「みてねみまもりGPS」ヒットの理由とは?『家族アルバム みてね』の担当者に聞いた。

「みてねみまもりGPS」ヒットの理由とは?『家族アルバム みてね』の担当者に聞いた。

(左:西山 中央:佐藤 右:鈴木)

2021年3月に発売開始した『みてねみまもりGPS』は、子どもに小型・軽量のGPS端末を持たせるだけで、いつでもスマホアプリで位置情報を確認できる子ども用GPSサービスです。2023年2月には、株式会社oricon MEが発表した「オリコン顧客満足度®調査」の「子ども見守りGPSサービス」ランキングにおいて顧客満足度ランキング総合第1位に選出されました。

そこで今回、数多くのユーザーさんに支持されるプロダクトはいかに誕生したのか?について、みてね事業部メンバーにインタビューを実施。MIXIが作るハードウェア開発におけるこだわりについても聞きました。

GPS端末誕生のカギとなる“3つのきっかけ”

━━「みてねみまもりGPS」の概要について教えてください。

佐藤 子どもが大きくなって一人で外出するようになると、親は不安が増えるものですよね。「みてねみまもりGPS」はその不安を解消するためのIoTサービスです。手のひらサイズの端末をお子さんに持たせておくだけで、親御さんのアプリ上に今どこにいるのか、どういう経路で移動しているのかが分かるようになっています。

━━このプロダクトが誕生したきっかけは何でしたか?

佐藤 『みてね』の事業は写真・動画の共有サービスを軸足に、写真・動画のコンテンツを活かしたプロダクト、例えばフォトブックの制作、写真プリント、DVD作成サービスなどから、出張撮影のような写真そのものを増やすサービス、あるいは年賀状などのプリントプロダクトなど、徐々にサービス領域を拡張してきました。現在はその延長線上の領域で、“家族の安心・安全に貢献する”サービスに取り組んでいるところです。

西山 その1つが「みてねみまもりGPS」であり、もう1つは昨年スタートした夜間休日の自宅往診サービス「みてねコールドクター」です。こちらもファミリーの安心安全を意識したサービスとなっています。

佐藤 「みてねみまもりGPS」が誕生した背景としては3点あります。1つ目は、みてねユーザーのニーズが高まったためです。「みてねみまもりGPS」が生まれた2021年はちょうど、みてねの事業をスタートして6年目の時期。事業がスタートした頃に生まれたお子さんが、ちょうど小学校1年生になるという節目の年だったんですね。

『家族アルバム みてね(以下みてね)』は、これまでも子育てファミリーの喜びの輪を広げるために様々な商品・サービスを強化してきましたが、お子さんが成長するにつれて、また新しい課題が生まれているのではないかと考え、ユーザーに「小学校入学を機に、どんなところに課題を感じているか」というアンケートを取りました。

西山 結果として、「子どもが一人で通学するようになると、安全に登下校できるか不安」という回答が多く寄せられたんです。その不安を解消するためには、子どもがどこにいるのかをいつでも知りたいというニーズがあって、そこを解決するためこのプロダクトは生まれました。

佐藤 2つ目は、『みてね』が事業領域を写真動画の共有から拡大し、より子育てファミリーの多様なニーズに向けてサービスを拡張するなかで、これが新たな事業の柱になると考えたためです。

3つ目は、通信インフラが整ったという技術的な背景です。2019年くらいにLPWA(Low Power Wide Area)という無線通信技術が誕生し、低消費電力で長距離の通信ができるようになり、IoT分野の通信に広く利用されるようになったんです。

鈴木 それ以前もGPSトラッカーは存在していましたが、3G通信は電力消費量が多いため、長時間使えなかったんですよね。それが新しい通信インフラが整ったことで、長時間の利用が可能になりました。実際「みてねみまもりGPS」は満充電して2ヵ月くらい使用可能です。

佐藤 ユーザーの新たな課題が生まれる段階で、当社が事業拡大のフェーズに入ったこと、そして使い勝手のいい端末が作れるようになったというタイミングが重なって、2020年5月頃から「みてねみまもりGPS」の企画がスタートしました。

━━フォトサービスだけでなく、家族の安心・安全の領域にまで事業を拡大するというのは、大きなターニングポイントですよね。

佐藤 あまりに今の軸足から離れたところにサービスをピボットしてしまうと、ユーザーも驚いてしまうと思っていて、地続きで『みてね』の世界観を拡張しているというところが非常に重要なんです。子どもの健やかな成長を祈って見守りするサービスというのは、『みてね』の既存の世界観との親和性が高いと思います。

西山 家族アルバムという領域からの連続性が必要なんですよね。

MIXIの強みであるUI・UXの知見が詰まったプロダクト

━━見守りGPSというのは業界的には後発となるプロダクトかと思いますが、どこに勝機を見出していったのでしょうか?

