2019年4月にミクシィグループに入社して1年。社会人としても成長を始めた新卒入社スタッフの軌跡を、シリーズでお伝えしていきます。どんな経験を積み重ね、この1年を歩んできたのか。そして、その先に見えてきた夢や目標は?リアルな“1年目”の声をお届けします。
#19、モンスト事業本部 企画部に所属する黒澤。今となっては企画もディレクションも慣れてきたとのことですが、入社以前はゲームやエンタメへの関心はゼロだったそうです。当初はわからないことも多く、一度はどん底にまで落ちてしまったモチベーションを、エンジニアやデザイナーなど様々な人との交流の中で取り戻していったといいます。1年の間にどのような出来事があったのか、話を聞きました。
────現在、企画部ではどのような業務を担当されていますか?
今はちょうど、モンスターストライク(※以下モンスト)と人気アニメ作品のコラボ企画の直前なので、そのイベントのコンテンツデータを準備しています。定常業務としては、随時アップデートするタイミングに合わせて、現状の仕様にある課題への改善点や新規企画の提案や実装までのディレクションなど、配信に合わせたデータの準備をしたり…と様々ですね。
────幅広く担当されるのですね。
そうなんです。イベントのリリース日が決まっているので、その日に向けて、キャラやステージ、ゲームミッションに関する担当のコンテンツデータを準備します。例えば、ログインボーナスのデータを作るときは、ゲームバランスを考えて決められている配布アイテムをユーザーに配るためのデータ作成を担当しています。ちょっと分かりづらいかもしれませんが、例えば、「オーブ=1」というように、アイテムにはそれぞれナンバーが割り振られていて、「○月○日○時に1を配る」というデータを紐付けて実行すれば、オーブがログインボーナスとして配布される仕組みです。
────実作業も担ってらっしゃるんですね。
運用とディレクションと企画を並行して行いながら、現在は実作業が8割くらいです。
────なるほど。昔から企画という仕事に興味があったんですか?
いえ、実はそういうわけでもなくて…(笑)。私は昔から「これをしたい」と明確なものはないタイプで、フィーリングで「何か楽しそう!」「面白そう!」と選んだのだと思います。ですが、サービスの立ち上げや新規事業開発には関心があったので、まずはサービスの構造を勉強できるように、企画を学びたいなとは思っていました。
────そうなんですね!サービスの立ち上げにはどういった経緯で関心を持たれたのでしょうか?
学生時代は経済学部でマーケティングを専攻し、ブランド論を学びました。大学3年生のころ、就職活動までに時間的な余裕があったので、長期で働けるインターンシップを探していました。何社かオファーをいただいたうち、インターンでも仕事を任せてもらえるところを魅力に感じて、ミクシィグループを選びました。兄がエンジニアなので、IT企業に馴染みもあったのだと思います。大学3年生からはミクシィグループの新規サービスでインターンシップ生として、SNSやブログの運用、動画作成などマーケティング関連の仕事を担当しました。
────インターンではPR寄りの業務を担当されていたのですか。
そうです。PRもすごく興味があった、というよりは「なんか面白そう!」とおもったくらいだったんですけど…(笑)。先輩や周りの方に手取り足取り、丁寧に教えてもらいながらやっていました。
────インターンを通して何か得られたものはありますか?
インターンをしていたことで、入社前に会社の雰囲気がわかったのは良かったですね。他社の採用説明会や選考に参加もしましたが、ミクシィグループの社員さんのアットホームな雰囲気と、丁寧にコミュニケーションを取ってくれることに惹かれて入社を決めました。
さらに、将来的には小さくても良いので何かサービスを立ち上げてみたいという目標もできました! インターンとして働いている間に、担当のサービスはクローズしてしまったのですが、今となっては良い経験です。クローズした後に起業していく人を間近で見て、「かっこいいな!」と憧れを感じました。そうとはいえ、「では、今すぐサービスを立ち上げてください」と言われると、何から手を付ければいいのかさえわからない自分に気が付いて…。入社時に、「いずれはサービスを立ち上げてみたいと思っているので、プロダクトの知識をつけたいです」と伝えると、企画に配属が決まりました。
────モンストの企画部に配属が決まったときはいかがでしたか?
