ユーザー体験から始まる恩返しの旅。デザイナーが追求する心つながるプロダクトづくり

2024.12.10
橋本 卓朗
Web制作会社にて5年間Webデザイン、ディレクションを経験。事業会社にデザイナーとしてコミットしたいという思いから、2016年にミクシィ(現MIXI)へ入社。ひっぱりハンティングRPG「モンスターストライク」をはじめとするWebサイトや広告媒体デザインで活躍した後、デザイン本部へ異動。

デザイン本部にてさまざまなプロダクトのUI/UXに携わるUXデザイン第1チーム。ここでリーダーとしてメンバーに寄り添い、デザインとビジネスの融合に取り組むのが橋本 卓朗です。日常の経験から着想を得ながら、コミュニケーションを大切にするMIXIで働き続ける橋本がこれまでのあゆみについて語ります。

誠実な姿勢で信頼を紡ぐ。MIXIのデザインリーダーが語る心に響くものづくり

各事業部に対し、横断的に業務を行うデザイン本部。その中でも、橋本はUXデザイン第1チームのリーダーとして業務にあたっています。

「MIXI内の事業部から相談を受け、UI/UXを考えていくのが私たちの仕事です。現在、私自身はデザイナーとして手を動かす機会は減り、リーダーとしてプロジェクトマネジメントやディレクション、メンバーマネジメントを主に行っています」

各事業部から寄せられる相談は多岐にわたると言います。

「バナー制作のような具体的なものから、『このプロダクトの全体的な方向性を一緒に考えてほしい』といった抽象的なものまで、さまざまな相談がやってきます。最近は上流工程から関わる機会が増えてきて、ものづくりにより深く携われている喜びがあります」

他部署との交流が多く、さまざまな人と関わりながら仕事をするからこそ、デザイナーである前にMIXIの一員として信頼してもらうことを常に意識していると言います。

「初対面の人と仕事をする機会も多いので、まずは信頼関係を築くことを大切にしています。やはり信頼関係がないと、話し合い自体も難しいですし、物事が前に進みにくいんですよね。だから『初めまして』の時はまずお互いの肩書きを外して、MIXIの一員として認め合うようにしているんです。この土台があって初めて、プロのデザイナーとしての力が発揮できると思っています。
また仕事をする上では、MIXIの PMWV(※)の一つにもある『誠実』という言葉を意識することが多いですね。仕事をする上でも、デザイナーとしてものづくりをしていく上でも、時にはトラブルが重なったり、意見がすれ違ったりして現場がカオスな状況になることはあります。そんな時でも、誠実さを忘れずに一つひとつ丁寧に物事を解決していくようにしています」

橋本が率いるUXデザイン第1チームのメンバーは4人。メンバーにも常に誠実に向き合っています。

「リーダーとして私がとくに大切にしているのは、相手の心に向き合うコミュニケーション。毎週メンバー全員と1on1の時間をつくり、毎週本人と直接話をするようにしています。リーダーとして案件の進捗や現在の課題についても話を聞きますが、雑談を楽しんで心理的安全性を担保することも大切にしています」

※ PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」

ユーザーとしての感動をデザイナーとして還元。SNS「mixi」がつないだキャリア

Web制作会社にてクライアントワークを5年間経験した後、MIXIへの入社を果たした橋本。そこには、インハウスデザインへの憧れがありました。

「これまでさまざまなお客さまの案件に携わってきたので、次はデザイナーとして事業会社にコミットしてみたいと思うようになりました。そこでエージェントを通じて出会ったのがMIXIです」

他社の選考も進んでいた中でMIXIへの入社を決めたのは、橋本自身がSNS「mixi」のユーザーとして大切な思い出を持っていたからです。

「20代前半のころ『mixi』で同じ趣味の仲間と出会い、オフライン会に参加して親しい友人やパートナーに恵まれるなど、MIXIのサービスがライフスタイルを変えてくれたことがありました。選考をきっかけにあらためて『コミュニケーションの場を与えてくれるすてきな会社だな』と感じ、デザイナーとして恩返ししたいという思いから入社を決意しました」

こうして2016年に入社。前職での経験を活かし、MIXIのWebデザイナーとしてキャリアをスタートさせます。

「前職と比較すると規模の大きい会社なので、入社前は役割分担がはっきりしていて効率を重視する組織を想像していました。しかし、実際入社してみるとイメージとはまったく異なり、手を挙げた人にはちゃんとチャンスが回ってくる環境。やりたいと思ったことを次々任せてもらえることが嬉しかったです。
また、デザインチームのものづくりへの姿勢にも感動しました。単に仕様書通りのものを作るのではなく、常によりよくするために頭を働かせ、アイデアを提案できる雰囲気なんです。これはさらに規模が大きくなった2024年現在でも変わらない、MIXIの魅力の一つですね」

入社から数年後、横断的にクリエイティブに貢献するデザイン本部が立ち上がり、同部署へ異動。これまで関わったことのない事業にも携わるようになったほか、仕事の幅も徐々に広がっていきました。

「デザインだけでなく、ディレクションにも携わるようになり、2022年にはUXデザインチームに参画。プロダクトの制作に関わるかたわら、リーダーとして後輩の育成や採用も担当するようになりました」

MIXIに入社して8年。デザインに向き合う姿勢にも変化が生じたと言います。

「前職での経験もあり、入社当初はクリエイティブの表層部分で優れたものを作りたいという思いが強かったように思います。それがMIXIで業務に向き合う中でデザインとビジネスの融合を意識するように。デザインの力を信じ、それを使ってどう事業や組織に貢献するかを考えるようになりました」

