今回の先輩後輩対談では、サロンスタッフ直接予約アプリ『minimo』のサーバサイドエンジニア・牧田(写真左)と、iOS/Androidエンジニア・鈴木(写真右)、そして二人の上司であるマネージャー・尾関(写真中央)の3名に話を伺いました。2019年4月に入社した二人がエンジニアとして新社会人として、どんな一年を過ごしてきたのか…?ぜひご覧ください。
────まずはじめに、尾関さんから見たお二人の印象について聞かせてください。
尾関 牧田さんの場合は、『minimo』に掲載されている美容師さんたちを社内にお招きした懇親会での印象が残っていますね。美容師さん同士やミクシィスタッフとの交流をはじめ、ミニモの改善点をお聞きしてサービスをよりよくしていこうというのが懇親会の目的。牧田さんは積極的にアンケート用紙を配り、声掛けをしていました。入社したばかりで戸惑うこともあったと思いますが、自分のできることをしようとしていたのが印象的でしたね。
牧田 ありがとうございます。
尾関 鈴木さんの場合は、割と最初から自分の意見をきちんと言えるところが印象的でした。「新卒の僕がこんなこと言っていいんだろうか?」と委縮せずに、しかも一人よがりや傲慢な内容ではなくて、誠実に自分の意見を言える人だなと。そんな印象がそれぞれありますね。
鈴木 ここまでちゃんと聞いたのは初めてなので、少し照れますね…(笑)。
────お二人は最初に任された仕事や、印象的だった仕事は覚えていますか?
牧田 私は『minimo』のサーバ側のエラーメッセージを直すところからスタートしました。その仕事を通じて、『minimo』がどんなプログラムで動いているのかを理解していきました。不具合を直すためのPerlの知識がなくて詰まることはありましたが、初めて任されたタスクは正直、難易度は高くはなかったです。それよりも、二つ目に任されたタスクのほうが思い出深いですね。
鈴木 どんな仕事だったの?
牧田 CS(カスタマーサポート)のスタッフが使う管理ツールの改善です。CSの業務の中には、お客様情報を検索する業務があるのですが、その検索に非常に時間が掛かっているという課題があって。その解決策として、従来のデータベースよりも早く情報を取り出すことができる“Elasticsearch”という検索エンジンを使ってみようということになり、データベースの設計から実装までを任せてもらったのですが、なかなかハードルが高かったです。
鈴木 難しそうな仕事だね。
牧田 辛かったというよりは新鮮で、やり甲斐もありました。自分が趣味で開発をしていた頃は、「だいぶ適当にやってきたな…」と再認識しましたね(笑)。鈴木さんの初仕事はどうでしたか?
鈴木 僕の初めての仕事は、iOSの細かい問題に対応する仕事でした。牧田さんと同じく、そこから『minimo』の全体的な構造を把握していった感じですね。一番印象的だったのは、その後に実施されたデザインリニューアルのプロジェクト。外部のデザイン会社さんも含めたミーティングに参加させてもらえたのはすごく印象的でした。
尾関 どんなミーティングだった?
鈴木 みなさんが積極的に質問して、自分の意見を発言しているのを見て、すごいなと。「僕も、ちゃんと自分の考えを言語化できるようになりたい」と思った記憶があります。
尾関 なるほどね。二人にこの仕事を任せた背景には、二人がどれくらい知識やスキルがあるのかが分からなかったので、まずはそれを計るため。そして早く成功体験を積んでほしいと思っていたので、なるべく小さめのタスクからお願いすることにしました。コードを見返しながら『minimo』の仕様を知ってもらい、徐々にステップアップしてもらおう、と。
────先輩方の配慮でスムーズに仕事に慣れることができたんですね。この一年で最も大変だった仕事は?
鈴木 『minimo』にはスナップフォトという写真投稿機能があるのですが、その機能をデザインリニューアルで新しく作り直すというプロジェクトが大変でした。実装力が求められる仕事だったのですが、自分のレベル不足を実感して。
最近壁にぶつかっていると感じるのは、『minimo』の課題が山積みなことです。アプリリリースから6年が経ち、技術的な負債が徐々に溜まっていますし、お客様の声から色々な課題が次々と出てきて、これは大変だなと。
尾関 確かに。視野が広がれば広がるほど、問題や課題が次々に見えてきますよね。牧田さんが一番大変だった仕事は?
