました。もともとは人材系会社で楽しくやりがいを持って働いていたのですが、自分が生きる上で大切にしている「幸せ」に関わる仕事がしたいなと思って。「幸せに生きるために必要な事業」に取り組んでいる会社で胸を張って働きたいという思いから、MIXIへの入社を決意したんです。
後藤:20年以上人事の経験を積んできたところで、出会ったのがMIXI。個人的にはSNS「mixi」の印象が強かったのですが、面接に行ってみると「私たちはSNSの会社でも、ゲームの会社でもなく、コミュニケーションの会社なんです」という熱い説明を受けました。当時はちょうどコロナ禍で、「コミュニケーションの在り方」が見直されていたころ。その思いの強さやめざす方向性に共感して入社を決めました。
入社して改めて、MIXIの理念にかける思いの強さを感じたと卯木は語ります。
卯木:創業者の笠原さんを含め、従業員全員がユーザーの幸せのために精一杯働いていることが伝わってきて、嬉しかったですね。
一方で人事としては、「人」に対する投資や育成面にまだまだ伸びしろがありそうだなと。よいプロダクトをたくさん作っている会社だからこそ、人や組織を育てればもっと社会に貢献できる存在になれそうだとワクワクしました。
川原:卯木さんも言う通り、とにかく軸がぶれないことに感動しました。経営層もメンバーもMIXIの理念を実現するために真摯に向き合い続けていると実感しています。
また会社として個人の裁量が大きいことにも驚きましたね。入社直後から多くのことを任せてくれる一方で、何か相談しても「あなたはどうしたいの?」とまず自分の意見を求められるんです。とにかく自分で切り拓いていかなければならない環境だと感じました。
後藤:確かに、すべての人にチャンスが与えられる環境ですよね。私が驚いたのは、若手社員でも経営関連の会議に参加し、経営層に向けてプレゼンテーションをする機会があること。年齢や社歴に関係なく幅広い人にチャンスが巡ってくるところがすてきだと思いました。大企業ではあまり見られない光景で、MIXIの裁量の大きさを感じた瞬間です。
2022年にはMIXIの理念がPMWV(※)という形で明文化され、めざすべきものがより明確になったと後藤は言います。
後藤:私は2022年入社なので、入社と同時にPMWVの発足を知って正直驚きました(笑)。しかし、よく読んでみると大きくコンセプトが変わったわけではなく、これまでの理念が磨き込まれてより鮮明になったイメージ。PMWVが全社に浸透したことで、より強い組織になったのではないかと思います。
※PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」
人的資本経営への挑戦──MIXIの人事本部が掲げる新たなミッションとその意義
MIXIで働く中で感じる「MIXIらしさ」とは──3人は「コミュニケーション」に対する熱量を掲げます。
後藤:従業員それぞれが「コミュニケーション」に対して熱い思いを持っていて、相手を思いやる文化があります。心理的安全性も高く、お互いが思っていることを言葉にしやすい、豊かな人間関係を築く土壌があると思います。
川原:優しすぎるほど優しい人が多いですよね。悩んでいる人には必ず誰かが手を差し伸べてくれるので、悩み事は相談しやすい雰囲気です。あとは成長したいメンバーをどんどん上へ引き上げていけるような取り組みも強化できたらと思います。
卯木:事業面でも「コミュニケーション」を大切にしていますね。オンライン・オフラインそれぞれのコミュニケーションのよさを活かせるよう、とことんこだわっているんですよ。たとえば、当社ではスポーツ事業も展開していますが、そこでは「オフラインだからこその感動」を大切にした運営が行われていて、人事としても胸が熱くなります。
加えて、川原はPMWVにもある「夢中」という言葉が思い出される瞬間も多いと言います。
川原:どの事業部のメンバーも自分の事業のことを深く愛していて、チームが一丸となって「夢中」で仕事に向き合っているところがMIXIらしいと感じます。「こんなものを作りたい!」という気持ちやそれに伴う行動力を持っている人も多く、しかもそういう思いが尊重される文化がMIXIにはあります。
組織のさらなる成長を掲げ、2024年には人事本部のミッションも制定しました。
後藤:組織全体がPMWVを胸にもっと大きく成長していけるよう、「私たち人事本部は、従業員一人ひとりが日々PMWVの体現に向けて働く環境をつくり、働きがいと成長の機会を提供すること、またそれらがMIXIの成長と発展につながることを使命とします」というミッションを人事本部で話し合ってつくり上げました。
