内定者アルバイトを終えて ~何を学んだ?どんな経験・スキルが活きた?~デザイナー×デザイナー編

内定者アルバイトを終えて ~何を学んだ?どんな経験・スキルが活きた?~デザイナー×デザイナー編

ミクシィグループでは、希望される内定者に社内アルバイトとして学校を卒業するまでの期間、就業する機会を設けています。

内定者アルバイトを実施する目的は2つ。

  • 説明会や面接だけではなかなか伝えきれない、会社の雰囲気や社員の魅力を体感することで理解してもらうこと。
  • 実際の業務に触れることで、やりたいことや興味の幅を広げてもらうこと。

 

 今回は、内定者アルバイトを経験した2022年4月入社予定の近藤さん・髙木さんに振り返り対談をしていただきました。アルバイトを通じてどんな学びがあったのか?どんな経験やスキルが活かせたのか?について語ってくれました。

 まずは、自己紹介から。

■自己紹介

氏名:近藤 瑞夏(こんどう みずか)22年度卒デザイナー職
専攻:美学芸術学科
学生として主に学んでいること:『美しい』とは何か、
なぜそう感じるのかを問い続ける哲学的分野と、現代の広告芸術のレトリックを紐解く芸術学を専攻。

■応募動機
・ミクシィの社員の方々のお話を聞く中で、既成のデザイナーの枠組みを超えた活躍ができると感じたから。さまざまな能力・スキルを持った憧れの先輩方から日々学び、刺激が受けられることに魅力を感じた。
・面接で担当していただいた先輩方が、デザインに対しての柔軟さと情熱を持ち合わせている方ばかりだったので、ぜひこの環境で働きたいと思った。
■将来の目標
時代の変化に順応できる、マルチなクリエイターとして生きていきたい。
■アルバイトの業務について
期間:2021年9~10月
配属先:Vantageスタジオ みてね事業部 デザインG
業務内容:アプリ内のUIデザイン、バナーなどのグラフィックデザイン、事業部内朝会・デザインレビューミーティングの参加

■自己紹介

氏名:髙木 志弥(たかぎ ともや)
22年度卒デザイナー職
専攻:デザイン学科
学生として主に学んでいること:Webデザイン、文字のデザインについて
■応募動機
・フラットな社員同士の関係、「文化的側面」を意識した事業に惹かれたため。
・事業スピードや人の流れが速い東京に拠点があり、人とのつながりを意識した企業だから。
・面接までの流れがものすごく丁寧で人を大切にしていることが伝わってきたため。
■将来の目標
デザイン・コミュニケーションで共感を生み出して楽しくコンテンツを作り出していく。また好奇心を絶やさず、手掛けたことのない領域にも挑戦したい。
■アルバイトの業務について
期間:2021年10~12月
配属先:デザイン本部 クリエイティブ室 コミュニケーションデザインG
業務内容:バナー・素材制作などグラフィックデザイン、ミーティング参加と議事録作成など

次に、具体的な業務内容とその中で学んだことについてお互いに発表し、振り返りを行ないました。

 

 

ユーザーに直接届くデザイン実務にチャレンジ!

──お二人が経験された業務内容について振り返っていきます。まず、近藤さんから。

近藤 私は9~10月末までみてね事業部にて、アプリ内で使用されるグラフィック制作から、UIデザインの検討・改善に至るまでの幅広い実務を担当させていただきました。例えば、GPS訴求のお知らせ画像の作成から、アプリ内アップデート対応のUIデザイン検討、リサーチ、みてね年賀状訴求バナーの作成、そして新規事業のロゴコンペにも参加しました。

髙木 色んなことを経験されたんですね。

近藤 はい。とても濃い2ヶ月間を過ごさせていただきました。ユーザーに直接届く実務にも携わらせていただき、アルバイト生にもこんな大きな仕事を任せていただけるのかと驚きの連続でした。

髙木 確かに。それは私も感じました。みてね事業部への配属は近藤さんが希望されたんですか?

