「minimo」を支えるPMと、10秒で動くセキュリティ担当。企業理念を体現する2人の軌跡


- 吉田 智咲
- 大学時代は経営学部マーケティング学科でサプライチェーンマネジメントを専攻し、アルバイトやインターンシップを経て、2024年4月にMIXI入社。現在、Vantageスタジオ minimo事業部 プロダクト推進グループに在籍し、PMとして「minimo」のバイラル施策や機能改善のプロジェクトを牽引している。

- 藤本飛鳥
- 新卒入社した会社でデータセンターのオペレーターを務め、2社目では情報システム担当として社内インフラやセキュリティ関連の業務に携わった後、MIXIに入社。現在、セキュリティ室 セキュリティ管理推進グループでインシデント対応やシステムのリスク管理を担い、会社の情報セキュリティ対策に貢献している。
MIXIの企業理念 PMWV(※)の一つ「VALUES」を実践し、活躍した入社1年目の社員に贈られる「MIXI AWARD 2025(以下、AWARD)」のVALUES賞 新人部門。今回は、minimo事業部の吉田 智咲とセキュリティ室の藤本 飛鳥が受賞しました。新卒、キャリア入社と対照的な道のりを歩んできた二人が、どのような想いを込めてPMWVを体現してきたのかを語ります。
※PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」
ものづくりへの姿勢や人柄。「こんな大人になりたい」と思える人が多いのがMIXI
VALUES賞 新人部門で表彰された吉田と藤本。入社前からアルバイトやインターンシップでMIXIに関わってきた吉田は、「ひそかに受賞を狙っていた」と明かします。
藤本は、MIXIで3社目というキャリア入社組。社会人歴はおよそ10年で、新人部門での受賞について照れくさそうに話します。
そんな二人のMIXIとの出会いや、入社した理由とは──。
吉田:大学時代は経営学部マーケティング学科で、マーケティングだけではなく、実践的な経営(マネジメント)についても幅広く学んでいました。その頃、新規事業の立ち上げに関心があって、大学3年生の夏にMIXI主催のビジネスコンテストに参加した時、蓉童さんが私のチームにメンターとして加わってくれたんです。
私は高校生の頃からサロンスタッフ直接予約アプリ「minimo」のユーザーだったこともあり、蓉童さんと「minimo」について「もっとこうなったら、さらに良くなると思うんですよね」と話していたところ、「うちでアルバイトしてみない?」と声をかけていただいて。アルバイトとして働きながら、MIXIにはどんな人がいて、どんな働き方ができるのかを知ることができ、その上で採用面接を受けました。
入社の決め手は、自分が働く姿がもっともイメージできたのがMIXIだったことと、職場の方々のものづくりに対する姿勢や人柄に惹かれたからです。私自身、周りに流されやすいところがあるので、「こんな大人になりたい」と思える方々の近くで働きたいと思っていて、そう感じる人が一番多かったのがMIXIでした。
藤本:私は、新卒入社した会社でデータセンターのオペレーターを務め、2社目では情報システム担当として社内インフラやセキュリティ関連の業務に携わっていました。
転職を考えていた頃、転職エージェントからご紹介いただいたのがMIXIでした。現在の上長である方々と、自分のキャリアやこれから挑戦したいことなどをお話しさせていただく中で、「すごく話しやすいな」と感じたのを覚えています。真摯なお人柄も垣間見えて、ここでなら、チームの皆さんとよいコミュニケーションをとりながら納得のいくキャリアが築けるのではないかと感じ、「ぜひ一緒に働きたい」と思ったんです。
普段MIXIで働く中で、もっとも大切にしているPMWVの価値観について語る2 人。
藤本:私が働いているセキュリティ室は、直接お客さまにサービスを提供している部署ではありませんが、社内の方々に対して丁寧な説明を心がけるなど「誠実」な対応を大切にしています。というのも、まずは従業員の皆さんにセキュリティへの理解と協力をいただくことが、最終的にはその先にいるお客さまの大切な情報を守ることにつながると考えているからです。
吉田:藤本さんとはタイプが違うんですが、私は「夢中」を一番体現できているかなと思っていて。スキルもまだまだで未熟だからこそ、誰よりも没頭して、仕事を思い切り楽しみたいなと。今、PM(プロジェクトマネージャー)としてみんなを巻き込む立場なので、私自身が楽しむことでその想いを広げ、メンバーのみんなにもなるべく楽しく、明るく働いてもらえたら嬉しいなと思っています。あと最近では、新しくバイラル施策にも挑戦しているので、これからは「発明」もしていけるように頑張っていきたいですね。
夜間や休日のインシデント対応。スピードを意識し、10秒以内で対応を始めることも
藤本は、セキュリティ業務で未経験だった領域にも挑戦する中で、PMWVの実践に努めてきました。
藤本:インシデント対応については、前職時代はシステムが整っていない中小企業で、見よう見まねで対応していたのですが、今では対応が体系化されて記録も残る仕組みになっていて、初めて目にして学ぶ部分が多かったですね。
