斉藤さんが熱く「ギャンブルの本質」を語る理由とは? ~Valueの体現者たち 01 ~

斉藤さんが熱く「ギャンブルの本質」を語る理由とは? ~Valueの体現者たち 01 ~

MIXIでは、従業員の行動指針として「発明」「夢中」「誠実」という3つのバリューを掲げています。そしてバリューを体現した = 頑張った従業員を称える「MIXI AWARD」を毎年開催しています。

今回は、MIXI AWARD 2023で個人賞を受賞したソーシャルベッティング事業本部 QAグループの斉藤 康仁さんに、普段仕事をする上で意識していることや、MIXIの3つのバリューの捉え方、そして今後トライしたいことについてお話を聞きました。

パチンコ・パチスロ業界でキャリアを積み、MIXIへ

━━はじめに、斉藤さんが歩んできたキャリアについて教えてください。

もともと人と接することが好きだったので、サービス業を目指し、大卒後は、カラオケやホテル、パーティースペースなど、複合エンターテインメント施設を運営する企業に入社しました。そこでパチンコ・パチスロ店舗に配属となり、3年間、接客業を経験しました。その後パチンコメーカーに転職し、遊技機の品質管理職をつとめました。
この職場で出会ったのが、現在の上司である百海(どうかい)さんです。彼と一緒にチームを立ち上げて業務改善プロジェクトを手がけました。先に百海さんがMIXIに転職したのですが、その当時は私も勤続10年目の節目の時期で、これから大きな仕事に挑むか、もしくは新しい場所で頑張るかという二つの選択肢で迷っていたんです。

━━なるほど。

MIXIに転職した百海さんとお話したときに「尊敬できる人がたくさんいる」とキラキラした顔で語ってくれたことが印象的でした。「ぜひTIPSTARで、これまで培った知見を発揮してほしい」と誘われ、『TIPSTAR』のことも、競輪のことも全く知らなかったのですが、興味を持つようになりました。MIXIに入社したのは、2021年1月のことです。

━━パチンコ・パチスロ業界からIT・Web業界という、異業種への転職に不安はありましたか?

ITに関する知識はなく、むしろ苦手意識がありました。なので、入社当初は結構大変だった思い出がありますね(笑)。Slackなどをはじめとするテキスト情報量も膨大でしたし、専門用語もすぐに理解できなくて。また初めてのリモート下での勤務でもあったので、仕事や環境に慣れるまで3~4ヵ月かかりました。

『TIPSTAR』をより良くするために、トップに直談判!

━━MIXIアワードでは、斉藤さんの「熱量と行動力」が称えられていました。具体的にはどんなアクションをしたのですか?

スポーツベッティングサービスである『TIPSTAR』をより良くするためには、ギャンブルの楽しさの本質を、開発スタッフを含めて全員が理解を深めることが重要だと考えていました。そこで『TIPSTAR』のプロデューサーに、私が長年のキャリアで培ってきた「ギャンブルに対する考え方」を直接プレゼンテーションしようと思ったんです。

━━トップに直談判というのは勇気がいりますよね。

もちろん緊張しましたが、直接プロデューサーにプレゼンできるのは、大きなチャンスだと思いました。プロデューサーに私の考え方を理解してもらえれば、プロダクト戦略にも落とし込むことができるし、その戦略をみんなでかみ砕いて行動していくことができると思ったんです。

━━プロデューサーには、どのようにアプローチしたのですか?

まず最初にギャンブルとゲームの戦い方の違いを自分なりにまとめた、“TIPSTAR革命”という資料を作り、DMで送ってみました。あるときプロデューサーがSlackのチャンネルで、「こんなDMをもらいました」と自分の資料を紹介してくれたんです。さらに「こういったオープンな場所での提案は大歓迎!」と言ってくれたんですよね。

━━それは嬉しいですね!

