マレーシア、シンガポール、そして日本へ。ゲームのコンセプトアートを担当するエンディさんは なんでMIXIに? #10

マレーシア、シンガポール、そして日本へ。ゲームのコンセプトアートを担当するエンディさんは なんでMIXIに? #10

MIXI GROUPには、様々な経歴のメンバーが所属しています。それぞれの専門性やスキルを手に転職を決めた方々は、どのような経歴で、そしてなぜMIXI GROUPを選んだのでしょうか。中途入社した方々に「転職を考えたきっかけ」「入社を決めた理由」「入社後に感じたこと」を聞く『なんでMIXIに?』。今回はデジタルエンターテインメント事業本部のチョン エンディにインタビューしました。

チョン エンディ(Chong Endi) デジタルエンターテインメント事業本部
マレーシア出身。マンガ家として活動後、シンガポールに移住。建築予想図加工や写真撮影、イラスト作成などを手掛け、日本へ。日本語学校を卒業後、Webサービスやゲームの素材を作る制作会社へ入社。人材サービス会社への転職を経てフリーランスへ。2018年5月、業務委託としてMIXIに入社。2021年7月から正社員として勤務。現在、新規ゲーム『Asym Altered Axis』のコンセプトアートを担当。

キャリアの出発はマンガ家として

━━エンディさんはマレーシアでマンガ家として活動していたそうですね。
はい。私は子どもの頃から日本のマンガが大好きでした。特に好きなのは少年マンガ。自分でもヒーロー系のマンガをたくさん描いていました。いつかはマンガ家になりたいという気持ちが強く、美術系の専門学校へ進学し、イラスト科を卒業しました。卒業後は、友達の紹介でマレーシアの有名なマンガ家のアシスタントをしながら、自分のマンガを描いていたんです。

━━その後は、どんな仕事に就いたんですか?
シンガポールに渡り、アーキテクチャビジュアライザーという仕事をしていました。建築予定の家をよりイメージしやすくするために、デザインで木や人を足したり、室内におしゃれなソファーなどを配置して、建築予想図を加工する仕事です。

━━マンガ家の仕事とはかなり畑が異なりますね。
そうですね。本当はシンガポールでマンガを描きたいと思っていましたが、当時のシンガポールは日本やアメリカの作品が好まれる風潮があったので、マンガ家として活動していくのは難しいだろうと思ったんです。しかしシンガポールの給与はマレーシアの2倍くらいあったので、お金を貯めるために頑張ろうという気持ちで移住しました。

━━アーキテクチャビジュアライザーとして、どのようなことを学びましたか?
4年くらい働いたなかで、Photoshopの技術が磨けました。またこの仕事は、写真撮影の技術も必要です。私はもともとカメラに興味があったので、社長から「エンディ、もし写真撮影に興味があるなら、学校で技術を学んでみたらどうだろう」と声をかけてもらい、イチから写真撮影も勉強することができました。色々な角度のライティングでモデルを撮影し、建築予想図に必要な素材をピックアップして、色調整して使うという仕事は勉強になりましたね。

ゲーム・アニメで世界一の国で挑戦したかった

━━その後、来日することになったきっかけについて教えてください。
シンガポールで働いていた会社の社長のおかげです。私はずっと絵を描くのが好きで、シンガポールに来てからも仕事をしながらスケッチブックにキャラクターなどの絵を描いていたんですよね。それをたまたま社長が見て。当時はちょうどスマートフォンが発売されたばかりの頃で、スマホのゲームが流行りだしていたので、社長から「絵を描くのが好きなら、キャラクターイラストの仕事をやってみますか?」とチャンスをもらいました。そこから初めてゲームと関係ある絵を描き始めたんです。久しぶりに絵を描く仕事をしてみて、「自分のやりたかったことはこれだ!」と改めて思いました。正直言うと、シンガポールでは思ったようにマンガやアニメなどのクリエイティブの仕事ができず、「まぁしょうがない」と自分に言い聞かせていたのですが…。社長のおかげで、心に再び火が灯った感じがしました。

