一人じゃ抱えきれない興奮を届ける。世界を驚きで包む「モンスト」開発チームの挑戦


- 米田 圭佑
- 2014年にミクシィ(現MIXI)に新卒入社。クライアントエンジニアとして、ひっぱりハンティングRPG「モンスターストライク」の開発に携わる。以降、スピンオフゲームを含めて「モンスト」のエンジニアとしてキャリアを積む。2021年5月よりマネージャーに就任し、主にインゲーム領域の開発とチームマネジメントを担当。
い- 森田 修康
- 登記事務所での勤務を経てスマホエンジニアにキャリアチェンジ。ソーシャルゲーム開発会社で経験を積んだ後、2019年にミクシィ(現MIXI)に入社。一貫してひっぱりハンティングRPG「モンスターストライク」のクライアント開発に従事。2024年3月よりマネージャーに就任し、アウトゲーム領域の開発とチームマネジメントを担当。
入社以来、ひっぱりハンティングRPG「モンスターストライク」(以下、「モンスト」)にエンジニアとして携わってきた米田 圭佑と森田 修康。「日常に一人では抱えきれない興奮を届ける」を合言葉に、ユーザーに新鮮な驚きを提供し続けるために開発に携わる二人が、「モンスト」開発にかける想いとやりがいを語ります。
目次
想いを100%形に。ユーザーに驚きを届けるものづくりの裏側

2025年に12周年を迎えた「モンスト」。世界中のユーザーに愛され続けるこのタイトルの舞台裏で、日々「驚き」と「楽しさ」を届けているのがクライアントグループです。タイトル画面やホーム画面、プレイ領域など、アプリの起動から終了までの画面の実装などを担当しています。
その中で、米田がマネージャーを務めるクライアント1グループは、モンスターを引っ張って敵を倒すクエストや友情コンボ、ストライクショットなど、いわば“モンストの心臓部”ともいえるインゲーム領域を担当。企画やデザイナーの想いを100%の形で実現し、ユーザーに届けることを使命としています。
米田:私たちの役割は、企画担当者やデザイナーが思い描く「新しい遊び」や「新しい楽しさ」のアイデアを、イメージ通り100%の形でゲームに実装し、ユーザーの皆さんに届けることです。その過程では、思い描いた通りに動かなかったり、予期せぬ不具合が起きたりと、さまざまな壁があります。でも、そうした一つひとつを乗り越えて、想いを正確に形にすることこそが、エンジニアの腕の見せどころだと思っています。
また、「モンスト」に欠かせないのが、他コンテンツとのコラボ企画です。コラボ先の作品が持つ素晴らしい世界観をどう「モンスト」に融合させ、双方の魅力を最大限引き出すか。そこには大きな挑戦と工夫が求められます。アイデアをそのまま形にするだけでなく、エンジニアだからこそできる“プラスアルファ”の価値を加えて、100%を120%にすることを常に意識しています。それが私たちの誇りであり、「モンスト」開発の面白さでもあります。
一方で、ホーム画面やクエストに出撃するまでの導線、コラボ特設ページ、キャラクターの育成パートなど、「モンスト」の世界を支えるもう一つの重要な領域、アウトゲームを担当しているのが、森田がマネージャーを務めるクライアント2グループです。
森田:私たちが担当しているのは、インゲーム以外のすべての領域です。ユーザーの皆さんが1番長く滞在する部分だからこそ、操作の心地よさや画面の見やすさなど、細部まで妥協できません。ボタン一つの配置や動きにも、「触った瞬間に心地良いか」「自然に操作できるか」といった感覚的な部分まで徹底的にこだわっています。
そして、私たちのチームにとってもコラボ企画は大切な挑戦の一つです。新しいイベントをゲーム内で告知したり、コラボタイトルをサプライズで発表したり。ユーザーの皆さんが「そうきたか!」とワクワクする瞬間を生み出せるように、驚きと楽しさの仕掛けづくりをいつも意識しています。
共にマネージャーとしてチームを率いる二人。先を見据えた組織づくりやメンバーの能力を引き出すマネジメントをすることも大切にしていると続けます。
森田:アウトゲームは担当範囲が広く、専門分野を持った複数のチームが連携して開発を進めています。それぞれが自律しながらも、お互いを信頼して動けるチームであることが大切です。
私の1番の役割は、メンバーが最大限の力を発揮できる環境をつくること。メンバーの得意分野を見極めてアサインし、チームごとの課題には伴走しながらアドバイスを行う。そして、全体を見渡して横のつながりをつくる“橋渡し役”として、チーム同士が自然に協力し合えるように設計しています。
そうやってグループ全体が一つのチームとして機能することで、ユーザーの皆さんにとって快適で楽しい体験を届けられると信じています。
こだわりの積み重ねがサプライズの源泉。「誰かに伝えたくなる驚き」を生み出したい

