「動画クリエイティブ室」の誕生で何が変わった?連携の強さがクリエイティブ力の強さに。

2022.11.01

事業部のあらゆるコンテンツ制作を手掛けていた複数のグループが、新たに「動画クリエイティブ室」へと統合。これまで単体で活動していたグループが集結し、一つの組織になりました。これまでとは何がどのように変わったのか?これから「動画クリエイティブ室」が目指す姿とは?室長の越智、アートディレクショングループ マネージャーの國分、クリエイティブデザイングループ マネージャーの谷に話を聞いてみました。

 

▼プロフィール

越智 純平(おち じゅんぺい)動画クリエイティブ室 室長(写真右)
2015年に中途入社。入社当初より『モンスターストライク』のYouTube動画制作を担当し、コンテンツデザイングループのマネージャーに就任。「XFLAG PARK」や「MONST FREAK」へも運営サイドとして携わる。現在は、動画クリエイティブ室 室長として組織を牽引する。

國分 聖(こくぶ せい)動画クリエイティブ室 アートディレクショングループ マネージャー(写真左)
2021年に中途入社。入社当初よりグラフィックデザインによる2Dビジュアル・動画をはじめ様々なアウトプットのクオリティアップに貢献。
現在は、アートディレクショングループのマネージャーとして本部・部室のケイパビリティUPに努める。

谷賢史(たに さとし)動画クリエイティブ室 クリエイティブデザイングループ マネージャー(写真中央)
2018年に中途入社。入社当初は、サウンドデザイナーとして『モンスターストライク』や「XFLAG PARK」などのイベントを中心に担当。その後、千葉ジェッツ、TIPSTARなども担当する。現在は、クリエイティブディレクターとして案件を担当。特に、音と映像表現のアップデートを推進する。

 

単体で動いていたコンテンツ制作部門が、一つの組織に

━━まずは、「動画クリエイティブ室」の体制について教えてください。

越智 「動画クリエイティブ室」は、従来それぞれ専門とする領域で活動していたグループやチームが集合した部門になります。組織としては「コンテンツプロダクション」「クリエイティブデザイン」「CGデザイン」「アートディレクション」「デザイナーリレーション」と5つのグループで構成されていて、業務委託のメンバーを含めると40名程度の組織ですね。今回は分かりやすくご紹介するために、「アートディレクション」グループのマネージャー國分と「クリエイティブデザイン」グループのマネージャーである谷と一緒にお話できればと思います。

國分 私がマネージャーを務めているアートディレクショングループがメインで手掛けているのはグラフィックデザイン。デザイナーとアートディレクターで構成されていて、2Dグラフィックを主軸に、今後は動画クリエイティブをはじめ新しいジャンルの表現などにも積極的に関わっていきたいと考えています。

谷 クリエイティブデザイングループはサウンド周りのクリエイティブが中心ですが、その他にもクリエイティブ全般における表現をアップデートしていく役割も担っています。クリエイティブディレクター、サウンドディレクターと呼ばれるメンバーが所属しているグループですね。

━━今回の組織変更は、どのような理由になるのでしょうか。

越智 MIXIの事業の広がりを考えていただくと分かりやすいかもしれません。動画クリエイティブとしては元々『モンスターストライク(以下、モンスト)』に関する実写の撮影や配信を中心としたクリエイティブが多かったのですが、今では『千葉ジェッツふなばし』や『FC東京』のクラブ運営や『TIPSTAR』などのスポーツ事業、さらに『家族アルバム  みてね』や会話AIロボット『Romi』にまで広がっており、会社の事業展開に合わせて、求められる表現の幅も大きく変化してきています。

━━求められるものが変わってきたと?

越智 そうですね、求められる役割に合わせて組織を変更した部分は大きいと思います。

それと同時に、「クリエイティブの質を高めていくための変更」とも捉えていて。「動画」は一つの技術だけで作られているわけではなく、企画やディレクション、撮影に編集、グラフィック、サウンド、CGなど…それぞれが高いレベルで組み合わさって質の高い「動画」が生み出されています。ここでいう高い質というのは目的にあった効果的なものをさします。ですから、専門スキルを持ち合わせたグループやチームが一つになることで、さらに連携を強め、よりスピーディーにより質の高いクリエイティブが作れるんじゃないかと考えています。

 

連携の強さは、そのままクリエイティブの強さになる

━━新組織で動き出して、具体的にどのような変化を感じていますか?

