ミクシィグループでは、「git challenge」「TDD challenge」「Bug Shooting Challenge」など、エンジニア社員が実務に近い環境を用意し、学生向けの技術イベントを定期的に開催しています。この度2019年12月に新たなジャンルのChallengeシリーズとして、「Unity Engine Challenge」を実施します。
イベント開催を記念し、当日の課題作成を担当した4名のエンジニアやテクニカルアーティストなどにインタビューを実施。イベントの概要や体験できるポイントについて話を聞きました。
(左から)
人事部 ディベロッパーリレーションズチーム 喜多
デザイン戦略室 テクニカルアートグループ 長舩
インキュベーション事業部 エンジニアリンググループ 信夫
デザイン戦略室 テクニカルアートグループ 吉田
CTO室 田那辺
Unityでゲームを作…らないイベント
━━━━早速ですが、本イベントの概要を教えてください。
喜多 参加者が2名一組のペアとなって、提示されたissueをUnityを用いて解決していくイベントです。これまで様々なChallengeシリーズを展開してきまして、今回新しい試みです。
━━━━なぜUnityを用いたイベントを。
喜多 これまで、「TDD challenge」「Bug Shooting Challenge」などサーバサイドのエンジニア向けのイベントが多かったのですが、ミクシィグループはゲームに限らない領域で複数アプリを展開しています。そこで、クライアント側の技術で学生向けに何かできないかと考えたことがきっかけです。
長舩 プログラミング教室などでも、教材としてUnityを使用するケースも増えていますから学生への認知度は数年前とは各段に向上しているかと。
信夫 最近Unityに関心が高い学生の方も多くいらっしゃいますし、先日参加したカンファレンスにも学生の方がブースを出展している姿を多数見かけまして。ただ本イベントはゲームコンテストとは異なります。
━━━━といいますと。
信夫 Unityを使ったイベントとなると、ハッカソンのように特定のテーマでゲームプロダクトをガツガツ開発…というイメージを持たれるかもしれませんが、そうではなくAR、シェーダー、マルチ通信など、Unityの色々な機能を使い私たちが考えた課題を解答していくものです。
━━━━なるほど。Unityで「作る」ではなく、「解く」、と。
信夫 はい。そのため当日の会場スクリーンには、各チーム毎に解答状況や、順位が明確にわかるスコアボードのような仕組みを用意しています。参加する学生に他チームとの競争感や、問題に解答できたかどうかの達成感を感じてほしいと思っているからです。ハッカソンのようなコンテスト式だと、表彰されたチームのアイデアのみに脚光があたりがちですので。
━━━━となると、当日の参加者は回答状況がタイムリーにわかるわけですね。そうなると参加する学生も競争心があおられそうで、夢中になりそうですね。
信夫 そうなっていただけるようにイベントを企画しています。数ある問題の中で「自分たちのチームは○問解けた」となったほうが達成感があるでしょうし。
━━━━話は変わりますが、Unityはゲームエンジンのイメージが強いのですが、ゲーム以外での用途も増えているのでしょうか。
田那辺 おっしゃる通り、Unity=ゲーム開発のイメージが強いと思いますが、最近ではゲーム以外の分野での利用も珍しくはありません。身近なところでいいますと、建築や自動車などですね。
信夫 弊社で取り組んでいるオルタ3のプロジェクトに関しても、一部Unityを使い表現しているところがあります。そういった点でもゲーム以外でもUnityの利用事例が広がりつつあります。
長舩 オルタ3以外でも、ミクシィグループでは非ゲーム領域のプロジェクトにおいてUnityでの制作や研究開発に取り組んでいます。
さて、気になる課題は
━━━━参加者が気になる問題についての質問です。ズバリどんな問題があるのでしょうか。
長舩 問題数は全部で9問を想定しています。「AR」「マルチプレイ」「シェーダー」を題材にした問題です。
田那辺 学生の方で、Unityの全ジャンル詳しい方はいないだろうと想定の上で問題を作っていますが…(笑)。自分が得意だ、あるいは興味あるという問題から解答してもよいですし、全ジャンルにチャレンジしてもよし、ですね。
━━━━ネタバレになるので、詳しくは当日のお楽しみになるかとは思いますが、問題のヒントをいただけますでしょうか。
田那辺 簡潔にいうと脱出ゲーム的要素を構想しています。実際に会場から脱出するわけではないのですが(笑)。これは問題の一例を説明すると、Unityでのビルドや、アセットに関する課題があり、その解答へのアプローチ方法をしっかり考えてもらいながら、会場内を動いてビーコンを探したり、現実にスマホをかざしたりなど、最終的な解答であるパスコードを見つけ出してもらうイメージです。
信夫 ビルドやアセットを組んだりして実際に体験をしないと答えが分からないようにしています。というのも、通常通り問題を作ってしまうと、ファイルを読み込めば解答内容がわかってしまいますから。これは、問題を作るときに工夫した点でもありますね。
吉田 丁度先日キャラクターのモーション撮影が終わったので、イメージはこのような感じですね。
今回は素材にバンダイナムコ研究所さんのミライ小町を使わせて頂いています。
━━━━となると、当日参加者は会場を動き回る?
