PMWVが照らす未来への道。世界中の家族の心のインフラをめざす「みてね」開発部長の挑戦

2024.12.10
平田 将久
大学時代情報処理学を学び、2011年にミクシィ(現MIXI)へ新卒入社。エンジニアやスクラムマスターとして活躍した後、リクルート社、シリコンバレーのスタートアップ会社・Drivemode社で経験を積み、2022年に再びMIXIへ入社。現在、「家族アルバム みてね」のプロダクト開発部部長として部門をけん引する。

会社説明会のスピーチに心を打たれ、2011年に新卒入社した平田 将久。他社で実績を積んだ後、2022年には子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」をつくり上げる、みてねプロダクト開発部の部長として、MIXIに再び加わりました。唯一無二の組織をつくりたいと語る平田のこれまでのあゆみとは。

家族の絆をテクノロジーで深める。プロダクト開発部長が語る「心のインフラ」づくり

幼い子どもの写真や動画の共有をきっかけとした家族間コミュニケーションのプラットフォームサービスである、子どもの写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」。「世界中の家族の心のインフラをつくる」をミッションに、家族のコミュニケーションを大切にしたさまざまなサービスを提供しています。

「当事業部は、総勢140人ほどの大所帯。プロダクト開発部、事業開発部、マーケティング部という三つの部門に分かれており、中でも私はエンジニア・デザイナーが集まるプロダクト開発部で部長を任されています。とはいえ、実際の運営は部門横断的なチーム体制で行われているので、私はエンジニア・デザイナーのピープルマネジメントに携わりながら、部門を超えた幅広いサポートを行うイメージです」

プロダクト開発部の業務内容もさまざま。

「新機能の追加や運用はもちろんのこと、AIコンポーネントを開発するデータエンジニアリンググループ、セキュリティ専門チームなど、さまざまな役割を持つメンバーがそろっています」

エンジニアとして、そしてスクラムマスターとして豊富な経験を積んできた平田には、部門を率いる上で常に大切にしていることがあります。

「私はこのチームの『デベロッパーエクスペリエンス』を高めることに注力しています。デベロッパーエクスペリエンスとは『開発者体験』とも言われ、簡単に言えば開発に携わる幅広い職種の人が業務を通じて得られる体験のこと。これが高められると、事業の仮説・検証能力が高いチームであると捉えられます。
具体的には日本CTO協会が作成した『DX Criteria』を用いて、チームのデベロッパーエクスペリエンスを定量的に評価し、そのスコアを高めていくことを目標としています」

加えて大規模な事業部を率いるリーダーとして、心がけていることも。

「みてね経営チームの一員としての自覚と責任を持ち、中長期的な視点を大切にして物事を考えるようにしています。めざしているのは、140人のメンバー全員が自律的に動けるような組織。メンバーに常に最新の情報が届くよう、今の経営チームの考えを正直に伝え、そのフィードバックを吸い上げてよりよい戦略をつくり上げることを意識しています」

MIXIが気づかせてくれた自身の軸。コミュニケーションの喜びを多くの人へ届けたい

子どものころから理系科目が得意だった平田。小学校1年生から大学までそろばんを続け、珠算三段を持つほどの「そろばん小僧」だったと語ります。

「計算が速いので日頃から簡単な暗算を頼まれることが多く、社会人になっても『人間電卓』と呼ばれていました(笑)。数学や物理が得意だったことから自然とパソコンやオンラインゲームにも興味を持ち、次第にプログラミング言語にも触れるように。自身の興味や適性に合わせて、大学では情報処理学を学ぶことにしました」

そんな平田にはもう一つ、大切にしているアクティビティがあります。

「音楽が好きで、高校時代からバンド活動をしていました。今でも社内に私のことを『KAKKAさん』と呼ぶ人がいますが、これはもともと音楽活動で使っている名前なんです。大学時代は得意分野と興味をうまく融合させ、音楽・音響の信号処理を機械学習で行う研究に取り組みました。その一環で、音声認識の研究も行っていたので、就職活動を始めたころは漠然と『メーカーの研究職に就こうかな』などと考えていました」

就職活動初期はどの企業の説明会に行っても会社の本質的な情報をつかめず、就職活動の軸を見つけるのが困難だったと語る平田。そんな時に出会ったのがMIXIでした。

「当時の私はSNS『mixi』のヘビーユーザー。いつものようにブラウザで『mixi』を閲覧していたところ、『新卒採用募集』というバナーを見つけ、説明会に参加してみることにしました。
MIXIの説明会はこれまで参加してきたどの企業の説明会とも一味違い、一気に世界観が変わりましたね。『これからはSNSが世界を支配する』というスピーチがとにかく刺激的で。『MIXIに入れば、新しい世界が見られるかもしれない』と思い、入社を強く望むようになりました」

どうしてこんなにもMIXIに惹かれるのか──自己分析を繰り返した先で気づいたのは、「自身の軸がコミュニケーションにある」ということでした。

「音楽活動の楽しさって、一人では完結できないなと思って。自分の曲や演奏を人に聞いてもらって『いいね!』と声をかけてもらうことに、そこでしか味わえないコミュニケーションの強い喜びがあるんだなと気づいたんです。
また『mixi』を通じて、文章を投稿してコメントやいいねをもらえる楽しさも実感。こういうコミュニケーションの楽しさをより多くの方に経験してもらいたいと思いました」

