自らの意志で挑戦し、自分の新たな可能性に気づいてもらうために ~クリエイターリーダーシップ論~

自らの意志で挑戦し、自分の新たな可能性に気づいてもらうために  ~クリエイターリーダーシップ論~

デザイナーやディレクターをはじめ、ミクシィには様々なクリエイターが所属しています。「リーダーシップ論」は、活躍するマネージャー/リーダーに仕事へのこだわりを聞くシリーズ。今回登場してくれたのは、デザイン本部のマネージャー・姜(かん)。彼女が所属するデザイン本部は、ミクシィのあらゆるサービスにまつわるWeb制作を手掛ける部署です。長らくディレクターとしてキャリアを築いてきた姜が、デザイナー中心の組織をまとめていくにあたって心掛けていることや、マネジメントという仕事の面白さについて語ってくれました。

 

マネージャーの仕事は、ディレクターの延長線上に

━━姜さんがミクシィに入社されたのはいつ頃ですか?

姜 2007年のことです。途中、産休・育休を取得しましたが、今年で入社13年目になります。私が入社した当時は、SNSmixi』の全盛期。前職ではコミュニティサイトの企画・運営・ディレクションに携わっていたのですが、SNSの運営に携わりたいという気持ちからミクシィに入社しました。

━━入社後もディレクターとして活躍されていたんですか?

姜 そうです。メディア統括部やクリエイティブグループ、Webデザイングループなど、さまざまな部署でWeb制作のディレクションをしていました。ミクシィで働く以前の経歴も含めると、ディレクター歴はトータルで15年ほど。現在所属しているデザイン本部では、『モンスターストライク』に関わるWeb制作が中心ですが、ミクシィが展開する全てのサービスのWeb制作依頼が寄せられています。

━━デザイン本部のマネージャーに昇格したときの心境はどうでしたか?

姜 当時いたグループが分かれる時、デザイン本部の上司から「新しくできるグループを任せたい」と声を掛けていただき、マネージャーになったのですが、最初は戸惑いましたね。「どうしよう、マネージャーって何をすればいいんだっけ?」と(笑)。しかもデザイン本部はデザイナーが中心の組織。デザイン経験がほとんどない私がマネジメントに携わって良いのだろうかという不安もありました。

━━そうだったんですね。戸惑いながらも承諾したのはなぜですか?

 幸いにも、Webデザイングループ(当初はクリエイティブグループ)でディレクターをしていたときに、メンバーをまとめるリーダーとして働いた経験があったので、マネージャーの仕事もきっとその延長線上にあるはずだ、と思うことができたんです。今振り返っても、これまで培ってきたディレクターやリーダーとしての経験に助けられましたね。

━━なるほど。もともとマネージャーに近い仕事をされていたんですね。マネージャーになって、まずはどんなことから始められたのですか?

姜 私のできること、できないことを明確にして、役割を分担するようにしました。私はマネージャーという立場ではありましたが、ディレクター経験しかなかったので、デザインそのものや技術に関してメンバーを引っ張っていくことはできない。そこについては、各チームのリーダーにお任せするようにしました。一方で、予算管理や仕事の進め方への助言、他グループとの調整などは得意だったので、そういった分野を担当するようにしました。

━━ディレクションも担当されているんですか?

姜 今はグループの人数も案件数も多いので、ディレクターとしてプロジェクトに参加することはほぼありません。なぜなら、一つのプロジェクトに入ってしまうと全体を把握しにくくなるんですね。会社から求められるマネージャーの役割は、一つひとつの案件をこなすということではありません。チームがまとまる組織作り、チーム一丸となった課題解決、他の組織との関係性向上などが、私の役割だと思っています。

 

マネジメントに興味がないメンバーに、リーダーの自覚が芽生えた

━━姜さんはどういうときに仕事のやりがいを感じますか?

姜 小さなことで言えば、事業部との調整が上手くいって案件を任せてもらえたときや、Webサイトを作り上げた達成感をみんなで味わえたとき、ユーザーの反応が見えたときなどがあると思うんですが、マネージャーとしてのやりがいとしてはメンバーの成長が何より嬉しいですね。

━━やはりそこがやりがいなんですね。とはいえ、メンバーの成長が目に見える形になるまでは、とても時間が掛かりませんか?

姜 そうですね。人はそう簡単に変わらないからこそ、その変化や成長を見ることができたときに、大きな喜びを感じるのかもしれません。以前、マネジメントに興味のなかったメンバーに、周りに影響を与えられる人材に育ってほしいという思いから、リーダーを任せたことがありました。でも、本人の興味のないことを強要するのでは意味がありません。その仕事の必要性を感じてくれなければ、人は動いてくれないと思うんですよ。指示されたからやるというケースはあるかと思いますが、長続きしないでしょうし、その人のためにならないと思うんですよね。やったことに変わりはないかもしれませんが、そのときの気持ちのあり方によって、その人のためになるのか、何もなかったことになるのか変わってくるので。なるべくポジティブな経験として挑戦してほしいなという思いがありました。

━━なるほど。メンバーの自主性を尊重しながら、どのようにリーダーを任されていったんですか?

