4月の新卒入社後に各社で実施される新卒研修。
MIXIでは職務に分けて研修を実施し、配属までの約一ヶ月の間に様々なプログラムを実施しています。

今回の記事では、「エンジニア」の研修に焦点を当てその様子をレポートします。
まずは、今年初の試みとして実施した、エンジニアとデザイナー共同の「共同モノづくり研修」、続いて、AWSを実践の中で学ぶ「AWS Game Day」、そして特別ゲスト・LayerX CTO 松本勇気氏による「キャリア形成講義」。

これら3つのプログラムを中心にご紹介します。

▼講義資料はこちらで公開中!
今年もMIXIの23新卒技術研修の資料と動画を公開します!|Medium


エンジニア研修の概要

研修全体の概要は以下の通り。
今年は「合同モノづくり研修」「AWS GameDay」「データマネジメント」の3講座を新設し、計19講座を実施。

▼研修プログラム
・Git
・Google Cloud
・テスト/設計
・データベース
・コンテナ
・Androidアプリ開発
・iOSアプリ開発
・Flutter
・フロントエンド
・合同モノづくり研修
・ゲーム開発
・不具合調査
・AI
・セキュリティ
・チーム開発
・AWS GameDay
・インシデントハンドリング
・データマネジメント
・〈特別講義〉キャリア形成講義

これらの研修のほとんどは、社内で開発経験のある方なら所属会社・雇用形態を問わずに参加することができ、自身のスキルを広げたい人や学び直したい人でも自由に参加できる形式に。また、「データマネジメント」「インシデントハンドリング」の2講座については、エンジニア以外でも参加可能と、広く社内に向けて実施しています。

さらに今回の試みとして、研修の一部はLayerX社の新卒の方々と合同で実施しました。以下より、当日の模様を写真とともに紹介します。

「合同モノづくり」研修


「合同モノづくり」研修|座学

当日はエンジニアとデザイナー混合の5人3チームに分かれてスタート。
実際の業務では、エンジニアもデザイナーをはじめとした様々な職域と会話を重ねながら進行していくため、そのスタートとして、まずは互いの強みや性質、そして連携する楽しさを体感するために実施しています。

講師はデザイナーの橋本と髙木、エンジニアの本間。まずは座学で「UXとは何か?」を学ぶため、スライドを使った講義へ。講師の橋本は身近なUXの一例をこのように説明しています。

「身近なUXの一例が、カフェのコーヒーです。皆さんはカフェを訪れる際、コーヒーだけでなく、そのカフェの内装や接客、居心地などの体験に対して価値を感じて訪れているのではないでしょうか。カフェもコーヒーの価値だけではビジネス的に他店と差別化しづらいため、こうした体験づくりを意識して設計されています。さらには、訪問中の体験だけに限らず、訪問前/訪問中/訪問後それぞれでどのような体験を得られるか。こうした一連の視点がUXだというとわかりやすいでしょうか。」

その後、講師の橋本と髙木が対談形式で実例を紹介するセッションへ。どのような要件整理を行い、モックアップではどのような試行錯誤が行われたのか、フィールドワークはどのように行っていたかなど、あるプロジェクトのフローを紹介しながら説明しました。


「合同モノづくり」研修|ワーク

講義でUXについて学んだ後、早速ワークへ。
課題となるテーマは「社内決裁ツールの改善画面」の制作です。

チーム内での自己紹介を済ませたあとは、まずは着手するプロダクトを理解するためにハンズオン。指示された一連の作業を行う中で感じた課題や感想を共有するところからスタートしました。

続いてはブレスト。
想定したペルソナの抱えている課題を解決するべく、実際に解決すべき課題はどこにあるのかをエンジニアとデザイナーが共同で精査していきます。

その後、それぞれの職域でどのような改修を行うことが可能そうか、実際に形にしていく作業へ。デザイナーであればワイヤーフレームやUIを作成、エンジニアであれば具体的にどのようなアプローチが可能かを検証します。

成果発表では、取り掛かる課題を見つけるまでのプロセス、デザイン的な要件、エンジニアリング的な要件、それぞれの項目と背景、意図などを説明し、実際に作業を行ったモックアップを説明。説明用のスライド作成まで含めて行うことで、業務の改善フローの提案までを学びます。

チーム内でKPT方式の振り返りを行った後、総評へ。
講師の橋本は「お互いのマインドやスキル、人となりを理解しながらモノづくりを行うことで、連携する楽しさやその強みを理解できたのではと思います。本日の研修を、チームでモノづくりを行う難しさや意識すべきところを掴む手がかりにしてもらえたら嬉しいです!」と締めくくりました。

「AWS GameDay」研修

まずはAWSの機能を知っておく必要があるため、当日に至るまで事前講義としてAWSの基礎、コンテナ、CI/CD、AL/MLといったAWSの各種サービスをハンズオンする研修が実施されていました。

これらの事前講義を経て、Gameday当日。
講評までの4時間を、ゲスト講師であるアマゾンウェブサービスジャパン合同会社の山本純也さんと一緒に実施していきます。

新卒社員と先輩社員が混合のチームに分かれ、課題を解決しながら、最も高いポイントを獲得したチームがGameDayの勝利チームになる、という形式。

競技中はチーム間でコミュニケーションを取り合いながら、ゲームを進行。

規定の時間まで競い合い、その後に結果発表と表彰へ。
業務で毎日AWSを触る先輩社員から教わったり、普段はあまり触らないようなサービスに触れたりと、GameDayを通して新たな学びを得ていました。

