日笠さんがFC東京で実現した「営業の発明」とは?~Valueの体現者たち 04~

日笠さんがFC東京で実現した「営業の発明」とは?~Valueの体現者たち 04~

MIXIでは、従業員の行動指針として「発明」「夢中」「誠実」という3つのバリューを掲げています。そしてバリューを体現した = 頑張った従業員を称える「MIXI AWARD」を毎年開催しています。

今回は、MIXI AWARD 2023で新人賞を受賞したフットボール事業部 パートナーマーケティングチームの日笠 正昭さんに、普段仕事をする上で意識していることや、MIXIの3つのバリューの捉え方、そして今後トライしたいことについてお話を聞きました。

Jリーグクラブでスポンサーセールスの経験を培う

━━日笠さんのキャリアについて教えてください。

学生時代から、先輩と共にサッカースクールを運営していました。2014年にはメディア運営会社に転職。ここでは広告営業として働いていました。「いつかはスポーツ業界で働きたい」と考えていたところ、タイミング良く先輩からの誘いを受け、2019年にサッカークラブへ転職することになりました。ここではスポンサーセールスの部門に所属し、新規営業や既存営業を担当していました。

━━その経験をFC東京で発揮するため、MIXIへ転職したんですか?

実は違うんです。クラブチームを1回離れようと思って転職活動をしていました。というのも、個人的にスポーツ業界はもっと利益を出せるはずだと思っていて、特にスポーツベッティングの分野に興味を持っていたんです。ぜひその分野で仕事をしてみたいという考えから、MIXIに応募しました。

私がMIXIの選考を受けていた頃は、まだFC東京の株を取得する前のことだったので、まさかMIXIがFC東京の経営を手がけるようになるなんて、青天の霹靂でしたね。何かの巡りあわせなのか、またサッカークラブに戻ってくることになりました。

━━数奇な運命ですね。FC東京がMIXI GROUPになるという話は、いつ知ったんですか?

2回目の面接のときです。川岸代表の面接で、「スポーツベッティングは日本ではまだまだ発展途上。事業としてブーストするにはまだ時間がかかるので、今までの経験をFC東京で活かしてほしい」と言われました。将来的にはスポーツベッティングに関われるチャンスもあるだろうという期待もあり、MIXIへの入社を決めました。

営業機会を拡大し、収益アップへ貢献

━━MIXIアワードでは「新しい組織のなかで自発的に動き、多くの人たちと連携して誠実丁寧に仕事を進めてきた」と評価されていましたが、具体的にどのような取り組みをしたのでしょうか?

私は2021年に入社したばかりでしたし、かつMIXIからFC東京に出向している立場でもあったので、親会社の人やFC東京のスタッフとの信頼関係を築いていくために、しっかり結果を出す、コミュニケーションを大切にするという2つのテーマを掲げて活動していました。まず初めに取り組んだのは、新規契約セールスにおける慣例の打破です。

━━というのは?

当時のFC東京は新規スポンサー契約数が少なく、想定の1/5ほどでした。FC東京は新規営業に力を入れていないのかと疑問に思い、入社後2〜3ヵ月はいろんな人とコミュニケーションを取りながら深掘りしていきました。

そこでわかったのは、セールスにあたっての慣例的な制約があるということです。基本的にスポーツスポンサーは、2月から翌年の1月までの1シーズンが最短契約となりますが、過去のFC東京ではその期間でのみセールスを行なうことが慣例となっていました。例えば、22年シーズンの2月が過ぎてしまうと、今度は23シーズンの広告枠しか売れなくなる。いわゆる、1年未満の契約ができないということです。営業機会を増やすため、まずは1年未満でもスポンサーセールスができるようにしましょうと提案しました。

━━どのように進めてきたんですか?

まずは、商品設計から着手しました。1年未満の契約の場合、金額は分割にするのか、月割りにするのか。1シーズン契約しているスポンサーと、途中から契約したスポンサーで提供する権利を分けるべきか否かなどを設定しました。ここを改善したら、提案できる商品の幅も、営業として活動できる期間も変わってきます。実際に引き合いがあるクライアントも複数いらっしゃったので、ぜひとも実現したいと思っていました。

━━この通年で営業するスタイルが、一つの“発明”として評価されたわけですね。

FC東京でも新しいやり方を受け入れていこうという雰囲気が徐々に醸成されているなかで、上司や部長、川岸代表の後押しもあり、「ぜひやってみよう」とGOサインをいただけたのは嬉しかったですね。

━━他に着手したことはありますか?

スポーツ業界では、これまでのお付き合いのなかで、「今年もうちのクラブを応援してください」というお布施的な関係性に基づく営業が多く、属人的な営業スタイルが通例となっていました。それは組織として致命的なので、自分がいなくなった後も売れ続ける組織はどんな組織だろう考えた結果、セールスシートの整備に取り組もうと考えました。

━━セールスシートの整備とは?

