4月から制度となった「マーブルワークスタイル 2.0」その全容が明らかに

4月から制度となった「マーブルワークスタイル 2.0」その全容が明らかに

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、ミクシィでは2020年1月末から段階的にリモートワークへと移行してきました。4月には、政府の緊急事態宣言を受け「全社原則リモートワーク」を決定。
[ミクシィが新型コロナ対策でやったこと、やっていること]

そして、2020年7月以降、ミクシィは“マーブルワークスタイル”と呼ばれる出社とリモートワークを融合した働き方を試験導入してきました。
[ミクシィは、新しい働き方を模索し続けます]

新型コロナの収束が見えないまま、行政や社会的な要請への対応と生産性向上のためのマーブルワークの制度化に向けた検証と実施。
[コロナだからじゃない。生産性向上を実現するのが、マーブルワークスタイル。]

約2年の運用、社内の声、議論を経て、この度、2022年4月から本格的な制度として“マーブルワークスタイル制度”が施行されることに。そこで今回、この記事を通じて、どのような制度なのかという全容を明らかにしていきます。

 

おさらい 2020年からスタートしたマーブルワークスタイルとは

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■出社回数は全社一律で決定
■週2回以上の出社
■コアタイムは暫定12:00~15:00
■居住場所は通勤可能範囲内
■交通費は定期代支給(上限なし)

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ミクシィでは、あえてリモートワークという名称を付けず、リモートワークのメンバーとオフィスワークのメンバーが混ざりあうこの状況を“マーブルワークスタイル”と呼び、試験的に運用を始めてきました。マーブルワークスタイルという名称には、ミックスして混ぜ合わさるのではなく、マーブル(marble)模様のようにリモートワークとオフィスワークそれぞれの持ち味を活かしながらうまく融合する働き方を目指す、という気持ちが込められています。

実はミクシィでは、こういった多様性のある働き方はコロナ禍以前より模索していました。というのも、社員の勤続年数が長くなっていくとライフステージが変化し、それに伴うイベントや環境の変化に対応できるような働き方が求められていたためです。 

そのため、場所にとらわれない働き方ができないかと、2019年頃から検討を進めていました。一部の方に試験的に導入してもらい検証を進めていた矢先、新型コロナウイルスの感染が拡大。全社で一斉にリモートワークを余儀なくされることになりました。リモートワークの懸念点として、生産性が下がりそうというマイナスなイメージがありましたが、実際リモートワークが始まり社内アンケートを取った結果、「いつも通り働けた」という回答が大多数を占めていました。

 「結局、リモートワークをすることで生産性は落ちない、というのが答えなんだなと思っています」と語るのは労務の西。手探りでリモートワークを進める中、生産性が変わらず多様な働き方を可能にする“マーブルワークスタイル”に手応えを感じ、2022年4月からの制度化を目指し、プロジェクトが発足しました。

 

マーブルワークスタイル制度プロジェクト始

2021年4月、マーブルワークスタイル制度化のプロジェクトが始動。体制としては労務部、人事企画部、人材採用部と人事本部メンバー11~12名で部門をまたいで取り組んできたプロジェクトになります。

そこで出てきた課題点は3つ。

 <課題点1:出社回数をどうするか?>

プロジェクト内で一番議論に上がったのが、「出社回数をどうするか?」という点でした。ミクシィは「心もつながる」場と機会の創造をミッションとして、リモートワークであってもコミュニケーションを大切にしたいという思いがありました。議論では「最低週1回、月1回」の出社日を設けるべきではないかといった声がありました。しかし、出社回数の最適値というのは部署ごとに異なるもの。例えば、事業部門でサービスリリース前には出社し、顔を合わせながら進捗の確認やメンバーのコンディションを確認したいという声がある一方で、サービス運用部門であれば完全リモートでも問題ない、という声もありました。

そういった背景がある中で、週1回や月1回の出社というルールを設けるのはナンセンスです。そこで、部署ごとに出社回数を定めることで、部署が実現したいことを形にできるのではないかという結論に辿り着きました。“出社の意義を定義する”という視点を取り入れ、ルールで縛るのではなく、きちんと機会を提供して、意味を見出していくというところに舵を切りなおしました。

 個人が出社の有無を選択するということにしなかったのは、個人の生産性とグループの生産性というのは異なるものだから。業務部門の中で責任者(部長もしくは室長)が権限を持ってハンドリングするのがベストだと考えたためです。

<課題点2:コミュニケーション不足>

2つ目は、リモートによるコミュニケーションの不足です。

アンケートによると、業務外コミュニケーション不足を感じている社員は57%もいました。出勤してデスクの隣にメンバーがいると認識しているからこそ発生していたちょっとした雑談も、リモート中だと雑談を実施するためには都度スケジュールを調整して…というわずらわしさがでてしまっていました。また、Slack等でのテキストコミュニケーションだとニュアンスが伝わり切らないケースもしばしば。そこでチームビルディングのための対面機会、コミュニケーション機会を施策で補填していくことになりました。

 <課題点3:地方採用の手続き、オン・ボーディングの方法>

地方採用をした場合、どのような入社の手続きを取るべきか、研修・入社、オン・ボーディングはどうすべきかも課題に上がりました。原則として初日は出社となりますが、部署ごとにガイドを設けるなど、柔軟に対応していくという方向性に決定。地方に住んでいてもミクシィで働ける機会を設け、マーブルワークスタイル制度はミクシィを勤務先に選んでいただける一つの大きなきっかけにもつながったと考えています。

