新上級執行役員の所信表明 | 奥山 翔(投資事業推進本部/ソーシャルベッティング事業本部)

新上級執行役員の所信表明 | 奥山 翔(投資事業推進本部/ソーシャルベッティング事業本部)

2023年2月開催の取締役会にて新たに選任された3名の上級執行役員が、4月より就任しました。そのうちの一人である奥山は、2016年の入社以来、子会社支援やM&A、投資などの領域で尽力してきた人物。奥山は上級執行役員として、どのような役割を託されたのか?どのようなMIXIをつくっていきたいか?所信表明を聞きました。

奥山 翔
ベンチャーキャピタル、スタートアップ、事業買収などを経て、2016年4月株式会社ミクシィ(現MIXI)入社。経営企画室と投資事業部にて子会社支援や事業推進、M&A、PMI、スタートアップへの投資などに従事。株式会社チャリ・ロトや株式会社千葉ジェッツふなばし等のグループ会社の非常勤取締役を兼務。

グループ会社の支援に注力した1~2年目

━━奥山さんがこれまでMIXIで歩んできたキャリアについて教えてください。

私がMIXIに入社したのは2016年4月のことです。ベンチャーキャピタル、スタートアップ、事業買収などを経験した後、中途で入社しました。入社当初は「M&Aに注力するぞ!」と意気込んでいたんです。でもすぐにM&A業務に関わることはありませんでした。

━━そうだったんですね。

2016年当時のMIXIは投資に注力する意向はゼロではなかったのですが、『モンスターストライク(以下モンスト)』をはじめとする既存事業にリソースを集中投下することで企業成長させるという方向性だったため、「まだM&Aのフェーズではないんだ」と理解し、与えられた仕事を全うするため既存事業を伸ばそうと努力してきました。

━━どのような仕事を手がけたのですか?

入社後1~2年は経営企画部にて、グループ会社や社内事業の支援を担当していました。具体的にはマッチングサイト運営を手がけていた「Diverse社」(元グループ会社)の支援です。経営陣や事業責任者に寄り添いながら、事業戦略の立案を手がけていました。グループ会社の事業展開のために投資を活用することも仕事の一つで、Diverseはグローバルマーケットへの参入を目指していたため、シンガポール、台湾、インド等の会社への投資、投資検討を実施していました。グループ会社が助けてほしいこと、一緒に取り組んでほしいことへの相談に乗り続けてきた結果が、今の投資事業推進本部の基礎につながっていると思っています。グループ会社だけでなく、社内事業である「minimo」や「家族アルバム みてね(以下、みてね)」に対してもサポートできることを探して提案して実行していました。さらに、アイ・マーキュリーキャピタル社で投資をしていたメンバーと一緒にVCファンド出資や、VCファンドの情報をもとに投資戦略を立案したりもしていました。

ターニングポイントとなった『モンスト』に続く柱作り

━━奥山さんにとってのターニングポイントとは?

2018年です。当時は木村が社長に、大澤がCFOに就任するなど、大規模な体制変更が行なわれた時期でした。会社として『モンスト』の次なる柱を作るため、今後3~5年間で事業開発・M&Aに1000億円もの大規模投資をするという方針を打ち出したんです。2018年に水面下で投資の準備を行ない、2019年にはM&Aが急速に進んでいきました。

━━企業方針の転換が、契機になったんですね。

今振り返っても、『モンスト』一本の事業体制から脱却するという方針転換は良かったと思っています。その決断は、みてね経済圏の拡張にもつながっていますし、スポーツの観戦領域、公営競技領域という新たな事業も生まれ、利益にもつながっています。

企業が長期で発展し続けるために事業の多角化をすることは非常に重要ですが、MIXIはただ儲かれば良いわけではなくて、自分たちの強みが活きる領域に事業を拡張してきたというところが大きなポイントだと思っています。MIXIの強みとは、まさに“コミュニケーション”。「バイラルコミュニケーションが発生するものを作る」という木村社長の意気込みやその思いは2018年からずっと変わらず、投資部門のメンバーも意識しながら取り組んできました。

━━数々のM&Aや投資の実績において、経営陣からどんなところが評価されたと思いますか?

評価……というのは正直よくわかりません(笑)。しかし、これまでさまざまなM&Aを実現できたのは、本当に良いタイミングで、良い会社、良いサービス、良い経営者、良いメンバーに恵まれたからだと思っています。私は投資のアイデア提案などを積極的に行なっていきながら、良いメンバーにチームに入ってもらい、投資実行とPMIやグループ会社経営支援を行い、成果が少しずつ出ていることが今回の人事につながったのだと理解しています。

期待されているのは“リスクテイカー”としての役割

━━上級執行役員の就任を打診されたときは、どのように思いましたか?

背筋が伸びる思いでした。MIXI GROUPの企業価値を高めるために何ができるか?新しいものをもっと生み出せないか?ということは、以前から考えていましたし、その点については大きな変化はありませんが、投資事業だけでなくソーシャルベッティング事業本部も一緒に伸ばしていくミッションを担うことのほうが、私のなかでは大きな挑戦だととらえています。

経営会議に参加する機会が増え、今期のMIXIや5年先を見据えたMIXIについての議論をするなかで、経営の判断の難しさと面白さにも直面しています。外から見る経営と、中で行なわれる経営というのは全然違うもの。全体最適というか、いかにバランスを取りながら会社を動かしていくかについて学んでいます。

━━上級執行役員として、どんな役割を期待されていると思いますか?

