バランスが肝?ミクシィが考える強いデザイン組織とは

バランスが肝?ミクシィが考える強いデザイン組織とは

ミクシィグループはコミュニケーションを豊かにする事業を複数展開しています。『コミュニケーションの場』をデザインで創出し、ユーザーバリューを最大化することをミッションに掲げたデザイン組織には、150名を超えるデザイナー・クリエイターが在籍。

今回、デザイン組織を束ねる二人に、ミクシィのデザイン組織はどのような戦略でどこへ向かうのか?そしてどんな仲間を探しているのか?率直に話を聞いてみました。

※時節柄オンラインインタビューとなりました

 

 加藤博昭(かとう ひろあき) デザイン本部本部長。Webデザイナーとしてキャリアをスタート。その後フリーランスを経験した後アプリ・ゲーム開発会社を経て2014年ミクシィ入社。 参画当初よりモンストのUI設計や演出を手がけ、デザイナーの組織作りに携わる。

 

 横山義之(よこやま よしゆき) デザイン本部制作室室長。デザイン事務所にてパッケージ/Webデザイン、デザイン会社起業から事業売却、カカクコムGrデザイン部長、メディア事業会社執行役員を経て2019年ミクシィ入社。デザイン戦略推進やデザイン組織全体マネジメントに携わる。

 

クリエイティブとマネジメント、攻めと守りの分業

 

────まずはじめに、お二人は普段どのような仕事をされているのでしょうか?

加藤 私たちはミクシィグループ全体のデザイナー・クリエイターが所属するデザイン組織を統括しています。私がデザイン本部本部長として全体を指揮しながら、映像事業や新規プロジェクトのクリエイティブを担っているのに対し、横山はデザイン戦略の推進やデザイン組織全体のマネジメント、横断組織である制作室室長を努めています。積極的に事業を推し進める一方で、その地盤となる組織を強化していく。いわば、攻めと守りの分業というとわかりやすいかもしれません。

────なるほど。ミクシィはマトリックス型組織になっていますね。デザイン組織はどのようになっているのでしょうか?

加藤 デザイナー・クリエイターは、縦軸の各事業部に所属するケースと、横軸の横断組織に所属するケースがあります。各事業部の事業規模やサービス形態、あるいは事業フェーズによって、必要な組織や職能はそれぞれ異なるので、事業に合わせた最善を選択できるマトリックス型組織をとっています。

横山 モンストのような大きな事業部では、常に高速でクリエイティブを改善し続ける必要があるので、縦軸の組織として事業部内にデザイン室があります。一方、新規事業では、デザインチームを初期から作ることがかえってマネジメントの負荷を高め、グローススピードを阻害する要因にもなりかねません。そのため、新規事業ではある程度のところまで、横軸から支援するのも制作室の大きな仕事のひとつと言えますね。

加藤 そうですね。それぞれの事業部が自走できる状態を見据えながら、戦略的に最適なアサインを心がけています。

────なるほど。

加藤 さらに、デザイン本部には制作室のほかに、デザイン戦略室があります。ここではミクシィグループ全体の経営方針に基づいたデザイン組織の舵取りや育成支援、デザイン広報や採用を担っています。

横山 デザイン戦略室も私たちで兼務しているので日々てんやわんやです(笑)。が、世の中にインパクトのある、あるいは世の中をより良くする事業にクリエイティブで貢献することは、私たちの喜びでもあるし責務でもあると思いますね。

────ミクシィグループには様々なデザイナー・クリエイターがいますが、縦軸と横軸、所属先でどのような特徴があるのでしょうか?

