約半年で『チェンソーマン』のストライクショットを担当!? インターンを経験した後藤さんのその後

約半年で『チェンソーマン』のストライクショットを担当!? インターンを経験した後藤さんのその後

以前、『モンスターストライク』(以下モンスト)にフルリモートでインターンに参加した後藤さんの様子を紹介しました。
友情コンボやストライクショット…「ここまで任せてもらえるの?」の連続でした

あれから約一年の時が過ぎ、後藤さんは新卒としてストライクショットに携わるように。自ら友情コンボを自作したり、ストライクショット(以下SS)を提案したりと意欲的な後藤さんでしたが、その後はどのように働いているのでしょうか。

2022年5月に配属されて約半年経過したタイミングでインタビューを実施。インターンに参加してから今までを振り返ってもらいながら話を聞きました。

▼SSのVFXにまつわる記事はこちら
アニメ「進撃の巨人」コラボのストライクショットはこうして作られた。VFXデザイナーの演出へのこだわり

入社から2ヶ月後にはコラボを担当
━━前提として、入社後は希望通りの部署に配属されたのでしょうか?
前回の記事でも少し触れていますが、私はモンストに携わることを前提にした「モンスト選考」で内定をもらってからインターンに参加しています。なので、インターンに参加した時点でモンストへの配属は決まっていて、入社後、5月にはモンスト事業部のクライアントチームに配属されました。

 

参加時期 勤務スタイル 担当した開発案件
3月
(4週間)
フルリモート ・ゲージショット成功時のアビリティ名削除
・友情コンボ1種
・ストライクショット1種
8月
(3週間)
フルリモート ・友情コンボ1種
・ストライクショット2種(通常キャラ用1種+コラボキャラ用1種)
・HP回復エフェクト改善に向けた調査

▲後藤さんは、2021年に2回のインターンに参加(前回の記事より)

 

━━入社後はどのような業務の担当を?
主にはVFX、企画の皆さんと連携しながらモンストの友情コンボ、SSなどを実装したりしています。また、ただコードを組むだけではなく、実装の流れの中で機能面や演出面などの提案をすることも多いです。インゲームのUIの改修などを担当することもありますが僕の業務は現在7割くらい他のIPとのコラボに関する案件で、入社からずっと好きなことを続けられていますね。

━━インターンではフルリモートだったと思うのですが、現在は?
今も基本的にはリモートで仕事が出来る業務ではあるのですが、なるべく毎日出社するようにしています。自分の気持ちも切り替わるし、色々な人と話すきっかけが作りやすいので。あと、演出に関する作業は手元を見てもらいながら話したり、身振り手振りを使って表現するほうが圧倒的にイメージを共有しやすいので、出社して対面で仕事することは大事にしていますね。

━━配属されてから実際にSSを担当するまで、どれくらいの期間でしたか?

5月に配属されてから約一週間でSSの業務に携わっていました。その後、6月から本格的にコラボのSSの開発に入るようになり、その後も立て続けにコラボのSSを担当しています。コラボのSSはレアリティが上がっていくほどそのキャラクターを欲しがってくれるユーザーも増えるので、より綿密な演出やエフェクトの調整が必要。ガチャ限定の★6キャラは特に慎重に作らなければいけないのですが、7月頃には担当していた覚えがあります。

━━すごいスピードですね。
そうなんでしょうか(笑)。入社後は積極的に手を挙げて立候補していくようにしているのですが、僕のことを信じて任せてくれている周囲のマネージャーやメンバーの力がすごく大きいと思います。

記憶に残る『チェンソーマン』コラボ

━━中でも印象に残る業務はありますか?
11月に開催された『チェンソーマン』コラボの「チェンソーマン」のSSですね。これまでもたくさんの友情コンボやSSを担当させてもらっていたのですが、主役級のキャラクターを任せてもらうのは初めてだったのですごく印象に残っています。『チェンソーマン』は熱狂的な人気を誇るタイトルで、中でも最強のキャラクター。同タイトルのコラボの中でも多くのユーザーに「欲しい!」と思ってもらえるようなSSにこだわりを持って仕上げる必要がありました

━━SSのこだわりはどこに?
僕がどうしてもこだわりたかったのは、”敵キャラの演出“でした。
作品をご存知の方なら分かってもらえると思うのですが、「チェンソーマン」の攻撃は圧倒的な力で敵をバラバラにしていくような強さが魅力。だからこそ、攻撃のエフェクトを派手に演出するだけでなく、SSが当たった敵自体に影響を及ぼすエフェクトを調整することで、その強さをより伝えたいと思ったんです。過去のSSにも“真っ二つ”になるような演出はあったのですが、「チェンソーマン」はより派手に霧散していくようなSSに仕上げられるよう調整しました。

▼過去SSの“真っ二つ”演出

▼「チェンソーマン」の“真っ二つ”演出

▼“真っ二つ”演出がない場合

━━ド派手ですね。
僕自身がモンストのヘビーユーザーなので、「どんな動きがあると嬉しいか」「どうすれば新鮮に感じてもらえるのか」を大事にしたい思いがあり、このようなSSになりました。技術的にいえば、新しいキャラクターのSSだけを派手にする方が開発しやすい側面はありますが、モンストは9年を超えるロングタイトル。今後実装されていく機能や演出があることも見越して開発を行う必要があるんです。

