建築の知見を活かし「人に優しい」エンジニアになりたい。~新卒成長の軌跡、その後 #17~

2023.11.16

ミクシルでは、新卒スタッフの成長をシリーズでお伝えしています。どのような成功体験や失敗体験を経験し、どんな風に成長したのか?スキルやマインドの成長に大きく役立ったターニングポイントとは?について迫ります。

今回は、2022年新卒入社 開発本部の森山堅樹さんにお話を聞きました。学生時代は建築学科で、建築一筋で学んでいた森山さんが、MIXIの仕事で活用している「建築の知見」とは?

建築学科からIT業界へ

━━MIXI入社までの経験について教えてください

私は学生時代は建築学科で学んできました。インターンも建築系の企業で経験をさせてもらったり、設計事務所でアルバイトなどもしていました。

━━建築一筋だったんですね!そこからIT系に移ったきっかけは何ですか?

建築を学ぶ中で、建物自体の設計よりも徐々に中のコンテンツ、建物の中で何を提供するかに興味が移っていきました。それらは建物を建てる側ではなく、イベント会社やプランナーといった空間設計者が行います。そうした中で、IT系はユーザーの意見を反映しやすい点に魅力を感じました。

━━就活でもIT企業が多かったですか?

そうですね。建築会社からもいくつかお声がけいただいていたのですが、退路を断つつもりですべてお断りました。

━━就活では、どういった会社を探していたのですか?

新卒ということもあり、大きい会社を探していました。大手ならではの仕事の回し方や、取り扱う案件の大きさがあると思ったからです。管理体制がしっかり整っている企業に入って、未経験からさまざまな経験ができるところを探していました。そうして探している中で、就活エージェントから紹介されたのがMIXIです。

━━MIXIの最初の印象はどうでしたか?

実は、最初はMIXIの事業内容について詳しく知らなかったんです。そこで調べていったら、いろいろなサービスを提供しているのが分かりました。なので、MIXIに入れば幅広く学べそうだなというのが最初の印象です。

あとは面接官の人と話す中で、とにかく人を見る会社だなと思いました。質問内容なども、私を理解しようと努めてくれているのが、よく分かりました。面接ですが、面接官と就活生という雰囲気ではなく、お互いのすりあわせをしているような感覚がありました。もちろん自分の強みなどもアピールするのですが、他の面接などとは違って会話の延長線上みたいに進んでいった覚えがあります。

━━面接の際に、ゲームを作って臨んだと聞いています

そうですね。建築系を歩んできたこともあって、IT系においてアピールできるものが何もなかったんです。面接で建築のことばかりアピールすると、面接官も困ってしまいますよね。そこで、自分のアピールとしてポートフォリオ風に見せられるものを作りました。これは、私はもう建築方面には進まないという意思表明でもありました。

━━何かフィードバックはありましたか?

面接の中ではUnityとUnreal Engineの違いが分かるともっと良いですね、とフィードバックをもらったので、次の面接時に調べたことや、改善した点を話しました。その点は評価してもらえました。

建築分野でのスキルが活かせたMIXI AWARD 2023

━━MIXIでの働き方はどうですか?

今の部署(開発本部)では、いろいろなプロジェクトに横断的に関われています。さまざまな経験ができるのが気に入っています。あと、MIXIにはいい人が多いです。ちゃんとこちらの意思をくみ取ってくれる人が多くて、いい人間関係が構築できています。

━━特にこの人、という方を挙げてください

上長の馬淵さんですね。ミクシルの記事【「現場の負担を軽減しなければ……」 実現したのは、ブラウザでの映像編集 ~TIPSTARの開発の裏側 #3~】を読んで、現場に近い位置を体験することで、本質的な業務改善をする姿勢に感銘を受けました。

━━建築分野の経験が、MIXIでの仕事に活かせていることはありますか?

前提条件の中で想定して、設計する能力でしょうか。建築学科でよくあるのが、ある敷地に対して建物をどう建てるかという課題です。たとえば住居だった場合は住む人たちを想定して、彼らが住みやすい・過ごしやすい居住空間を設計します。

たとえばキッチン一つとっても、普段料理をしない人が設計するキッチンは使い勝手よくありません。使ったことがある人の設計は解像度が非常に高いです。利用者を想像して、設計するというスキルは何事にも役立つものだと思っています。

━━これまでに担当した仕事で印象に残っているものは何ですか?

MIXI AWARD 2023は印象深いプロジェクトですね。イベントはホテルのフロアで行ったのですが、Slack上で特定のスタンプを打つと、配信している映像にARとして出る仕組みを開発しました。私は特に特殊なスタンプ演出を実装する担当でした。

このプロジェクトがよかったのは、まずデザイナーさんと距離が近い仕事だった点です。また、建築分野にいたときにやりたかった、空間の利用や演出に関われたのがよかったです。

━━空間というと、建築関係のスキルも活かせそうですね

図面を見てモデルを立ち上げるスキルが活かせたのがよかったですし、驚きでもありました。自分の学んできたことが、他の分野でもちゃんと活かせるというのは不思議な感覚でした。それと同時に学んできたことが決して無駄にならなかった点も嬉しかったです。

━━逆に苦労していることや、今後の課題は何ですか?

