ミクシルでは、新卒スタッフの成長をシリーズでお伝えしています。今回は、彼らのその後の活躍を追うシリーズがスタート。どのような成功体験や失敗体験を経験し、どんな風に成長したのか?スキルやマインドの成長に大きく役立ったターニングポイントとは?について迫ります。

今回は、2018年4月に入社した八木。入社時、マルチに活躍できるデザイナーを目指していた彼女は、グッズデザイナーを経て、現在UIデザイナーとして組織の屋台骨として存在感を発揮しています。新しい仕事に挑戦したいという意欲が育まれる環境のなかで、彼女はどのような心掛けで経験を積んできたのかに迫りました。

前回のインタビューはこちら

部署異動制度で理想通りのキャリアを手に

━━入社から現在までの経歴を教えてください。
2018年4月に新卒のデザイナーとして入社し、『モンスターストライク(以下モンスト)』のグッズ企画からデザインを行う部署に配属されました。その後、組織編制があり、グッズデザインに加えて店舗に置くPOPデザインやゲーム内で使用するイラスト作成なども手掛けるようになりました。2021年の2月にはゲームのUIデザインを行う部署に異動。そこではゲーム内で使用するバナーやアイコンのグラフィックデザインを制作していました。2021年の10月には、投資事業推進本部 海外事業開発グループへ異動し、新規サービスのUIデザインとイラスト制作などグラフィック全般のデザインを担当しています。

━━八木さんは入社前、どのようなキャリアイメージを描いていましたか?
入社当初は具体的なイメージがあったわけではありませんでした。漠然と「幅広い領域のデザインを経験してみたい」「制作現場でバリバリと働くデザイナーになりたい」と思っていたんです。幅広い領域というのは、グラフィックもWebもイラストも、そして映像も制作できる、マルチに活躍できるデザイナーをイメージしていました。

━━なるほど。そういう意味ではイメージ通りのキャリアを歩んでいますよね。
そうですね。割とイメージ通りにはなっているかなと思います。


━━前回の記事では、入社当初はUIデザインかグッズデザインかで迷ったという話がありましたが、どうやって希望部署を決めたんですか?
MIXIにはMCC(ミクシィ・キャリア・チャレンジ)という部署異動の制度があると知り、いずれどちらも経験できればいいかなと納得できたので、まずは実際にグッズデザイナーとして3年くらい働いたタイミングで、当時の上司に相談しながらMCCを利用して異動しました。

━━MCCで異動したんですね!
マネージャーがつないでくれた部署で、たまたまMCCで募集していたので応募したんです。会社としての希望と自分の希望がちゃんと合っていたので、円満な異動でした。

「やらなければいけない」ではなく「これがやりたい」と思える

━━次に、入社当時から現在までで、最も思い入れのあるプロジェクトについて聞かせてください。
今関わっている、海外向け新規サービスの立ち上げプロジェクトです。私はサービスのUIデザインを担当しているのですが、自分のなかで新たな領域へのチャレンジをいくつも経験できている仕事なんです。

━━例えばどういう仕事ですか?
一番大きなチャレンジは、UIをワイヤーフレームから作り上げたこと。海外向けのプロダクトなので、英語で自分のデザインを説明する機会もあり、本当に分からないことだらけで内容を理解するだけでも一苦労でした。サービスの中に登場する用語も全部英語ということもさらに難易度が高くなった要因の一つです。

━━英語は得意なのですか?
いえ…全然(笑)。高校で学ぶレベルの英語力です。

━━初めて経験する仕事、さらに母国語ではない言語が使われるとなると、ハードルが高いですよね。
はい。そのなかで、自分がやりたいことを自ら上司に発信していけたことが、成功体験になったと思っています。UIデザインも未経験でしたが、これまで培ってきたデザインの考え方や進め方を活かしつつ、「こういうことをやってみたいです」と、自分のできることの幅を常に広げられたので大きな糧になった思います。

━━自分のやりたいことを積極的に上司に提案したんですね。
1on1のときにリーダーやマネージャーに、自分はこういうことをやりたいです、という話を伝えていました。最初の頃は、すでにあるUIの部分的な改修や調整からスタートし、今はワイヤーフレームの構築や、一つの追加機能の提案などもできるようになってきました。

━━おお、それはすごいですね!
私が所属する部署は、チャレンジを歓迎し、サポートする風土があるんです。新しい仕事に挑戦するにあたって、リーダーからツールの使い方やデザインの考え方を教えてもらうこともありましたし、マネージャーも挑戦する機会をたくさん与えてくれたので、すごくありがたい環境でした。

━━なるほど。
これをやらなきゃいけないというよりかは、新しい仕事を見つけて、「これに挑戦したいです!」と手を挙げて進められる環境です。

━━自主性が育まれる環境なんですね。
そうですね。初心者だからといって「これは任せられない」と言われることも全くありませんでしたし、みんなでカバーし合っていこうという雰囲気があったので、臆せず自分はこれがいいと思うデザインを上げていくことができたなと思います。

