探究心を起点に、技術を事業につなぐ。MLエンジニアの挑戦

2026.03.30
牧野 舜
大学・大学院では物理学科に所属し、数値計算やプログラミングに取り組んだことをきっかけにエンジニアをめざす。基礎技術の研究開発職を経て2025年にMIXIに入社。開発本部 たんぽぽ室 AIモデリンググループに所属し、ML(機械学習)サービスの検証開発に携わっている。

「技術はあくまで『ユーザーサプライズファースト』を実現するための手段」と語る牧野 舜。開発本部 たんぽぽ室 AIモデリンググループで、プロダクト開発を横断的に支援するML(機械学習)エンジニアとして活躍しています。探究心を原動力に挑戦を続ける牧野が語る、技術で事業に価値を届けるおもしろさとは。

技術は手段。ユーザー起点で最適解を選ぶ

開発本部たんぽぽ室 AIモデリンググループは、AIのエキスパートが集まり、MIXIの多種多様なプロダクトやチームの課題解決を支援する組織です。牧野は、主にゲーム向けML(機械学習)サービスのPoC(概念実証)を担当し、技術的な実現可能性を検証しています。

「調査から技術検証、プロトタイプの構築までを一貫して担当しています。開発本部は全社横断の組織ということもあり、私自身も複数のプロジェクトを掛け持ちしながら、各プロダクトチームをサポートしています」

MLエンジニアという専門性の高さがあるからこそ、「技術という『手段』が前に出すぎないようにしたい」と牧野は話します。

「機械学習は課題解決において大きな力を発揮しますが、あくまで手段の一つだと考えています。特定の手法に固執せず、深層学習やLLM(大規模言語モデル)、あるいは従来のアルゴリズムも含め、課題に対して最適なものをフラットに選ぶようにしています。

そのために、プロダクトの担当者と丁寧にコミュニケーションを重ねながら、課題の本質やめざすべき状態を一緒に捉えていくことを大切にしています」

その根底には、MIXIが大切にする「ユーザーサプライズファースト」という考え方があると続けます。

「何より大切なのは、ユーザーが『これ、いいね!』と思えるサービスをつくることです。機械学習という手段が前に出すぎて、本来めざすユーザー体験を損なってしまってはいけません。

たとえば、ゲームは1日のアクティブユーザー数や同時接続数がとても多いため、それに耐えうるアーキテクチャ設計が欠かせません。そのため、インフラやアーキテクチャに精通している開発本部のメンバーに力を借りたり、自分自身でも実際にゲームをプレーして体験を確かめたりしながら、サービスとして最適な形を模索しています」

研究から実装へ。価値を届ける仕事を選んだ理由

学生時代、物理学科で学んでいた牧野。もともと数式や数字に向き合うことが好きで、そうした要素を活かせる仕事に惹かれていました。そんな中で出会ったのが機械学習。エンジニアの道を志す大きなきっかけになったと振り返ります。

「数値計算の分野でプログラミングに触れていたこともあり、エンジニアという仕事には以前から興味がありました。ちょうどその頃、機械学習が大きな盛り上がりを見せ始め、物理学の分野でも応用した研究が出てきていました。そこで自分でも勉強を始め、簡単なディープラーニングのモデルを動かしてみたときに、『これはおもしろいな』と感じたんです。その体験が、MLエンジニアをめざす決め手になりました」

修士課程を修了後は、基礎技術の研究開発に従事。そんな中、LLMなどの技術が急速に発展していく様子を目の当たりにする中で、ある思いが芽生えていったと言います。

「技術を研究するだけでなく、実際にプロダクトに実装して、ユーザーに価値を届けたいと考えるようになりました。MIXIであれば、ユーザーへの価値提供を目的とした機械学習の実装に携われると知り、自分の想いがかなえられるのではないかと思ったのです」

加えて、カルチャー面でも惹かれる部分があったと続けます。とくに印象に残っているのが、選考過程や入社直後に感じた「MIXIらしさ」です。

「MIXIは『誠実』というバリューを大切にしていますが、選考で出会った社員の方々も、まさにその言葉を体現していると感じました。技術に強いだけでなく、誠実に向き合ってくれる方が多く、『こんな人たちと一緒に働きたい』と思ったんです。

また、私は基礎研究をメインにしていたため、Web開発を含めた実務的な開発スキルに不安がありました。その懸念を正直に伝えたところ、人事の方から『新卒向けの技術研修があるので、一緒に受けてみませんか?』と提案していただいて。一人のキャリアや不安にこんなに真摯に向き合ってくれるのかと驚きました。

実際に研修を受けさせてもらえたことで基礎スキルを身につけることができ、今では上長からも『開発スキルも問題ない』と言ってもらえるようになりました。あのときの経験が、今の自分の土台になっていると感じますし、とても感謝しています」