嬉しかったですね。でも私の資料を見た当時の企画メンバーが、「斉藤さんの言いたいことはわかるけど、伝わりにくい。資料はもっとブラッシュアップできると思う」と言ってくれたんです。そのときに「一生懸命書いたつもりでも、相手に伝わるように表現できていないんだ」とハッとしました。このままでは自分の思っていることを言っただけで終わってしまう。それでは意味がないので、改めて事業戦略担当のメンバーに「自分の考えを正しく伝えるためにはどうしたらいいのか?」と相談しました。

━━次のアクションに出たんですね。

そこでは本当に伝えたいことを言語化し、表現することの難しさに直面しました。上司である百海さんとはもともと前職からの信頼関係があったので、言語化しきれてなくても伝わる部分が多かったのですが、百海さん以外の人に伝える力が足りていなかったんですね。自分に不足している部分を事業戦略担当の方に補ってもらい、資料をブラッシュアップすることができました。

━━具体的にはどのようなことをプレゼンしたのですか?

必ずしも正解パターンはありませんが、極力ギャンブルの本質(負けやすく満足を継続しにくいということ)を開発として理解し、そこに逆行しないかたちの戦略を加えたいと提案しました。ベッティングの結果よりもTIPSTARでしか体験できない1つ1つの過程の楽しさにこそ、価値や可能性があると伝えました。
もちろん、私の話も仮説には変わりないのですが、単なる机上の理論ではなくて、ユーザーマインドに寄り添った施策を実施したいという想いが強くありました。

━━そんな熱意あふれる斉藤さんですが、一方で、MIXIアワードでは「人当たりの良さ」も評価されていましたね。

これまでオフラインのコミュニケーションには慣れていましたし、自信もありました。でもMIXIで初めてリモートで勤務するようになり、オンラインのコミュニケーションの難しさに直面したんです。オンラインでは相手の状況も、どういう雰囲気で言っているのかもわかりにくい。ときには、自分の意図していない感情が間違って伝わってしまうこともあります。

なので、オンラインミーティングやSlackでのテキスト上でのやりとりのときは、少し大げさに表現して感情を伝えたり、文章を見ただけで終わりにするのではなくスタンプを活用しながら、必ず反応するように意識しました。

━━画面の向こうには相手がいて、相手が不安に思わないようにアクションをすると。

そうです。百海さんが作ってきた温かいQAチームの文化に触れるなかで、この文化はすごく大切なことだと身をもって感じていましたし、自分も大切にしたいと思っています。

MIXIに転職してきたとき、お互いを褒める文化や感謝する文化、相手を否定しない文化があることに感動しました。私は「こうあるべきだ!」と自分のなかで沸々と気持ちが湧き上がってくるタイプなので、そこに対していかにマイルドな言葉を選んで伝えるかということは、いつも注意深く考えていますね。関係値ができている間柄であれば、私の熱量をポジティブに受け取っていただけますが、そうでない場合はそれが威圧的だったり、主張が強すぎるように取られてしまうので気をつけています。

ギャンブルの楽しさの本質を『TIPSTAR』で伝えたい

━━今後トライしたいことについて教えてください。

MIXIバリューの“発明”に照らすと、『TIPSTAR』で実施してみたいアイデアがたくさんあります。そのアイデアをできる限り迅速に、ミニマムでもいいから体験できるものとして表現していくことが、これから自分がしていきたいことです。プレゼンや資料等で伝えていくというよりも、体験を通して伝えていくイメージです。アイデア言語化の「その先に」きちゃいました(笑)

多くの仮説や、やった方が良いことはたくさんあると思いますし、やるべきことをデータで証明していくような手法もあるかと思いますが、私はそれよりも開発陣が自信を持って「ワクワクするもの」「楽しいと感じるもの」を多くのユーザーへ届けていきたいです。

━━具体的には?