夜間や休日には迅速な対応を徹底し、時には10秒以内で対応を始めることもあります。前々職のオペレーター時代から、アラートにはいち早く対応することを意識していて、今も「チームメンバーより早く反応し、対応する」をモットーにしています。夜中の発生に関しては、緊急で対応すべきものと翌営業日でも問題ないものを見極める必要があるので、まずはインシデント報告を確認した上で判断するようにしています。
そして、情報システム管理台帳の対応を引き継ぎ、全社・グループ会社のシステムを整理したのも大きなチャレンジでしたね。全社向けにヒアリングして情報収集をさせていただいたのですが、数多くの事業部と調整し、部長や担当者の方から聞き取るという作業を繰り返し、その規模の大きさも含めて私にとって新鮮でやりがいのあるものでした。
その際に心がけたのは事業部の皆さんをユーザーとして捉え、なるべく負担をかけず、期待を上回るものを提供することです。ヒアリングの場では、できる限りかみ砕いてわかりやすく説明することを意識して臨みました。
一方の吉田は、現在「minimo」のバイラル施策や機能改善のプロジェクトをリードしており、その実情を話します。
吉田:人が人を呼ぶ仕組みをつくることでサービスを大きくしていくのがバイラルという考え方で、ひっぱりハンティングRPG「モンスターストライク」やSNS「mixi」などでも採用されており、MIXI が大切にしている考え方の一つです。「minimo」にはその仕組みがまだなく、私は入社したその日に上司から「君は今日からバイラルリーダーだ」と言われて(笑)。MIXIのサービスである以上、人と人とのコミュニケーション、つながりを深める仕組みを築いていきたいと思いましたし、人が人を呼ぶことで広告宣伝費を抑えられるという意味でもぜひチャレンジしたいと思いました。
難しいのは、「minimo」が美容の予約サービスなので「みんなで美容室に行こうよ」とはなりにくく、バイラル施策を展開しにくい点です。そこで、友達のイメチェンした髪型やかわいいネイルを見ることで、自分も髪を切りたくなるとかネイルをしてみたくなるという感じで、想いが広がっていく体験を生み出し、最終的には「これ、『minimo』でやったんだよね」って友達に話したくなるような施策を今、企画しています。
私自身もバイラルを体験したことがあります。たとえば友達のまつげがすごくきれいに上がっていたので「それ、どこでやったの」とサロンを教えてもらったり、友達が髪型をボブにしたのを見て自分も髪を切りたくなったり。そんな経験を今の仕事に活かしていきたいと思っています。
「minimo」の検索機能に関しては、ユーザーにとってどのように検索するのが一番わかりやすく、より自分に合った美容師さんに出会えるのかという将来像をまず描きました。その上で、実現に向けて各施策に具体的に落とし込み、それぞれの施策について1年間、ずっとPDCAを回してきましたね。
日々、業務に励む中でPMWVを意識する場面も多いと語ります。
吉田:ユーザー向けの新しい機能を考える際には、「そこに幸せな驚きはあるか?」という「ユーザーサプライズファースト」の観点をチームの一人ひとりが自分自身に問いかけています。ただびっくりするだけではなく、ちょっとワクワクしたり、ときめきたり、人に話したくなったり。そんな体験を届けられるかが、私たちの判断軸になっていますね。
PMWVは抽象的な概念で、「豊かなコミュニケーション」と言っても、人によって捉え方が違うかもしれません。だからこそ、具体的にどんな体験をつくりたいかはきちんとすり合わせ、認識にズレが生まれないようにしています。今年、「minimo」では新しくメインターゲットのペルソナを設定したため、たとえば「メインペルソナが、この画面を見たらどう思うか」のように、チームみんなで同じイメージを持って会話できるよう心がけています。
チームに浸透している「発明」の価値観。AIによる業務の自動化が次々と実現
それぞれのプロジェクトを進める中で、「チームとしての一体感」を感じるシーンがあると話す二人。
藤本:インシデント関連については私だけがずっと張りついているわけではなく、主に、もう一人のメンバーと二人で対応しています。日頃から協力し、役割分担をしながら進めているので、チームとしてしっかり機能していると感じています。
日頃、メンバーや他の方々と信頼関係を築くのが大事だと思っていて、私自身、わからないことがあればすぐに共有、相談するようにしています。まだまだ知識やスキルが足りないと感じることもあるので、専門的な技術や知見を持つ社内の有識者の方々に、素直に助けを求めたいなと。とくにインシデント対応では、聞くのを恥ずかしがるよりは、聞いて少しでも早く解決することのほうが絶対に大事だと思っています。
