2018年12月中旬頃、社内にて「全社総会~Year End Party~」を実施しました。全社員が参加する本イベントは、一部と二部から構成されています。一部は、事業の振り返りや新規制度の発表、今年一年の振り返りとしてサービスの成長や新規リリースなどチャレンジしてきた実績を全社員で共有し・称え合うコンテンツなどがあります。
二部ではお楽しみコンテンツとして、大抽選会やお食事を楽しんでもらう忘年会の要素も盛り込まれています。
本イベントには、会を盛り上げ、社員間のコミュニケーション活性化のための仕組みとして専用のムービーや音楽の演出、インタラクティブコンテンツ、装飾デザインなどがあります。そのクリエイティブは、部署が異なる社内若手クリエーターの有志によって作られています。
社内若手クリエーターのチームが、どんな想いでイベントを設計し、演出していったのかメンバーに対談を実施しました。
上段左から 松本 美優、髙森 楓、髙島桃香、ネイキッド社 長澤 宏宣様
下段左から 木下七海、沖下雅英、加藤貴也、ネイキッド社 横山 奏様
※演出の制作協力をいただきました株式会社ネイキッド様から代表して長澤様、横山様にもインタビューに同席していただきました。記事中(ネ)の表記はネイキッド社。
氏名 | 入社年度 | 所属 | 役割担当 |
---|---|---|---|
松本 | 2018年10月 (新卒1年目) |
デザイン本部 | 全社総会のロゴデザイン制作、社内告知用サイネージ制作 |
髙森 | 2017年4月 (新卒2年目) |
デザイン本部 制作室 XFLAGサウンドグループ | 全体進行管理、サウンドプランニング |
髙島 | 2017年4月 (新卒2年目) |
モンスト事業本部 デザイン室 UIデザイングループ | クリエイティブ全般の監修、二部オープニングムービーの企画、企画、ディレクション |
木下 | 2018年4月 (新卒1年目) |
デジタルエンターテインメント事業本部 事業開発室 アートデザイングループ | キービジュアル制作、レイブバンド企画、インタラクティブコンテンツ企画 |
加藤 | 2016年4月 (新卒3年目) |
社長本部 スポーツ事業推進室 デザイングループ | 一部オープニングムービー企画、企画、ディレクション |
沖下 | 2015年8月 (中途入社) |
社長本部 スポーツ事業推進室 デザイングループ | 全体サポート |
長澤様、横山様 | ― | 株式会社ネイキッド | 一部・二部オープニングムービー制作、インタラクティブコンテンツ制作 |
若手の挑戦
━━━━まずは、今回のロゴについて教えてください。とてもインパクトがありますね。
松本 ありがとうございます。ミクシィグループで年に数回開催される全社総会のロゴを制作しました。これまで、開催の度にロゴを作っていたのですが、今後継続的に利用されシンボリックなロゴになってくれればと思い制作しました。
━━━━どのようなイメージからこのロゴが完成したのでしょうか。
松本 全社総会というスタッフ全員が集まるタイミングなので、喜び、楽しさなど感情の交差が行き交うと思います。コミュニケーションサービスを提供している会社でもあるので、コミュニケーションの土台にある感情が交わっている様子を表現したいと思い、具象化したものです。他にも数案あったのですが、社内意見からこの形が最終版となりました。
━━━━そうだったのですね。では次に、今回このメンバーが集結した背景や、イベントのコンセプトデザインについて教えてください。
髙島 個人的にイベントに使用するムービー制作に興味をもっていまして、6月に実施した「全社総会」で使用するオープニングムービーを社内で制作するというプロジェクトがあり、デザイン領域の執行役員の加藤さんからお声がけいただいたのがメンバー発足のきっかけです。今回のプロジェクトもその流れではあります。前回の総会が終了してから、制作したメンバー内で事前にトライしたい表現方法や実現したい目標などを準備していました。
沖下 ネイキッドさんにはこれまで弊社の制作パートナーとしてご協力いただいたことがありまして、大きな信頼を寄せていました。その縁もあって今回ネイキッドさんに依頼させていただきました。
木下 私も映像制作に興味がありまして上長に相談したところ、前回に引き続き本プロジェクトメンバーにアサインされました。
髙森 私も同じですね。上長からの打診がありました。また、6月の総会でできなかったことにも今回のイベントではチャレンジしたいという想いがあったので、このメンバーが集まりました。
加藤 6月に制作した総会のムービーや音楽は、少しマンネリ感がでていた背景もありました。しかし「せっかく全社員が集まる総会だからこそ、これまでにないクリエイティブで今までにないイベントを生み出し、社員全員に楽しんでもらいたい」という気持ちが前回制作に携わったメンバーと一致しまして。今回も担当させていただくことになりました。
髙島 6月の総会では、ムービー制作というイベントの一部しか関わっていなかったのもありますが、どうせやるんだったら会社理念でもある「ユーザーサプライズファースト」でやりたいと。この場合のユーザーは社員皆さんを指すことになります。
