MIXIでは毎年、全社イベントとしてMIXI AWARDを実施しています。このAWARDの目的は大きく2つあります。第一に、称賛と表彰の文化を大切にしたいということ。第二に、MIXIの企業理念である「パーパス、ミッション、ミクシィ・ウェイ、バリュー」(以下PMWV)を体現した人を表彰し、その受賞者の行動を参考にして、他の社員にも行動のヒントを得てもらうことです。2024年度は、AWARDの内容をさらに充実させるためのアップデートが行われました。今回は、その背景や狙いについて、MIXI AWARD事務局のメンバー5名にお話を伺いました。
Part.1 事務局メンバーに聞く
━━MIXI AWARD2024で重視した点、アップデートした点の背景を教えてください。
加藤: PMWVはMIXIの存在意義や価値そのものであるため、今年もMIXI AWARDを通じてPMWVへの共感や理解を深めていきたいという思いが基本にありました。その上で、称賛の文化をさらに強化するためにMIXI AWARDをアップデートすることにしました。
村上: 大きな変更点としては、賞名の変更がありました。「チーム賞」は「PMWV賞」に、「マネジメント賞」は「PMWV賞 マネジメント部門」に、「個人賞」は「VALUES賞」に、新人賞は「VALUES賞 新人部門」に変更しました。
特に旧チーム賞は、木村社長から「PMWVはどれか一つをピンポイントで体現するのではなくて、パーパスのためにミッション、ウェイ、バリューがあって区切れるものではないから一つの賞にしたい」という話があり、それを受けて、よりPMWVを意識したフレーズに生まれ変わりました。
沼田: 新たな基準を設けることで、正直、どんな組織やチーム、プロジェクトが挙がってくるのだろうと想像がつかなかったのですが、各本部の本部長と部室長の皆さんにディスカッションしてもらった結果、最終的に60近くのチームやプロジェクト名が挙がりました。
村上: こんなに挙がるとは驚きましたね。
間宮: たぶん多くの社員が、「パーパスはこういうものだ」「バリューとはこういうものだ」と結びつけることが自然にできるようになったからだと思います。
村上: 受賞者の方もそれを意識して語ってくれたので、結果としてすごく良かったです。そして「受賞者が納得感を持って表彰される」という点には、前回から引き続きこだわりました。特に力を入れたのは、「なぜこの人が受賞したのか?」「なぜ自分が受賞したのか?」という理由を明確に伝えるための材料集めです。例えば、受賞者のムービーでは昨年よりも多くの仕事風景やインタビューシーンを盛り込み、見ている人も本人たちも選ばれた理由に納得し、心から祝い/祝われるように工夫しました。
また、各賞の受賞数も増やしました。PMWV賞は、受賞チームが2から3チームに変更となり、VALUES賞は受賞者を3から8名に増員。これは参加意欲の醸成とPMWVへの興味喚起が狙いでした。
(事務局メンバー・写真左から:齊藤・間宮・沼田・村上・加藤)
━━各賞の選考で工夫したポイント等あれば教えてください。
村上: 昨年のMIXI AWARDを通じて、「もっとPMWVについて全社員が自分事化してほしい」という思いが事務局のなかで強まっていたので、「今年はいかに全社員が参加できるイベントにできるか」を意識しました。受賞者を一方的に決めるのではなく、PMWVを基準としてどういった方がロールモデルになりうるのかを全員で考えるために、VALUES賞の全社部門に関しては事前投票で大賞を決め、PMWV賞については当日に投票することにしたんです。みんなで受賞者を決める過程も参加している感がでるように工夫しました。
間宮: イベント後のアンケートでも、参加型投票に対するポジティブな意見が多かったですよね。
━━というのは?
間宮: 事前投票をしたVALUES賞 大賞は「この人を応援したいという高揚感も含めて当日楽しめた」という声がありました。当日投票をしたPMWV賞については、「昨年よりも参加している実感が沸いた」「リアルタイムでの投票は社員の声も反映されるし納得感もある」という意見が多数寄せられたんです。
村上: 私たちはMIXI AWARDを、競わせる場にするのではなく、参加型のイベントにすることで、少しでもPMWVを体現することを意識してもらうきっかけにしたいと考えていました。AWARDは受賞者と一部の列席者が表彰会場で参加し、他の多くの社員は会社や自宅で配信を見るという形式で実施していますが、どうしても表彰会場にいない人たちが置き去りにされ、単なる観客になってしまうという課題がありました。そのため、表彰会場にいない人でも「自分たちが選ぶ」「自分たちの一票がその場の結果に反映される」という、連動性を作れたのは、とても良かったと思います。
━━今年はパブリックビューイング会場(渋谷オフィス 35F コラボスペース)も盛り上がったようですね。
齊藤: 表彰会場とパブリックビューイング会場の中継を通じて、双方のコミュニケーションを生み出し、一体感を出すことに注力しました。パブリックビューイング会場にはたくさんの社員が足を運んでくれて、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。なかには受賞者のうちわを持って応援する方もおり、昨年とは異なる雰囲気がありました。今年は昨年よりも、みんなでお祝いしようという空気感が強く感じられたと思います。
間宮: うちわは想定外でしたよね(笑)。
村上: 新しい「推しの文化」が生まれましたね(笑)。事前投票で受賞者を発表していたので、その人たちを応援したい人が来てくれて、こういった副次的な効果もあったのかという発見がありました。
━━中継以外に、アップデートした演出を教えてください。
齊藤: パブリックビューイング会場の盛り上げ役を社員から選んだのも初めての試みでした。
村上: 最初は、パブリックビューイング会場を盛り上げるためにプロの芸人さんを呼ぼうという話もありました。しかし、MIXI社内のイベントだからこそ、外部の人ではなくMIXIの社員が適任だろうという結論に至りました。
齊藤: そこで白羽の矢が立ったのが西本さんでした。西本さんは全体朝会のセキュリティ啓蒙活動で登場しているとあるヒーローキャラクターになりきって、非常に盛り上げてくれました。「一緒に写真が撮りたい!」という人もたくさんいて(笑)。人望が厚い西本さんのおかげで、イベントが大いに盛り上がったと思います。
間宮: 表彰会場では、社員が司会を務めたことで、より親しみを持てる会になったと感じられ、とても良かったと思います。今年は表彰会場とパブリックビューイング会場、リモート視聴者が一体化しており、表彰会場にいない人も一緒に同じ内容を見て、同じ感情を共有しながら授賞式を体験できたというコメントが多く寄せられました。
━━今回は表彰会場への招待者の数も増やしたとのことですが、その背景は?