近藤 人事の方に、経験したことのないUIデザインや上流工程にも関わっていきたいとお話したところ、みてね事業部でのチャレンジの機会をいただきました。

──近藤さんが経験したかった上流工程とはどのような仕事ですか?

近藤 よりユーザーに近いところを設計する仕事です。以前働いていたクライアントワークだと、クライアントの要望に沿って作るケースが多かったのですが、自分たちの意思が反映されやすい環境で働きたいと思っていて。事業会社であれば意思をプロダクトに込められるところが魅力でした。

髙木 私も、なぜそのデザインをする必要があるのか?という意図を理解して制作をするのは大事かなと思います。事業会社で働かせていただくなら、その根幹の部分まで携わるのが使命というか。

近藤 そうですね。実際にミクシィでアルバイトをしてみて、自分の意見やユーザー目線に立ったアイデアがUIなどに組み込まれていくのは楽しいことだなと実感しました。

──アルバイトの中で一番印象深い仕事は?

近藤 『家族アルバム みてね(以下みてね)』のアプリ内に出てくる、“みてねみまもりGPS”のお知らせバナーの作成です。これはお子さんが持つGPSトラッカーの商品説明ページなのですが、そこに表示されていた画像が4月の入学時期のもので、今の時期にふさわしい画像に変えようという話が出たんです。

髙木 9月だと秋っぽい雰囲気に変えるということですかね。

近藤 そうですね。ただ元画像の背景は桜が使われていたのですごく明るいイメージがありましたが、秋は落ち葉っぽい色になるので何となく寂しいというか、GPSの訴求にも関わらず安心感が与えられないのでは?という課題がありました。

髙木 その課題に対してどうアプローチしたんですか?

近藤 まず画像の彩度を上げて寂しくない雰囲気を作り、文字の周りに白いぼかしを入れるなど全体的に白の割合を大きくして、明るい印象を与えられるようにしました。こういった技術に関しても先輩社員に教えていただきました。

近藤 あとはUIデザイン制作ですね。まず他社プロダクトのUIはどのような遷移をしているのか調査しました。画像をページごとに並べて、今回私たちがユーザーに伝えたいことを適切に表現するにはどのようなやり方がありそうかを考え、パターン出しをしていく。みてね事業部の場合は、パターン出し後にデザインレビュー会があり、そこでデザイナーの先輩方にどのデザインが良いかを選んでいただいて、デザインをブラッシュアップしていく流れでした。

髙木 僕もUIに興味があるので教えてほしいです!

 

サービスの“ブランドを守る”という視点

──働いてみてギャップを感じたこととか、驚いたことはありましたか?

近藤 『みてね』のブランドをとても大切にされているというのは大きな気づきでした。例えば、アプリ更新を促すダイアログを作成した際、線の太さ一つとっても「みてねの規定に合うように細い線に変えよう」、色味については「みてねのブランドに合うよう、もう少し薄いブルーにしましょう」と、すごく微妙な強弱を指摘いただいて、プロダクトのブランドが守られているのは、こういった細かい目線があるからだなと。

髙木 なるほど。

近藤 みてね事業部ではバナーのクリエイティブでもまずメンターの方からOKが出るまで何回も修正をして、さらにデザインレビュー会でデザイナーのみなさんに確認いただきます。エンジニアにも見てもらい、『みてね』にふさわしいデザインかどうかをジャッジしていただく流れでした。確認のレイヤーが多いからこそ、『みてね』のブランドが守られているんだなと実感しましたね。また、たくさんの人に確認してもらえると、自分が気づいてないフィードバックをいただけますし、成長の糧になるなと思いました。

 

 

コンペで自分のデザインが選ばれた喜び

──ありがとうございます!では次に、髙木さんが担当された業務内容について聞かせてください。

髙木 私は10月から12月まで、デザイン本部のクリエイティブ室 コミュニケーションデザイングループに所属していました。携わったプロジェクトは10個以上。さまざまな仕事を経験させていただきました。ここでは特に学びの多かった3つの仕事について話をしたいと思います。一つ目が『モンスターストライク(以下モンスト)』のプロリーグで使用する応援ボードの素材制作です。Twitterのユーザーさんがプロリーグを応援する素材ということで、スタイリッシュなゲームのイメージを反映できるように工夫しながら、先輩のレビューでデザインをブラッシュアップしていきました。

近藤 デザイン本部のレビューはどんな形で進められているんですか?

