「こだわり」だけでは届かない。視点を広げて挑む新卒デザイナーの成長

い- 中野 梨杏
- 美術大学でUI/UXデザインを学び、有志でオープンキャンパスの特設サイト制作などにも携わる。2024年にMIXI入社後は、海外向けのエンターテインメント事業を経て、現在は子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」のUI/UXデザインを中心に、デザインガイドラインの作成なども担当している。
「デザインを通じて、人を笑顔にしたい」──そんな想いを胸に、2024年に新卒でMIXIに入社した中野 梨杏。学生時代の“作品づくり”から一歩踏み出し、現在はチームで価値を届けるデザイナーとして挑戦を重ねています。「家族アルバム みてね」のUI/UXデザイナーとして活躍する中野が、MIXIで広げた視点と、その先に描く理想の姿とは。
目次
「人を笑顔にしたい」その想いが重なった、MIXIとの出会い
美術大学でWebサイトやアプリケーションのUI/UXデザインをメインに学びながら、幅広いデザインに触れてきた中野。授業での学びを土台に、現在の仕事につながる大きな転機となったのが、有志として参加したオープンキャンパス用のWebサイトの制作でした。
「当時はコロナ禍で、オープンキャンパスに参加できる人数が限られていました。会場に来られない人にも、学科の魅力をきちんと伝えたい。そう考えたことがきっかけで、学科紹介の特設サイトを制作することになったんです。
当初は、『学校から伝えたいことは何か』という運営側の視点に偏っていました。そんなとき、教授から『受け取る側は何を知りたいのかを考えてみては』とアドバイスをもらったんです。その言葉をきっかけに、ユーザー目線や制作スケジュールを考えるプロダクトの視点など、複数の視点を行き来しながらWebサイトのあり方を考えることの大切さを学びました。
それまで授業で制作していたものは、自分の好みを反映した『作品』に近かったのだと気づきました。誰かにとって本当に役立つかどうかを前提に考える。その視点を持てたことが、いまの仕事にもつながっていると感じています」
この経験を通して、「誰に、どんな価値を届けたいのか」を意識するようになった中野。就職活動では、その想いを軸に企業選びを進めました。大切にしていたのは、「自分のめざすデザインと会社の方向性が重なっていること」「尊敬できる人がいること」「早くから裁量を持って挑戦できる環境があること」の3つでした。
MIXIが掲げる『心もつなごう。』という言葉や、『ユーザーサプライズファースト』という考え方に触れた時、人のつながりを大切にしながらサービスを生み出そうとしている会社なんだなと感じました。ここなら、デザインで誰かを喜ばせる仕事ができるかもしれないと思ったんです。また、選考の場でのやりとりも印象的でした。面接では、『答えにくかったら申し訳ないのですが……』と前置きをしてくださったり、私の話を丁寧に聞いてくださったりして。受ける側である私に、ここまで寄り添ってくれるんだといい意味で驚きました。その姿勢に感銘を受け、『この会社で働きたい』と自然に思えたんです」
「こだわり」だけでは届かないと気づいた、1年目の挑戦

入社後、最初に配属されたのは、海外向けのエンターテインメント事業を担う部署でした。そこで本格的に「サービスの一員としてデザインに関わる経験」をし、その経験が、今の自分の土台になっていると話します。
「最初に任されたのは、サービスの改善点を洗い出し、提案することでした。実際にサービスに触れながら、『なぜこの仕様になっているのだろう?』『ここはもっとわかりやすくできるのではないか』と自分なりに考え、修正案をまとめました。正直、いくつかは採用されるだろうと思っていたんです。けれど、実際に形になったのはほんの一部だけでした。そこには、ビジネス上の優先度や実装の難易度、限られたリソースなど、私が見えていない前提があったんです。
学生時代から『複数の視点を持つこと』は意識していたつもりでしたが、それでも足りなかった。デザイナーのこだわりだけではサービスは成り立たないのだと痛感しました。この経験が、サービス全体を見渡す視点を持とうと思えるきっかけになり、今の仕事にもつながっています」
その後、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」へ異動。既存機能の改善や新規開発を担う中で、企画やエンジニアと議論を重ねながら、自ら進め方を考える場面が増えていきました。若手でも任せてもらえる。就職活動で掲げていた「裁量を持って成長できる環境」が、目の前にあると感じた瞬間でした。
「やりたいことが決まっていても、『どんな体験として届けるのか』『それをどう実現するのか』は、デザイナーだけでなく企画やエンジニアと話し合いながら一緒に形にしていきます。その際、ユーザー体験の観点から意見を伝え、より良いアウトプットへ導くこともデザイナーの大切な役割です。そして、実際にデザインの検討に入ってからも、必要な情報を集めたり、どのタイミングで誰に相談するかを考えたりと、進め方そのものを組み立てていきます。デザインを固めるまでのプロセスを設計し、チームと連携しながら前に進めていく——その両方を担うことが、今の私のリードの形です。
早くから責任を持って任せてもらえるのは簡単なことではありませんが、答えのない課題に向き合いながら、チームで最適解を探していく感覚にやりがいを感じています」
責任を持って施策を動かすことには、やはり緊張感も伴います。それでも挑戦を続けられるのは、困った時に寄り添い、背中を押してくれる仲間の存在があるからだと中野は語ります。
「『どんなことに挑戦してみたい?』と声をかけてもらい、いくつかある施策の中から自分で選ばせてもらうこともありますし、『この施策、チャレンジしてみない?』と任せてもらうこともあります。もちろん、『困ったらいつでも相談してね』と必ず言ってくださるんです。
ただ応援するのではなく、期待を込めて任せてくれる。その上で支えてくれる安心感があるからこそ、初めてのことにも前向きに挑戦できているのだと思います」
「まず動いてみる」姿勢と出会って変わった、仕事との向き合い方