正直なところを話すと、配属された当初は、「やったー!」と言える気持ちではありませんでした。実は、休日は友達と出かけるか、家で映画を見て過ごすことがほとんどで、日常的にゲームをすることがほとんどなくて…。ゲームに関する知識は小学生までで止まったまま。配属が決まったときは、「モンストか…」と思いました(苦笑)。ハードな部署だとも聞いていたので、不安の方が大きかったです。
────ハードな部署…。配属されてすぐ担当した仕事で印象に残っているものはありますか?
モンストは、1カ月に一度、アップデートの案件を提案することができる「企画出し」の機会があります。入社後1カ月の5月の企画出しでは、初めて出した案が採用されました!その内容は「キャラクターのアビリティの説明文を表示する」もので、ディレクションまで担当しました。自分自身がモンストの初心者だったのもあり、プレイしていても大量にあるアビリティがわからなかったので、いわば自分のようなユーザーを想像して提案しました。
────ゲームに慣れていなかったことが逆に役立ったエピソードですね! それでもやはり業務に不安はありましたか?
入社してから1~2か月は、周りに心配されるくらい精神的に追い込まれていた状況で…(笑)。どん底を味わったような気分でした。学生から社会人に環境も変わりましたし、扱っているサービスや業務フローも当時はまだよくわかりません。文系だったので「CSVファイル*」が何なのかも知らなかったので(苦笑)。大げさだと言われてしまうかもしれませんが、こんなに落ち込んでいる自分には出会ったのは初めてでした。
*「CSVファイル」とは、カンマで区切ってデータを記載する形式のファイルのこと。システムにデータを取り込む際によく使用される
────無力感に包まれていたような感じ…?
そうですね。学生時代とは違って、すぐそばに同期がいるわけではありません。同じ年に入社した別部署の同期には相談できたのですが、業務内容は違うし、身近で困ったことが起きた時に相談できなかったのは結構大きかったですね。
────どのように克服されたのでしょうか?
ディレクションを担当する中で、キャラに詳しい人やステージに詳しい人など、様々な人と関わる機会が増えると、自然と相談しやすい人も増えていって、そこから色々と話せる人の輪が広がっていったような感じでした。今振り返ると、もしかしたら自分から壁を作ってしまっていただけなのかも、と思います。周りの人と関わりながら居場所を見つけていくことで、克服できたのかもしれません。
────そんなところに原因があったんですね。
相談することを怖がっていただけなような気もします(笑)。ディレクションを進めていくと、デザイナーやエンジニアなど関わる人も増えていくので、徐々に色々な部署の人と打ち解けていきました。その時、自分は職場の人間関係や居心地のよさをすごく意識しているのだな、と自覚しましたね。
────なるほど。そうした居心地のよさって、どういうコミュニケーションに感じるんですか?
私は今も分からないことだらけで、未だに初歩的な質問をしていることも多いと思うのですが…いつも見捨てずに丁寧に教えてもらえることでしょうか。新しく何かを知ろうとしている人や頑張っている人を見放さない風潮が、ミクシィにはあると思います。エンジニアやデザイナーも、私がどういう意図で質問をしているのか探って答えてくれているので、円滑にやりとりができるなあと日々感謝しています!
────入社して1年経ちますが、以前よりも身に付いたと感じることは何かありますか?
最初の頃は、業務の流れがわからず、アップデート1つにしても、期日までに何をどこまでやれば良いのか把握しきれていませんでした。四苦八苦しながらも、その業務を繰り返すうちにだいたいの流れが掴めてきて、今では、他部署のスケジュールにも気をかけています。モンストのアニメや映画に関する情報をゲーム内で表示することもあり、もしも設定を忘れてしまったら多方面に迷惑をかけてしまうので…。アップデートの案件も企画の人が締め切りを守っていかなければならない立場にあるので、実装が遅れ気味なときは声をかけます。
────締め切りを催促するということですか?