こうして、2011年に新卒でMIXIへ入社。バックエンドエンジニアとしてキャリアをスタートさせます。

「MIXIは当時から働く人の自由度が高く、手を挙げればチャンスをもらえる環境でした。私も希望に応じてAndroidアプリの開発チームに入れてもらったり、スクラムマスターを任せてもらったり、ゲーム開発のチームに入れてもらったり。
再入社してあらためて思うのですが、MIXIには社員のチャレンジを惜しみなく支援する文化があるんです。私も当時、たくさんのチャンスをもらったからこそ、今は部長としてメンバーにたくさんのチャンスを与えたいという気持ちがあります」

グローバル経験が磨いた「変革力」。自信と周囲からの信用を積み上げ、再びMIXIへ

その後、起業家の卵たちが集う企業やアメリカ・シリコンバレーのスタートアップ企業で経験を積んできた平田。これまでの経験の中で学んだことについて、こう語ります。

「私がこれまでのキャリアを通じて培ってきたものは、大きな事業でリーダーシップをとるために欠かせない『自信』です。次々やってくる未経験の業務やプロジェクトをやり遂げることで、自信を積み重ね、また次のプロジェクトに活かしてきました。
加えて、欠かせないのが周囲からの信用。MIXIのPMWV (※)にも『誠実』という言葉があるように、優秀なビジネスパーソンほど持ち前の自信を駆使して誠実に行動し、周囲からの信用を積み上げているものです」

平田自身、前職時代に信用の大切さを思い知る出来事があったと言います。

「組織の方向性を決めていく際、会社の方針と私が思い描く方針に違いが生じたんです。私は正論で反論したつもりだったのですが、周りの人からは『文句を言う人』と捉えられてしまって。周囲からの信用を失いかけました。
その時、前職のCEOから『伝え方をあらためた方がよい』とフィードバックをもらい、初めて自分の行動が周囲に与えた印象に気づくことができました。そこから自身の行動を見直し、成果を出すことで信用回復に尽力。変革を起こすには、周囲からの信用が欠かせないと気づいた大切な経験の一つです」

その後、縁あってMIXI再入社を果たした平田はこれまでの経験を活かし、数々の変革を成し遂げてきました。

「2022年にMIXIに戻って以来、みてね事業部内の情報共有システムの移行や組織戦略の立案と実行、評価指標の作成、前述のDX Criteria診断など、数えきれないほどの変革プロジェクトを成し遂げてきました。そのかいもあり、2024年にはMIXI AWARD 2024『PMWV賞 マネジメント部門』も受賞しました。
どの変革も印象深いのですが、とくに印象に残っているのは入社から数週間後にすぐ提案した情報共有システムの移行。メンバーが毎日使うツールだからこそ、移行には周囲から心配の声も上がりました。しかし私自身過去に経験があったことと、移行することに明確なメリットを感じていたことから『私はこの移行に自信があります』と声を上げ、みんなの背中を押すことができました」

数々の変革を行うにあたって感じた、現在のMIXIの風土についても語ります。

「MIXIはモダンなカルチャーを持った企業だなと感じています。たとえば、メンバー全員が親しいながらもお互いに敬意を持っているため、先輩・後輩に関係なく敬語を使ってコミュニケーションを取っています。
そして、私も大切にしている『自信』や『周囲からの信用』の重要性を理解している人が多いですね。能力が高く、自信もあり、その上で周囲から信用されている人に、自然と活躍の場が与えられているように感じます」

※PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」

PMWVの深化が生み出す独自性。世界が認めるコミュニケーションカンパニーへ

あらゆる環境で自信と実績を積み上げ、「みてね」の発展に寄与する平田が、あらためてMIXIの魅力について述べます。

「私が思うMIXIの好きなところは、PMWVを大切にしている点です。当社は『mixi』が主力事業だった時代から『コミュニケーションのインフラをつくる』というミッションを掲げていました。事業が多様化する中でも、経営チームがブレずに『コミュニケーション』という軸を持ち続け、磨き続けることで今のPMWVを生み出したのは本当に素晴らしいこと。だからこそ、『この会社に戻ってきたい』と思えた部分もあります。
これからはPMWVに共感するだけでなく、メンバー全員でより理解を深め、他社が真似できない解像度の高いビジョンの集合体をつくっていきたいと思っています。カルチャー、専門性、組織体制、プロダクトそのものなどをつくり上げる中でPMWVを意識し続け、ゆくゆくは世界で認められるコミュニケーションカンパニーになっていきたいですね」

社内でもPMWVの浸透を実感する機会が多いと語る平田。MIXIで活躍できる人柄についても、こう繰り返します。

「大前提として、PMWVに共感できることがMIXIで活躍するための第一歩だと思います。たとえば自分の人生を振り返った時、コミュニケーションが人生の軸になっていたり、喜びの源泉になっていたりする人は、面接でもPMWVへの共感が伝わるもの。そういう人は入社時点で専門的なスキルを持っていなくても、意欲と行動力があれば活躍できると思っています」

その上で大切なのは、自律的に動けることと幅広い分野に興味が持てることだと言います。

「MIXIで常に求められるのは、自律的に組織をつくれる人。自分で道を切り開き、よい組織、よいプロダクトを発明できる人ほど高い評価が得られますし、新たなチャンスが与えられます。
加えて大切なのが、領域を超えた幅広い分野への興味。幅広い分野に関する知識を持った上で自分の専門分野について深い知見を持つ、いわゆる『T字型人材』ですね。たとえばエンジニアでデザインにも興味がある方、デザイナーでフロントエンド開発に興味を持つ方など、自分の専門性を活かしつつ『なんでもやるぞ』という心意気を持った人はMIXIでとくに求められています。私自身も、そんな人たちに囲まれて切磋琢磨しながら働いていきたいですね」

※ 記載内容は2024年8月時点のものです

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