加藤 ミクシィのデザイナー・クリエイターはバリエーション豊かなのが特徴です。UI/UXデザイナーやグラフィックデザイナー、キャラクターアーティストやテクニカルアーティスト、3Dモデラーや3Dアニメーター、映像クリエイターやサウンドクリエイターなど…職能は実にさまざまです。

その中で、ひとえに縦軸の事業部に所属しているといっても、ゲームやエンタメの事業部と、ライフスタイル系のサービスを担当する事業部とでは、ミッションも役割もまるで異なりますが、「ユーザーバリューを最大化」するという点では共通しているかもしれません。

横山 それは横軸も同様ですね。制作室は、先程お話した新規事業立ち上げ支援のほかにも、各事業のプロモーションを担っています。

たとえばモンストでは、いわゆるゲーム内のクリエイティブは事業部内のデザイン室が担当しますが、ユーザーをゲームの世界へ誘うプロモーションは、横軸である制作室が担当しています。モンストユーザーは、新キャラクターの登場をいつも心待ちにしてくださるので、制作室では日々、どのような演出でどのように届ければユーザーサプライズになるのか?と真剣に議論し合っています。さまざまなアイデアを企画し実装できるデザイナー・クリエイターが互いに連携しあいながら、ここでも「ユーザーバリューを最大化」するために尽力しています。

────なるほど。デザイン組織内での連携はどうでしょう?

横山 メンバーには、さまざまなクリエイティブに関わる中で培ったノウハウをDocbaseで社内共有したり、「ミクシィデザインノートで社外に発信することを期待していますが、もっともっと活発になるといいな、と考えています。
ミクシィの社内にいるとなかなか気づきにくいですが、これだけの規模感で日々たくさんの成功と失敗が生まれているのは、私たちの大きな優位性なので、これからもどんどんナレッジシェアしていきたいと思っています。

 

スペシャリティ?マネジメント力?理想のクリエイター

────では、こうした組織の中でクリエイターとして成長するには、どういったスキルを意識すればよいのでしょうか?

加藤 自分が携わる分野の専門性を深めていくことはとても大事ですし、クオリティは徹底して追求していくべきです。ただ、事業会社のインハウスデザイナーとして、せっかくならデザインという職能プラスアルファも視野にいれていきたいですね。

横山 そうですね。クオリティを追求していって初めて見える景色があることは事実ですが、私たちは同時に、クリエイティビティをどう事業に活かすかも求められていますからね。

加藤 デザイン的なスキルはもちろん持っていて、その上でどの部署とどういう風に連携できるかが鍵になってくるのだと思います。マーケターと組んだりエンジニアと組んだり、デザイナー・クリエイターは様々な職種と密にやりとりしながら進めていくことがほとんどなので、ほかの職能や領域についても理解と尊重を持った上で、問題にアプローチできる必要があります。「◯◯が専門だから◯◯だけやりたいです!」という姿勢よりも、そのスキルを手段のひとつとして捉えられる人のほうが、スピード感を重視する事業会社においては、常に起きうる新たな課題に対して柔軟に対応できるので活躍できる場面は多いですよね。

横山 その点では、一概にスペシャリティかマネジメント力か?という選択ではなく、どちらの立ち位置であっても、クリエイティブでリーダーシップを発揮し、周りをどんどん巻き込む推進力が重要なのかもしれません。

加藤 そうですね。スペシャリティとマネジメント力、それをひとりに求めるわけではなく、個々がそれぞれ異なった強みを持った上で、デザイン組織全体で見たときに、右脳と左脳、両方をカバーできているような状態がいいのだと思います。

 

これからの組織づくり。強固なチームを目指して

────今、デザイン組織として理想的な状態だと思いますか?