「キャリア形成」研修 by LayerX 代表取締役 CTO 松本勇気氏

最終日は、特別講義としてLayerX社の代表取締役 CTOである松本勇気さんによる講義に。
自身のキャリアをどのように形成していくのか、松本さんのキャリアを踏まえながら講義を行っていただきました。

講義のテーマは「後悔しないキャリア選択のために私が伝えたい3つのこと」。
3つのこと、と綴られたポイントは以下の通り。

・投資家的思考
・コミュニティ
・最初の10年

「投資家的思考」は、まず自身のキャリアを投資家のように鳥瞰してみようという提案。
大前提として、どのような選択にもリスクがありリターンがあるため、それらを整理することが大切、と語りました。自分の時間や信用、資産や知識などのアセットを何に充て、どのような投資を行って、どのようなリターンを得たいのか。それらをどうすれば効率化できそうか、といった流れを投資になぞらえて冷静に考えてみよう、と続けます。

「コミュニティ」の章では、友人や上司、エンジニアコミュニティなどの仲間に対して“健全な嫉妬”をすることが大切だと力説。そのコミュニティの中で適度なプレッシャーが得られ、それが互いの刺激になり、さらに向上していく。そのような環境を築くためには「自ら宣言し、実行し、その事実を発信すること。そうすることでコミュニティ内外からフィードバックが得られて、自分もまた新たな目標に着手できる」と現実的なアドバイスを寄せました。

続く「最初の10年」の章で強調されたのは、習慣とサイクル。今ある可処分時間を未来のアセットに最大化するためには、習慣が必要だと口火を切りました。それはただがむしゃらに毎日頑張る!ではなく、短期(〜1年)・中期(〜3年)・長期(〜10年)の 具体的なマイルストーンを立て、これらの3つのサイクルを習慣づけることで、具体的な成長が続けられると続けました。

その他にも、たとえ方針として反対していても全力投球する「Disagree and Commit」という姿勢や、マネージメントを受けるメンバーの段階から“マネージメント”は学べる、といった「フォロワーシップ」の考え方など、新卒の時に聞いておきたい話が盛り沢山。

最後の質疑応答のコーナーで、「量をこなすことってキツくないんですか?」と聞かれた松本さんは「自分が今やっていることを発信する仕組みが必要。自制心だけでなく、外からの目を制約にすることで続けやすくなる」と応えました。習慣化について学ぶおすすめの書籍として『ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣(2019,パンローリング)』を紹介し、最終講義を終えました。

プログラムの背景

今年の研修を終えたところで、今回はどのような意図で設計されたのか、Devrelの喜多さんに話を聞いてみました。

DevRelグループ 喜多
DevRelグループ 喜多
今年はLayerXの皆さんと研修を受ける機会もあり、いい刺激の中で実施できたのではないでしょうか。次年度は、今年実施できなかった「リアルタイム通信」や「スクラム開発」など、さらにプログラムを拡充して実施できればと考えています。皆さんの専門領域をより深めていけるような研修についても、社内外とより広く交流できる研修についても、よりベターな方法を模索したいと思います。
今回、新卒の皆さんはご自身の領域外のことも研修で学んだと思いますが、それらの研修も今後どこかで皆さんの仕事に繋がる機会になるといいなと思います。また、研修を実施できる講師はいればいるほどいいので、今年学んだ皆さんは、ぜひ来年講師にチャレンジしてもらえると嬉しいです!

アンケート紹介

最後に、今回のプログラム選定の背景と、実際に参加した新卒の皆さんからのリアルな反応を聞いてみました。

新卒の皆さんに連日お応えいただいたアンケートの中から、コメントを抜粋して紹介します。

合同モノづくり(UX)研修が特に印象に残っています。この研修では自分の技術力が至らず全然チームの役に立てなくて、デザイナーさんが作ってくれた素晴らしいデザインを形にできなかった悔しさや無力さを強く感じました。チームや組織内でより良いものを作るためにもエンジニアとして技術力を上げ戦力になれるよう努力していかねばと改めて思いました。
グループワークを含んだ研修がとても良い経験になったなというのが、
研修全体を通して思いました。特にチーム開発やAWS Gamedayではペアプロを複数回行ったのですが、様々な経験を持つ方から専門知識を教えてもらったり、その分野に関するちょっとしたtipsを教えてもらったりする中で自身の知見がかなり広がったと感じています。
ゲーム分野しか学んでこなかった自分としては、難易度的にはとても難しかったですが、ゲームエンジニアではなく、エンジニアとしての意識を持つことができたのでとても満足しています。 またLayerXの3名もとても優秀でしたので、いい刺激をもらうことができました。

これらの嬉しい声のほか他企業の著名な方に話を聞いてみたいというコメントや、より専門領域を掘り下げる講義が聞きたいという意見も得られ、次年度の研修をより強固なものにするためフィードバックも寄せられました。

最後に

約1ヶ月の間、研修を実施された講師の方はもちろん、新卒の皆さんもお疲れ様でした。
次々にインプットした情報を、実際に業務の中で役立ててもらえたら幸いです。

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