 

4月から始動した“マーブルワークスタイル制度”の全容

具体的なルールとしては以下。

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■2022年4月1日以降、勤務場所は「自宅」または「所属事業所」とする
■コアタイム(12:00~15:00)に出社できる場所に居住する
■リモート時はリアルタイムにWeb打刻をする
■業務中に自宅⇔所属事業所を移動する場合は欠務登録を行う(移動時間は労働時間に当たらない)

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これまでのルールから変更となった点は、こちらです。

ポイントは、各部室長が出社回数を決定する点と、12:00までに出社できる距離であれば、日本全国どこに住んでいても構わないという点です。新幹線や飛行機を使った通勤もOK(上限月15万円)。

 

FAQ

制度開始にあたって社員のみなさんから多く質問があったものをまとめてみました。

Q.定期代は廃止ですか?

出社回数に応じて往復交通費を通勤手当として翌月給与にて支給します。

Q.往復交通費都度精算の方法は?

出社日に打刻機でカード打刻を行うことで、自動で給与計算されます。別途申請は不要です。
※出勤時または退勤時のどちらか1回でもカード打刻があれば自動計算されます。

Q.交通手段が複数ある場合、どういった経路であれば承認されますか?(例:新幹線、飛行機どちらも利用可能な場合など)

通勤手当の支給対象経路は、給与規程に基づき、経済的かつ合理的な経路であることを前提とし、会社で判断致します。
新幹線や飛行機を利用する方が合理的・経済的である経路も考えられますので、その場合は新幹線や飛行機を含む経路で支給いたします。
※新幹線や飛行機を含む経路を希望される場合は労務相談が必要。

Q.出張と通勤の違いはなんですか?自宅が遠方の場合、渋谷オフィスへ行くことは出張になりますか?

通勤の定義は、移動距離に関わらず、自宅からご自身の所属事業所までの移動と定めます。

Q.新幹線のグリーン席、飛行機のビジネスクラスで通勤したいが、可能でしょうか?

グリーン席やビジネスクラスなどのプレミアム料金は、税務上通勤費として認められません。通勤手当として申請する際は普通席(指定席可)をご利用ください。通勤手当ではなく、自己負担でご利用頂く場合は制限はございません。

Q.在宅手当など、リモートワークする日に係る手当は支給されますか?

支給はありません。
マーブルワークとは、「リモートワークとオフィスワークから働き方を選択できる制度」であり、会社からリモートワークを従業員にお願いをする制度ではないためです。
※新型コロナウイルス感染対策など「会社からの指示」でリモートワークをお願いする場合は別途手当が発生するケースがあります。

Q.住宅手当はマーブルワーク制度化に伴い廃止になりますか?

2022/4/1時点では廃止致しません。今後、変更がある場合は周知させていただきます。

Q.部室長によって取り決められた出社回数は月1回だったが、新しいプロジェクトに携わることになり、出社回数が月10回となりました。現在遠方に住んでいるため、部室長に指示された出社回数だと月15万円の通勤手当上限を超過してしまうため引っ越しを検討していますが、会社からの補助はありますか。

会社からの費用補助はありません。
出社回数は各部室のフェーズによって流動的であるため、ご自身の意思で選択した居住場所から転居する場合は自己都合の引っ越しとなります。

 

<プロジェクトメンバーを代表して西よりコメント>

マーブルワークスタイル制度がスタートして、8~9割の部署がリモートワークを取り入れています。また「地方に移住したい」という声もちらほら聞くようになりました。まだ移住が確定しているわけではありませんが、労務部に相談に来ているメンバーもいます。あとは新幹線通勤ができるようになったので、遠いところに住んでいた方が、新幹線を使って通勤したいと相談されるケースも増えました。実はミクシィでは群馬や山梨などに住んでいて、通勤に2時間くらい掛けている方も多いんですよ。そういった方も新幹線通勤でより効率よく仕事に取り組んでいただけるようになります。

マーブルワークスタイル制度を導入する目的は、「どんな状況であってもパフォーマンスを下げることなく、むしろ高く働ける」というところにあるので、今後もそれに向けてどういう形がベストなのか模索していきたいと考えています。また、今まで会社と自宅の往復で取られていた時間を、家庭や生活、趣味などに費やすことができ、より自分の人生として充実させていく、というのがマーブルワークスタイル制度の魅力。仕事として成果を上げられる制度というだけでなく、個人個人の人生が豊かになるよう、バランスを取りながら働けるようになればベストだと考えています。今後、どんな働き方ができるのかというのは、柔軟にそしてフラットに考えていきたいですね。実際に導入してみて、もしかすると運用面で課題がでてくるかもしれません。その場合は、適宜ミクシィで働く皆さんの声を聞きバージョンアップさせながらより良い制度に昇華していくのが使命だと思っています。

 

最後に

極端な話、交通機関を駆使して12時までに出社できるのであれば、沖縄でも北海道でも離島でも居住が可能になった「マーブルワークスタイル制度」。西が話したように「自分の人生として充実させていくため」の一つの選択肢として制度がスタートしています。これからも働くメンバーが仕事でのパフォーマンスを最大限に発揮できることを前提に、プライベートも充実できるミクシィならではの環境を整備していきたいと思います。

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