牧田 僕はWebサイトのデザインリニューアルで苦労しました。大きいページを任せてもらっていたのですが、その仕組みを実現するためのコードに落とし込むところがうまくいかなくて。デザインリニューアルにはタイムリミットがあって、迫ってくる時間にも焦りつつ、自分の実力のなさも実感しつつ、かなり悩みましたね。
そんなときに他のチームのエンジニアがサポートしてくれて、「こういう実装のほうがいいんじゃない?」というレビューをたくさんいただけたので、乗り越えることができました。転んだ回数はすごく多かったですが、その分、先輩方が起こしてくれる回数も多かったなと。当時は辛かったですが、成功体験を積むことができた思い出として記憶に残っています。
────なるほど。『minimo』のチームは、相談しやすい雰囲気ですか?
鈴木 そうですね。どのメンバーも自分たちの関わるプロダクトが好きな人ばかり。仕事上で意見が異なったとしても、お互い「minimoを良くしたい」という根っこが一緒なので、自分の意見を発言しやすいですね。意見のすれ違いは悪いわけではないので、良い環境だなと心の底から思います。
────人に恵まれた環境の中で、特に上司である尾関さんのここがすごい!と思うところはありますか?
牧田 『minimo』や美容業界への知識量はもちろん、全部自分事として捉えられるキャパシティの広さです。一日の中で色々な施策をこなすだけでなく、他の人のタスクもマネジメントしながら、一つひとつに向き合い自分の意見を持っている。僕だったら3つくらいでキャパシティがいっぱい。4つ目のタスクを持ったら雑になってしまうと思うんですが、尾関さんはそういうのが全然感じられなくて。僕もそうなりたいなと憧れます。
尾関 ありがとうございます。僕は『minimo』に携わっている時間が長いので、その分の積み重ねみたいなのはあるのかなと思います。
鈴木 僕も尾関さんのチームやサービス全体を見渡す視野の広さを尊敬しています。色々な問題や施策に対し、ユーザーから見たらどうなのか、掲載者から見たらどうなのか。さまざまな角度から物事を捉えられていますよね。それだけでなく、新人の僕たちが施策案を相談するときも、意見を尊重し、親身になって考えてくれる。そういう姿勢を見て、尾関さんみたいになれればいいなと思いながら仕事に携わっています。
尾関 ありがとうございます。なんだか気恥ずかしいですね…(笑)。
────素敵な関係が築かれていますね。お二人は仕事をする上で大切にしていることはありますか?
牧田 自分が作ろうとしているものが、“ちゃんとお客様に価値を提供できているか”ということを大事にしています。価値を届けるためには、現状の問題を解決することもそうですし、頻繁にABテストを繰り返してより良いものへと改善していくことも大事。そんなモノづくりを心掛けていますね。
鈴木 僕がここ最近、意識するようになったのは、“自分で納得して仕事をすること”です。色々な施策案を見て、気になったところをそのままにせず、理解するために自身で行動して、理解したうえで実装する。「このアプリのこの機能や画面は俺が作ったんだぞ」と、自信を持って言えるような仕事を心掛けています。
尾関 鈴木さんがそう思ったきっかけはあるの?
鈴木 過去に、気になったことを聞けず、先輩に相談したらほかのメンバーも同じことで悩んでいた、という経験があって…。その時、もやもやした気持ちがないまま仕事をすることは自分にとっても健康で、さらに、それが結果的にチームのものづくりのクオリティにも還元される、ということに気づきました。これからは気になったらとことん質問して解決し、きちんと自分の意見を言えるようになろう!と思った出来事ですね。
尾関 なるほど。いい機会になりましたね。
────お二人は、この一年を通じて自分の成長を実感されていますか?
牧田 入社する前は、この一年で開発力が磨けるだろうなと思っていました。実際に『minimo』に入ってみると、施策を実現するコードへの落とし込みから、開発していく中での他チームとの連携、運用フェーズでの別部署とのコミュニケーションなど、開発だけでなくチームで働く力が身に付いたのを実感しています。想像以上の成長かなと思いますね。入社してから。人と話すための準備や提案の仕方など、主にコミュニケーション面がすごく成長したなと思います。
尾関 うんうん。
牧田 また『minimo』に対する理解が深まったことで、昔と比べるとアイデアや提案が出せるようにもなりました。最近の話ですが、ミーティングで「こういうことをやりたい」というディレクターの要望に対して、「できます」「これくらいの時間かかります」という話をしたら、デザイナーから「最近、牧田さんがすごく頼もしく見える」と言われたことがあって。ちょっと嬉しかったですね(笑)。
鈴木 それは嬉しいね。
牧田 「エンジニアという仕事に捉われない」という先輩の姿勢を見習って、エンジニアから見た技術的な視点だけでなく、デザインやUI/UXの部分を含め、ユーザーの視点でプロダクトのあるべき姿を提案できるようになったのも、成長したところだと思います。