加藤 今回のイベントでは「社員同士のコミュニケーション活性化」というコンセプト設計を行いました。というのも、ミクシィグループは都内だけでも3拠点で社員が働いており、社員同士で交流する機会は、思うよりもありません。イベントは一堂に会する滅多にないチャンスだと。そのような背景もあり、デザインモチーフを「星と星座」にしました。社員一人ひとりを「星」に見立て、それぞれがコミュニケーションでつながる「星座」をイメージ。キービジュアルには社員の皆さんにコンセプトを理解してもらえるようなデザインを作りました。ちなみにテーマには「非日常を体験してもらう」を設定しました。
髙森 ミクシィグループはコミュニケーションを軸としたサービスを展開していますから、そのミクシィらしさが伝わりかつイベントコンセプトに沿った全体のトーン・マナーを揃えて演出していることを念頭に置いていました。それをベースに表現方法を検討していきました。
━━━━具体的に今回のイベントで取り組んだ試みはどのようなものがあったのでしょうか。
木下 一つは「レイブバンド」とよばれる発光するリストバンドです。ライブでよく使われるサイリウムのようなものをイメージするとわかりやすいかもしれません。採用した背景には、コンセプトである星をどう表現するか検討した際に、空間の中で光を身に纏う事で実現できるのではないかというアイデアが発端です。社員の皆さんに、非日常感を感じてもらえるのではないかと考えたのも大きいです。
ドラムロールとともに腕に付けた全員のレイブバンドが光り、最終的に抽選が当たった方のみが光る仕組み
髙島 加えて1000人以上の社員が集まる会社のイベントにおいても、社員一人ひとりが自分事として捉えて、ライブのような一体感を感じて参加してほしいと考えたからです。
加藤 同様のコンセプトで準備した「インタラクティブコンテンツ」では、ネイキッドさんに協力いただき制作しました。大型のLEDパネルにインタラクションな仕掛けを行い、パネルに表示されている星に手をかざすと、センサーが反応して星が輝き、流れ星を演出するコンテンツです。
長澤(ネ) これまでのインタラクティブコンテンツではプロジェクターを使用することが多く、LEDパネルでの実績は少なかったのですが、今回十分なサイズのパネルが準備できるということでしたので、こちらとしてもワクワクしておりました。
木下 インタラクティブコンテンツにおいては、当初の想定だとパネルを触った箇所のみ星に見立てた光が輝く予定だったのですが、最終形はネイキッドさんの提案から生まれました。なかなか口頭ではうまく説明できなかった部分も、しっかり汲み取って実現していただきましたね。
長澤(ネ) 制限がある中ではありましたが、触れた感触が認識できるように光と映像の動きに工夫をしました。触ったら、箇所が即座に光るのではなく、光が集まってきて留まるアクションを入れました。それによって触わる心地良さを演出しました。
加藤 インタラクティブコンテンツにおいて本当は別のアイデアがあったんですが、システムとスケジュールの問題で実現できなかったのは悔しいですね。
木下 そうですね。ここではお話できませんが、どこかのタイミングでお披露目できる機会があれば…。
━━━━なるほど、それは次回のコンテンツの楽しみとさせてください。その他のクリエイティブはいかがでしょうか。
長澤(ネ) 加藤さんからお話があったように、働いている社員のみなさんが3拠点とそれぞれ物理的に別れているオフィスであるものの、ミクシィグループという一つの集合体で働いているという事を表現したいと思っておりました。そのため、ムービーの継ぎ合わせをなるべく感じさせないシームレスな表現手法を取り入れました。また、一部で流したムービーでは、あえて人にフォーカスしていません。カメラ目線がほぼなく、自由に人が行き交う様子や日常のオフィスを撮影し、普段通りの働く人や職場の空気感にフォーカスしています。
加藤 一部は年間の振り返り、二部は忘年会と、イベントのコンテンツが変わりますから、趣向性が異なるムービーで、参加している社員の印象を変えたいと思っていました。先ほど話した3拠点と物理的に離れて働く事で感じている社員の課題感を解決したいとネイキッドさんに相談し、一部のムービーはミクシィグループとして一つだという事を表現していきました。
髙森 変わって二部では、「社員が主役」を強調するために、社員の顔がわかるような写真素材を中心に選び、制作してもらっています。
髙島 そうですね。パーティー感を演出したかったので、たくさんの社員に参加いただいています。
長澤 この二部のムービーコンテンツでは、社員の顔の視認性を上げるために、画面に映る時間や面積を調整しながら制作しました。というのも、たくさんの人を映像に反映するとなると一つの絵の表示時間や面積が優先されがちです。その条件の中で、いかにたくさんの働く社員の顔を掲載するか工夫できるところは対応しました。
━━━━ミクシィとネイキッドさんで本プロジェクトをどのように進めていったのでしょうか。
横山(ネ) 先ほど加藤さんがお話されたように目的やイベントのコンセプトをプロジェクトの初期段階から具体的に説明いただきました。それから実現できる手法を選定し、一部と二部のオープニングムービーとインタラクティブコンテンツの内容を提案していきました。特にゴールや実現したいことをしっかり設計されていたので、私どももイメージしやすかったと思います。