「新しい遊び」や「新しい楽しさ」を100%の形で届ける──その先にめざす「モンスト」の世界観とは、どのようなものなのでしょうか。
また、ブランドビジョンとして掲げているのが、「日常に一人じゃ抱えきれない興奮を届ける」という言葉。これは、「すごい!」と感じた瞬間をみんなと共有したくなるような、そんな体験を届けたいという想いです。「モンスト」を通して、人と人がつながるきっかけをつくることが、私たちの使命だと思っています。
そして、この想いがMIXIの理念「ユーザーサプライズファースト」にもつながっています。ユーザーの皆さんが「そうきたか!」と驚き、「誰かに伝えたい」と感じる──そんな“喜びと驚きの連鎖”を広げていくことが、私たちがめざす世界です。
森田の話に大きく頷く米田は、そのために必要なことを、こう続けます。
ただ、ゲームやエンタメの世界には、誰もが納得する100点は存在しません。だからこそ、どんな小さな要素でも「これがベストだ」と言えるまで突き詰めたいという気持ちが強くなるんです。
とはいえ、開発に使える時間は限られています。だから私たちは、企画から実装、QAに至るまで、それぞれの工程で“できる限りのこだわり”を積み重ねていくことを大切にしています。その積み重ねこそが、最終的にユーザーの驚きや感動へとつながると信じています。一人ひとりがこだわりを持つためには、ユーザーとしてプロダクトを楽しむ視点が欠かせません。また、コラボ企画では作品の魅力を深く理解し、その世界観を大切にしながら表現していくことが重要です。「モンスト」には、そんなふうに自発的に学び、楽しみながら取り組むメンバーが多いんです。マネージャーとしては、その情熱をさらに引き出すことが私の役割です。たとえばコラボ開発では、その作品やキャラクターが好きなメンバーに担当してもらうなど、“好き”を力に変えられるアサインを心がけています。個人の熱量がプロダクトの魅力に直結する──それが、「モンスト」開発の1番の強みだと思います。
※ PMWV……MIXIの企業理念。PURPOSE「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」MISSION「『心もつながる』場と機会の創造。」MIXI WAY「ユーザーサプライズファースト」VALUES「発明・夢中・誠実」
悩み続けた先に「発明」がある。限界を越えて挑み続ける情熱