私たちMIXIにとって、PMWVはとても大切な存在。中でもパーパスである「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」を全従業員に意識してもらい、MIXIをより強い組織へと育てていくためにはどうしたらよいか、人事本部内でよく話し合ってこのミッションを生み出しました。
加えて大切にしているのは、人的資本経営の考え方。人材という資本の価値を最大限引き出して企業価値を向上できるよう、人事本部としてどのような貢献ができるのか、具体的なアクションを考え、行動しています。人事には採用、人材育成などさまざまな役割がありますが、一つひとつ個別に考えるのではなく、全体像をしっかり把握しながら中長期的な目線でこのプロジェクトを進めることを意識。たとえば採用に関しても、そもそもの人員の配置や組織の在り方を把握しながら、計画を立てていくようにしています。
川原:これまでのMIXIの新卒採用は「優秀な人材を採用するんだ」というところに気持ちが向かっており、その先のめざす方向性が曖昧でした。しかし今回ミッションを定めたことにより、「人的資本経営の手段の一つとして新卒採用がある」というストーリーが描けるようになり、新卒採用の先の未来も描きやすくなったと思います。
卯木:キャリア採用も新卒採用も共通していますが、会社と従業員の双方が「この人を採用してよかった」「入社してよかった」と思えるようにすることこそが私たちのミッション。それを達成するためには、お互いが覚悟を持って手を取り合わなければなりません。そういった双方にとって、「よかった」と思える採用を実現することが、私たちのやりがいでもあり、介在価値だとも思っています。
発展途上だからこそおもしろい。未成熟な環境さえも楽しみ、挑戦する人に開かれる扉
世間では「働きやすい会社」と評されることも多いMIXI。その裏側と「今のMIXI」について3人は語り合います。
後藤:巷ではよく「働きやすい」と話題にされますが、これはあくまで従業員一人ひとりがパフォーマンスを発揮できるような環境をつくろうとしている結果なんです。「働きやすい会社をつくろう」としたのではなく、「従業員全員が活躍できる環境をつくったところ、自然とそうなった」というのが実情ですね。
川原:だから、実はまだまだ発展途上な部分も少なくないですよね。そういう環境を楽しめる人、不確定要素をドライブできる人にとっては、最高に楽しい職場だと私は思っています。
卯木:そうですね。今あるものに乗っていくというよりは、「新しいことに挑戦したい」「未成熟な環境を自分の手で改善していきたい」という気概を持った人が活躍できる環境だと思います。そういう人々が集まって、これからのMIXIをつくっていくことが私の願いです。
改めてMIXIで活躍できる人材の人柄・価値観について、卯木はこう述べます。
卯木:MIXIにおいて大切なことは「誰が言うか」ではなく、「誰のために、何を言うか」。どこまでもユーザーのために考えられる人は当社ですぐに活躍できると思います。またユーザーの幸せにつながる意見なら、入社年次の浅い方の意見でも多くの人が耳を傾けてくれる社風も魅力です。躊躇せず、どんどん行動できる人に来てもらいたいですね。
川原:MIXIは現在単体で1,300人ほどの会社ですが、規模の割に変化に対して柔軟なところが強み。だからこそ、会社に足りない部分を補うアプローチができる人はどの部署に行っても輝けると思います。
また採用担当者視点では、大前提としてまずPMWVに対して自分なりの興味と理解を持っていてほしいですね。そこをとても大切にしている会社なので。
後藤:会社とはその人の人生において長く関わってくるもの。だから川原さんも言う通り、当社が大切にしているPMWVに共感できる人に集まってもらうことがとても重要ですよね。
加えて業界的に変化が激しいので、時代に合わせて自身をアップデートできる人、組織の成長に向かって力を合わせられる人を歓迎しています。
「人」と言う観点でMIXIの発展のために心を注ぐ3人。最後に後藤が今後の展望を語ります。
後藤:「人」という存在が会社にとっていかに重要かということを社員全員で噛み締めながら、未来に向けた組織づくりをしていきたいです。そのためにまず取り組みたいのが、前述のミッションとそれに付随するさまざまなアクション。ミッションの達成には数年かかることを覚悟していますが、人事本部で一丸となってこの大きなプロジェクトに取り組んでいきたいです。
※ 記載内容は2024年7月時点のものです