仮説と検証で突破する。チャレンジから学んだ仕事の進め方

入社してわずか数カ月後、牧野は画像認識に関するプロジェクトを任されます。

「課題の特定から技術調査、検証、そして最終的にプロダクトに組み込まれるまで、一連の工程を担当することになりました。ただ、画像認識で検知したい対象がとても抽象的で、事前にラベル(正解データ)を定義することが難しいことがわかったのです。もともとこの領域に詳しかったわけではないので、自分の中でもかなりチャレンジングなプロジェクトでした」

その状況でどのようにリードしていくか──基礎研究に取り組んでいた経験を活かし、自分なりの突破口を見つけます。

「課題の背景や『あるべき姿』を捉えた上で、仮説を立ててフィードバックをもらう——その基本に立ち返ることが大切だと気がついたのです。そこで、プロダクト側のメンバーとコミュニケーションを重ねながら、『まずはこの部分の検知から始めるスモールスタートでいきましょう』と提案し、ベースラインを作っていきました。

古典的な手法から画像を扱えるLLMまで、さまざまな技術を検証するのは簡単ではありませんでしたが、最終的には無事にプロダクトに組み込むことができました。先輩たちにサポートしてもらいながらではありましたが、自分の手で検証してきたものが、最終的にプロダクトとして形になったときは、大きな達成感がありました」

この経験を通じて牧野が学んだのは、コミュニケーションの大切さと、相手の立場に立って仕事を進めることでした。

「プロダクト側のエンジニアが、必ずしも機械学習に精通しているわけではありません。だからこそ、それを前提とした伝え方を心がけると同時に、自分が提供するコードや設計が、相手にとってわかりやすいものになっているかを常に意識しました。

たとえば、実際にプロダクトに組み込む際には、『残りの作業は何をすればいいのか』がコードを見ただけでわかる状態をめざしました。その結果、『とてもやりやすかったです』というフィードバックをもらえたときは、本当に嬉しかったですね。

これまで、機械学習以外の技術も含めて積極的に学んできた経験が、こうした場面で活きていると感じましたし、この視点を持てたのは、入社時の研修で得た学びがあったからこそだと思っています」

「発明」は試行錯誤の先に。仲間とともに価値を生み出す

自分の得意・不得意と向き合いながら、さまざまなことを積極的に学び、領域を広げることを楽しんでいる牧野。その探究心こそが、MIXIでのやりがいにつながっています。

「今のチームの魅力は、守備範囲の広さにあると思います。機械学習の専門知識はもちろん、それをアプリケーションに落とし込めるメンバーもいて、それぞれが強みを発揮しています。日々刺激を受けながら働ける環境です。

また、技術的に指摘が必要な場面でも、『どうすればもっと良くなるか』という視点で建設的に議論できる人が多いと感じます。そうした誠実な姿勢にも、学ぶことがとても多いです。

私は、MIXIのPMWV(※)にある『発明』という言葉も好きなのですが、『発明』は一朝一夕で生まれるものではなく、日々のインプットや試行錯誤を積み重ねた先にあるものだと思っています。この会社には、それを体現している人が多いと感じていて。たとえAIなどの最新ツールがなかったとしても、自分の力で『発明』にたどりつくのだろうな、と感じる人ばかりなんです。

私自身も、誠実に『発明』に向き合い、たどりつける人でありたいと思っていますし、そんな魅力的な人たちに囲まれているからこそ、安心して挑戦できるのだと感じています」

刺激を受けながら学び続けられる環境でありながら、安心して挑戦できるMIXIで、どんなエンジニアをめざすのか──牧野は、こう話します。

「現在は機械学習とバックエンドを主軸にしていますが、今後はAIの力も活用しながら、さまざまな技術分野に精通し、機械学習を応用した価値提供をしていきたいと考えています。そして将来的には、技術でチームをリードできる存在をめざしています。

以前、大人数での開発プロジェクトに参加した際、メンバー間での認識合わせや、スピード感を持ちながらも先を見据えた対応など、チーム開発ならではの難しさを実感しました。その経験から、全体のゴールを描き、チームを導ける力を身につけたいと思うようになりました」

「そのためのお手本は、MIXIにたくさんいます」と笑う牧野。尊敬するメンバーと共に、MIXIが提供する価値に貢献していきたいと意気込みます。

「これまでの機械学習は、どちらかというとユーザーから見えにくい『縁の下の力持ち』のような存在でした。でもこれからは、ユーザー向けのAI機能などを通じて、新たな形で驚きを届けられる可能性があると思っています。

MIXIが掲げる『豊かなコミュニケーション』や『「心もつながる」場と機会の創造。』の実現にも、そうした技術がつながっていくはずです。その可能性を形にしていくために、これからも試行錯誤を続けていきたいです」

※ PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」
※ 記載内容は2026年2月時点のものです

関連記事はこちら

人気の記事はこちら