髙木 まずメンターの方にレビューをお願いして、次にチーム内でレビューを行ないました。近藤さんと同じで、確認のレイヤーが多いというのは感じましたね。それは『モンスト』のブランディングに関わる画像を世の中に発信していく責任感があるからこそで、レビューの度にどんどんデザインのクオリティが上がっているというのを体感できたのは大きな収穫でした。

近藤 分かります!どの事業部も同じなんですね。

髙木 嬉しかったのは、コンペで自分が出した2案が採用されたこと。実際にユーザーさんに使用いただき、何千何万デザインを手掛けられるなんて、と感慨深い気持ちになりました。

近藤 自分の案が選ばれるなんてすごいですね!世に出ることになったデザインは、どんな視点で選ばれたんですか?

髙木 やっぱり、『モンスト』らしい熱量が感じられるものが選ばれたなと思います。

 

デザイン業務の根幹に触れられた

──事業部の先輩たちの言動で学びになったことはありましたか?

髙木 一番学びになったのは、コミュニケーションの大切さや丁寧さです。どうやって周りのメンバーと連携を取りながら、デザインを構成していくか、プロジェクトを進行していくかということが自分の中で腑に落ちたというか。一つひとつの仕事を丁寧に進めていく先輩の姿を見て、改めてプロだなと尊敬しましたし、自分も真似したいと思いました。

近藤 お手本となる先輩方がたくさんいらっしゃるのは心強いですよね。

髙木 本当にそう思います。2つ目の仕事は、ITカンファレンス「BIT VALLEY」のWebサイト改修です。ここでは、情報設計基礎について学ぶことができました。「BIT VALLEY」で7つのイベントが開催される予定で、各イベントの開催日程が見づらかったため、日程を表示するため設計し直す仕事でした。これまで私はなんとなく「この情報を目立たせよう」と感覚的にデザインをしていたのですが、この仕事では見やすいデザイン設計が課題として挙がっており、イベントのロゴは白で、イベント情報は黒で、というまとめ方をはじめ、情報設計の部分を体系的&理論的に学べたのが一番大きかったです。

──明確な意図のもとにデザインするスキルが身に付いたんですね。

髙木 はい。ここで学んだことは今後もずっと活きてくると思います。3つ目の仕事は、キックオフミーティングで使うスライド資料の制作です。ミーティングの進行や議事録、デザイン業務全般の進行に至るまで一人で任せていただきました。一人でできるだろうかという不安はありましたが、先輩の期待に応えたいという思いで乗り越えることができたと思います。

近藤 アルバイトにもこんなに任せてもらえるんだ、というのは嬉しいですよね。

髙木 本当にそうですね。それがアルバイトでの最後のプロジェクトだったのですが、コミュニケーションをこまめに取ることができましたし、伝えたいメッセージを解釈してデザインを通じて伝えるという面白さを再理解できたので、自分の中でとても満足することができました。

近藤 これまで学んできた知識や経験を大いに発揮できたプロジェクトになったんですね。素晴らしいです。

 

デザインスキルとコミュニケーションスキルの成長を実感

──お二人にお伺いします。アルバイトを通じてどんなことを学びましたか。

近藤 寄せられた依頼をこなすのではなく、デザイナー一人ひとりの意見や意思が尊重されて、求められる働き方を経験することができました。一つのプロダクトをみんなで作り上げているということを、肌で実感できた貴重な機会になったなと。先輩の方々にレビューをいただく機会が多かったので、制作スキルも成長しましたし、どうしたら相手に論点が伝わりやすいかを考える力が養われたことも収穫の一つになりました。

髙木 私も近藤さんと同じで、コミュニケーションの量は直接成果物のクオリティに直結するということを実感しました。先輩のレビューを受けて、「こうしていきたい」「ああしていきたい」としっかり応えていくことが大事だな、と。そして「15分で調べて分からないことは、すぐ報・連・相する」ということも学びの一つになりました。

近藤 そう思うきっかけがあったんですか?

