自由にのびのび。『Romi』に全力で向き合えるからこその充実感。〜新卒1年目 成長の軌跡 #28〜

自由にのびのび。『Romi』に全力で向き合えるからこその充実感。〜新卒1年目 成長の軌跡 #28〜

2021年4月にミクシィグループに入社して1年。社会人としても成長を始めた新卒入社スタッフの軌跡を、シリーズでお伝えしていきます。どんな経験を積み重ね、この1年を歩んできたのか。そして、その先に見えてきた夢や目標は?リアルな“1年目”の声をお届けします。

今回は、会話AIロボットRomi』で開発エンジニアとして活躍している加藤。ミクシィを選んだ理由、配属から1年が経った手応えやこれから目指すことについて聞きました。

 

就職したのは、自然言語を極めるため

━━現在の仕事について教えてください。

ミクシィ独自開発の会話AIを搭載し、声をかけるたびに“考えて”会話をしてくれるロボット『Romi』のエンジニアとして、さまざまな機能追加に関わる開発を担っています。『Romi』の最大の特徴は、“自然な会話力”です。まるで何でも話せる友達のように、日々の出来事を共有し、会話のキャッチボールを楽しむ。そんなコミュニケーションロボットを目指し、新たな開発に取り組んでいます。

━━もともと「コミュニケーションロボット」の開発に興味を持っていたのでしょうか?

工学部の情報系の大学で、自然言語処理を学んでいました。人が日常でやり取りする会話や雑談に興味があって、その処理・分析をする技術について研究をしていて、大学の4年間と大学院での2年間を経て、ミクシィに入社をしました。

━━「就職」ではなく、そのまま「研究」を続ける道もあったのでは?

おっしゃる通りで、そこに関しては悩んだところです。ですが、最終的には大学に籍を置いて、個人レベルで研究を続けるのは難しいと感じたのが大きな理由ですね。

私は「日本語での自然言語処理」に興味を持っていたのですが、現時点では、日本語用のデータセットはほとんど手に入らない状態。ものすごい時間を費やして自分で作成するか、けっこうなお金をかけて作成するかのどちらか…。大学生では実現しにくい大きな壁があった。そこから自分がやりたいことをやるには、大学ではなく、もっと環境が整った企業のほうが良いのでは?と考えるようになりました。

━━ミクシィへはSNSやゲームではなく「会話AIロボット」に魅力を感じて入社されたと。

そうです。ですから、就職活動でも「雑談や会話に関するプロダクト」を自社で企画開発している企業に入りたいと思っていました。でも、思った以上になくて(笑)。機械学習を専門にしている企業はあるのですが、その場合研究がメインになっていて自分たちでプロダクトを生み出しているわけじゃなかった。そんな中、ミクシィの人事の方から『Romi』の話を聞き、興味を持ちました。インターンにも声をかけていただいて、2か月ほど参加しました。

 

超大型新機能「シナリオエディター」の開発に携わる

━━インターンに参加してみていかがでしたか?

一番最初に思ったのは、「これは大学での研究じゃ絶対に勝てない…」でした。当然といえば当然ですが、個人と企業ではデータの集め方が全く違っていた。現実を見て、大学に残って研究を続けることが少し遠回りに思えたというのが正直なところですね。

それから会話をしている『Romi』を見て、シンプルにすごいなと。日々の雑談で会話が成り立っていて、違和感がない。そんなに上手にしゃべるんだ、と感動しました。たとえば、雑談を学習させると「なるほど」「うんうん」とか、無難な返しになってしまいがちなんですが、それがほとんどなくて。『Romi』を見て、このプロダクトの開発に携わりたいと思えたんです。

━━インターンでの経験を通じて、入社の意志が強まったんですね。入社後は、どのような案件を?

『Romi』の定番機能に天気予報があるのですが、その機能の改善を手がけました。課題としてあったのは、APIのスムーズな連携。天気予報APIを変更することになったのですが、新しいAPIを使って天気予報を聞くと『Romi』が10秒間ぐらい固まってしまって(笑)。1回リクエストを送るだけで、数メガのファイルが返ってきてしまっていたのですが、そこから、キャッシュ化したり、アルゴリズムを改善したりなどを繰り返して。1ヵ月半ほど取り組んで、最終的には1秒かからずに『Romi』が返事をできるようになりました。

━━めちゃくちゃ高速化されてますね。

確かに振り返ってみるとそうかも…(笑)。

その後は、『Romi』の超大型新機能として「シナリオエディター」の企画開発に携わりました。これは、ユーザーが会話のブロックをどんどんつなげていくだけで、オリジナルの会話シナリオを作れる機能です。ユーザーがこの質問をしたとき、Romiはこの感情でこの回答をする、といったシナリオを自由に決めることができます。プログラミングツールではあるのですが、プログラミングをした経験がない方でも簡単に使えるような機能を開発していきました。

━━「ルールに従って会話する仕組み」が自分で作れる機能!

