2018年4月にミクシィグループに入社して1年。社会人としても成長を始めた新卒入社スタッフの軌跡を、シリーズでお伝えしていきます。どんな経験を積み重ね、この1年を歩んできたのか。そして、その先に見えてきた夢や目標は?リアルな“1年目”の声をお届けします。
♯12は、ライブエクスペリエンス事業本部マーチャンダイジング部所属の八木。グッズデザインの仕事を担当してます。「ユーザーを笑顔にしたい」と、日々本当に求められる商品、デザインを追求する姿勢はストイック。それでも現状に満足することなく「もっといい企画を出して、もっと売れる商品を作りたい」と語る、その想いを聞いてみました。
ユーザーを楽しませるデザインがやりたい
────大学では、何を専攻されていたのか教えてください。
視覚伝達デザイン学科というところで、デザインを学んでいました。その学科が媒体を問わず様々なデザインができる自由な学科だったんです。私はアニメーションやパッケージデザイン、本、ポスターとやりたいことがたくさんあったので、どんどん挑戦していった学生時代でした。一つを極めるというよりも「デザインというものを広く経験する」という感じでしたね。
────好奇心旺盛ですね。作品づくりで心掛けていたことは?
どのデザインにおいても「ターゲットやコンセプトをしっかり決めてから、デザインにつなげる」ということを意識していました。それは、「商品の企画・コンセプトを考え、デザインに落とし込む」という今の仕事のフローに活かせているのではないかと。
────大学時代から、就職に向けて意識していたことは?
学部の作品とは別に、就活用のポートフォリオに載せる作品も作っていました。学部の作品は好きなものを好きなように作っていましたが、就活用の作品では提出先が企業であるということを意識し、どんなアピールが有効かを考えながらデザインする、という感じです。企業が何を求めているかを考えて、評価していただきやすい作品をトップに持ってくるなど、目に留まる工夫もしていました。また、デザイナーがポートフォリオを掲載できるサイトに自分の作品を載せて、企業からも見つけていただけるような動き方もしていましたね。
────積極的でしたね。ミクシィの面接では何か準備されたのでしょうか。
個人的にUIデザインが一番評価されるのではないかと考え、ミクシィ用のポートフォリオにはUIデザインの作品を最初のページに配置しました。学生時代、UIデザインの経験は少なかったのですが。
学生時代に制作したポートフォリオ
────では、なぜミクシィに就職しようと思ったのでしょう?
大学院一年の時にポートフォリオサイトに掲載していた作品をミクシィの人事の方に見てもらい、インターンシップの話をお聞きしたのがきっかけのひとつです。それと同じくらいの時期に、大学にもミクシィの方がインターンの説明会にいらしていて、その時に事業の話や企業理念などの話を聞くことができたのも大きかったと思います。それまで、ミクシィのことはもちろん知っていましたが、正直なところ就職先としては考えていませんでした。自分はその頃グッズデザインや広告系の会社に興味があって、当時、ミクシィと言えばSNS「mixi」かモンスターストライク(以下モンスト)の会社、というイメージだったので、自分の目指す方向と重なっていなくて。
────なるほど。
詳しく話を伺っていく中で「コミュニケーションを軸に、さまざまなサービスを手掛けている企業」であるということを知りました。その考え方に共感して、インターンを受けてみることにしました。
────実際にインターンを受けて、どうでしたか?
インターンでは『みてね』事業部で、UIデザインの補助的な仕事をしていました。
1ヶ月かけて、『みてね』に搭載されている機能の改善点を考える、というもので、ユーザーがどう進んでいくと分かりやすいページになるか、デザインと考え方の両面から検討しました。最後には『みてね』事業部のメンバーにプレゼンし、フィードバックもいただきました。好評価をいただくことが出来、嬉しかったですね。
────インターンを通して、ミクシィの印象は変わりましたか?