鈴木 なるほど。僕が成長を実感しているところは二つあります。まずは、任せてもらう仕事の幅。入社してiOS開発をゼロから始めて、最近ではAndroid開発にも挑戦していますし、開発だけでなく施策の企画から実装まで任せてもらえるようにもなりました。
もう一つは、チーム開発を通じて自分の視野が広がったこと。施策を実施するときも、周りを巻き込みつつ、プロジェクトを推進していく視点が身に付きました。また、以前は施策の実装がゴールになっていたのが、今は中長期的なゴールを見据えて、今やるべきことを導き出せるようになったのも成長のポイントかなと思います。
尾関 そうですね。単に実装するだけでなく、そもそも「課題に対して何をするか?」を考え、自分で解決策を導き、施策をリードしていく。鈴木さんが自分で他の人を巻き込んで考えられるというところが、入社当時とは全然違うところかなと思いますね。
鈴木 ありがとうございます。とはいえ、この一年があっという間で、頑張ってきたことを自信持って話せるかというと、まだまだ足りないと思うところもあって…。これからもサービスの課題と向き合いながら、「minimoで働いています!」と自信を持って言えるエンジニアを目指していきたいと思っています。
────向上心溢れるお二人のお話を受けて、尾関さんが考えるエンジニアとしてのあるべき姿を教えてください。
尾関 エンジニアは、単にモノづくりができる人ではなくて、まず課題解決のプロであってほしいと思っています。例えば、あるサービスや機能を作りたい、という話が来たときに、「なぜそれを作りたいのか?」「どんな課題解決をしたいのか?」というところから確認をして、「どんな手段を取るべきか」を考える。もしかしたら別のものを作ることがベストかもしれませんし、あるいは開発ではなく運用フローを変えることが最適解かもしれない。サービスの全体のことを考えて、提案して、モノづくりができる。そういうところを含めてエンジニアの仕事だと思っています。
鈴木 それは技術力よりも大事ですか?
尾関 もちろん技術も分かっていたほうがいいですよね。技術が分かっていないと、課題をどう解決していいのか分からないとか、もしくは技術的に遠回りな解決策を選択してしまうとか、既存のサービスを使えばスマートに解決できるのに、そこを全部自分で作ってしまうとか…そういったことも起こりえるでしょう。技術をキャッチアップする努力も必要ですね。
牧田 なるほど。
尾関 ただし、モノづくりの真髄は「こういう価値をお客様に届けたい」という想い。「それを実現するためにはどうすべきだろう」「その課題の本質は何なんだろう」ということを考えて、形にしていくところなのかなと思っています。技術力を駆使して頑張って作ったとしても、本質からズレたものが出来上がってしまったら意味がない。「何が最適か」ということを見極める力があって、その上でモノを作れるという技術力が活かされてくると思っています。モノを作れる力を正しい方向に持っていくというか、正しい方向に使うという見極めも大事なんじゃないかなと。
牧田 本質を捉えるためには、どういうことに気を付けるべきですか?
尾関 まずは相手の話をよく聞くこと。その上で、自分の中で噛み砕いて整理していく。みんながみんな本質を突いた話をしてくれるわけではないので、こちらから適切な問いかけができることも大事です。
あとはサービスがどういう状況なのか、使ってくれるユーザーがどんなことを課題に思っているのか、どんな気持ちでどんな風に使っているのかとか、そういうサービスや業界知識もある程度知らないと何が正しいかという判断も難しいと思うので、そういった知識も必要になってくるでしょう。
鈴木 確かに。尾関さんの思いを言葉として聞くのは今回が初めてですが、普段の仕事の様子から尾関さんの仕事観を感じ取れていました。
尾関 良かったです。僕は自分の理想とするエンジニア像をみんなに押し付けるつもりは一切ないので、あまり言葉にしていないのかもしれないですね(笑)。そういうエンジニアの生き方は、サービスにいい影響を与えるだろうとは思っていますが、みんながみんなそうあるべきと思っているわけではないので、一人ひとりが目指したい方向性を尊重したいなと思っています。
────最後に。『minimo』チームが目指す今後の目標は?
尾関 さっき鈴木さんが言っていたように、『minimo』の課題は数えきれないほどあるので、優先順位を付けながらサービスのクオリティアップを目指していきたいと思っています。現在残っているタスクはどれも難敵。ちゃんと向きあって解決していきたいですね。とはいえ牧田さんも鈴木さんも、この一年で自ら解決策を導き出すというところを色々試してきてくれたので、一緒に考えてくれる人が増えてきているというのは頼もしいなと。
牧田・鈴木 ありがとうございます。
尾関 まだ具体的にはお伝えできませんが、これからもたくさんの美容業界の方やお客様に価値を届けられるように動いていく予定です。牧田さんと鈴木さんにも、この一年間で培ってきたものを最大限に発揮しながら、より喜んでもらえるプロダクトになるよう一緒に考え行動してくれると嬉しいですね。