はい。基本的に皆さんは期日を守ってくれますが、たくさん案件を抱えているときは、優先度が低い作業をつい後回しにしてしまうことも。そうした時に声をかけるのはちょっと勇気が要りますが、もともとあまり考えすぎない性格なので、一度勇気を出して声をかけたら、乗り越えられました!
────企画は、齟齬がないように物事を伝える必要がありますし、コミュニケーション力が問われる仕事ではないかと思います。コミュニケーションについて、気をつけていることはありますか?
なにか要望を伝える時にも、私は「こうしたいです」と自分の考えをあまり固めすぎないようにしています。エンジニアじゃないと判断できない部分もあるし、デザイナーも意図があってデザインを決めています。「企画としては、こういう内容をやりたいのですが、どのように実装するのが良いですか?」といった風なコミュニケーションの取り方をしています。
────これは、黒澤さんオリジナルのスタイルですか?
そうですね。要望を資料にまとめてリクエストする方もいらっしゃいますし、人それぞれです。私は、技術面ではわからないことも多いですし、モンストがリリースされてから6年間の歴史に追いつけていないところもあります。一箇所を改修するにしても、過去に習った方が良いことはたくさんあります。その辺は素直に従って、わかる人に教えていただこうという姿勢です。
────謙虚な姿勢は大事なのかもしませんね。企画とディレクションは基本的に同じ方が担当するんですか?
いえ、たとえ自分の企画が通っても、ディレクションの担当になるかは分かりません。各分野に精通している人が担当した方が最適な場合もあるからです。例えば、私がステージに関する企画を出したとしても、ステージに関するデータにはあまり詳しくないので、ステージ班の方がディレクションした方がスムーズですよね。
────それぞれのスペシャリティを尊重しつつ、自分が決められるところは決めていこうということですね。ご自身のスキル面で直面した課題があれば聞かせてください。
アップデートひとつとっても、ゲームを普段からやり込んでいる人ならすぐにアイデアを思いつくのだろうなと、引け目を感じることがあります。ゲームの経験値の低さが今ぶつかっている壁で、自分なりにアンテナを張り、知識を増やしていけるよう頑張っているところです! 最近は、任天堂・元社長の岩田 聡さんの著書を読んで理解を深めています。
────黒澤さんらしいアプローチですね。達成感を感じられるのはどのようなときですか?
アサインされた企画が無事にリリースできたときですね!
入社までゲームやエンタメに全く触れてこなかった私が、いきなりモンストに携われたのは奇跡だと思いますし、これほど大規模なサービスに携われるチャンスは人生でもうないかもしれません。今まで触れてこなかったことに触れることで知識が増え、新しく見えてくるものがあります。自分の周りにはいなかったタイプの人と出会えますし、世界が広がる感じがして楽しいですね。
────良い企画を作るために、意識して取り組まれていることはありますか?
ユーザーが一番楽しんでくれるポイントを探し出すことでしょうか。例えば、運営が、ユーザーにほかのプレイヤーと一緒にゲームを楽しむ「マルチプレイ」でもっと遊んでほしいなら、マルチプレイしかできないように制限をかければ、運営の希望は成立はします。ですが、それだけではユーザーにとって楽しむポイントが十分ではないかもしれません。自分がユーザーの立場に立ってみて、遊びたいと思わない企画や興味を惹かれない企画は、企画として提出しても意味はないと思います。どれくらいユーザーに歩み寄って企画を完成させれば良いのか、は未だに探り探りです。難しいですが、企画を考えるうえでは大事なことでしょう。企画を考えて上長にフィードバックをもらって…と、まだ先輩の経験値と壁打ちしているような感覚ではあるのですが。トライアンドエラーを繰り返せば成長していけると思ってます!
────今後やってみたい企画はありますか?
まだ毎日の業務に追われている段階ではありますが、定常開催型のアップデート企画にとどまらず、ゆくゆくは新しいコンテンツやサービスを提案からリリースまでできるぐらいに成長したいです!