姜 ポジティブに挑戦してもらうために、無理なく少しずつ任せる範囲を広げていきました。「苦手だと感じている進捗やリソース管理は私が担当するから、デザイン面についてメンバーとのコミュニケーションは任せたい」「今現場が抱えている課題についてメンバーと話し合ってみてほしい」というように。もちろん「こういう方向で話を進めたらどうだろう?」というようなアドバイスも適宜行なっていました。一年ほど経った頃に、その人はリーダーとしての自覚が芽生えてきて、私が担当していた業務も率先して取り組んでくれるようになったんです。頼もしいリーダーとしての活躍ぶりを見て、「人ってこんなに変われるんだ!」と驚いたし、とても嬉しかったですね。他にも、なかなか他人の意見を受け入れられなかったメンバーが、少しずつ周りの意見を取り入れられるようになったり。小さな変化でも、メンバーの成長が感じられたときはマネージャーとして大きな手応えを感じます。

━━メンバーが成長できる環境を作るために、どのようなことを心掛けていますか?

姜 まずは、じっくり観察する(笑)。その人の強みを見つけて、やりたいことに耳を傾けることが大事かなと思っています。先ほどのリーダーの話ではないですが、個人が望む方向性と会社が望む方向性が異なる場合も多いので、もし本人の興味がない分野であっても「こういう経験が積めるよ」「こういう面白い一面もあるよ」と伝えることで、メンバーの可能性を広げられるようにしています。

━━メンバーのキャリアの選択肢を広げていくことも、マネージャーの仕事の一つなんですね。一方で、大変だなと思う瞬間についてはどうでしょう。

 私は韓国出身ということもあって、言葉や文化の違いによって上手な伝え方ができていないなと実感することもあります。物事が思ったよりもストレートに伝わってしまったり、良い例えができなかったり。でも自分でも認識しているので、なるべく気を付けて話をするようにしています。また、メンバーも私の思いを汲み取ろうと努力してくれるので、ありがたいですね。

それよりも大変なのは、組織変更に伴う新たなチームビルディングです。仕事内容や考え方の違うメンバーが、同じ目標を共有して、同じ方向を見て仕事をするというのはとても大変なこと。人によっては、今まで経験したことのない仕事をしなくてはいけなくなったり、新しい考え方でプロジェクトに臨まなくてはいけなかったりするわけですから、やっぱり大変だと思うんですよね。そこに対して、どうみんなから理解を得ていくか。難しいですが、丁寧なコミュニケーションを通じて信頼を深めていくことが大事かなと思っています。

━━それは大変そうですね…!

 そうですね。一筋縄ではいかないので大変です。でも、楽しいこともありますよ、それなりに(笑)。

 

真の課題は何かを考え、解決に導けるデザイナー集団を作る

━━ちなみに、姜さんの理想とする組織とはどういう組織でしょうか?

 まずは、人間関係が順調な組織が基本だと思っています。その核となるものが信頼関係なんですよね。信頼関係を作るためには、丁寧なコミュニケーションや相手を尊重する気持ち、そして仲間意識を持つことが欠かせません。例えば、チームメンバーのできていないところを指摘するより、それをカバーするような動き方をする。それが仲間意識の始まりだと思っています。信頼関係を築くのはすごく大変なこと。信頼関係というのは、脆くて崩れやすいんですよね。それをいかに維持すべきかを考え続けることが大事かなと。

あとはネガティブなことをネガティブなままにしないこと。ネガティブな感情って周りに広がりやすいんですよね。そうなるとみんなが不安を抱えてきて、組織の健全さを保つことが難しくなるので、ネガティブな感情を溜め込まず、適宜相談して発散することも必要だと思います。

━━デザイン本部で働くクリエイターにはどうなってほしいですか。

姜 制作会社のデザイナーではなく、事業会社のデザイナーとして働く以上、言われたものをそのまま作るだけではもったいないと思っています。なぜWebを作る必要があるのか、Webを作ることで達成したい目標は何か、という仕事の目的を踏まえて、課題解決のために必要なアプローチ方法は何なのか?を考える。そして実際にやってみて、どんな結果が出たのかを振り返り、次の仕事に活かしていく。案件の数や制作するものの幅広さに関しては、制作会社には勝てないんですよ。事業会社のデザイナーとして働く醍醐味は、作業者としてデザインに携わることではなく、大枠から考えるフェーズから参加できることにあると思います。

究極的には、自分たちの手で作らなくてもいいでしょう。事業への理解が深くて、クリエイティブに関してジャッジできれば、アートディレクションという携わり方で充分なこともあります。せっかくミクシィで働くのなら、制作だけに徹底してしまうのはもったいないので、自ら考えて提案できるデザイナー集団を作ることが、私の目標でもありますね。

━━なるほど。最後に、姜さんご自身のキャリアプランについて教えてください。

姜 複雑に入り組んでいるものを紐解いて整理していくという作業が得意なほうなので、ディレクションやマネジメントの仕事を引き続き手掛けていきたいと思っています。目下の目標は、強い組織を作ること。そのため、チームビルディングに紐づく、メンタルヘルスケアやコーチングに関する知識を身に付けられるよう努力しています。またPMPProject Management Professional。プロジェクトマネジメントの専門家であることを証明する資格)の取得に向けて、勉強も続けている最中です。さまざまな知識を身に付けながら、メンバーの実力を伸ばしていける組織を作っていきたいですね。

 

姜 少眞(かん そじん)
2007年8月に中途入社。入社当初は、ディレクターとしてSNS『mixi』のソーシャルミュージックサービス立ち上げに携わる。SNS『mixi』ではフィード周りの改善や登録制などの案件のディレクションを担当。その後、韓国語版モンスターストライクの運用に携わる。2015年12月からクリエイティブグループに参加、テクニカルデザインチームでリーダーを経験したのち、現在はウェブデザイングループのマネージャーを務める。
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