家族のつながりを豊かに。新卒デザイナーが追求する「みてねらしさ」への挑戦

2025.01.20
綾 哲志
大学でデザイン・建築学を専攻。1年間休学し、ブログやメールマガジンなどのライティング業務にも従事した経験を持つ。大学院で伝統工芸・伝統芸能・印刷技術を研究した後、2023年にMIXIへ入社。現在はVantageスタジオ みてねプロダクト開発部 デザイン1グループとして、主に新規プランの開発・改修に注力する。

2023年に新卒入社し、みてねプロダクト開発部にてデザイナーとして働く綾 哲志。大学・大学院で建築やデザインを学んだほか、1年休学してライター活動をしてきた異色の経歴を持ちます。PMWVを胸に家族間のコミュニケーションがより豊かになるような幸せな体験を届けたいと語る綾の仕事にかける思いとは。

デザインの力で家族の思い出をより豊かに。プレミアムProに携わるデザイナーの想い

Vantageスタジオ みてねプロダクト開発部 デザイン1グループに所属する綾。現在、「家族アルバム みてね」内の有料プランに関する新機能の開発や既存機能の改善に従事しています。

「もともと長い動画の投稿などができる『プレミアム』というプランがあって、2023年夏に動画の高画質アップロードなどより便利な機能が使える『プレミアムPro』プランが追加されました。私は現在『プレミアムPro』の開発・改善に力を入れています。新しい機能を追加したり、今ある機能をより使いやすくしたりするのが私たちの仕事です」

加えて、綾は部内の「20%ルール」を用いて以下のような業務にも参加しています。

「20%ルールは、業務時間の20%を自分の興味のある分野や挑戦したい分野に使うことができるという仕組みです。私は主に二つの業務に関わっていて、一つ目がデザインシステムの運用と改善です。デザイナーがデザイン業務を行いやすくなるようコンポーネントやガイドラインをそろえたり、エンジニアの方が開発しやすいように仕組みを整えたりしています。
もう一つが、『みてね』が個別で持っている採用サイトの運用改善です。昨年度末にリニューアルを実施し、その後も月に1度の定例ミーティングを実施しながら、採用情報の更新や不具合の修正、アクセス増に向けた改善を行っています」

MIXIのデザイナーはプロジェクトの上流から下流まで幅広く関わっていることが特徴だと語る綾。日頃の業務内容について語ります。

「たとえば、新機能を考えるときも初期段階からデザイナーが議論に参加し、プロダクトマネージャーやエンジニアと共に機能の具体的な理想像や仕様を決めていきます。その後、画面デザインやUIを作っていくので、上流部分からデザイナーとして関われている実感があります」

綾が所属するデザイン1グループのメンバーは7人。非常に気さくで話しやすい環境だと言います。

「平日の夕方はほぼ毎日オンラインで『夕会』を実施していて、そこで日頃の悩みを聞いてもらったり、その時見てもらいたいデザインを見せてレビューをもらったり。話しやすい雰囲気なので、困ったことはなんでも相談していますし、先輩方も丁寧に教えてくれます。また、私が気付けなかったことに先輩方が気づいてくれて『あれってどうなってる?』と声をかけてくれることも。サポート体制は万全です」

仕事をする上で大切にしている価値観について、綾は次のように語ります。

「デザインする時は自分一人で考えすぎるのではなく、小さなアイデアを積極的に出して、みんなで大きくすることを大切にしています。もちろん、最初から最後まで自分で責任を持ってやり遂げることは大切ですが、一人で長くボールを持ちすぎてしまうと方向性がわからなくなったり、リスクなどの問題点に気づけなくなったりすることが多いと思うんです。よりよい体験設計に早く辿り着くためにも思いついたアイデアはすぐに共有して、それをみんなでよりよいものにしていきたいといつも考えています。とくに『みてね』ではアジャイル開発を採用しているので、スピードが求められます。そのため、どんどんアイデアを出していくことを大切にしています。
入社直後は制作したデザインに対してレビューをもらうことにかなり緊張してしまい、会議の前日は眠れなくなることもありました(笑)。しかし、回数を重ねるうちに先輩方が一つひとつのアイデアに誠実に向き合ってくれることがわかって。アイデアを出せば出すほどよい体験に向けた誠実なフィードバックがもらえ、私としても勉強になるので、次第に積極的に安心して共有できるようになりました」

デザインやUI、UXに関わる上では以下のようなことを大切にしていると言います。

「まずはユーザーがどういう気持ちで『みてね』を開いて、画面を操作して思い出を振り返っているのかというユーザーの視点を大切にしています。ユーザーにとってより幸せな体験を届けられるプロダクトになるよう、新機能の開発や改善をしていきたいですね」

