新CDO 横山義之の所信表明 | デザインに閉じない。“経営と連動するデザイン組織”とは?

新CDO 横山義之の所信表明 | デザインに閉じない。“経営と連動するデザイン組織”とは?

2023年4月、デザイン本部 本部長の横山が 執行役員 CDO(Cheif Design Officer)に就任しました。これまでMIXIにCDOのポジションが存在しなかったこともあり、社内外問わず周囲から驚きの声が寄せられたといいます。横山は「新しくCDOのポジションができた意味を、経営のメッセージだと捉えている。デザインにもっと期待している、デザインを中核にしていく、という意思表明でありスタンスだと考えている」と語ります。今回は、横山が大事にしている考え、挑戦したいこと等、CDOとしての所信表明を聞きました。

横山 義之 CDO(Cheif Design Officer)
デザイン事務所に入社した後、フリーランスを経てデザイン会社を起業し、事業売却を経験。その後、フォートラベル株式会社(現 株式会社カカクコム)のデザイン部長、株式会社リッチメディア(現 株式会社シェアリング・ビューティー)の執行役員(デザイン/コンテンツ制作領域)を経て、2019年1月当社入社。2021年10月、当社デザイン本部本部長就任(現任)。2023年4月より、当社執行役員CDO(現任)。

デザイン職にもマネジメントにも良い“デザイン組織づくり”を目指す

━━これまで「デザイン職の全体マネジメント」に携わってきて、大事にしてきたことについて教えてください。

僕が大事にしてきたのは“MIXIらしいデザイン組織”をつくることです。MIXIに入社した頃、多くのデザイン職は同じ組織にいながらも、それぞれが個々に働いていました。MIXIはコミュニケーションを大事にする会社ですので、働き方ひとつとっても、もっとMIXIらしい働き方があるだろうと感じました。メンバーももっと交流したいとは思っているものの、どこから手をつけたらいいのかわからない状況にありました。

MIXIの特徴のひとつは、多くのデザイン職が在籍していることです。お互いのデザインへのフィードバックがもっとあっていいし、部署を超えたコミュニケーションの場がもっとあっていい。逆に言えば、数や規模から来るデザインの刺激や切磋琢磨の恩恵をメンバーが享受できないと、それはせっかくMIXIに在籍しているのにとてももったいない状態であると思います。これらを改善するべく、風通しの良い組織を目指して、ひとつひとつマネジメントを実行してきました。

━━そうだったんですね。コミュニケーションといえば、デザイン本部にブランドデザイン室が出来ましたね。

はい。2月にMIXIが掲げるPMWV(PURPOSE / MISSION / MIXI WAY / VALUES)の浸透を推進し、コーポレートブランディングを確立していくブランドデザイン室を立ち上げました。デザイン組織なので当然、視覚や聴覚に訴えかけるデザイン活動を通して、パーパスが深く浸透した行動を、全従業員が当たり前に実行できる状態を目指してアウトプットをしていきます。現在はちょうどその活動に向け、PMWVを解像度高くとらえながらデザインを起こす作業の真最中です。

━━新しいチャレンジですね。

いろいろなアウトプットを実行しながら……それは上手くいくこともあれば、いかないこともあると思いますが「これは良さそうだぞ」と思えたものはどんどん広げていきたいと考えています。

CDOとしての“新しい冒険”にワクワク

━━CDO就任の話を聞いた時の気持ちは、どのようなものでしたか?

最初にまず、新しくデザインする場所をゲット出来たことが嬉しかったですね。「まだデザインしたことない場所がここにもあったか!」という感じです。

次に湧いてきたのは、MIXIの歴史において初めてCDOのポジションを作ることが出来て嬉しいという気持ち。これはある意味、経営のメッセージだとも捉えているので、デザインにもっと期待している、デザインを中核にしていく、という経営の意思表明がありがたく、期待を上回る成果を出してくぞ!という意気込みがあります。さらには、MIXIのデザイン職のキャリアの先に、CDOのポジションがあるというのは、とても勇気がわく話ではないかなと思います。

最後に、これまで取り組んできたものがある一定の評価をされて、さらに新たなチャンスをもらえたことが素直に嬉しかったですね。

━━“大きなチャレンジ”に対する喜びですね。

就任が決まったとき、デザイン本部のマネージャーのSlackチャンネルに「デザイン職としてあんまりポジション名を今まで意識したことはありませんが、CDOはもしかして初めて嬉しいかもしれない。嬉しいの中身は、経営がデザインに期待してくれてるところまで持って来れたこと、みなさんのキャリアのロールをひとつ作れたかもしれないこと、過去色々な方が作ってきた組織を拡張した実感が湧くことなどなど。」と、ポエムみたいなメッセージを投稿しました(笑)。

━━CDOとして、取り組んでいきたいことについてもお聞かせください。

これまでの働きがCDOにつながったと思うので、CDOになったから……という特別なものがあるというよりは、これまでやってきたものは引き続き実行しつつですが、関わる領域をさらに広げていったり、深めていったり。そんなイメージを持っています。「デザイン職に閉じない」というのが、CDOとして持っている一歩先のテーマです。

もともと僕は旧デザイン本部の“グラフィックデザイングループ”から、MIXIでのマネジメントのキャリアがスタートして、そこから少しずつ影響を広げていった経緯があります。これをさらに全社に広げていって、経営の意思決定の場にもデザインの専門性で関わっていく働きをしたいと考えているし、期待されているとも思っています。

“MIXIらしさ”はすでにある。みつけて、磨いていく

━━「経営と連動するデザイン組織づくり」は、何から始めていくのが良いのでしょうか?

現在取り組んでいるのは、ケイパビリティを強化する取り組みです。動画クリエイティブ、プロダクトデザイン、ブランドデザインを3つのケイパビリティとして定義し磨いています。これらデザインのケイパビリティがMIXIの優位の一つだよね、と言える状態に持っていかなければならないと考えています。

━━それは、新しく生み出すものですか?

どちらかというと「みつけて磨いて光らせていく」ってイメージで捉えています。

MIXIには長い歴史があって、多くのファンから支持されてきた事業を今も複数持っている企業です。そこには必ずMIXI特有の良いものがあるはずで、それを「みつけて磨いて光らせていく」ことが大事なのではないかと考えています。

たとえば、MIXIのデザイン本部には多くのディレクターが在籍しています。ディレクターの特徴は動画を作れることだけでなく、動画やイベントを生み出す企画力や表現力や制作進行能力を持っていることです。ならば他社のデザイン組織よりも、比率が高いディレクターをデザイン本部の中核にしたら、どんなユーザーサプライズを生み出せるだろうか?と考えたのが、そもそも現在の動画クリエイティブ室を立ち上げるきっかけでした。

一からデザイン組織を作ろうと思った時に、今の割合でディレクターを採用する発想にはなかなかなりません。『モンスターストライク』のグロース期に様々な経験をしたディレクターがいるからこそ、そのディレクターとデザイナーの掛け合わせで、ユニークなアウトプットが出来るのが、今のデザイン本部の大きな特長です。

今、MIXIで活躍しているこのメンバーじゃなかったらたどり着いていない形が見えてくる。それが、“MIXIらしさ”を見つけるタネではないかと考えています。デザイン組織の中核で成果を出す仲間と、これから新たに迎える優秀な仲間との掛け合わせで“MIXIらしいデザイン組織”を作っていきます。それはこれまでも取り組んできたことであり、それをCDOとして、さらに加速し拡大していきたいと考えています。

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