私はまだまだ技術力が足りない場面が多いので、いろいろな人に助けてもらっています。入社してから毎日学びの連続ですし、知らない概念もまだ多いです。

そんな中で強いて挙げるならプロジェクトの進め方や、チーム開発の進め方でしょうか。Gitの使い方やプログラミングだけであれば、建築業界であっても経験できます。しかし建築業界では、動くことが第一であり、プログラム自体の設計に関しては重きを置いていないことが多いと感じています。さらにそのほとんどが個の取り組みで、多くとも2,3人の単位のチームでした。しかし、業界が変わると、進め方も、重要視する点も異なります。

たとえばコードレビューについて、その内容の意図が確認されます。それは単に調べた結果というだけではなく、なぜそうしたかという自分の意思が必要です。単に動くから、というだけでは正解ではありません。

━━改善するために取り組んでいることは何ですか?

いろいろありますが、一つ挙げるとコミュニケーションのあり方ですね。わからないことは素直に認めて、教えてもらいます。もちろん何でも聞くわけではありませんが、その頻度や聞き方は難しいです。チーム内ではオンラインで会話することが多いので、Slackへ投稿する障壁を減らしたいと常々考えています。開発に集中すると、つい聞くタイミングを逃してしまったり、投稿しにくい雰囲気になってしまうことがあるのを改善したいですね。

━━オンラインのコミュニケーションだと特に難しいですよね。どんな工夫をしていますか?

テキスト中心になってしまう分、どうしても冷たい言い方に見えてしまうことがあります。そのため、前提として相手が決して自分を攻撃しようとしているのではなく、相互理解を深めるために会話しているのだと考えています。その前提のもとに、お互いのコミュニケーションを成立させる点が大事だと思っています。

━━冷たさを避けられるTipsはありますか?

エクスクラメーションマーク(!)を使うと、きつい印象が和らぐかと思うので、たくさん使ってます(笑)。ただ、普段エクスクラメーションマークだらけなのに、突然なくなったりすると怖いですね。

自分の判断がちゃんと言えるエンジニアになりたい

━━短期的にチャレンジしたいことや、改善したい課題はありますか?

正直、課題だらけです。技術力、コミュニケーション、進捗報告などなど…まだまだ改善すべきポイントがたくさんあります。そうしたたくさんの課題に日々向き合って仕事をしているのが現状です。

なので、短期的なチャレンジという意味では目の前の仕事に全力で取り組むことであり、それが結果としてエンジニアとしての成長につながると考えています。

━━理想とするエンジニア像はありますか?

一番は自分の考え、自分の判断がちゃんといえるエンジニアです。どこどこのサイトに書いてあったからとか、ChatGPTがこう書いたからではなく、自分の判断や意見をちゃんと下せる人です。自分の意見を相手に伝えた上で、相手がどう思うかコミュニケーションを取れるのが一番大事だと思っています。

今は自分より優秀なエンジニアが周りにたくさんいて、その人たちの意見に対抗できるほどの知識や根拠はありません。そうなると、ただ頷くだけになってしまいます。コミュニケーションを取る上でも、意見を求められた際にちゃんと自分の言葉で説明できるエンジニアになりたいです。

それはもちろんエンジニア間だけではありません。エンジニアではない人たちから相談を受けた時にも、自分なりの根拠と軸をもって説明できるようになりたいですね。

━━中長期的な目標について教えてください

私自身、他分野からITエンジニアになったということもありますので、人に優しいエンジニアでありたいとずっと思っています。誰かがやりたいこと、実現したいことを形にしたいという思いは自分の軸としてあります。建築の頃は構造設計という分野を学んでいたのですが、これは意匠の方たちが実現したい形を実現する構造を考えます。

今はエンジニアというポジションですが、この誰かがやりたいことを叶えるという立ち位置は変えずにいたいです。専門でない人が質問してきた際に、私ができないといったら、その人の希望は終わってしまうと考えて、相手に対して誠実に応えられるエンジニアになりたいと思っています。

他分野であってもチャレンジを恐れないで欲しい

━━これからMIXIに入社する・検討している人に向けてメッセージをお願いします

私が他分野からの挑戦であるように、チャレンジを恐れないで欲しいです。いくつかの選択肢がある場合、そのいずれを選んだとしても後悔しないことはないと思います。それを踏まえた上で、一歩踏み出すのが大事だと思っています。

━━どんな人がMIXIに合っていると思いますか?

一つ挙げるなら、相手の話の意図を汲み取ろうとできる人でしょうか。MIXIはコミュニケーションを重視していて、それは面接でも変わりません。相手の話を聞いて、自分の意見をちゃんと返答するのが大事です。自分の意見を持っていて、コミュニケーションできる人が向いていると思います。

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