━━さまざまな仕事を経て、自分の天職を見つけたわけですね。
「もっとゲームのイラストに関わる仕事がしたい!」と思ったときに、浮かんできたのが二つの選択肢でした。一つは、アメリカに行く道。私は英語が話せるのでアメリカで働くのもいいかなと思っていました。もう一つは、日本へ行く道。もともと日本のマンガやアニメが好きで、日本のマンガの絵柄が大好きでしたし、ゲーム業界が盛んで、有名な会社もタイトルもたくさんあったので、行くのであれば世界一の国に行こうと、日本に行くことに決めました。

━━その時点で日本語は話せたんですか?
全くできませんでした。日本に来てから、「あいうえお」の勉強から始めたので。

━━そこからのスタートだったんですね!
シンガポールの会社を辞めて、来日し、1年間は日本語学校に通いました。日本語学校に通いながら、飲食店やごみ収集などアルバイトを3つ掛け持ちしていました。

日本語が上手に話せない…就職は夢のまた夢だった

━━就職はスムーズだったんですか?
いいえ(笑)。日本語学校の卒業が近くなって、学校の先生たちに就職相談をしたら、全員に反対されました。「エンディさんは日本語が全然話せていないから、無理です」と。しかも、日本では絵を勉強する専門学校や大学に行っていなかったので、先生から「日本語学校を卒業してから専門学校に行ったほうがいいのでは?」と提案されました。でも当時はお金がなく、進学は難しかったんです。そこで考えたのが、2つの選択肢です。一つは、日本でアルバイトをして貯まったお金を持ってマレーシアに戻るか、もう一つはポートフォリオを色んな会社に送って就職を目指すか。まずは両方挑戦してみようと思い、同時進行したんです。アルバイトをしながら、絵を描いてポートフォリオを色々な会社に送って…という生活をしていました。

━━結果はどうでしたか?
就職活動を始めた頃は、残念な結果ばかりでした。でもある日、ある一社から「面接に来てください」というメールが届いたんです。当時はまだ日本語が上手ではなかったので、念のため語学学校の先生にもメールを確認してもらったら、「面接の予定が入ったんですか?すごい!それなら早めに面接の練習をしましょう」と言ってくれました。そこから徐々に面接に行ける機会が増えてきて、3社から内定をいただくことができたんです。

━━努力が実ったんですね!エンディさんが就職したのはどのような企業ですか?
Webサービスやゲームの素材を作る制作会社です。私が担当していたのは、開発から依頼を受けてカードイラストやキャラデザイン、背景、武器などを作成する仕事。私は中国語と英語も話せるので、中国や台湾、タイの外注先の管理なども担当していました。3年半から4年くらい働いた後、クリエイティブ業界に特化した人材サービス企業に、契約社員として入社しました。

━━そこではどんな仕事を?
そこでも同じようにゲームのカードイラストやキャラクターデザインを手掛けていたのですが、徐々に“コンセプトアート”に興味を持つようになり、自分で勉強するようになったんです。

━━コンセプトアートというのは?
コンセプトデザインとも呼ばれるのですが、映画やゲーム、アニメ、マンガなどを仕上げる前に、世界観などを視覚化して伝えるイラストレーションのことです。イラストやキャラクターデザインを手掛けるなかで、「これを制作してほしい」と具体的な内容が決まっている仕事よりも、もっと企画段階から一緒に考えられる仕事がしたいと思うようになってきました。そこで所属している企業に「コンセプトアートが経験できる仕事はありますか?」と聞いたところ、ちょうどMIXIでコンセプトアーティストの募集があったんです。縁があって、2018年にMIXIに派遣されることになり、アクションRPG『STAR SMASH』をはじめ、全部で3つの新規ゲーム開発のコンセプトアートを担当しました。


▲エンディさんの描いたコンセプトアート例

MIXIで正社員になるために選んだ道は……

━━その後、正社員になったきっかけについて教えてください。
MIXIの雰囲気がすごく良くて、正社員になりたいとずっと思っていました。でも当時は人材サービス企業から派遣されて仕事をしている状態。この企業のおかげで、MIXIで働くことができたのに、会社を辞めてMIXIに転職するのも失礼な気がして…。その企業で5年間働くと、正社員になるかフリーランスになるかを選択できるのですが、私はフリーランスの道を選択しました。