髙木 自分で考えようと粘った結果、先輩が退社されるギリギリの時間に提出してしまったことがあって…。報告が遅れると周りの方のタスクまで遅れてしまう。分からないことがあればすぐSlackで報告、共有して、先輩に聞くべきだったなと反省しました。アルバイトを始めた頃と最後のほうでは、確認の量や内容が大きく違うと思います。誰が見ても分かる文章で伝えられたプロジェクトの方が、進みが良かったと思うので。疑問点をすぐに解消することは大事ですよね。

 

大学時代の経験が仕事で活きて自信に

──最後に。今回のアルバイトで、みなさんが大学時代に経験されたことが活きたという瞬間はありましたか?

髙木 ありました。一つがコミュニケーション力です。私はもともと学生団体に所属し、Web制作の営業を行なっており、市役所の担当者の方やエンジニアとやりとりを経験していました。さまざまな人とのコミュニケーションを取った経験が、今回のアルバイトの中で活きていたと思います。スキル面については、大学で学んだ基礎グラフィックの知識です。例えばプレゼンの資料一つとっても、タイトルのピクセルや見やすい文字間、色の使い方など、この知識が活かされているなと。

近藤 私は美大・芸大出身ではないので、そういう経験ができて羨ましいです!私の場合は2点あります。一つが言語化能力。私は大学で「美しいとは何か」「なぜこの芸術が流行っているのか」など全部言語化しなければいけない学問を専攻していました。例えば、「美しい」という感覚一つとっても、綺麗と感じる人もいれば官能的と捉える人もいる。その中で、言葉のレパートリーが増えていったと思いますし、言葉の引き出しは人より持っている実感があります。大学で学んだ言語化能力を、より伝わりやすい言葉でデザインの意図を伝えることができたかなと思っています。

髙木 言葉で相手に伝えることによって、デザインに説得力が出ますよね。

近藤 そう思います!もう一つは、コミュニケーション能力です。大阪でのインターンではリモートワークが中心だったので、Slack上に自分だけがポストできるチャンネルを作り、どこでつまずいていたのかが分かるよう工夫していました。

髙木 それはミクシィでも行なっていたんですか?

近藤 はい。分からないことや迷っていることを逐一Slackに上げておくことで、メンターの方にどこでつまずいていたのかを見ていただくことができました。夕会のときに「これはこっちの方がよかったね」というようにまとめてフィードバックくださったので、不明点が解消できたのはすごく良かったかなと。課題を可視化するコミュニケーションは、リモートでずっと働いてきた経験が活きていると思います。

髙木 ちなみに近藤さんはUIの制作にも挑戦されてましたが、UIデザインについては、内定者アルバイト前にどのように勉強されたんですか?

近藤 UIデザインの練習サイトがあり、そこで出題されたお題に対してひたすら成果物を挙げていました。UI設計の上手いデザインを真似しながら、「こうしたら使いやすいんだ」「こういうデザインならこういう印象を与えられるんだ」と、体感的に学んでいきました。また、Twitterで憧れのデザイナーアカウントにダメもとで「ポートフォリオを添削していただけませんか」とDMを送ったこともあります(笑)。

髙木 ガッツありますね!すごい。

 

最後に

二人とも決して長期間のアルバイト体験だったわけではなかったかと思いますが、入社前に、貴重な経験ができたのではないでしょうか。これまでのデザイン制作経験が実業務で活きる場面があること、デザイン設計のワークフローの理解、コミュニケーションの大切さなど、短い期間でも学びは大きく、有意義な期間を過ごせたはず。4月の入社までもう少し時間がありますが、社会人になる前の良い準備期間として捉えてくれたら幸いです。

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