そうですね。ミクシィの環境には、やりたいと思うことを伸ばせる環境がある、社内で希望を出せば異動することもできるなど、自由があると感じました。上司の方がフランクに自分の意見を聞いてくれるところも魅力的でしたね。インターンを通してミクシィという会社の良さが具体的に見えてきて「就職先としても、考えてみよう」と心が決まりました。それは『みてね』でのインターンの経験があったからこそだと思います。そもそもではありますが、「人を笑顔にするデザインがしたい」というのが、私の中にテーマとしてあるんです。
────どういうことでしょうか。
何かひとつ専門分野を極めるよりも「サービスユーザーを楽しませるデザインをしたい」という思いがあります。「コミュニケーションを軸に、新しい文化を作っていく」というミクシィの理念と、自分のスタンスがつながるように感じたのが、ミクシィを就職先として決めた大きな理由です。
────理念に共感されたのですね。ちなみにミクシィ以外に受けた会社は?
グッズの会社を1社受けました。しかし、選考途中で「やっぱりミクシィ!」と思うようになって(笑)。そこからはミクシィ一筋です。というのも、グッズの会社は、入社したらグッズデザインだけがメインになる。しかし、ミクシィならデザインといってもUI、Web、広告、キャラクターイラスト、グッズと、さまざまな選択肢があります。一つの会社に居ながらにして、いろいろな刺激を受けることが出来るのは、私にとって大きな魅力でした。
売り上げに直結するシビアさとやりがい
────入社後、配属されたのは?
モンストなどのグッズデザインを手掛ける部署です。主に「XFLAG STORE」の店舗や公式オンラインストアなどで販売するグッズのデザインをしています。
────UIデザインではなかったんですね。
私自身、UIデザイナーとして採用されたつもりでしたが、入社後、配属先の様々な選択肢が用意されていました。その中でUIデザイナーの道と、グッズデザイナーの道とで、迷ったのですが…。
────デザイナー人生が大きく違ってきますからね。
そうなんです。それで悩んだ結果、グッズデザイナーの道を選びました。理由はグッズデザインの仕事の場合、グッズが発売された時にSNSなどで反応をダイレクトに感じることができ、ユーザーへのサプライズを体感できるという事前の部署説明から、とても面白いのではないかと感じたからです。
────入社して今まで、具体的にはどのような仕事内容をしてきたか教えてください。
一番最初は、ガチャに入っているキーホルダーのデザインを担当しました。全85種類の商品だったので、85体のモンスターを選ぶのが大変でしたね。モンスターを決めてデザインをしていく、というモンストのグッズデザインの基本的な流れをこの仕事で学びました。他にはコラボ商品を担当したのも、印象深い経験です。普段はチーム内の上司にデザインのチェックをしてもらいますが、コラボ商品の場合はコラボ担当の外部の方のデザインチェックも入ります。コラボ先のファン、モンストユーザー両方の方々に満足してもらえる、ちょうどいいところにデザインを落とし込む難しさがありました。
外部の方とやりとりを重ねる経験を通して、多角的に自分のデザインをチェックすることの大切さを学びました。この仕事で手掛けたクリアファイルが発売から3日間で製造数の6割が売れて、具体的な数字で成果が見えてくるというのもやりがいの一つだと感じましたね。
────ものづくりをしてみて、大変だったことは。
学生時代は紙に印刷することが多かったですが、キーホルダーなどは紙以外の素材に印刷をします。例えば、白い紙に印刷するのと透明なアクリルに印刷するのとでは見え方や色味が違うっていうのが、グッズの部署ならではの難しさだと改めて感じましたね。
また、仕事のフローでは、グッズの企画、デザイン、入稿、サンプルの確認、修正指示、告知画像の作成、そしていざ発売、というすべての流れを担当します。大変ですが、自分で手掛けたグッズを持っている人を見かけたり、SNSで写真が投稿されているのを目にすると、やっぱり嬉しいな、と。やりがいも大きな仕事だと感じました。
────配属先の職場環境はどうでしたか。
ミクシィでは、リーダーやマネージャーと1対1で話をする1on1という制度があって、仕事の話から悩み相談も気軽にできたりと、上司に直接意見が言いやすい環境だと感じています。
────悩みというと?