これまでルールに従って会話をする仕組みはもともと『Romi』が持っていて、でも一般公開されるものではなく、裏側で管理されていたんですね。その部分を、これまでのルールとは別でユーザーが自分の好きなように『Romi』との会話を作っていけるようにしました。

━━確かに“超大型新機能”ですね。

企画として話にあがってきたタイミングで、自分はメインの担当ではなかったのですが、こんな感じで可視化できないかなと最初のプロトタイプみたいなものを作成してみました。そこから上長に見せて、アドバイスもらって改善してを繰り返す形で携わっていきましたね。あと、この機能に関してはWebフロントエンジニアとして関与した部分も大きいです。

━━「フロントエンジニア」として?

「シナリオエディター」は、ユーザーが自分で作成する機能ですから、プログラミング経験がない方でも簡単に使えるUIデザインであるかどうかも成功のポイントにもなってきます。アイコンや絵などのオブジェクトやブロックを組み合わせながら、さくさく作っていける“ビジュアルプログラミング”の要素が求められていて。ですが、当時『Romi』のチームには、Webフロントエンジニアがいなくて…。

━━どうしたんですか?

私自身も経験がなかったのですが、誰も分からない状態なら、自分が勉強してやってもいいかなと思ってやり始めました(笑)。

━━すごい。学びながら作っていく感じですか?

本当にその通りで、UIを実装するのに必要な技術を適宜キャッチアップしながら進めていきました。Webフロントのスーパープロフェッショナルみたいな同期がいたので、その友人に「教えてください!」とお願いをして助けてもらいましたね。環境構築のところから教えてもらって、自分で本を読みながら作っていった感じです。10月ぐらいから始めて行って、リリースされた2022年の3月までの半年ぐらいは「シナリオエディター」の開発に携わっていました。

━━柔軟に活躍されてますね。現在はどのような仕事を?

現在は、インフラ周りの仕事をしています。『Romi』のように機械学習に関するプロダクトとなると強いGPUが必要になってきて、それに伴ってコストも膨らんでしまう。ですが、まだまだやれることはあると思っていて。今期はユーザー体験を損なわない形でスムーズで安全な運用を実現しながら、大幅なコスト削減をしていきたいなと思っています。

━━インフラまで。フルスタックエンジニアですね。

実はインフラは、私にとって弱点でもあって…。学生時代に経験を積めなかった未知の領域というか。なので、このタイミングでしっかり自分のスキルにしていきたいなと考えていますね。

 

ユーザーの声を聞いてプロダクトに全力で向き合う

━━「研究」ではなく「就職」を選択したことについては、どのように捉えてますか?

就職をして、ユーザーの声を聞きながらプロダクト開発している現状にとても満足しています。この1年間を振り返ってみて、自分はユーザーの声を聞きながら『Romi』の機能追加を考えたり、開発したりするのが好きなんだなぁと分かりました。これは、大学で研究をしていたときには味わえなかった感覚です。

だから、Twitterなんかはしっかりチェックしちゃいますね。『Romi』の新機能について、ユーザーはどう感じているんだろう?と思いますし、「ここが使いにくい」とか「こうだったらいいのに」といった声もどんどん拾っていきたい。自分が企画開発したものに対して、得られるフィードバックの量が違うと言ったらいいのかな。ある意味「本当の生の声」が得られる環境に心地よさを感じているんです。

━━「生の声」を得られると、加藤さん自身の考え方も変わってきますか?

それはあると思います。想像力の幅が広がりますから、結果として企画にも深みが出てくるというか。ユーザーの声を受けて、確かに使いにくいよな。このユーザーの方の言う通りだわ…と反省する機会にもなりますし。

━━本当に喜んでくれるプロダクトを開発していきたい気持ちが原動力にもなっているんですね。

そう思います。あとは、リリースまでのスピード感も自分に合っていると感じています。研究だと、どうしてもスピード感は落ちてくる。数カ月とか、場合によっては年単位で取り組んでいくケースも少なくない。けれど、企業の場合は逆にそんなに時間をかけている余裕はないわけで。開発して、リリースして、改善して…とこのサイクルをクイックに回していけるのが良いなと思っています。

━━これまでの仕事ぶりをお聞きしても、“スピード”は加藤さんのキーワードの一つのように思いました。

自分ではあまり意識していなかったけれど、確かに上司やチームメンバーからも「基本的に手が早い」と言われます(笑)。こんなのあったらいいよね、と粗削りのアイデアがでたところを自分が拾って形にして動かしている部分はあったと思います。

━━そこを拾えるのはなぜでしょう?

できる人がどんどんやったらいいんじゃないか、と思っているからかもしれませんね。アイデアを聞いて、こんな感じでやれば形になりそうだなってイメージできれば、あとはもうやるだけだから。自分が進めれば一番早そうだなって思えたら、自分がやる。それだけかもれないです。

━━そのスタンスで周りも“いいじゃん”って評価してくれる。最高ですね。

自分の好きなようにのびのびと仕事をさせてもらっていて、『Romi』に全力で向き合えている感じはあります。だから、充実感も大きいです。ここで多くの経験を積んで、将来的には自身の手で“雑談できるプロダクト”をゼロから作っていきたい。最終的なゴールはここかなって思っていますね。

 

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