チームの垣根を越えた、MIXIでの新たな挑戦。FANUP誕生秘話と成長の軌跡

自社プロダクトのデザインを心から楽しむ橋本。2023年には、初めて自らがクリエイティブをリードする立場としてプロダクトを作り上げました。

「予想バトルで熱狂するスポーツSNS『FANUP』(※)の立ち上げをデザインチームとして支援しました。以前もそれに近い立場は経験していたのですが、この時初めて正式にクリエイティブをリードする役割を任され、プロダクトのあるべき姿の設定から最終的な成果物の納品まで一貫して担当できました。これまでのデザイナー人生で培った経験をすべて活かせたのが感慨深かったですね。
プロダクトを作っていく上でさまざまな立場の人の意見をもらったり、期日に迫られたり、ビジネス的な制限があったりして、まとめていくのが困難な時もありました。とくにクリエイティブをリードしていく立場である以上、自分の意思決定が周囲の人の未来を変えてしまうこともあるので、責任重大なんです。そんな中でもMIXIがめざす『ユーザーサプライズファースト』の精神を胸に、最後まで誠実に仕事をやり切った時は達成感がありました」

あらためて、MIXIでプロダクトを作る魅力も感じたと言います。

「MIXIでは制作に携わる人同士の距離が近く、常に意見交換をしながらものづくりができることが魅力の一つ。チームで作り上げる意識が強いので、肩書はありながらもさまざまな領域に踏み込んで広くプロダクトを作り込むことができます。
『FANUP』でも、サービスのあるべき姿の設定からプロジェクトに加わり、企画やマーケティングチームとも綿密に話し合うなど、自分がデザイナーだったことを忘れるくらい幅広い領域で制作に加わることができました。リリース後は事業部のメンバーにも『もっと早くデザインチームに相談すればよかった』と言ってもらえて、感謝されたことが嬉しかったです。
また、直接ユーザーの反応を得られることもやりがいにつながります。2024年2月に実際に『FANUP』がリリースされ、ファン同士の新たなコミュニケーションの場として活用されているのを見ると、励みになりました」

デザイナーとして、そしてディレクターとして常に高いスキルを要求される中で、橋本は日常生活における経験を仕事に活かすことを大切にしています。

「参考書を読んだり、勉強会に参加したりして、デザインのトレンドを仕入れることは常にしています。その上で、実は結構重要だなと思っているのが、プライベートの体験から得た学びを仕事に活かすことです。
たとえば、私はベテランのバーテンダーがいるような『オーセンティックバー』に行くことが趣味なんです。それはもちろんおいしいお酒を楽しみに行っている部分もあるんですが、バーテンダーの接客の仕方やお酒の提案の仕方、美しい所作などを学びに行っているところもあって。バーテンダーの会話のキャッチボールの仕方や手つき、目つきなどを観察していると、自分の仕事やコミュニケーションに活かせることがいっぱいあるなと思っています。本当に彼らはコミュニケーションのプロですよね。こんなふうにコミュニケーションの本質って、日々の何気ない日常の中にあると思うんです。それを常に捉えて、仕事に還元していきたいと思っています」

※2024年6月30日サービス終了

SNSからゲーム、スポーツまで。コミュニケーションを軸に挑戦するMIXIの魅力

IT業界の目まぐるしい変化の中で、8年間MIXIの一員として働いてきた橋本がMIXIの魅力を語ります。

「一番好きだなと思うのは、入社前から変わらず『コミュニケーション』を軸に事業を生み出しているところ。私が入社前にコミュニケーションの機会を与えてもらったSNS「mixi」はもちろんのこと、今のMIXIはゲームからスポーツ業界まで、本当に幅広い事業を持っています。そして、そのすべてが心をつなぐことやコミュニケーションに軸を置いているんです。この軸がブレない限り、いつまでも魅力的な会社であり続けると思っています。
また社風としても優しい人が多く、居心地のよいところが気に入っています。ただ、それだけではなくて、個々人のコミットメント力がとても高く、一人ひとりが当事者意識を持って動けるところがMIXIらしさ。周囲への優しさを持ちながらも『よいプロダクトを作りたい』という熱くたぎるような気持ちも持っているんです。組織として利益を追求することはもちろん大切ですが、ロジックだけでなくそれ以上に『よいサービスを届けたい』という思いが強い。つまりユーザーサプライズファーストにつながるようなサービスをちゃんとつくろうとする、そういうエモーショナルな部分が好きですね」

そんなMIXIで活躍できる人柄については、こう述べます。

「まずはコミュニケーションが好きであることが大前提ですね。いわゆる『コミュ力の高さ』ではなく、心と心の交流を大切にできる人こそ、MIXIで活躍できると思います。加えて重要なのが、チャレンジ精神があること。当社はチャレンジする人にチャンスが与えられることが魅力の一つ。それをフルに活かして、事業や組織にコミットできる人と一緒に働きたいです」

「mixi」で経験した原体験を胸に、「MIXIがコミュニケーションカンパニーであり続ける限り、恩返しがしたい」と語る橋本の描く未来とは。

「MIXIの一員である以上、ユーザーが『このプロダクトがあって良かった』『おかげで心がつながるすてきな経験ができた』と思えるようなプロダクトを作り続けていきたいと思っています。
そのために私がなりたいものは、制作に幅広く携われる、豊富なスキルを持ったジェネラリスト。これまでの経験を活かしながら、より多くの人を巻き込んで事業を進めていける人材になりたいと思っています。また、学生時代から信じてきた『デザインの力』をこれからも信じ続け、それを基盤としてより広い視野で事業を推進していきたいです」

※ 記載内容は2024年8月時点のものです

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