1年目から主体的に仕事に向き合う中で、中野には大きな学びがありました。それは、日々そばで支えてくれた先輩たちの姿勢から得たものだったと話します。
その姿勢の意味を強く実感したのは、「みてね」に新機能を取り入れる大きなプロジェクトに関わった時だったと振り返ります。
「当初は、できる限り正確な計画を立てたいと思っていました。どんな画面が必要か、どんな課題が出てきそうかを事前に洗い出そうとしたのですが、すべてを想定するのはやはり難しくて。開発が始まると、見えていなかった課題や想定外の制約が次々と出てきました。そのたびに、『計画通りに進まない』『やることが増えてしまった』と焦っていたんです。
けれど先輩たちは、そんな状況でも焦ることなく、『じゃあ、今の前提ならこう修正してみましょうか』と自然に次の一手を決めていくんです。決して無計画というわけではなく、きちんと準備をした上で、状況に合わせて最適な判断を重ねていく。その姿を見て、計画に固執するのではなく、変化に合わせて考え続けることが大切なのだと学びました」
そして、こうした変化はコミュニケーションのあり方にも表れていきました。
「学生時代は、同じデザインを学ぶ仲間と制作していたので、知識量も近く、『なんとなく』でも通じ合えていました。でも仕事では、専門も立場も異なるメンバーと一つのプロジェクトを進めていきます。
だからこそ、自分がなぜその提案にたどり着いたのか、その背景や意図をきちんと伝えることを意識するようになりました。データを根拠に示したり、エンジニアの工数を想定して複数のパターンを用意したりと、『どうすれば相手が理解しやすいか』を考えるようになったのは、自分の中でも大きな変化だと思います」
ユーザーに誠実であるために。“つくる”だけでなく、前に進めるデザイナーへ

事業会社でデザイナーとして働く中で、中野がとくに魅力を感じているのが、ユーザーとの距離の近さです。
ユーザーの声やデータを大切にする背景には、MIXIのPMWV(※)の存在もあると言います。
「とくに意識しているのは『誠実』であることです。仲間とのコミュニケーションでも、仕事そのものに対しても、そしてユーザーに対しても、誠実でいたいと思っています。自分の考えを持つことは大切にしながらも、ユーザーの声やデータから目をそらさない。その積み重ねが、結果としてより良いデザインにつながるのではないかと考えています。まだ模索している途中ですが、そうでありたいと日々向き合っています」
所属チームでの業務に加え、事業部内の有志のメンバーが集まるコミュニティにも参加している中野。「みてね」のデザインシステムコミュニティでデザインの一貫性を保つためのガイドライン構築や公式noteでの発信などにも挑戦しながら、デザイナーとしての視野をさらに広げています。めざすのは、施策を前に進められる推進力のあるデザイナーです。
デザイナーの仕事は、美しい画面を作ることだけではないと感じています。状況を見極めて最適な判断をしたり、必要な時に必要な人と連携しながら、施策を前に進めていく力も必要です。そうした力を磨きながら、自然と頼ってもらえる存在になれたら嬉しいです」
※PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」
※記載内容は2026年1月時点のものです












