先日、新卒社員研修についての記事をご紹介しました。今回から、【職種別研修】について三回にわけてお送りします。一回目はエンジニアの専門研修についてです。

「新卒エンジニアの優秀さに驚いた」と、研修担当の講師陣はみな口をそろえて言います。どのような研修を行ったのか、内容と講師陣の研修にかける想いについてレポートします。
※『新卒エンジニア研修をのぞいてみた。』は、前編 後編の2記事でお送り予定です。

苦手分野を解消
まずエンジニアの研修項目は、どこの部署に配属されても役に立つであろう実践的な内容にしています。

「データベース」、「AWS」、「Unity」、「不具合調査」、「テスト駆動開発」など、基礎をベースに座学・問題回答・開発実装があります。人それぞれ得意不得意があるかもしれませんが、この研修では、高度な知識を専門的に学ぶというよりも、苦手分野を無くすための研修です。では具体的な内容について紹介します。

【エンジニア研修項目】 
※研修講義内容の右記は講師名 件名は過去の研修内容のエントリ

1.「Unity 入門」   (YuukiARIA)

2.「データベース」  (@isaoshimizu)
  新卒研修の受講レポート~データベース編~ 2017年版

3.「テスト駆動開発」 (@halhorn)

  新卒研修受講レポート~テスト編~ 2017年版

4.「不具合調査」    (@otoyo0122)

5.「セキュリティ」

新卒研修受講レポート~セキュリティ編~2017年版

6.「AWS」

新卒研修の受講レポート~AWS編~ 2017年版

本記事では「Unity 入門」の講義内容、および担当講師にインタビューし、フォーカスした内容となります。

開発を“楽しんで”もらう

「Unity 入門」では、講義テーマに『Unityを初めて触る人向け』と設定し、「Unity」の基本的な使い方を座学・基本操作・実作業・開発等、ハンズオンで学んでいきます。

今回講師を務めたエンジニアの信夫(しのぶ)は「ゲームのクライアント開発に携わることになれば、Unityを使うことがある。多数の利点があるので、触れたことがないエンジニアはこの講義をきっかけに興味を持ってほしい」と新卒社員に挨拶するところからスタート。

まずは、環境の設定から。Unityもインストールします。

環境構築

  • Unity (2017.1.2f1)
  • Homebrew
    • brew: https://brew.sh/index_ja
    • brew-cask: brew tap caskroom/cask
  • Java 8
    • brew tap caskroom/versions
    • brew cask install java8
  • Android SDK
    • https://dl.google.com/android/repository/tools_r25.2.5-macosx.zip

 

Unityを起動し、実行します。講師から「3DのオブジェクトがCreateメニューから作ることができるので、実際に動かしてみましょう」とありましたので、実際に触ってみました。

GameObjectにはコンポーネントをつけ、物理的挙動を制御していきます。ここで代表的なコンポーネントを紹介。

Transform:親子関係とTRS(平行移動、回転、スケール)
Collider: 当たり判定
Rigidbody: 物理挙動を与える
Camera: カメラ。ゲームの世界を描画する視点
Light: 光源シェーディングに必要
MonoBehaviour:オブジェクトの挙動を記述したプログラム(クラス)

一通りの座学での説明があった後は、早速プログラミングに着手。

座学時よりも、表情が明るくなったような気もしますね。実際にスクリプトを作り、オブジェクトの生成などを行いました。

 

ここまではゲーム制作の基礎に必要な知識である「基本操作」「MonoBehaviour プログラミング」「オブジェクトを動的に生成」を学びました。

 

続いては、マルチプレイゲーム制作です。作るゲームのお題は「弾を発射して当ててアイテムを取り合うゲーム」です。

不明点でつまづきそうになっても、チューターがサポートするので安心!

 

ゲーム画面のようなものができあがりつつあります。

 

制作時間は1時間とタイトなスケジュールでしたが、全員が課題のゲーム開発をクリア!課題にはないオリジナルの機能を実装したエンジニアもいて、講師も驚いたほどです。

実際の開発後の画面がコチラ。右上部にみえる黄緑色のゲージは、エンジニアがオリジナルで実装したものだそうです。ゲージが溜まらないと発射ができないというゲーム要素を盛り込みました。

 

10:30~18:00と、業務時間丸1日を費やした「Uniy 入門」。ハンズオンではありましたが、これまでに経験がないエンジニアには大変だったと思いますが、楽しんでいただけたようです。

本講義をどのような設計で進めたのか、講師を担当したエンジニアの信夫に話を聞いてみました。

自己成長にもつながった研修

━━━━以前は別の講義内容を担当していたとか。

そうですね。サーバーサイドの担当でして、Railsまわりを教えていました。

━━━━なぜ、Unityを担当することになったのでしょうか。
実は私自身、Unityを学び、仕事で本格的に利用し始めたのが2016年冬で、割と最近でして。「後輩に教えてくれないか」とオファーがあり、担当することになりました。

━━━━なるほど。講師を担当するにあたって、今回工夫された点はどこでしょう。

まず新卒の皆さんの「Unity」に関する習熟度がバラバラでした。Unity経験者やゲーム開発経験者もいれば、全く経験がない人も。さらには、Unityが3Dで、操作方法に複雑な印象を持ち、敷居が高く感じられる人もいたかもしれません。その想定された課題を攻略しながらも、Unityの楽しさを知ってもらうことを念頭に講義内容を組み立てました。

━━━━具体的には。

私自身がUnityを学んだ順番に沿って、講義プログラムを組んだことですね。「ボールをぶつける」や「スクリプトをどこでかくのか」などです。この手の新しい分野を学ぼうとすると、入門書や概念の理解、網羅的な解説書の熟読などオーソドックスな学び方になるかと思います。しかし、モチベーションがないとハードルが高く感じたり、つまずいたりしがちです。

━━━━確かに、モチベーションがないとツライですね。

そこで「Unityでゲームを作る」に講義内容をしぼり、「Unityの楽しさを知ってもらう」を目標に検討。それを実現するための方法=自分が学んだ順がベストではないかという考えに至りました。内容は荒削りではあったかもしれませんが、私が実践してきたので、その内容であれば伝わりやすいと信じて実施しました。

━━━━そうだったのですね。

配属先によっては、新卒の皆さん全員がUnityを利用するとは限りません。だからこそ、「まずはUnityの楽しさを知ってもらう」の想いが強かったですね。Unityでは、オブジェクトの挙動がわかりますから、楽しんでいただけたのではないかと。

━━━━講師を担当してご自身の何か発見はありましたか。

資料を作りながら、Unityを勉強するにあたってつまづく箇所を再認識できましたし、改めて理解が深まりました。また、新卒エンジニアの受講の様子を見て、最初は遠慮しがちでしたが、不明点は得意な方に積極的に質問していましたし、全体的に楽しんでいただけていたようです。「マルチプレイまわりは勉強になった」と言ってくれたエンジニアもいまして、頼もしくも感じましたね。

 

以下「Unity 入門」を受講したエンジニアの声を紹介します。

・この時間内での研修としては非常に密度の濃い研修だったと思う / Unityの基本はわかっていたがPhotonを使ったマルチプレイの実装は興味深かった

・Unityをほとんど使ったことがないメンバーにも優しい内容かつ使える機能をいろいろ説明して頂いたため、とても有意義な時間であった

・Unityにはじめて触れましたが、用意してくださったサンプルが段階を追っていてとても分かりやすかったです

※後編は近日中に公開予定です。

 

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