横山 課題はまだまだたくさんありますね。私たちはミクシィグループの全ての事業に貢献し牽引するデザイン組織でありたいと考えていますが、今はまだ個別の課題に私たちが出向かざるを得ない状況なので、どうしても全体的なスピード感に限界があり、優先順位をつけざるを得ません。ここを解決したいんです。

────今期は新たに部室長レイヤーの採用に力を入れると伺いました

横山 はい。部室長レイヤーのハイクラス採用を数名考えていて、色々な方にお会いしたり声をかけさせていただいています。

加藤 いざ私たちの仲間を探すときにも、ただ組織のマネジメントに慣れた人を増やせばいいという話ではなく、現場を理解できる方を求めていますね。

デザイナー・クリエイターには、それぞれが大事にしている価値観や気質があるので、それを理解した上で現場の力を結集できる必要がありますし、同時に事業部とも上手くコミュニケーションが取れる必要もある。常に最適なマネジメントを実行する力が求められます。

────結構、大変そうで、難易度高いですね…。

横山 そうですか?やりがいがあって楽しいけどなあ(笑)。

ある事業部のサービスコンセプトに向き合いながら、同時に違う事業部のクリエイティブ、さらにもう一つの事業部のチームビルドをする…など、粒度の違う課題に対してそれぞれの最適解を導き出すなんて、まさにデザインなんじゃないかなあと思います。私たちが取り組むべき課題は常に抽象度が高く、前例やセオリーのないものがほとんどですが、課題を前にしたときに同じ視座で議論ができる仲間を私たちは求めていますね。

────ずばり、ミクシィのデザイン組織の売りってなんでしょうか?

横山 ミクシィにはたくさんのユーザーが楽しんでくださるプロダクトがいくつもあるし、デザインコミュニティでもハイレベルなデザイナー・クリエイターが何人もいますし、そもそもこの規模感でデザイン組織を有している企業は日本にいくつもありませんし…、
あっ!渋谷スクランブルスクエアに居心地いいオフィスも出来たばかりですし!また自由に出かけられるようになったら、ぜひ遊びに来てほしいですね。

────(笑)具体的にお聞きしますが、デザイン組織の部室長レイヤーというと、やはりデザイナー・クリエイター出身であるべきでしょうか?

加藤 必ずしもそうではないと思います。デザイナー・クリエイターが何をモチベーションとしてどんなエンジンで動いてるか、理解し想像してあげることが出来る方ならば、きっと現場のデザイナー・クリエイターを導くことが出来ると思います。そのような方がミクシィに来てもらえれば、きっと他社では得られない経験が積めるんじゃないでしょうか。

────なるほど。ではどんな方にジョインしていただくイメージを持っていますか?

加藤 ミクシィは自分たちのことを「コミュニケーション創出カンパニー」と呼んでいますが、私たちが世の中に提供していきたい価値というのは、仲の良い友達と一緒にゲームで遊んで盛り上がったり、一緒にスポーツ観戦やイベントに参加して熱狂したり、あるいは子どもの写真を通して家族で喜びを共有しあったり…そういった温度感のあるコミュニケーションによって生まれる豊かさです。人と人とがそういった感情や感動を共有し合えるサービスを生み出して、世の中をより良くしていく企業でありたいと思っています。そうあるためには、高い視座と高い理想をもって、強力なリーダーシップでデザイン組織をマネジメントしてくださる仲間がもっと必要です。

横山 エモい!

加藤 (笑)…私たちのサービスは便利さや機能的な価値だけでなく情緒的な面にもとても重きを置いているわけですからね。だからこそ、デザイン組織においては、ロジカルな設計力や課題解決力と同時に、表現力、演出力といった感情にアプローチするためのアート面の力もとても重視しています。サービスによって比重の違いはありますが、それはどの事業領域においても共通です。なのでエモーショナルな部分は大切にしていきたいですよね。

横山 うん、たしかにそういう意味では、ただマネジメントが上手なデザイン部長は求めてないかもしれませんね…エモさ大事!

加藤 私たちにはSNSやゲーム、エンタメ事業で培った豊富なノウハウがあります。コミュニケーションを軸にしてこれからも”熱のあるコミュニケーション”を次々生み出したいので、そのために私たちはどうあるべきか、を一緒に考え実行できる組織を作っていける方を求めたいですね。

横山 そうですね。今日の話を読んでくださった方で、なんかミクシィ面白そうだぞって感じてくださる方がいたら、多分その方はミクシィ合うんじゃないかなと思います。

 

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