「ユーザーサプライズファースト」という想いを胸に、長い年月にわたって驚きと楽しさを届け続けてきた「モンスト」。その歴史の積み重ねこそが誇りであり、同時に、新たな挑戦を続けることの難しさでもあると語ります。
リリース当初は、新しい機能をどんどん出すことが最優先でした。でも、想像以上に多くの方に長く遊んでいただけたことで、今では膨大な要素が積み重なり、“少しの歪み”が不具合のリスクや開発コストの増加につながるようになっています。だからこそ、過去と未来の両方を見据えた開発が欠かせません。
一方で、整理ばかりに時間をかけていては、ユーザーに新しい驚きを届けるスピードが落ちてしまう。私たちは常に、「攻め」と「守り」の両軸で開発を進めています。今のユーザーに楽しんでもらうための挑戦と、5年先、10年先も楽しんでもらうための基盤づくり。そのどちらも全力で取り組むことが、「モンスト」を支える私たちの使命だと思っています。
また、キャラクターや機能が増えるたびに、パラメーターも複雑化していきます。たとえば、キャラクターを絞り込む機能。ユーザーから見える入口はシンプルでも、その裏では膨大な条件分岐が張り巡らされています。
そんな制約の中でも新しい仕組みを生み出すことこそ、モンスト開発の醍醐味だと語ります。
森田:私が「アゲガチャ(アゲインガチャ)」を担当したときも、どうすれば実現できるか3〜4日間ずっと考え続けました。既存のガチャシステムをベースにしながら、アゲガチャならではの仕様を加える必要があり、単純な機能追加では実現できなかったんです。それでも、どうにか形にできないかと考え続け、悩み抜いたその先で、ふと「これならいけるかも」とひらめく瞬間がありました。とはいえ、既存の仕組みを拡張するだけでは、ユーザーに届けられる驚きにも限界があります。最近実装したゲーム内で動画を再生できる機能も、あるエンジニアの「こうすれば既存の仕組みに影響を与えず実装できるのでは?」という気づきから生まれました。その提案が企画担当者に届き、新しいアイデアが次々に生まれていったんです。
チームのみんなで「どうすればユーザーの皆さんにもっと楽しんでもらえるか」を議論しながら乗り越えていく――。そうやって悩みの先に“発明”があるのが、モンスト開発の1番の面白さだと思います。
2014年の入社以来、「モンスト」と共にキャリアを歩んできた米田。彼が今も変わらず感じているのは、ユーザーとの距離の近さです。
米田:新しいコンテンツをリリースするたびに、ユーザーの皆さんから本当に多くの声をいただきます。喜びの声もあれば、時には厳しい意見もある。でも、それは期待してくださっているからこそだと思うんです。私たちが届けたものに対して反応をもらえる――その瞬間に、「ちゃんと届いているんだ」と実感できることが何よりのやりがいです。嬉しい声も厳しい声も、次の挑戦のエネルギーになる。そう信じて、チーム全員で全力で開発に向き合っています。
そして、年に一度の大型イベントでは、オンラインでもオフラインでもファンの皆さんが集まり、お祭りのように盛り上がります。会場であふれる歓声や笑顔を目の当たりにすると、「この瞬間のために頑張ってきたんだ」と心から思えるんです。その景色を見たときに湧き上がる感動が、また次の挑戦につながります。
「モンスト」がつなぐ心と心。幸せな驚きが広がる世界へ

12年にわたって多くのユーザーに愛され、MIXIの成長を牽引してきた「モンスト」。そんなモンストを通して、「MIXIはゲーム会社ではなく、豊かなコミュニケーションを生み出すエンターテインメント企業である」という想いを、もっと多くの人に届けたいと語ります。
米田:たとえば電車の中で、学生さんたちが「モンスト」を楽しんでいる姿を見かけることがあります。画面をのぞき込みながら、笑い合って盛り上がっているその様子を見ると、思わず嬉しくなってしまうんです。「モンスト」が誰かとつながるきっかけになっている。そんな瞬間に立ち会えると、私たちが目指してきた“豊かなコミュニケーション”が、確かに形になっていると感じます。
日常の中で自然と交わされる会話や笑顔こそが、私たちの届けたい価値。これからも「モンスト」を通して、そんな幸せな時間を増やしていけたらと思っています。
米田:そう言った意味でも、「モンスト」は「ユーザーサプライズファースト」はもちろん、MIXIのミッションである「『心もつながる』場と機会の創造。」とも深く結びついているサービスだと思います。私たちが「モンスト」を通して実現したいのは、“驚き”をきっかけに人と人がつながっていく世界。その輪が広がることで、MIXIのパーパス「豊かなコミュニケーションを広げ、世界を幸せな驚きで包む。」にも貢献できると信じています。
「モンスト」を提供しているMIXIだからこそ、きっと他のサービスでも同じように“幸せな驚き”を感じてもらえるはず。家族も、友人も、職場の仲間も。いろいろな人たちが心でつながる世界を広げていける――それが、「モンスト」がMIXIの一員として果たせる、1番大きな貢献だと思っています。
※ 記載内容は2025年10月時点のものです