━━フリーランスになって、MIXIのプロジェクトに再びジョインしたわけですね。
そうです。さまざまなサービスのコンセプトアートを担当しました。一年ほど経ったある日、プロデューサーの早川さんが「もしよければ正社員になりませんか?」と声をかけてくださって。すごく嬉しかったですね。「ぜひ!」と即答しました。

━━MIXIの正社員として働く魅力は何でしたか?
一番大きな理由は、クリエイターのサポート体制が手厚いところです。自分の専門とするクリエイティブに集中できるだけでなく、問題があったときもアシストしてくれる人がいるので、仕事がしやすい環境が魅力でした。私が頑張って仕事と向き合っているときも、後ろにみんながいてくれて、私が必要なときにサポートしてくれる。後ろの心配をしなくても、前を見て頑張ればいいという心強さがありました。また「一緒に働きたい」と思える人がいたのも決め手の一つです。

━━というのは?
以前、派遣で働いていたときに出会ったディレクターの星野さんです。私も星野さんも、海外の映画やゲームなど好きなものが似ていて、ゲームの作り方における考え方も似ていました。彼と一緒に働くとお互いのアイデアが発展していいモノが作れる、という実感があったんです。いい作品は、このチームだからこそ生まれるんだと、確信しました。

━━MIXI以外にも他の作品を手掛けたいとか、他の会社にエントリーしたいと思ったことはなかったですか?
MIXIが第一志望でした。私の仕事の経歴や外国人であることをすべて受け入れて、私のアイデアもリスペクトしてくれる社風にも感激しましたね。日本向けではなく世界向けのものを作ろう、という事業方針にも共感していました。

━━なるほど。エンディさんが普段、仕事で心掛けていることはありますか?
自分の考える世界観とプロデューサーやディレクターがほしいものをバランス良く考えてコンセプトアートを作る、ということです。ただ言われたものを作るのではなく、一緒に相談しながらアイデアを出し合いながら、提案することが多いですね。私の提案したアイデアがプロデューサーやディレクターの新しい発想にもつながっていくので、そういうサイクルを通して良いモノづくりができていると思います。

━━MIXIが掲げる企業理念やミッションについてはどうでしょうか。
MIXIは“ユーザーサプライズファースト”を掲げていますが、私もファンの心を掴むことが大事だと思っています。クリエイターとして良いものを作るだけでなく、ユーザーに「楽しい」「好き」と思ってもらえなければ意味がない。私は自分のキャラデザインや背景に対して、「これはユーザーに響かない」と思ったら絶対にリリースしたくないんです。世の中の人に「これはあのゲームの真似だ」とか「全然ワクワクしない」と思われるものを出したくない。だからこそ、自分が求めるクオリティは高いです。ビジュアルのカッコよさや美しさだけでなく、オリジナリティやユニーク性が伴ってこそ、ユーザーの感情や共感を揺さぶることができると思っています。

世界を熱狂させるIPを作る

━━今後は、どのようなキャリアを築いていきたいですか?
現在私は、クロスジャンルゲーム『Asym Altered Axis』のコンセプトアートを担当しているのですが、実はこの10月から企画チームに異動しました。仕事の幅も広がり、企画を考えながらコンセプトアートを作っています。企画を始めたばかりなので勉強中なのですが、まずは企画からコンセプトアートまで一連で作れるようになることが目標です。大きな目標としては、『Asym Altered Axis』を世界から人気を集めるIPにすること。『モンスターストライク』のように、新キャラクターが出たらユーザーが熱狂するような、そんな作品を作りたいですね。

━━正式リリースが楽しみですね。
そうですね。『Asym Altered Axis』が世の中に出たら、どんな反応があるだろう、みんな受け入れてくれるかな、とドキドキ、ワクワクしています。10月に実施したユーザーテストでは、アートワークへのフィードバックも良くて、今から楽しみです。

━━リーダーやマネージャーといった役職に就く目標はありますか?
あまり考えてはいませんでしたが、実はコンセプトアーティストの教育には興味があります。前職でも自ら新人メンバーの育成にも携わっていたので。ただ完全にクリエイティブと離れて、マネジメントだけを手掛けることになった自分が今まだ想像できなくて。コンセプトアーティストという領域の中で、ステージを高めていくことができればベストだと思っています。

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