ものづくりへの憧れを仕事へ。両親の喜ぶ顔を原点に、デザインで人々の幸せを追求する

幼少期からクリエイティブな分野に興味があった綾は、建築とデザインが学べる大学へ進学します。

「小さいころから、ものづくりに興味がありました。両親に似顔絵を描いて渡した時に、喜んでもらえたことが嬉しくて。当時から『自分の作ったもので身近な人を幸せにしたい』という思いがありましたね。
また、電気工事の仕事をしている父の影響も大きいと思います。現場で使う棚など身の回りの必要なものを自作している様子を見て、自分でもノコギリで木材を切って箱を作ってみるなど、大工のようなものづくりに携わる仕事がしてみたいなと思うようになりました。一方でデザインにも興味があったため、建築とデザインの両方が学べる大学へ進みました」

大学での学びを深める中で、綾はさらなる挑戦を決意します。1年間の休学を選択し、ライターとしての経験を積んだのです。

「言葉もクリエイティブな分野の一つだと思っていて、人を感動させる言葉を生み出すスキルを身につけたいと思ったんです。実際にはコピーライティングというよりは、Webライターのような仕事をすることになったのですが、読みやすさを重視したWebサイトのコラム執筆やメールマガジンの文面の執筆を経験できました。この時学んだ『読みやすさ』の考え方は、今のUI/UXデザインにも活きています」

就職活動では、三つの軸を大切にしていました。

「一つめは、自分自身のこれまでの経験や強みを生かせること。二つめは、事業がめざす方向性や成し遂げたいものが社会的によいインパクトを与えられるかということ。そして三つめが、その事業が社会をよりよい方向に導き、ユーザーや人々をより幸せにすることができるか意識していました」

そんな中、就職活動サイトでMIXIからのメッセージがきっかけとなり、さらに調べていく中でMIXIの事業に引き込まれていきました。

「面接や企業調査を通じて、MIXIの事業領域が自分の経験や興味と合致していることに気づきました。MIXIはライフスタイル、スポーツ、デジタルエンターテインメントという三つの領域で事業を展開しており、どれも自身とつながりがあり『MIXIならどんな領域に進んだとしても熱意をもって仕事ができるな』と思ったんです。
まずライフスタイル分野では、もともと家族が『みてね』ユーザーだったんです。姉夫婦に子どもが生まれた時、姉夫婦と両親が『みてね』を通じて子どもの写真を共有しているのを隣で見ていました。孫の写真を眺めて両親が喜んでいる姿を見て、『こんなに便利なサービスがあるんだな』と感動したことを覚えています。
またスポーツ分野では、もともと小学校時代にサッカーをやっていて、地元にサッカークラブがあることが自分の夢を広げてくれ、頑張るための熱意を与えてくれるものでした。そして、地元にはボートレース場もあって、夏には会場を地域に開放してお祭りが開かれるなど『公営競技』というものが自分にとっても身近にありました。そのため、MIXIのグループ会社が運営しているスポーツチームや共遊型スポーツベッティングサービス『TIPSTAR』にも関心が湧きました。
さらに幼少期からゲーム好きだったこともあり、デジタルエンターテイメント領域も含めどの事業領域でも一生懸命頑張れる自信が生まれたんです。これが入社の大きな決め手になりました」

そして2023年に入社。みてねプロダクト開発部に配属されます。

「みてねプロダクト開発部ではアジャイル開発がしっかりと導入されているので、配属当初はスクラムガイドを読み込んで、開発体制の理解に努めました。それを理解した上でデザイナーとしてどう動くべきか考えながら行動しました」

先輩のサポートも、大きな支えとなりました。

「OJTを通して先輩デザイナーと並走しながら業務を学びました。配属前には先輩デザイナーのインタビュー記事や登壇の記事を読むなど、自主的に情報収集も行いました。このような準備が、スムーズな業務開始につながったと思います」

「みてねらしさ」を追求する若手デザイナーの挑戦。初めての経験で見つけた成長の糸口

綾がとくに印象に残っている出来事として挙げるのは、2024年2月に実施されたプロジェクト。「プレミアムPro」リリースを記念した既存の契約ユーザー向けのプレゼントキャンペーンで、綾はそのランディングページ作成を担当しました。

「『プレミアムPro』を既存のお客さまに使っていただくためのプロモーションでした。具体的には、キャンペーンのモーダル(※)作成を担当。入社して初めてメインのデザイナーとして、制作を最初から最後まで任せてもらえました。プレゼントキャンペーンという影響範囲が大きく明確な制作予算があるプロジェクトは初めての経験で緊張しましたが、同時に大きなチャンスをもらえてやりがいを感じました。
具体的には全体構成の提案、キービジュアルを含めたデザイン制作、さらにはタイトな期日の中でのスケジュール管理など、プロジェクトの初期段階から着手。短い期日の中でこれまでの経験を活かし、自分なりに業務フローを考えて動けたことが自信につながりました」

しかし、プロジェクトの進行中には苦労も多くありました。

「レビューの際に『みてねらしくない』というフィードバックをいただいて、正直戸惑いました。しかし、これをきっかけにあらためて『みてねらしいデザインとは何か』を探るようになったんです」