越智 一言でいえば、「企画や解決策の幅が広がった」と思いますね。これまでの動き方でいえば、ある映像制作の依頼がくると、まずは自分がマネジメントしているメンバーに声をかけ制作をスタートさせていました。その中で、サウンドが必要だから谷さんのグループに声をかけようとすると、同じ組織ではない分、声をかける遠慮は発生するわけです。デザイン本部全体で関わるプロジェクトなどは最初から様々なメンバーが関わっているので距離を感じているわけではないのですが、躊躇してしまうシーンは稀にあって。案件次第ではここで損失しているクリエイティブは結構大きいと思っていたんです。

國分 それはありますよね。気持ち的に依頼しづらいな…があると、アイデアの幅が狭くなる。たとえば「いろんな素材があってどうやって統一感出していくか」と議論していても、デザイナー中心だと「どういう画でまとめていくか?」となるんですが、そこに最初からサウンドの方がいれば、音を効果的に使えばそれだけで統一感でるよね…って話が展開されていきますし。

さまざまな職能を持った人たちが集まっているから、「じゃあこれは動画で攻めようか」「音どうしようか」「3Dでやった方がいいか」「それとも実写でやった方がいいか…」など含めて、あの人がいればこの技術も使えそう、こういうことできるんじゃない?と企画の選択肢がどんどん広がっていく。そんな感覚を強く持っています。

谷 そうですね。組織が一緒になることで、そういう小さな壁を超えやすくなっているんだと思います。プロジェクトに対して、各領域のプロフェッショナルを集めて一つのチームで動かしていく形になっていますよね。

たとえば直近で手掛けた例でいうと、オリジナル劇場アニメーション作品『プロメア』の3周年記念イベント配信が印象に残っています。バーチャル空間を活用しながらリアルタイムの映像配信を行う「バーチャルプロダクション」を使ったんですが、ここではCGデザイングループの方々に協力してもらったり、アートディレクショングループからアートディレクターを出してもらったり、配信の現場ディレクターはディレクターチームの方が担当しもらったり…と、それぞれが持つ専門性を組み合わせながら、イベントを成功に導けた事例だったと思っています。

國分 私は、3年ぶりにオフラインでも開催された『XFLAG PARK 2022』が印象深いですね。オンラインのみの開催だったらWebや動画を展開して…といった話で終わりますが、オフラインになればユーザーとのタッチポイントが増大しますから、そうはいかない。『XFLAG PARK 2022』全体のキービジュアルからはじまり、最寄り駅で展開したサイネージ広告や、ユーザーに配布するチラシ、ゲームステージのコンテンツで必要な制作物やPV…クリエイティブに関わるメンバーが連携しながら、ありとあらゆるものを手がけていました。

越智 改めてお二人の話を聞いていて、組織体制の変更は良い効果があったんじゃないかなと感じました。タスクベースで仕事を担当するのではなくて、課題に対して何も決まっていない状態から「どういうクリエイティブで解決していくか」を考える。しかも、あらゆる選択肢の中からベストな解決策を出していけるのは、「質」という観点からみても絶対に強みになると思いますね。

そして、今後はもう一歩先の組織作りをしていきたい。「依頼に対してそれ以上の価値を生み出す」のは当たり前で、依頼がなくても、僕らから事業の課題をヒアリングして、自ら課題を見つけていく。その上で「クリエイティブでこういう解決をしていきませんか?」と提案していける組織を目指していきたいと思いますね。

 

追求すべきは、クリエイティブでどう事業貢献していくか?

━━「動画クリエイティブ室」の課題だと感じている点はありますか?

越智 課題というわけではありませんが「PMの重要性」についてはよく考えます。PMは案件の進捗やリソース管理を中心に、クリエイティブ体制を俯瞰してマネジメントしていく役割ですが、現状でいうとメンバー不足とPM経験が豊富なメンバーが不在ということもあり動画以外の様々な案件に入り込めていない状況で、リーダーやマネージャーへの負荷も大きいですし、今後はよりクリエイティブに集中できるようPMの体制を整えていきたいと思っています。

谷 私も同じ意見です。マネージャーとPMで、それぞれの役割が明確になって、よいバランスで案件を動かしていけるんじゃないかなと思いますね。

越智 もう1つは「最新技術への取り組み」かな。現在は谷さんや原さんがマネージャーを務めているCGデザイングループがそこを担ってくれていて。最新技術に興味を持って勉強したり、施策に取り入れたりしてくれていますよね。先ほど話に出ていた、『プロメア』の3周年記念イベントの配信でも、谷さんがゲームエンジンの「Unreal Engine」が使えるので、新たな取り組みを交えながら配信できたので、同じような動き方ができるメンバーが増えていったら良いなと思っています。

國分 私もそう思いますね。個人的には、組織として立ち上げなくとも、何かもう少しゆるく参加できるような形があってもいいのかも、と。たとえば、新しい技術を誰かが使おうとしていたら、面白そう、自分も触ってみたい…と集まってきて、じゃあこんなの作ってみようよ、それならここでリリースしてみる?みたいな動きがとれたら最高だなと思います。部活みたいな…?そういう取り組みが外にも伝わって、「MIXIに面白い集団がいるらしい」ってところまで持っていけたらいいですよね。

谷 そうですよね。「社内の横軸組織の人間」としている意味を考えていかないといけないですよね。

社外からは「内部の視点」を、社内からは「外部の視点」も「内部の視点」も状況に応じて求められるので、その時々で有用な立ち回りを意識しなくてはいけないなと感じています。その上で思うのは、技術の習得はとても大事なことではあるけれど、あくまでも手段の一つ。担うのは「クリエイティブでの事業貢献」だと思っています。ここを忘れてはいけないなぁと。これまで以上にクリエイティブに携わる者同士の連携を強化していくことで、事業貢献に向けてクリエイティブ力を高めていきたいですね。

人気の記事はこちら