会社組織には、様々な役職があります。
ミクシィグループにおいても、それは同じこと。とはいえ、メンバーやマネージャーからすると「部室長」って一体どんな仕事をしているんだろう…?どんな予定があって、どれくらいの作業をしてるんだろう…と、具体的な業務内容を想像するのはなかなか難しいもの。

そこで、実際に「部室長って何やってるの?」」と、本人に質問を投げかけてみました。
今年忙しかった一週間のスケジュールをベースに、それぞれの予定がどのような内容なのかを聞き、その全体感を教えてもらうことに。

今回は『モンスターストライク(以下モンスト)』のゲーム運営部を統括する、部長の三島にその仕事ぶりを聞きました。

 

三島 圭介
2012年10月ミクシィへ中途入社、mixiゲームでプラットフォーム企画、新規事業でゲームアプリ2本リリース、その後リリース直後のモンストでプランナー2年、新規ゲーム「マベツム」でディレクター1年半、2016年再度モンストに戻り企画・運営に携わる。2019年、ゲーム運営部の部長に就任。

 

今のはたらき

2012年に中途入社し、当初はSNS『mixi』の『mixiゲーム』を担当していた三島。ゲームのノウハウがないままキャンペーン施策やゲーム施策に追われる日々だっといいます。その後、新規事業のグロースを経て、2013年『モンスト』の運営部に異動し2018年にリーダーとして、開発のアサインや進捗管理…と徐々に考える仕事が増えていったと言います。2019年、ゲーム運営部の部室長に就き、今に至るそう。

 

「主な業務内容といえば、ざっくり“方針を決める”ことでしょうか。運営の体制を決めることはもちろん、『XFLAG PARK』や”周年”企画までにどういった方針で、どれだけ情報を露出していくか、ユーザーの期待値を想像しながら、プロモーションの戦略を練っていったり、来期の売上の予測を立てたり。あとはアニメや映画と連動してどういった施策を打てばユーザーに喜んでもらえるか、などを部室長全体で集まって決めたりもしています。“方針を決める”ことにおいて、2020年は割と大きな施策が多くて、ひとつの契機になった年にはなりました」

 

一週間のスケジュール

主な業務内容は聞けましたが、それでも“なんだか難しい会議をたくさんやってそう”という印象は変わらず…。2020年は大きな施策を進められた、と語ってもらったので、実際のスケジュールを見ながら、その内容を紐解いていきたいと思います。

「これは、2020年10月26日〜30日までのスケジュール。この時は、年末に向けた施策や映画公開直前の会議、さらに来期の動き出しについての方針を固めるような、重要なMTGが集中していた週ですね」

 

ここで、わかりやすく読んでもらうために一度予定を表にしてみました。

やはり、会議が多い…!
ここはイメージ通りというか、1on1を含めた会議の時間はなんと675分、11時間超!。これでも、会議の時間としては落ち着いている方なのだとか。それにしても、1on1の数の多さはすこし意外でした。

 

「ゲーム運営部のマネージャーとの1on1のほかに、連携している他部の部室長との細かな話し合いの場、またHRBP(戦略人事)との相談の場として設けています。毎週の場合と隔週の場合とがありますが、ボリューム的には毎週こんな感じですね。会議も同じく、定例で行っているものや直近の施策で集中討議するために設けているものもあります。MTGに向けた資料作成の時間なんかは、“予定あり”にしている時間でカバーしたりしています」

 

気になる“◯◯会議“

一週間の全体感が見えたところで、細かくスケジュールを見ていくことに。まずは、「来期以降売上計画について」から。

 

1.「来期以降売上計画について」

「これは予定の中でも最も準備が必要で、最も時間を割いている会議です。来期以降の売上についての計画、なので当然ではあるのですが(笑)。事業支援室のメンバーを交えて行っていて、来期でどれくらいの売上を、どう出すか。数字を決める会議、というと分かりやすいでしょうか。ここで頭をひねって考える、というよりは、準備してきたものを出し合って検討していく会議ですね。どのような施策やプロモーションを打つか、『XFLAG PARK』をどれくらいの規模でやるか…などは、まず数字がないと決まらないので、早く動き出すためにも、これは重要な会議のひとつです」

 

2.「モンスト映画3施策相談」

「直近で公開されるモンストの映画2020年11月6日公開)にまつわる、他部署との会議ですね。ゲームと映画をどう連携されるか、どういったグッズを作って販売するのか…映画を中心とした様々な施策を決めていく会議です。この映画、本来は6月公開の予定だったものを新型コロナの影響で延期していて。その代わりに、11月の公開前にYouTubeで上映会を開いてユーザーには見てもらえるようにしたのですが、そういった意思決定はこの会議で行われていましたね」