村上: 実は去年は、普段仕事で関わりのない受賞者同士と役員しかいなかったため、盛り上がりにくい設計になっていたんです。そこで今年は、受賞者にそれぞれ二人ずつ招待者を連れてきてもらうことにしました。受賞者が表彰台に上がったときに、自分のことのように喜んで盛り上げてくれるだろうし、その場で称賛される雰囲気を作り出せると考えたからです。
間宮: どなたを招待するかは受賞者のみなさんにお任せしました。仕事でお世話になっている上司や、プロジェクトで一緒に働いている人、仲良しの同期などを招待されている方が多かったです。
村上: また今年は食事も立食形式にしたので、カジュアルに盛り上がっていただけたかなと思います。
━━他に変更したところはありますか?
沼田: 今年は役員にも受賞者の選考により時間をかけて参加してもらいました。役員それぞれ称えたいポイントが異なっていたので、そのすり合わせが難しい部分はありましたが、最終的にはPMWVという軸に沿って決定できたかと思います。
村上: PMWVという軸があったとはいえ、「何を成し遂げたら”発明”と言えるのか」という明文化された基準があるわけではないので難しかったですよね。推薦文を見て初めて「確かにそれも発明だね」と思う場面も多く、我々の価値観のアップデートにもつながりました。
━━MIXI AWARDを終えて、手応えはいかがですか?
村上: 今回の受賞者からは「普段からPMWVを意識して仕事に取り組んでいる」というコメントが多く、取るべくして取った人が表彰された式になったので、手応えを感じました。Slackチャンネルの反応でも、「○○さんが絶対取ると思っていた!」「○○さんが受賞して嬉しい!」と、授賞に納得しているコメントをたくさんもらえました。
加藤: 全社員の日々の取り組みがMIXI AWARDでしっかり形となって見えたと思うので、AWARD以外の場でもそういったことをもっと広げていけるような取り組みを仕掛けていけたら良いですよね。
間宮: 役員からも、「本当に良かった」と言っていただけました。「あれも表彰したい」「これも表彰したい」「こういう賞も作ろう」という意見もたくさん出て、それだけ良いイベントになったので、期待も大きくなったのかなと思います。
━━来年に向けての課題は?
村上: MIXI AWARDを自分事として捉えてくれる人を増やしていくために、どういう場を作っていくべきかを考えていきたいです。
間宮: 来年は特に、パブリックビューイングはどうあるべきかを追求したいです。一番動員数が多いのがパブリックビューイング会場なので、パブリックビューイング会場ありきでMIXI AWARDの企画を設計すべき部分もあるのかなと思いました。
齊藤: パブリックビューイング会場でうちわを振って盛り上げてくれた人たちを見て、来年はコミュニケーションを生み出すきっかけとして応援グッズを作って配るのも良いなと思いました。もっともっとお祝いムードを醸成できるようにアップデートしていきたいです。
村上: MIXI AWARDの日は出社したらパブリックビューイング会場に行くのが当たり前という感じにしていきたいですよね。そして、みなさんのAWARDにかける熱量というか、「あの舞台に自分も立ちたい」という気持ちが高まってこそ、MIXI AWARDを開催する意味があるのかなと思います。
間宮: たくさんの人が受賞者や招待者になると、MIXI AWARDの見え方も変わってきそうですね。
村上: 確かに。一回MIXI AWARDに関わった経験があると、今年も参加しようという気持ちが高まると思うので、回数を重ねるなかでAWARDファンを増やしていきたいです。
Part.2 イベントレポート
今年の司会者は、社員メンバーがつとめました。
「VALUES賞 新人部門」はMIXI従業員の行動指針である「発明」「夢中」「誠実」という3つのバリューを実践し、活躍した入社1年目のメンバー2名に贈られました。
「VALUES賞」は全社から推薦を募集。推薦コメントと周囲の方へのヒアリングをおこない、選考会で8名が選ばれました。また、その中から従業員による投票が授賞式前に行われ、大賞3名が表彰されました。
授賞式の合間に、パブリックビューイング会場と中継をつなぎ、受賞者へのお祝いメッセージやエールが送られました。
「PMWV賞 マネジメント部門」は、PMWVの実践を後押しした部室長・マネージャーに贈られる賞。上司・部下へのヒアリングを行い、選考会で決定されました。
「PMWV賞」は、PMWVを体現している / 体現に向けトライしている事例に贈られる賞。各本部から部室長以上に推薦を募り、選考会で3つが選ばれました。
PMWV賞:モンストIP化 / AI活用推進 / インドへのチャレンジ
PMWV賞の大賞は当日の会場参加者・視聴者による生投票で選出されました。
授賞式後はビュッフェスタイルの懇親会が開催されました。