ロジカルな提案をすることで、より受注確率を高めていきたいと考えました。スポーツスポンサーの営業には5つの軸があります。まず1つ目は、「広告露出・企業認知」。イメージしやすいもので言うと、ユニフォームへの企業ロゴなどですね。2つ目が、「販売促進」。いわゆるサービスに貢献することです。

3つ目が「福利厚生メニュー」。従業員様向けの観戦会の企画など、いわゆるインナー向けの企画ですね。4つ目がビジネスマッチングです。FC東京の強みはなんといってもナショナルクライアントが多いこと。自分自身、FC東京での営業を通じて、ビジネスマッチングのニーズが非常に多いと感じていました。

そして5つ目が、「社会貢献」の部分。SDGsの文脈にも当てはまるものです。それはJリーグの理念でもあるので、ニーズも高かったんです。この5つの軸で、クライアントが一番興味あるところに対して、深く掘っていくという営業スタイルを取ることにしました。

━━企業のニーズに応じて最適な商品を提案していくということですね。

そうですね。そういった体制を作りながら、月20件以上のアポは入れるように心がけていました。入社して3〜5ヵ月はほぼ事務所にいなかったくらい、精力的に動けていたかなと思います。しっかり動けば受注がいただけるのは前職で培っていたことなので、自分を信じながら取り組んできました。その結果、新規スポンサーを獲得することができたんです。

━━結果を出すという目標を達成できただけでなく、クラブに刺激を与え、新しい営業スタイルが浸透していったと。

またクライアントとのコミュニケーションの機会も増やすようにしました。協賛いただいたらまた来年、という業界の風潮もあるなかで、FC東京では2022年秋に実施した国立競技場での試合の際、来賓のラウンジにクライアントをお呼びして、各営業担当がコミュニケーションを取れる場を創るようにしたんです。

━━密なコミュニケーションを心がけたんですね。日笠さんの取り組みは、どのような結果に結びついたんですか?

入社した当初よりスポンサー数を大きく増やすことができました。新規の営業ルールの変更、SFAの導入、営業メンバーに対する意識改革の部分はこの1年間でかなり推進できましたし、しっかりとナレッジを残す体制も整いつつあるかなと思っています。

もう1つ結果が残せたと思っているのは、他部署を巻き込んだイベント企画です。2022年9月に行われた試合にスペシャルゲストとしてスケートボード・男子ストリートの堀米雄斗選手を招聘しました。この企画は事業部発信で、イベント部、広報プロモーション部など、さまざまな部署を横断してプロジェクトを進めてきたんです。このイベントで収益を出すことができたのも、大きな手ごたえでしたね。

━━確かにあのイベントはMIXIならではでしたよね。

堀米選手のイベントでの実績を踏まえ、今後は部署横断型のイベントももっと企画していきたいと思っています。今年に関しては、SDGs関連のイベント『NO PLANET, NO TOKYO』をはじめとする大きなプロジェクトがいくつか動いています。スポンサーからの協賛や売上向上にもつながっており、他部署との連携がしっかりとしたイベントに昇華できたなと実感しています。

海外展開を見据え“発明”を追求したい

━━今後取り組んでいきたいことについて教えてください。

今後も結果につながる商品設計や企画などをどんどん作っていきたいです。いわゆる“発明”ですね。それが将来的な“営業の型化”につながるので、属人的なところを解消できると思っています。

━━なるほど。

またこれからも、コミュニケーションを大切にしていきたいという思いは変わりません。スポーツ業界というのは縦割りの組織であることが多いのですが、ビジネス側の人間としては、他部署とも連携して一体感を持って戦っていかないと勝てないと思っているので、積極的に挑戦していきたいなと思っています。

他部署と連携するにあたっていつも意識しているのは、お互いメリットがあると思ってもらえるように伝えること、そして「面白いな、やってみよう」と夢中にさせるようなコミュニケーションを取ることです。そこに対して、誠実さは非常に重要だと思うので、有言実行やスピード感についても意識しています。

MIXIが掲げる「発明」「夢中」「誠実」という3つのバリューを実践することによって、人を巻き込む力が強まり、チームや会社全体の一体感が生まれやすくなると感じているので、その部分は大切にしていきたいと思っています。

━━営業が新しい商品設計や企画を発明する、というのは斬新ですね。

そうですね。スポーツ業界はヨーロッパやアメリカが最先端なので、海外の事例を参考にしながら、いかにクライアントに満足する企画を作るか?日本のクラブチームだからこそできることとは?を追求していきたいです。

━━海外事例についても研究しているんですか?

本を読んだり、ネットでニュースを見たりしています。特にアメリカでは、4大スポーツにメジャーリーグサッカーが食い込んできていて、観客動員数の拡大に伴って放映権料とか広告料も上がってきているんですよね。たとえば最近だと、メッシ選手がアメリカのクラブへ移籍したりとても盛り上がりを見せています。日本のサッカー界も、海外のようにもっと盛り上げていきたいと思っています。

また、FC東京としてはアジアをはじめとする海外戦略の準備も進めています。もともとFC東京はタイのバンコクユナイテッドと提携を結んでおり、海外クラブとのパイプもあるので、これからどう加速させていくかというところは、自分としては着目していきたいテーマではあります。

━━ますますMIXIのバリューを活かしながら、いろんなステージに進出したいと。

そうですね。いまJリーグクラブで広告料収入が一番多いクラブで40億ほどあります。まだまだ差があるのですが、伸びしろも多いと思っているので、JリーグクラブNo.1の広告料収入のクラブになれるよう頑張りたいです。

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