今は企画の案出しに悩んでいるので、「どういうプロセスで企画を出していったらいいですか?」とか、「今こんな企画を考えているんですがどうですかね?」とか、その時気になっていることを気軽に相談させてもらっています。ちょっとした悩みから、今後のキャリアについても話を聞いてもらっていますね。
────ミクシィに入社してからの一年を振り返って、成果として実感できるものはありますか?
初めて一人で担当した、カレンダーの仕事ですね。企画案を考え出したのは7月で、発売は11月。最初はカレンダーという企画のみの状態で任せていただき、そこから形状は卓上か壁掛けか、どのようなコンセプトにするかということを一から考えました。「どんなカレンダーだったらユーザーは買いたくなるか」ということを考えて制作した結果、ありがたいことに1月には完売したと聞いています。
────完売はすごいですね!
そうですね!売り上げが一番シンプルな実績になりますから。「ユーザーに刺さるコンセプト」というものを、改めて考える機会にもなりました。
────ユーザーに刺さるコンセプト、というと。
カレンダーに関して言えば、「モンストの小ネタ集」というコンセプトで制作したんです。ただのカレンダーではなく、モンスターやゲーム内のクエストステージなどの小ネタを知ることができたら面白いかな、と思って。自分も一人のモンストユーザーとして、ユーザー目線で本当に「欲しい!」と思ってもらえる商品、デザインになっているかを追求したことが、ユーザーに刺さったのかな、と思います。
ただ、必ずしも「自分が欲しいもの」=「ユーザーが欲しいもの」とは限りません。例えば、私自身ははかわいいデザインのものを好みますが、モンストユーザーには男性が多くいらっしゃいます。そのため、コンセプトやターゲットで、デザインをどう変えていくかが重要ですね。
────ターゲットへの意識は必要ですよね。売り上げアップのために、日ごろから工夫していることはありますか?
普段から、様々なグッズ売り場の視察や、新しい商品が出たら「どうしてこれが人気なのか」を考えるなどアンテナを張っています。私は好奇心旺盛なので、いろんなことをやってみたいと常に思っているタイプです。「いろんなものを知りたい」「新しいものが好き」という自分の性格を、グッズデザインにはとても活かせていると思います。
目指すは「ロジカルに考えられるデザイナー」
────これから、どのようなデザイナーを目指していきたいですか?
ロジカルに考えられるデザイナーになりたいですね。自分のデザインを言語化できるデザイナーって、強いと思うんですね。デザインを始めるときも「これは、こういうデザイン」と意図を決めてからデザインをする、言葉に起こして、説明できるように考えてから作るっていうのは、大切だと感じています。
────そのあたりが現在の課題だ、と。
そうですね。私の今の課題は「企画力」と「プレゼン力」を身につけることだと思います。自分が一から企画して、商品化したものって、まだ少ないんです。企画を通すにしてもプレゼン力は必要になってきますし、自分の企画やデザインに自信を持って話せるようになると思うんです。これからもっといい企画を出して、売れる商品を作れるデザイナーになることが、モンストを支えることにも、自分の成長にもつながるのではないかと思っています。
────なるほど。
あとは、いいデザインをたくさん見て、吸収して、デザインスキルを上げていきたいですね。それが「売れる商品」につながるのではないかな、と。企画から自分で考えて「売れる商品を作りました!」と言えるような実績を積みあげたいです。「考えられるデザイナー」になれると、グッズに限らず、長期的なキャリアを考えてもいろんな場面で活躍できるのではないかな、と思います。
────「考えられるデザイナー」が、テーマですね。
ロジックに分析した上でよいデザインができるようになりたいと思っています。
グッズだけでなく、例えばUIであっても同じことが言えると思いますが、どういうところに目線を置いたらいいかとか、分析結果が反映されているデザインを目指したい。トレンドや、マーケットで支持されている商品などはなぜ良いのかを考えて、それを頭で理解して自分のデザインに置き換えていけると、やっぱり強いのではないか、と思います。
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