この経験を通じて、綾は過去の事例や他社事例と比較しながら、「みてね」のブランドアイデンティティを深く理解することに努めました。

「過去のキャンペーンやプロモーション、さらには競合他社の事例も参考にしながら、『みてねらしさ』を追求しました。この過程で『みてね』が大切にしている価値観や表現方法についてより深く理解することができ、現在の仕事にも役立っています。
分析を通じて感じた、私の思う『みてねらしさ』とは、シンプルで温かみのあるプロダクト。画面や機能がごちゃごちゃしておらず、一つひとつの機能に心温まる仕掛けや仕組みが散りばめられているのが、『みてね』の特徴の一つだと感じました。それ以来、『みてね』の雰囲気やこれまで培ってきた『みてねらしさ』を守ってデザインをすることをとても大切にしています」

またこのプロジェクトを通じて、チームワークの重要性も再認識したと綾は語ります。

「困ったことがあった時はすぐに先輩や上長に相談し、アドバイスをもらいながら作業を進めていくことの大切さを、身をもって学びました。このプロジェクトを通じて一人で抱え込まず積極的にフィードバックを求め、チーム一丸となって制作を進めていくプロセスが身についたと感じています」

※モーダル……ポップアップウィンドウのようなUI要素のこと

チームの垣根を超えて磨かれる「みてね」の価値──MIXIならではの協働文化

MIXIの企業理念であるPMWV(※)。綾はパーパスの「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」を重視し、家族間のコミュニケーションのあり方を考え続けています。

「『みてね』は家族間のコミュニケーションがメインなので、それを悪化させるような機能は避けるべきだと考えています。家族間のコミュニケーションをより豊かにし、幸せな状況をつくり出すことをめざしています」

日々の業務の中でもPMWVを落とし込む努力をしていると語る綾。デザインが無難なものになりがちな時は、いつでも「ユーザーサプライズファースト」を意識し、何が驚きや感動につながるのか考えます。

「たとえば、2023年の夏から秋にかけてサブデザイナーとして携わったキャスト機能の開発プロジェクトが印象深いですね。このプロジェクトでは、スマホで見ている『みてね』の写真や動画をテレビの大画面で見られるようにする機能を開発しました。
キャスト機能自体がユーザーに驚きを与えるサービスですが、複雑な操作などでその感動を阻害しないよう、使いやすい動作を模索。とくに『みてね』ユーザーには機械操作が苦手な年齢層の方も含まれるので、誰にでも使いやすい機能をめざすことであらゆるユーザーにサプライズを届けられるよう、心がけました」

アジャイル開発の中ではミニマムで開発が進む傾向がありますが、綾はその中でも「ユーザーサプライズファースト」の精神を忘れません。

「ミニマムな開発の中でも、ユーザーの心が温まるような体験を提供するために削れない部分があると考えています。開発の工数との兼ね合いを考慮しつつ、時にはそれに抗ってでも、ユーザーがより豊かな体験ができるようにしたいと考えています」

綾だけでなくMIXI全体も「よいプロダクトを作りたい」という想いに溢れていると言います。

「個人の努力だけでなく、チーム全体でよりよいものを作ろうとする強い意識があります。困ったことがあると、すぐに駆けつけてくれる人が多いんです。これはみてねプロダクト開発部だけでなく、MIXI全体に言えることだと思います。
たとえば、みてねプロダクト開発部のチャットツールにはさまざまなチームのデザイナーが集まるチャンネルがあって、そこにアイデアを投げると、日頃全然関わりのないデザイナーからもレビューがもらえたりするんです。このようにチームの分け隔てなく、『みんなでブラッシュアップしていこう』とする文化があるところが、MIXIの魅力の一つだと思います」

理想的な環境で働けていると語る綾が、MIXIで活躍できる人材について自身の経験を踏まえて考えを述べます。

「デザイナーなので、もちろんデザインを通じてよりよいコミュニケーションを生み出せる人は活躍できると感じます。社内のコミュニケーションもそうですし、ユーザーに届ける体験としてのコミュニケーションを生み出せることも大切ですよね。
一方でそれだけじゃなくて、業務を進めていく上で会話などを通じた日常的な社員同士のコミュニケーションも大切にできることが大切だと思っていて。成果物と日々の振る舞いの両方で、コミュニケーションを大切にできる人なら活躍できるのではないかと思います」

最後に今後のビジョンについて、綾は二つの目標を挙げました。

「まず中長期的な目標として、より売上にインパクトを与えるような中規模、大規模の新規開発に携わりたいと考えています。そしてより長期的な目標としては、『家族アルバム みてね』を中心とした『みてね経済圏』における新規事業のリードデザイナーを担当することをめざしています。そのために、これからもさまざまな経験を積んでいきたいですね」

※ PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」
※ 記載内容は2024年10月時点のものです

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