西山 認知度や知名度という意味では『みてね』のブランドの資産はもちろんあるだろうと思っていました。

佐藤 先行のGPSサービスは既にたくさんありましたが、一般層にはほとんど知られていない状況だったので、きちんとプロモーションをしていけば、自ずとユーザーに選択してもらえるはずだと確信していました。そのあたりをユーザーインタビューやアンケートで調査もしました。リサーチから見えてきたのは、最も重要なのはバッテリーと位置精度だということでした。世の中で販売されている端末よりも長時間使えて、かつGPSの位置精度が高いインフラを整備し、きちんと認知拡大に一定の投資をすれば、十分勝機はあると考えていました。

━━「みてねみまもりGPS」のこだわりポイントはどこですか?

西山 ユーザーインタビューをかなり丁寧に実施していて、親の生活フローから日常生活で気になるポイント、子どもがどこに持ち歩くか、どういう行動をしそうか、といった声を拾ってプロダクトに落とし込んでいきました。『みてね』の世界観にある優しさがプロダクトにも反映されるといいなと思っていて、アプリの使いやすさはもちろん、子ども自身が楽しんで選ぶという嬉しい体験も生み出したいという思いから、カラーバリエーションのラインアップにも気を配りました。

佐藤 カラーバリエーションを増やすとコストがかかりますし、在庫管理も大変なので、多くの企業は敬遠するものなんです。でも、「みてねみまもりGPS」のユーザーさんの反応を見ていると、「どの色にしようか?」と明らかに楽しんで選んでいることが見て取れるので、カラーバリエーションを揃えるのは正解だったなと思います。なるべくユニセックスなカラーのラインナップにしたところもこだわりです。

西山 今は子ども自身がランドセルを選ぶのが主流になっていますよね。子どもが自分で選べる選択肢をデザイナーチームで考えて、製品化しました。

鈴木 アプリの使い勝手にもこだわりました。MIXIはアプリ開発の実績が豊富で、優れたUXを持つアプリを開発できることが強みです。競合他社はいくつかありましたが、家電メーカーや通信事業者などソフトウェア系の競合は一つもなかったので、使い勝手のいいアプリをきちんと作り、常にアップデートしていけば、必ずユーザーさんに評価いただけるだろうと思っていました。親御さんにとって、お子さんの居場所を知る最大の接点がこのアプリになるので、優れたUXを持ち、ストレスなく楽しく使えるものにしようというのは相当工夫したところですね。

佐藤 ハードウェアについてもUXの視点からデザインし、プロダクトのモックも3Dプリンターで何度も試作を重ねました。タグ型などいろいろな形状を検討して、最終的には一番シンプルな箱型になりました。

西山 どういう風にランドセルに入れるかだとか、ポケットに入れて持ち歩くかだとか、そういうシチュエーションをリサーチした結果、シンプルな形になりましたよね。

━━プロダクトを育てていく上でのターニングポイントは何かありましたか?

佐藤 2022年の夏に、幼稚園バスの置き去り事故が大きなニュースになり、この問題にGPSは使えないのかという問い合わせをたくさんいただきました。僕らとしても当然何かできることはないかと考えましたが、位置精度の問題でバスの駐車場と園のエントランスが近かったりすると、GPSだけでは正確な状況を把握することができないという課題がありました。

園児がバスのクラクションを鳴らす訓練をさせる園もありますが、実際には相当難しい。となると、何かあったときに通知できる機能が必要だと考え、「みてねみまもりGPS」のボタン一つ押せば親御さんに通知が届く「お知らせボタン」を搭載することにしました。

西山 実は当時すでに第三世代となるプロダクトの生産が始まっていたのですが、急遽設計し直して、基盤や金型も起こし直して作ったのが、お知らせボタン入りの端末です。

販売から2年。多くのユーザーから支持されるプロダクトに

━━「みてねみまもりGPS」は、2023年 オリコン顧客満足度調査の「子ども見守りGPSサービス」ランキングにおいて顧客満足度ランキング総合第1位に選出されましたが、どう受け止めていますか?

佐藤 ユーザーさんからの評価が一番嬉しいです。もちろん事業としても成長して収益を出す必要がありますが、ユーザーさんが価値を感じている、かつ競合他社がたくさんあるなかで一番満足度が高いプロダクトとして選んでもらえたのは非常に嬉しいですね。

西山 本当にありがたいですよね。ここまでいろいろと紆余曲折あっただけに、喜びもひとしおです。

━━というのは?