いくつかありますが、1つはオフライン環境の構築です。私が主張してきた「ベッティング結果だけでなく過程を楽める体験づくり」という戦略は、サービスをより良いものにするうえで必要だと感じていますが、この約1年少し違和感を感じることもありました。

━━どんな違和感ですか?
オンラインで遊べるアプリは便利なもので、どんなライフサイクルでも、隙間時間にプレイすることができます。でもライフサイクルに馴染めば馴染むほど、プレイヤーがギャンブルに向き合えていなくてもプレイできてしまう。つまり、電車通勤中の声も出せない、音も聞けない環境でも遊べるわけです。

一方、パチンコ・パチスロは必ず店舗に行かないと遊べない制約がある一方、その分、店舗ではギャンブルにしっかり向き合えます。それはオフラインだからこその強みなんです。「ギャンブルに向き合ってプレイする」本質をオンラインでも見失わないように、心がけたいと思っています。

また「張り合い(がない)」という言葉を最近よく個人的に使います。「手ごたえや充実感がなく、頑張ってやろうという気が起きない」という意味に加えて、サービス内での「ひとけがない・つながりが弱い」といったような意味を込めて使っています。

例えば、どんなに美味しい飲食店でも、お昼時に誰一人張り合うお客さんがいないと「この店大丈夫か?」と不安に思ったりしますよね。ディズニーランドに自分一人でいるところを想像してみてください。なんか寂しさもあるし、面白みにかけませんか(笑)

これが私が必要だと思っている「張り合い」というもので、MIXIでよく使われる言葉としては「つながり」なんですよね。これをサービス内で表現していくことで、さらに温かみのある、つながりを意識できるサービスになると思っているんです。

━━中長期的に取り組んでいきたいことはありますか?

現在ギャンブルに興味・関心があったり、既に趣味でやっている方々に、『TIPSTAR』を知ってもらう取り組みをしたいです。『TIPSTAR』は競輪やオートレース、PIST6のベッティング体験だけではなく、それ以外の差別化要素がとにかく面白み溢れる施策でいっぱいなんです。

複数人で当たりの還元を狙うマルチプレイ(トレジャーボーナス)や毎週いろんな条件で挑戦できるミッション(戦国山分け・山分けクエスト等)、さらに自分の予想を公開したり、人の予想にのっかることができるのっかりベット、ガチャに個人ランキングに……と本当にこれでもかってくらい、競輪以外の楽しむサービスが充実してきていて、公営競技を楽しむサービスとしてはかなり差別化できていると思うんですよね。そうした魅力を現在ギャンブルに興味・関心があったり、既に趣味でやっている方々に知ってもらうことが、『TIPSTAR』の勝ち筋だと私は思っています。

例えば『TIPSTAR』ユーザーと、競合サービスのユーザーが同じオフラインの空間にいた場合、「どのサービスが一番みんなで楽しむのに適しているか?」「競輪以外でもワイワイ楽しめるのか?」を考えたときに、私は多くの人が『TIPSTAR』を選んでくれると思っていますので『TIPSTAR』の良さが伝わるリアルの環境をできるだけつくっていきたいですね。そうした活動を地道に取り組むことで、シェアを動かしていきたいと思います。

━━なるほど。差別化できている機能とかサービスをとにかく発信していく仕組みをオフラインを筆頭に充実させていきたいということですね。

そうですね。まだまだ発明を生むことに夢中になりたいですが、同時にその発明をより最高の状態で体験してもらうために、オフラインで発信していくことも大切にしていきたいです。きっとその先にオンラインも含めた「TIPSTAR」というサービスが多くの方に楽しんでいただけるようになると、本気でそう思っています。

━━では最後に、斉藤さんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

私は極力、仕事を自分ごと化して考えるように「原因自分説」という新入社員時代に学んだ言葉を意識しています。仕事をしていると、上手くいかないときに愚痴を言ったり、環境のせいにしてしまいがちですが、愚痴を言っていても何も生まれないんですよね。上手くいかないときは自分でアクションを起こすことがすごく大事で、それが自分のなかでは当たり前のことになっています。

━━MIXIバリューの「誠実」に近いですね。

そうですね。ただ、どうしても行動を起こすのはパワーが要ることなので、行動を起こし過ぎるとちょっと疲れちゃうんですよね(笑)。疲れたなと思ったら無理にやらずに自然体でいい。また頑張れる状態になったらまたスイッチを押せばいいし、そのバランスはすごく自分の中では意識しているところです。

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