髙森 チーム全員で今回の目的やイベントのコンセプト、デザインモチーフを設定したので、その事前説明や共有はしっかりと行いました。また、ネイキッドさんに制作物のフィードバックも、チーム内でも認識の相違がないように意見を取りまとめて行いました。専用のSlackチャネルを作成し、綿密にコミュニケーションをとっていましたね。
横山(ネ) クライアントワークによっては意見がバラバラだったり、真意がみえないケースなども時にはあるのでですが、それがほぼなかったですね。Slackで深夜に依頼があったときはヒヤッとしましたが(苦笑)。
一同 笑。
長澤(ネ) あと、ミクシィチームの方々と良好な関係で進めることができたのは大きかったですね。20代を中心としたクリエイターのメンバーと一緒にチームとなって、学園祭といいますか(笑)、ビジネスライクになり過ぎずお互いに意見を言い合いながら進めていきました。
他にスムーズにできた理由には、Slackで情報を集約しながら認識を統一できたこと、提案内容やフィードバックにおける細かい箇所でも、テキストだけでなく画像でもご指示いただきました。視覚での確認になりますので、非常に短い時間でもわかりやすかったのもよかったと思います。
沖下 制作に関わっているのが、映像やグラフィックなど何らかのデザインに関わるクリエーターですから、曖昧なフィードバックを返されると困ってしまうという実体験がありますからね(苦笑)。
髙島 短期間で制作いただいていましたので、フィードバック内容をすぐに理解していただけるように丁寧な対応を心がけましたね。
髙森 ネイキッドさんにフィードバックする際には、全部一度目を通し文言を統一して、できる限り負担にならないような資料を作成するよう心がけていました。一番気を使ったタスクでもありました。
沖下 あと進め方の点で社内体制の話ではありますが、映像、インタラクティブコンテンツなどで主担当はあるものの、明確にしていなかったことが結果良かった気もしています。というのも明確に担当を決めてしまうと、あるメンバーがなんらかの理由で作業できなかったとしたら、進捗していないケースもあるかと思います。これが積み重なることで遅延につながっていきますし…。今回は基本的にクリエイティブ制作になりますから、全員が全タスクを見るようにすることで、お互いの進捗をみながらサポートする体制ができていた。自然とフォローシップの関係が構築されていたと思います。少数だからこそできた体制かもしれませんが。
━━━━その点は素晴らしいですね。
横山(ネ) 話は変わりますが、当社はこのような会社イベントにおける制作物は、入社一年目など比較的若手が対応するケースが多いです。ミクシィさんも若手のクリエイターが中心となって制作していらっしゃいますが、通例のようなものがありますか。
沖下 それに関しては“やりたい”と手を上げた社員に任せる文化ですね。今回も映像制作経験者のみではなく、サウンドグループやUIグループなど様々な部署から集まっているのも、意欲的なメンバーが集結した感じです。
長澤(ネ) なるほど(笑)。
━━━━最後になりますが、今回のイベントに参加したことで学べた点はどんなところにあるでしょうか。
木下 表現方法は勉強になったところが多かったですね。通常の仕事だと、PCの前に座ってデザイン制作していますので、平面で物事を考えてしまい、表現が偏りがちです。ネイキッドさんと立体物やプロダクトのクリエイティブ制作に関わる事で、自分では思いもつかなかったやり方を発見できたのは大きいです。
加藤 クリエイティブや新しい取り組みもそうですが、内部イベントにおいて映像やコンテンツをパートナーさんと協力したこと自体、私ももちろんのこと、メンバーも初の試みです。というのも、通常の業務ですと、グラフィックや映像デザインがメインになりがちです。コンセプト設計や制作ディレクションに関われたのは貴重でした。ディレクションはご迷惑をおかけしたこともあったかとは思いますが、ワークフローに始まり、映像テクニックやクリエイティブの様々なところが学びになったと思います。
髙森 普段はサウンドグループのタスクの企画やディレクションがメインですが、今回全体の制作進行管理に関わらせていただき、クリエーターがどのようにデザイン制作に取り組んでいるか間近で見ることができました。今後の自分の業務にも役立てたいと思います。
━━━━最後にネイキッドさんから一言いただけますでしょうか。
長澤 今回プロジェクトに関われて本当によかったですね。ミクシィグループの良さを知れましたし、一緒に関わらせていただきましたみなさんの仕事に対する熱意も直に感じました。また、クライアントとパートナーという立場ではありますが、カジュアルなコミュニケーションによって良好な関係を築き、目的を達成するための同じチームとして活動できたので、よかったと思います。
横山(ネ) 同様に気持ちよくお仕事できたので、いやぁ、楽しかったですね。できることならもう一回やりたいぐらいですね(笑)。
一同 おおお!嬉しいです。ありがとうございます!
– – – – – – – – – ※※※ - – – – – – – – –
■ pick up! ■
【全社員が主役! ミクシィグループ全社総会を開催したよ。】
【会社でデザイナー総会を実施したら、 “学び”がたくさんありました】