吉田:周りの皆さんとの一体感を感じること、私もよくあります。たとえば、自分や誰かのアイデアが評価され、「それ、めっちゃよさそうだね」とチームのみんなでワイワイ盛り上がるとき。また、企画段階では自分が考えていなかったことでも、デザイナーやエンジニアの方々から「もっとこうしたらよくなるんじゃない?」とアドバイスをもらって協力しながらブラッシュアップした結果、「これならユーザーに喜んでもらえそう!」というプロダクト企画ができ、みんなが笑顔になる瞬間も好きです。
その後、プロダクトがユーザーのもとに届き、「本当に喜んでもらえたね」ともう一度チームのみんなで、その感動を共有できることもすばらしいことですよね。アプリストアの口コミやSNSでの反応もよくチェックしていますし、私の友達には「minimo」のメインターゲット層が多いので、友達に使い勝手を聞いたり、「今、予約してみてくれない?」とお願いして体験の様子を見せてもらったりして「こういうふうに使っているんだな」と日々勉強しています。
一体感を育むために、私は日頃からチームの皆さんとの雑談を大切にしています。入社2年目でまだまだわからないことも多く、困りごとを相談しやすい環境をつくれたらと思って始めたことなんですが、そうすることでデザイナーやエンジニアの方々からも、よりよいプロダクト作りに向けて積極的に意見を出してくれるようになって、やってよかったなと感じています。
藤本と吉田はそれぞれの職場で、PMWVの浸透を実感していると言います。
藤本:セキュリティ室では現在、AIを活用した業務の自動化などに積極的に取り組んでいて、インシデント対応では、発生時にAIがインシデントの内容を確認して自動で初動対応できる仕組みを検討しています。これまでになかったものでも臆せずどんどん取り入れようとする姿勢は、まさに「発明」という価値観がチームに浸透している証しだと感じています。
そういった価値観が定着することで、「他の業務もAIで自動化できないかな」といった新たな案が次々と生まれ、実際に実装に至るなど、取り組みの広がりを実感しています。
吉田:私の周りで一番浸透しているのは「ユーザーサプライズファースト」の価値観だと思います。機能の内容について悩んだ時でも、「どうすれば驚きや喜びを届けられるか」という視点が軸として定まっているので、そこに立ち返って考えられるのがいいですね。
また、「minimo」には予約の際に使ってくださるお客さまと、サロン情報を載せてくださるスタッフの方々という2パターンのユーザーがいます。そのどちらにとっても嬉しいサービスになっているかという視点はみんなが意識しています。「なるべくお得に予約したい」と思うお客さまと、「技術を磨いて単価を上げたい」と考えるスタッフの方がいる中で、どちらにも「『minimo』っていいじゃん」と思っていただけるものは何だろうと、日々考えを巡らせています。
周囲に信頼される存在になるために。一つひとつのスキルを高め、できることを増やしたい
今回表彰された吉田や藤本のような行動を他の従業員が見習って実践するためには、どんな心構えが必要なのか。二人は、それぞれの経験を踏まえて語ります。
MIXIで働く魅力について話す時、吉田は若手にもチャレンジの機会が多く与えられていることを挙げます。
吉田:私のように社歴の浅い新卒であっても、規模の大きな仕事に携わることができる点ですね。やりたいことがあるときには、手を挙げれば任せてもらえる環境なので、挑戦してみたいものは素直に「やりたいです」と伝えるようにしています。
また、業務とは直接関係ない分野でも、知識を身につけたいと思ったことに対して周囲がサポートしてくれるのもありがたいんです。私はPMを任された当初、開発の知識がなく、「minimo」のエンジニアである本間 光宣さんと檜垣 俊希さんに「エンジニアの仕事や開発について勉強したいです」と伝えたところ、 「一度、自分で手を動かして体験してみたら?」と。そこで「minimo」の予約履歴のAPIを、同期メンバーと一緒に書かせていただいたんです。チャレンジをさせてもらえたことで、「開発ってこうやってるんだ」「この仕様が決まらないと、エンジニア側としてはきついだろうな」「後からこんな修正をお願いして申し訳なかったな」などと気づくことができ、物事の解像度がぐっと上がった実感があります。
MIXIで華々しいスタートを切った二人が、これから成し遂げたいことを語ります。
吉田:「minimo」をもっともっと大きなサービスに育てていきたいです。今、ロイヤルユーザー層の友達の話を聞くと、「『minimo』を使うと安く済むよね」というイメージにとどまっているようなので、「この美容師さんにお願いしたいと思った時に『minimo』って使いやすいよね」など、人を選べることに価値を感じてくれるユーザーを増やせるように頑張りたいですね。いつか、友達を含むたくさんの人たちに「最近の『minimo』っていいね」と言ってもらえる日が来ることを楽しみにしています。
個人的にはいろんな人たちに信頼されることが目標で、そのためには一つひとつのスキルを高め、できることを増やしていきたいと思っています。ゆくゆくは、minimoで「新しいことやりたい」となった時に「とりあえず智咲に相談してみようか」と思い浮かべてくれるような存在になれたら嬉しいですね。
※ 記載内容は2025年6月時点のものです