━━それだけ苦労してでも、このSSは実現したかったと。
僕にとって初めてメイン級のキャラクターを担当する貴重な機会でもありますし、人気タイトルでもある。そして、僕自身が『チェンソーマン』を読んで魅力的に感じたのが、チェンソーマンが持っている破壊力だったので、この魅力は絶対に実現したい…!と思って取り組んでいました。

━━でもなぜ、約半年でメイン級のキャラクターを担当することになったんですか?
コラボの場合はそれぞれ担当に割り振られることもありますが、自分がこのキャラクターをやりたい!と立候補すれば担当を任されることもあって。入社後、いくつかのSSを通して経験を積んできた過去もあり今回のコラボ実施が決まった時に挙手してみたところ、チェンソーマンを担当することになりました。

━━実際に担当してみてどうでしたか?
取り組む前に想像していたとおり、入社して最も開発に時間をかけたプロジェクトでした。開発を行う上でも、「新しいキャラクターのSSだから過去の要素に囚われずコードを追加すればいい」というわけでもなく、過去9年分の要素がずっと生き続けているモンストのゲームプレイ部分だからこそ、過去に実装されたSSのルールに則って作らないといけない。つまり過去9年分のコードもしっかり読み込まないといけないんです。それぞれがどういう挙動に繋がっていて、どのコードがどれほど影響範囲を及ぼすのか…ということ含めて読み込んでいかなければいけないので、簡単ではありませんでした(笑)。
でも、僕は入社してすぐでモンストの開発の歴史について知っていく必要もあったので、このSSの開発を通して、よりコードの読解力が上がった感覚がありますし、たくさんのユーザーに愛されるキャラクターを入社から約半年で担当させてもらったのは貴重な経験でした。

インターンを経たからこそ

━━インターンを経験してから入社した影響はありますか?

全然違うと思います!インターンで関わっていた方々とはインターン終了後もモンストのフレンドになって一緒にプレイしていたので、関係性がとても築きやすかったですね。もしインターンを経験せずに入社していたら、メイン級のキャラクターを担当するための経験を積むのにももっと時間を要していたと思いますし、なにより手を挙げる勇気さえ出なかったかもしれません。なので、インターンに参加して約二ヶ月分の経験を先取りして入社出来たことはとても良かったと思います。

━━入社してからのギャップはありませんでしたか?
ネガティブな部分はほとんどありませんでした。働き方についてもリモートか出社かある程度自由に決められる部分もありますし、何より業務の中で「やりたい」という熱意を尊重してくださるので、自分がチャレンジしたいことにチャレンジしやすいですね。

━━ご自身の課題もありますか?
そうですね…個人的な課題や挑んでみたいことはたくさんあります。先輩の言葉を借りれば「守りながら攻める」ような、技術負債をなるべく残さない形でかつ新しいものを作っていくことに専念したいです。あと、エンジニア以外とも言葉を通してアイデアや課題について議論する機会がとても多いので、皆に分かりやすく丁寧に説明できて議論できるような、論理的な思考は高めていかなければいけません。

━━挑んでみたいこともたくさんあると。
山のようにありますね(笑)。
影響範囲の大きい「轟絶」のギミックにも挑んでみたいですし、アウトゲームの開発も出来るようになりたいです。マネージャーやリーダーももちろんですが、角さん(ノードでゲームが作れる夢の技術?「Unreal Engine 4」~エンジニアが語る技術愛 #09~)のようにゲームエンジンに詳しい方もいるので、色々な先輩からキャッチアップしながらもっと出来ることを増やしていきたいです!

 

メンターの声

インターンを経て入社した後藤さんの成長について、マネージャーとして併走されてきた米田に話を聞いてみました。

米田
米田
後藤さんはインターンのときからモチベーションも行動力も高かったのですが、入社後もよりパワーアップして活躍してくれています!

モンストはこれまで長く運用されてきて、そして、これからももっと運用を続けていくタイトルです。「こうだといいな」というアイデアも、これまでの9年間の要素やこれから訪れるかもしれない未来など、様々なことに思考を巡らせると、実は最初のアイデアは本質的ではなかったり、実現するために様々な課題を乗り越える必要があったりするケースが多く存在します。

後藤さんはしっかりしたユーザ目線を持ち「モンストをよくするために」を軸に、自分で考えられる強みを持っており、これまでにも多くの提案をしてくれています。入社当初は深く思考を巡らせきれず、なかなか自身の思い描く「こうだといいな」を実現できずに苦戦していましたが、いまは経験を経て視野を拡げ、しっかりと考えを巡らせ、実現に向けてよりスムーズに動けるようになってきていると感じています。ユーザ目線で常に思考と提案を行い、「守りながら攻める」形で実行し続けられるエンジニアになることは、後藤さんにとってもモンストにとっても大きく価値があると思うので、これからも成長に期待しています!

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