ユーザーからの問い合わせに対して、“人にしかできないサポート”を追求しているのが、MIXIのカスタマーサポートです。過去には、「モンストのせいで彼氏と別れました、責任とってください」という問い合わせへの対応が、「神対応!」とSNSで話題になったこともありました。
CX部の保下は「お客様の人生が少しでも豊かになるよう、対応を通じて手助けが出来たら嬉しい」と語ります。今回は、CX部で活躍する保下、古川、町屋にMIXIのカスタマーサポートの仕事の魅力や醍醐味について話を聞きました。
古川 誠(写真左)
IT系の業務委託会社で、業務構築や運用管理の経験を経て、2016年4月に株式会社MIXIへ入社。2018年8月、Enhancementグループを立ち上げ、CS組織における人材育成のコンテンツ作成や、成長指標の仕組み作りを行っている。
保下 良一(写真右)
前職では異業種のCSセンターで運営業務やマネジメント業務を経験。その後2018年11月に株式会社MIXIに入社し、2019年4月のCSセンター(Cooperationグループ)立ち上げに携わる。現在はCS本部CX部Cooperationグループのマネージャーを担当。
町屋 篤実(写真中央)
新卒で呉服屋に入社し、着物の接客・販売をおこなう。その後、2019年にカスタマーサポート未経験でMIXIに入社。Cooperationグループの一員として日々のお客様対応にあたっている。
目指しているのは“人にしかできないサポート”
━━まずは「CX部」について教えてください。
保下: 組織体制の話からお伝えすると、我々はCS本部という40名規模の部署に所属しています。その中にCX部があり、約30名のメンバーが活躍しています。CX部内はさらに、顧客対応を行う「Cooperationグループ」、人材育成や組織強化の役割を担う「Enhancementグループ」の2つのグループに分かれています。
最初に、私も所属しているCooperationグループについてですが、この組織では主に『モンスターストライク(以下、モンスト)』のユーザーからの問い合わせに対応しています。ただ“問い合わせ対応”といっても、私たちが目指しているのは“人にしかできないサポート”です。定型文や事務的な文言は使わないようにしています。冒頭のSNSで話題になったお問い合わせも、私たちが日常的に行っている”人にしかできないサポート”の一つであり、特別なわけではないんです。
━━どういうことでしょう?
保下: 記載されている表面上の問題に対して返信するのではなく、ユーザーと対話をしながら、事象が起きたときに相手が抱いた感情に寄り添い、最終的にはユーザーの気持ちが少し豊かになるような…そんなお手伝いができればと思っています。
もちろん問い合わせの中には、スピードが求められるものもあります。たとえば、ゲームの仕様についてすぐ回答が欲しいというものは、別部門で対応をしています。役割を明確に分けCooperationグループでは、“人にしかできないサポート”を追求し拡大していくことが重要だと考えています。
━━“人にしかできないサポート”とは?
保下: 最近だとサポートにAIを活用するニュースもよく目にしますが、私たちはこれまでもAIに任せた方が良い対応はあると考えてきました。AIの進化が著しい現在、その対応範囲は今後さらに広がっていくと思いますし、私たちも積極的に導入していくことを考えています。そのようにAIの良さを認識し、導入を検討してきたからこそ、人が対応する良さもしっかり区別して捉えることができたと思っています。そしてそれは「人」の感情に共感できるのは、感情を持っている「人」だけ、ということです。
人でなければ気づけない喜怒哀楽やニュアンスがあると思っていて、例えば、ユーザーは「ありがとう」と書いているけど本当は落胆の気持ちがあったりとか、めちゃくちゃ怒っている文章なんだけれど、その根源にあるのは悲しみだったりとか…。言葉として直接書かれているわけではなくとも、その前後の文面や語彙からひしひしと隠し切れない気持ちが伝わってくるものもあります。そういうものを丁寧に拾って対応することが“人にしかできないサポート”だと捉えています。対応のなかでしっかり話をしながら、問い合わせにいたるまでの出来事や感情をできる限り理解しようとすることで、ユーザーの本当の望みに対してアプローチすることができると考えています。
━━具体的にはどのように対応していくのでしょうか?
町屋: 私は過去にユーザーから「自分の不注意で操作ミスをしてしまった。取り返しがつかないことは分かっているが、どうにか戻してもらえないか?」という問い合わせをいただいたことがありました。お話やプレイデータから、かなりの労力や時間をかけてくださったことは伝わっていたのですが、当時の仕様上、やり直しができるものではなかったので、心苦しいですが対応が難しいということをお伝えしました。
ただ、当時の仕様を考えると、たしかに操作ミスにつながることも理解できるUIではありました。他にも同じような思いをされている方も多くいるのではないかと思い、企画の方に改善提案をしたことがあったんです。
その後、承認が得られて仕様が変わったのですが、問い合わせをしてくださったユーザーがその変更を知ったようで、「助けられたと思っています」とわざわざ感謝の連絡をくださったんです。自分の仕事によってサービス改善につながったことも嬉しかったですが、目の前のユーザーの困りごとを根本解決できたことが嬉しかったです。この仕事の面白さややりがいを感じることができた体験でしたね。
CS未経験でも大丈夫。スキルに応じた研修を実施
━━まさにMIXIが大事にしている“ユーザーサプライズファースト”ですね。一方で、人にしかできないサポートの難易度について気になりました。
保下: そこでいうと、CS経験は不問です。実際に活躍しているメンバーの多くも未経験ですし、町屋も全く異なる業種から入社してくれました。
町屋: 私は呉服屋で販売をしていたのですが、大好きなゲームに関わる仕事がしたいなと思っていたところMIXIのCS募集の求人を見つけて。面接の中で、先程も話にあった“ユーザーサプライズファースト”の考えにとても共感して、入社を決めたんです。
━━そうだったんですね。
保下: 入社時に高いCSスキルを求めるわけではないのですが、最終的にはCSのプロとして様々な知識やスキルを身につけていただきたいと思っています。そのため、実務を通じて自ら学んでいく意欲や姿勢は必要ですし、MIXIの考えに共感できることも大事だと考えています。あとは、スキルアップという意味では、Enhancementグループの存在がとても大きいと思います。
━━Enhancementグループはどういった役割を担っているんでしょうか?