私に託された役割は、リスクテイクだと考えています。MIXIの未来を作るために、適切なリスクを取りながら大きなリターンを得る。それを提案していくことが自分の役目だと思っています。やっぱり全員がリスクを取らない立場になると会社は動かないので、できるだけ色んな提案をしたいなと考えています。割とリスクが高い案件であっても、世界的なサービスに育つ可能性があれば、その大きなワクワク感に「投資しましょう!」と経営陣に伝えることもあります。

自分の役目は議論を引っ張っていくというより、提案していくという立場。新しいものを生み出そうと思うと、何かきっかけが欲しいじゃないですか。提案が通っても通らなくても、それに対して経営陣がどう考えるかがすごく大事だと思っていて、「今じゃないよね」と判断するのもすごく良い議論ですし、できるだけ議論の起点となる提案を心がけていきたいです。

投資事業では、次の未来を作るための手を打っていきたい

━━今後MIXIをどのような会社にしていきたいですか?

MIXIという会社は、大規模なユーザーを保有するコンシューマー向けサービス事業会社だと思っているのですが、これからもたくさんのユーザーに毎日使ってもらえるサービスを生み出し続ける会社にしたいと思っています。そのために何から始めるべきか。投資事業推進本部においては「次の未来を作るための一手」を考える“仕込み”の期間にしたいなと思っています。

━━というのは?

実は『モンスト』も『みてね』もほぼ10周年のサービスなんですね。10年前に生まれたサービスが今主流になっています。私たちが公営競技などスポーツ事業に着手したのは5年前なので、今からもう一回仕込んで、次の5年後につながるものを生み出していきたいと思っています。

具体的な行動としては、投資を積極的に行なう予定です。投資した会社と組んで新たな事業を作ることができたらなと思っています。内部のリソースをフル活用する前段階の位置付け、あるいは丸ごとグループに入ってもらうという投資もあると思っていて、その会社が例えば5年後に成長している可能性も加味して、投資先を探そうと考えています。

ソーシャルベッティング事業は「面白さ」の原点を見つめ直したい

━━ソーシャルベッティング事業についてはどうですか?

ソーシャルベッティング事業本部の目標は「原点回帰」です。実は昨年度はすごく良い数字(結果)が出たのですが、数字ばかりを追っていると本質を見失うこともあるので、ソーシャルベッティングの実現という原点に戻り、ソーシャルとは何か?をきちんと考えていこうと思っています。

━━具体的には、どんな取り組みを予定していますか?

この4月はグループごとに世の中にあるさまざまなベッティングサービスを使い、みんなで遊ぶときに何がネックになっているのかなど、気づいたことを共有しました。多くのベッティングサービスは「一人で遊ぶもの」として成立させようとしているので、当然一人で使う仕様になっています。でも一方で、友だちなどとオンラインでつながって一緒に遊ぶと楽しいんですよ。その楽しさをサービス内にどう入れるべきか?を、もう一度考えてみてほしいという意図がありました。

5月に予定しているのは、ソーシャルサービスの研究です。ソーシャルサービスって熱狂性や中毒性があります。つい暇なときに見ちゃうとか。その面白さはどこからくるのかを、みんなでサービスを触りながらああだこうだ議論したいと思っています。ベッティングサービス、ソーシャルサービス、それぞれが「みんなで使うと楽しい」と分かれば、その2つをどうミックスしていくべきなのか、あるいはミックスせずに新しいカルチャーやバリューを作るには何をしたらいいのか?が見えてくるはずだと考えています。

━━そういった意図があるんですね。
各メンバーが、いちユーザーとして徹底的に色んなサービスを利用してみることで、ソーシャルサービスの考え方も色んな仮説が立つと思いますし、組み合わせると我々が目指すべきソーシャルベッティングの形の仮説が見つかると私は信じています。
他社のマネをしたいわけではなく、熱狂性につながる要素を実感から学んでいきたいですね。

役員よりコメント

木村 弘毅
木村 弘毅
木村 弘毅(代表取締役社長 CEO)
奥山さんに期待しているのは彼の商売の「嗅覚」です。
いくつもの投資を行う中で彼は投資の成功を収めてきました。そして「何が当たるか?」に関しての嗅覚が研ぎ澄まされてきている。彼が僕の口元に「ちょっと味見してもらっても良いですか?」と持ってくるものは結構美味しいんですよ。「お!これ行けそうじゃん!」って(笑)当社の中でも類い稀なるその嗅覚、多くの成功事例を作り、その能力をチーム全体のメンバーにも授けて回って欲しいです。
大澤 弘之
大澤 弘之
大澤 弘之(取締役 上級執行役員 ライブエクスペリエンス事業本部 / 人事本部 / はたらく環境推進本部担当)

面白い経験をしてきている方がいるなと思って面接させてもらってから早7年。持ち前のアイデアや柔軟さで、経営企画や投資部門の立ち上げを引っ張ってきてもらいましたが、どちらも今ではMIXIを支える重要な存在になっています。

状況に合わせて自身を変えていける力もありますし、今後の成長にも期待してます。これからも面白いことをやっていきましょう!

村瀨 龍馬
村瀨 龍馬
村瀨 龍馬(取締役 上級執行役員 開発本部 / デザイン本部 / セキュリティ室担当)

奥山さんのいろんな知識を組み合わせていろんな切り口で物事を組み立て、考えていく姿に尊敬しています。会社としては実現力をもって、いろんな物を共に実行していけたらと思います。

これからは全社の中で中核を担っていただき、組織全体の価値をどんどんあげていき、部下の幸せも最大化してください!

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