新型コロナウイルスが世界的に流行しはじめて早数ヶ月。
働き方が変わったり、普段の生活までもが変わることを余儀なくされ、日常が大きく一変した人がほとんどではないでしょうか。
ミクシィでも、ものの数ヶ月でフルリモート体制に一時的に移行するなど様々な変化がありました。中でも、採用活動もオンラインをメインにして引き続き行っています。通常のMTGであれば、ある程度お互いを知った上でビデオ会議をするのであまり違和感はありませんが、採用面接・面談となると話は別。初対面がビデオ会議というのも珍しくありません。
収束に向かい始めているとはいえ、オンラインも大きな役割を担うこれからの時代。この数ヶ月でミクシィの採用担当者が感じた「オンライン面接・面談」にまつわる気づきや学びをご紹介します。
1 面接前の打ち合わせを入念にしておく
オンラインに限ったことではありませんが、面接・面談では、事前のエントリーシートや履歴書に目を通し、「面接で何を聞いて、どこを確認しなければいけないか」を現場担当者・採用担当者で目線を合わせておく必要があります。対面であればアイコンタクトやちょっとした仕草でその抜け漏れなどを示して共有することができますが、オンラインだとチャットやslackなどで行うほかなく、そうした連携を取ることが簡単ではありません。
対面の面接であれば、エントランスで待ち合わせし、会議室へ移動する合間に雑談をしながら緊張をほぐし、ちょっとしたアイスブレイクが行えます。ですが、オンラインの場合、面接・面談が始まった瞬間お互いの顔を突き合わせることになるため、緊張度が増してしまいます。通常の面談・面接のアイスブレイクよりも時間を長めにとったり、笑顔を引き出せるまで粘ったり、となるべく求職者の方がリラックスできるようにしています。また、事前にネットワーク上のトラブルが起きた時に「まずは画面を更新してみて。状況によっては電話するかもしれません!」と対処法などを伝えておくことで、実際にトラブルが発生した時の混乱を防ぐことができます。
オンラインでは、顔から下が見えない分、緊張の度合いを手足の所作から読み取ることは出来ないうえ、表情も今ひとつ明瞭に見えないことがほとんどです。ですが、画面上から得られる情報は「声の抑揚」「話のテンポ」「表情の変化」しかないため、これらの要素から読み取るしかありません。オンラインでは、表情を注視していても威圧感を与えることはないので、なるべく表情や所作から読み取れる情報を増やせるように意識しています。
相手の反応が見えづらいのは、面接官や現場担当者だけではありません。求職者の方にとっても、オンラインは情報量が少なく、戸惑う場合が多いのではと思います。そのため、面接官や現場担当者はなるべくリアクションを大きく取るようにしています。
面接・面談の場合、話を聞きながらPCでメモを取ることが多いと思います。対面でも意識すべきところではありますが、オンラインの場合だと打鍵音が大きく聞こえてしまうため、求職者からすると「書き取られている」「なにかを記録されている」意識が強まってしまいます。そうすると、冗長的な話がしづらい雰囲気になってしまい、求職者がうまく話せない面談・面接になってしまったりする場合があります。ですが、あくまでもメモをしていることが分からないと、「会話がうまく成立していないのかな?」と不安させる可能性もあるので、あくまでもキータッチはやさしく、メモをとる時はひと声かけるなど工夫をしながら、お互い話しやすい状況を作れるよう心がけています。
オンライン面談・面接では、カメラを通した世界しか見えません。雑然とした背景だと、そっちにばかり意識が向いてしまって集中して会話ができないことも…。だからこそ、機材やカメラに映り込む背景などの環境面を整えることがとても重要です。
応募情報やサービスの紹介など、複数の資料を見せながら進行していく場合、どのタイミングにどの資料を見せ、応募者の手元にどう残るようにするか、考えながら提示していくことも大切なポイント。その時に見てもらえばいいのか、後でも振り返って見てもらいたいものなのかを想像しながら、資料をどう見せるか、事前に考えています。
*オフィスのストリートビューの記事はこちら
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オンラインのコミュニケーションが中心になりつつあるからこそ、対面、オフラインで会うことの重要性がとても強くなります。緊急事態宣言も解除された今、オフラインをどうしたタイミングで使っていくかは、考えておきたいものです。オフラインの使いどころ、ミクシィの採用担当者の言葉を引用しながら、ご紹介したいと思います。
「最終決意する前段階で、会った方が納得感をもって決断してくれそうだと思った時」
「選考を通して距離感を感じていた場合、お互いの本音の相互理解を深めるため」
「最終面接や選考中に1度お会いして、どんな雰囲気で、ミクシィに合う方なのか判断するため」
「本人が入社後にギャップを感じないようにMGRやリーダーなどに会ってもらう」
こうして皆さんの言葉を振り返っていると「オンライン面接・面談時からの双方のイメージギャップをなくすこと」「距離を感じた時に、より率直な言葉で意思や思いを語ってもらうこと」を意識していくことが重要なのかもしれません。
オンラインを中心とした面談・面接が続く状況では、さまざまなトラブルも発生します。ネットワークのトラブルはもちろん、採用担当者もちょっと驚くようなシーンも度々…。ある意味とてもレアな状況ばかりですが、わかりやすいNG例としてその一部をご紹介します。
・最初から最後までカメラがオフで表情が一切わからなかった
・窓側や照明を背にしていたため逆光で、シルエットしかわからなかった
・歩きながらスマートフォン片手に面談・面接に挑んできた猛者がいた
・ネットワーク環境が弱く、会話が常にずれたまま進行してしまった
こうしたトラブルが発生すると、実りある面接・面談が実施できずお互いにモッタイナイので、事前に対応できるところがあれば、整えておくとよいかもしれませんね。逆に、やりやすかった事例の声も聞こえてきました。
リモート環境の構築にどうしても習熟度の違いができるのは仕方ありませんが、自身のカメラは常時オンに、逆光にならないように照明を調整し、マイク付イヤホンをつけて参加、PC側はなるべく面談・面接に必要なものだけ開いておく、ということがスムーズなコミュニケーションのポイントのようです。
実際に、オンライン面談・面接を通して入社された方に話を聞いてみると、
「オンラインだと伝わる情報が少なく言葉のニュアンスが伝わりづらいので、なるべく率直な言葉で伝えるようにしていました。自宅だと緊張感が保てないので、ビジネスホテルでオンライン面接に挑むなど、自分の気持ちを切り替えたり盛り上げたりする工夫もしてましたね。実際の面接では、ラフに話せる時間があったことで緊張せずに挑めました」
「オンラインだと相槌ひとつとってもどれくらいの音量で相手に届いているかわからず、すべての言動のハードルがあがった印象でした。実は、面接当日はマイク付きイヤホンがうまく機能せず、音声は電話で、映像はビデオ会議ツールで。という柔軟な対応をしてもらっていました…(笑)。胸~頭までをカメラに収まるようにして、手振りなどでより言葉が伝わるようカメラを調整していました」
と、候補者の方なりに試行錯誤をしてオンライン面談・面接に挑んでくださっていたようです。「すべての言動にハードルがあがる」というのは、まさしくという感じですね…。
ここまでミクシィの採用担当者が意識して行っていることをご紹介してきましたが、これらはあくまでも弊社の一例です。こうするとスムーズにやりとりが出来るよ、こうしてもらうと採用担当者もやりやすくてよかったよ、という事例やテクニックなどが他にもあるかと思いますので、これからもオンライン面談・面接を適宜に駆使し応募してくださる方々とよりよいコミュニケーションが取れるよう、より効果的な方法を模索し続けます。