古川: Enhancementグループが担う役割は、CS本部メンバーへの成長支援と成長の可視化にあります。成長支援は入社したばかりの社員に対する初期研修や、成長の度合いに合わせた研修、グループワークなどを実施しています。また、案件対応を通じて、メンバーの基礎技術力の向上にも注力しています。
成長の可視化については、我々は「プログレスチェック」と呼んでいるのですが、対応を行うメンバーの思考力や課題解決力といった案件対応に必要な力と、自身の課題を認識する力や協働する力などの行動面を、複数のチェック者が0〜5点まで0.5点刻みの11段階で点数を付けています。
━━なるほど。入社時だけでなく、成長の度合いに合わせた研修も実施しているんですね。
古川: そうですね。研修は受けるタイミングも重要なので、メンバーの習熟度や課題に合わせて、既存の研修を実施するだけではなく新しい研修を作ったりもしています。ただ、成長支援を行うだけでは自身の成長を実感したり課題を見つけることが難しかったりするので、プログレスチェックを合わせて実施できるようになったことで、より自分自身の成長を実感しながら、課題に取り組んでもらえるようになったと感じています。
町屋: 私はEnhancementグループの研修によって大きな気づきをもらったことがあり、その時の教訓を今も大事にしています。当時は入社して2年ほどで、お客様対応にだいぶ慣れたころだったのですが、自分のなかでは停滞を感じていました。お客様とのやり取りでなかなかうまく話が進まないということが多々あったんです。
その時にあらためて、Enhancementグループのマインド面の研修を受けました。そのなかで、「それぞれの人には、それぞれのバックボーンがある。メールの文章で見えているのは、ほんの一部でしかないのだから、その人の人生を全て分かったような気になって対応するのは違っているんじゃない?」というお話があったんです。
それがまさに今の自分の状態だと実感して…。振り返ってみると、ユーザーに対して自分の意見を分かってもらおうと意固地になっていた部分があった。自分の中では、お客様にとっての最善を考えた上での提案ではありましたが、それはあくまでも自分の価値観。ユーザーの声にきちんと耳を傾けていなかったのではないか、とハッとしたんです。初心を忘れていたと痛感しました。
Enhancementグループは、お客様対応のスキルだけでなく、マインド面での気づきをもらえるような研修も、状況に応じて用意してくれています。そのおかげで、研修を受けて終わりではなく、自分の課題をあらためて意識し、改善のための行動へと繋げられているなぁとありがたく感じています。
「個」ではなく「チーム」で対応する
━━部門全体に、“人にしかできない対応”を追求するカルチャーがあるのだと感じました。
保下: それはあると思いますね。ユーザー対応といっても、1人で黙々と向き合っているわけではなくて、メンバー同士でディスカッションするケースも多々あるんです。ちょっと悩むな…もっといい方法がある気がする…という場合は、どんどん周りに聞いて、みんなで意見を出し合って最善策を考えていってほしいと考えています。
町屋: 私も日頃からよくメンバーに相談しています。みんないつでも歓迎してくれて、嫌な顔をされたことは全くありません。それどころか自分の案件のように真剣に考えてくれて、「こうしたらいいんじゃない?」「これはどう?」と多様な意見をくれるんです。親身に話を聞いてくれる環境がすごくありがたいです。
━━それぞれが黙々と対応しているイメージでした。
保下: 確かにカスタマーサポートセンターとしては珍しいカルチャーかもしれませんね。CX部としては「組織におけるコミュニケーションの活性化」を重視したいと考えていて、組織づくりも試行錯誤を繰り返しています。たとえば、チーム体制も最適な形を探っています。現在は「3~4人のチーム」で動いていますが、前期は「全員ワンチーム」として構成していましたし、過去には「10人程度のチーム」で組んでみたりなど様々です。従来のやり方に固執せず、柔軟にMIXIらしいCX部の形を実現できたらと考えています。
今後も“ユーザーサプライズファースト”なカスタマーサポートを実現するためにはどうしたらいいか?を考え、メンバー同士のコミュニケーションが活性化していく。そんな組織を目指していきたいですし、ここに共感してくださる方が仲間になってくださったら嬉しいですね。
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