 

3.【定例】モンスト企画

「これは、社内で“コミッティー”と呼ばれている会議で、モンストの企画の代表7人で集まって、ゲーム内の企画についてはそのメンバーで決めています。企画の方針を決める会議ですね。ユーザーに喜んでもらえそうな企画はどのようなもので、それをいつ公開すると最も遊んでもらえるのか。7人の意見をすり合わせて方針を決めます。具体的な施策に落とし込んでいくのはまた別の会議で〈バージョンアップ優先度会議〉で他部署との連携を図りながら、バーションアップデートに合わせて施策を進めていく感じです。ゲームに対してどれくらいユーザーが期待値を持ってくれているか、それに対してどう応えていくのが最適かを決めるような会議なので、これも重要なものですね」

 

4.新体験企画定例

「これはまだあまり話せないのですが、いわゆる新ステージや新キャラクターなどの施策ベースの”新しい”ものではなくて、モンストの体験すら新しくしてしまうような企画を考えるための会議です。新しい大きなコンテンツを開発するために、試行錯誤するような場所です。ちょっとこれ以上、まだなにもお伝えできないのですが(笑)」

 

会議一つひとつの内容を聞いていくうちに、三島の業務内容が具体的に見えてきました。
会議ひとつとっても、中長期の売上目標の数字を決めるもの、ゲーム内の直近の施策の進捗を共有するもの、他部署と連携した施策を決定し推し進めるもの…と、内容は目先の施策からまだ開発段階の”新体験”まで、多岐に渡っている様子。”部室長の仕事”の輪郭がすこしはっきり見えてきました。

 

部室長としての思い

それでは、三島はどのような思いでそれらの業務に携わっているのか。ゲーム運営部の部室長として大切にしているものや、成し遂げたいこれからのビジョンなどについて語ってもらうことで、より部室長がどういう存在なのか、教えてもらいました。

 

「ゲーム運営部の部室長として、僕が大切にしているのは”予測しつづけること”でしょうか。これは代表である木村やゲームプロデューサーの岡本さんが言っていて、とても響いた言葉のひとつなんです。例えば、週間/月間/年間で見た時に、モンストがどのように遊ばれているか。ユーザーはどの週、どの月にどれくらいのテンションで遊んでくれていて、そのテンションは年間の中でも維持可能か、また、維持するためにどのような施策が必要か…と未来のことを予測し続けることは、大切にしています。設定した数字に達成したらOK、ではなく、肌感覚として”ヤバさ”や喜んでもらえてる実感を感じられるか、それがすごく重要な気がしています」

 

先を見据えて決断し、ユーザーに喜んでもらえるキャンペーンや施策を打っていく。「未来を想像する」ためには、手がかりが欠かせません。ユーザーの期待値を肌で感じているために、三島はあることを習慣づけているとか。

 

「シンプルにいってしまうと、ユーザーが見ている情報をリアルタイムで追いかけることなんです。自分が実行した施策がリリースされて、実際にその想像通りにユーザーが喜んでくれているか、『モンストニュース』のYouTubeにどのようなコメントが書かれているのか、ツイッターやまとめ記事ではどのようなコメントがされているのか。見に行けるものは全部見に行って、自分が過去に想像したユーザーの反応と乖離がないかは、リアルタイムで確かめるようにしていますね」

 

肌でユーザーの喜怒哀楽を感じるためには、リアルタイムで情報を追いかけること。そうした地道な積み重ねで、ユーザーから見える景色の解像度を上げていくことが重要と語ります。

 

「小さな動きを積み重ねることで、どうダイナミックに変えていくか。部室長だから大きい決定だけするのではなく、小さなことを積み重ねて大きくしていくことが大事なのではないか、と思っています。例えば、来期のゲームの方向性や運営戦略、売上計画を立てる会議でも、過去のデータを見ながらその場で組み上げる会議にすることはできます。でも、もしそこに誰かが考えた計画があれば、この数字はもっと上げよう、もっとイベントに合わせて計画を練り直そう、とすぐに議論に進むことができる。もちろん、私の立てた計画がひっくり返ることもあります(笑)。でも、それでいいんです。まずはたたき台になるものを準備しておくことで、それぞれの視座をすり合わせられる」

 

一見地味に見えかねない資料作りも、組織や会議をよくするためのもの。一週間の予定を振り返って話を聞いたら、三島の力強い姿勢と地道な作業で数年先の『モンスト』まで変えていくという、真摯な思いが垣間見えました。

 

「常にフラットに意見が言い合えて、得意不得意をうまくカバーし合える組織にする。それを実現するためなら、雑用でもなんでもやるので言ってください(笑)」

 

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