鈴木 MIXIはハードウェアビジネスの経験が少ないので、通信トラブルが起きたり、不具合で位置精度に誤差が生じたり…と課題はいろいろありました。ユーザーさんにご迷惑をおかけしたら誠意をもって対応して、問題を把握し、改善版をリリースするというサイクルを愚直に続けてきました。そういった真摯に向き合う姿勢が、最終的にご評価いただけたのであれば良かったなと本当に思いますね。

佐藤 ユーザーさんからのメールのお問い合わせ件数が増えると、返信が滞ってユーザーさんの不満がさらに高まるという悪循環が出るので、そこを補完するためにアプリ内のお知らせで、今どういう状況が起きて、どんな対処をしているか、といった内容をなるべく積極的に発信するようにしていました。そういった運用面の工夫も含めて、ユーザーさんの感じている不満やストレスをなるべく小さくしていくというところは心がけてきたかなと。

━━コツコツと積み重ねてきたんですね。

鈴木 「みてねみまもりGPS」は小学生のお子さんがメインユーザーということで、使う時間帯も通学の登下校時に集中します。常に潤沢なインフラを構築する必要はないけれど、局所的に増えるアクセスに対してサーバーの負荷対策を行なう必要があり、難しさもありました。GPSを使いたいときに使えなかったらユーザーからの評価はいただけていないと思うので、一定のご満足はいただけているサービスにできているのかなと思います。

家族の新しい“つながり方”を探る

━━今後の課題や展望を教えてください。

佐藤 一番の課題は、位置精度の一層の改善です。GPSはどうしても誤差が出るものなんですよね。特に屋内だと建物に電波が反射することで距離が変わり、測量がズレてしまう。学校にいるはずなのに外にいるように見えてしまうと、親御さんは心配になりますよね。しかし位置精度を上げていくための新しい技術は日々出てきているので、コストとのバランスをみながらどこまで位置精度を上げていけるか?というのは引き続きトライしていきたいと思っています。

西山 みてね事業部が目指しているのは、家族の課題の解決です。子どもが生まれてから育つまでに家族が遭遇するさまざまな課題、子どもが健やかに育って、家族が幸せに暮らすための、いろいろな事業やサービスは今後も検討しています。

━━子育てを軸としながら、健やかな家族の幸せに暮らすことを常に意識して、裾野を広げていくと。

鈴木 子どもが小学校に上がると親の手が離れていくとか、中学・高校になると別行動になっていくように、子どもの年齢が上がるとつながりの形は変わっていくものですよね。『みてね』というサービスは家族のつながりを起点に始まっていくなかで、つながり方をアップデートしているサービスなのかなと思っています。実際に手をつないでいるわけではありませんがGPSでどこにいるか分かるとか、それがまた中学・高校になるとまた変わっていって、親も子もお互いにとって心地よいつながり方という世界観を実現しているような気がしますね。

佐藤 うちの高校生の娘はオーストラリアに留学中なのですが、「ホストファミリーの子どもと遊んだ」とか「料理をした」とか、毎日自分の写真をアップしています。それにおじいちゃんおばあちゃんが返事をしているんですよね。「素敵な景色だね」とか「お料理作ったの?」とか。我が家では子どもが小さい頃、実家に帰って写真を見せながら、「今年はここに旅行したんだよ」と話すシーンがありましたけど、それが『みてね』に置き換わって子どもの“今”をリアルタイムに知れるようになり、子ども自身が自分の情報を発信して、祖父母とつながっているのは新しい家族の絆の形なんじゃないかなとは思いますね。

西山 「世界中の家族の“こころのインフラ”をつくる」という『みてね』のミッションやこれまで培ってきた世界観を大切に、この先もサービスを展開していけたらと思っています。

グローバルな市場への挑戦も視野に

━━今後もサービスを拡大するにあたり、積極的にメンバーを採用していると聞きました。どんな人にジョインしてほしいですか?

佐藤 『みてね』の事業領域の拡大につれて、組織そのものも大きくなっているので、いろんなポジションの方を採用することでチーム全体を強化していきたいと思っています。『みてね』に限らず、MIXI全般に言えることとしては、プロダクトそのものへの愛着や熱意が強い人が合うんじゃないかなと。自分のスキルセットがこのステージで活きるかどうかという視点よりも、このプロダクトを大きくしていきたい、もっといいモノにしたい、もっと多くの人に使ってもらいたいと思える人のほうが、相性が良いのではないかと思います。

西山 子育て中かどうかに関わらず、メンバー全員が「このプロダクトで世の中を良くしたい」と思いながら作っているので、そこに共感してくださる方ならぜひ、という感じですね。

佐藤 といいつつ、IoTが詳しい方がいれば嬉しいですね(笑)。

西山 確かに(笑)。手探りで取り組んでいるので、ご経験や知見のある方がいらっしゃれば嬉しいです。

佐藤 『みてね』は日々の新規ユーザーにおいては、海外の方が圧倒的に多いんです。現状では「みてねみまもりGPS」は国内限定で運営していますが、海外でもチャンスとニーズがあれば、挑戦していきたいですね。国内のプロダクトでグローバルに勝てるものって、そうそう世の中に多くないと思っているので、そういったチャレンジがしたい人には楽しい環境だと思います。

西山 みてね事業部ではGPSに限らず、さまざまな新規事業が生まれていく土壌があって、国内のみならずグローバルな市場で大きな成長に向けて仕事ができる。チャレンジングなフィールドがたくさんあるところがうちの魅力だと思います。

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