信夫 そうですね。完全デジタルではなく、現実の世界とのリンクといいますか、Unityで作ったものを実際に試してみるアクティビティを取り入れています。参加する学生にもイベントをより一層感じてもらいやすいでしょうし。
━━━━ふと思ったのですが、ある参加者が移動したら、その位置にみんな一斉に向かうのでは。
田那辺 それを想定して、例えば、グループAの答えは●、グループBの答えは▲など別にしていますので、そんな不正が発生しないような設計にしています。ただしその解答に至るまでのプロセスは同じです。
━━━━安心しました。
長舩 実は扱っている問題自体は結構難しいと感じています。問題を作っている私たちもノーヒントでは苦戦を強いられる問題もあります(苦笑)。そのため、理不尽にならない程度の難易度調整を行っていますし、ヒントも用意する予定です。
吉田 結構問題を解くのは大変ですから、参加される学生のみなさんには知恵を絞って頑張ってほしいですね。
信夫 プログラム中心の方なら、シェーダーは書かないとか、人によっては普段触ったことがない部分がでてくるかと思います。
長舩 これは問題を作る側の遊び心ではありますが(笑)。理不尽にならない程度のヒントは用意するものの、「これが出来たらたいしたものだ」という気持ちで問題制作に取り組んでいますので楽しみに待っていてください。
学生に体験してほしいこと
━━━━イベント内容を理解できました。では最後に参加する学生にメッセージを。
信夫 Unityの色々な機能を触ることと非ゲームの領域での使い方で新しい発見をしてほしいですし、Unityでのギミックを意図的にリアルと融合させていますので、イベントを通して楽しんでもらえば良い体験になるかと。あとは「コミュニケーション創出」を掲げているミクシィという会社が、ゲームやエンタメに限らず、コミュニケーションサービスにチャレンジしている点を少しでも理解してくれると嬉しいですね。
長舩 最近では、巷で話題の位置ゲーの影響でARが浸透しつつあります。そのARの課題ではVuforiaやAR Foundationといった最新のAR開発環境に触れられますので、本イベントに参加することで良い体験に繋がるのではないかと思っています。また、私自身がテクニカルアーティストという職種ですので、ゲーム会社のテクニカルアーティストとコミュニケーション事業を行う当社のテクニカルアーティストの違いなども興味がある方には話したいと思います。
田那辺 当日はチームで協力しながら、会場内をウロウロしながらビーコンを探すことになるかもしれないので、チームメンバーとワイワイしながら楽しんでもらえれば。
吉田 私自身シェーダーをあまり触ったことがなかったので、非常に新鮮でした。参加する学生の方も初めて触る領域があるかもしれませんが、可能性が広がることには間違いないと確信していますので、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
※記事内の課題内容は制作中のものです。変更する可能性がありますので、あらかじめご了承ください。
商標について
このイベントは、ユニティ テクノロジーズまたはその関連会社がスポンサーとなったり、ユニティ テクノロジーズまたはその関連会社と提携しているものではありません。
このイベントに掲載された Unity の登録商標一覧に含まれる Unity の登録商標はすべて、ユニティ テクノロジーズまたはその米国や他の国々に所在する関連会社の登録商標または商標です。
「ミライ小町」は株式会社バンダイナムコ研究所の登録商標です
本イベント、お申込みがスタートしております。Unityでの技術チャレンジしたいと考えている学生の方は、ぜひ下記より応募くださいませ。
【開催概要】
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