━━初めてのワイヤーフレーム作成はどのように進めましたか?
ターゲットやコンセプトをしっかり固めてからデザインを行ないました。特にサービスの競合調査やユーザー分析には時間を割きましたね。ワイヤーフレームの設計を行うにあたって、UIデザインは視点を広く持たないといけないというのも新たな気づきでした。制作している画面だけでなく、サービス全体で見ないと影響範囲が他にあったりして、難しいなと。先輩からいただいたアドバイスは本当にためになるものばかりでしたし、あとは実際にどう見せていくのがいいのかを突き詰めて考えて作ることができたので、良い経験になりました。その点を上司からも評価していただき、達成感がありましたね。

デザイン領域を超えてサービス作りを意識できるように

━━このプロジェクトで得た、今後も活かせそうな知見はありましたか?
自分の専門分野以外の知見です。サービスに新たな機能を実装する場合、デザイナーだけでなく、フロントエンドエンジニアやサーバエンジニアの作業が必要になります。今までフロントとサーバがどのように関係しているのかという知識がなかったので、エンジニアにデザインを渡したところ「これは実装が難しいよ」とフィードバックをもらったことがあったんです。なので、デザイン先行ではなく、全体を通して実装できるかどうかを考えてデザインできるようになったかなと思います。

━━エンジニアの業務内容への理解も深まったわけですね。
はい。もう一つ、初めて新規事業に携わったことで、新しい発見もありました。新規事業の立ち上げでは、明確に役割が決まっていないところもあって、みんなで助け合いながら進めていました。デザイン以外の仕事にも携わることで、自分としては経験が広がって良かったなと思います。

━━例えばどのような仕事ですか?
新規で必要なバナーのリストアップや、どんな内容のバナーにするかという企画などです。どういうことを訴求するべきか、どんなクリエイティブにするか、という企画ベースから一緒に考えることができたのは楽しかったですね。その一方で、大変だったこともあって…。

━━というのは?
重要な機能追加のデザイン制作のとりまとめを初めて任せていただいたときのことです。デザインの方向性を決めることはもちろん、大きな機能追加ということで、画面数も膨大な量になっていました。また量だけでなく、他の画面同士で機能するかどうかといった部分にも目を向けなければいけない。さらに割とタイトな締め切りで、デザインが遅れることで実装が遅れるわけにはいかなかったので、いい意味でプレッシャーがありました。

悩む時間を極力減らすために

━━八木さんはそのプレッシャーをどう乗り越えたんですか?
周りの方がサポートしてくれたのが大きいです。判断に迷う場合は、すぐ周りに相談するようにしていました。

━━なるほど。早い段階で相談をすることでスムーズに進めていったんですね。
そうですね。もちろん自分で考えて答えを出すことも大事ですが、そもそも進め方が分からないとか、悩んでも解決しないときはすぐに知見がある人に助けを求めるのは非常に有効だと思っています。そこはどんどん意見をいただきながら、それをもとに自分なりの方法を見つけて進められることが大事かなと。以前、ものすごくデザインに悩んでいたことがあったのですが、他の人からのアドバイスでスムーズに解決したことが何度かあったんです。

━━それもデザインの時短術の1つですよね。
良いデザインはアイデアを出し続けて磨き上げていくもの。そういう意味での悩む時間というのはもちろん大事だと思いますが、何かが分からなくて手が止まってしまうという時間はもったいないと思います。そこはどんどん進めていくためにも、ためらわずに周りに相談するようにしています。特にこのプロジェクトは時間との戦いという部分もあったので、迅速に進めたいという意識が働いていました。

━━その心掛けの結果、確実にそして迅速にプロジェクトを進めていくことができたと。
はい。デザインを早く上げる力が身に付いたというよりは、フロントやサーバなど実装まで含めた一連の流れを見据えながら、どうスピードアップできるかを考えられるようになったと思います。大変だったとは思いますが、これまで失敗というほどの失敗はないかもしれないです(笑)。失敗しそうなときに周りの方がサポートしてくださったので…。

━━入社当初と比べて、仕事の進め方は変わってきていると思いますか?
スピード感を持って仕事に取り組めるようになったと思います。以前は、締め切り内ならじっくり悩んで良いデザインを上げられれば良いと思っていました。今は、早くできればできるほど良いと考えています。早く仕事が完了すれば次の新機能追加に着手できるので、その意識は変わってきたかなと。もちろん良いデザインを作りたいという気持ちは変わらず、全力は尽くしていますが、さらにスピードを求めるようになってきました。

━━勘所ができたというか。
はい。グッズデザインの場合は、基本的に一度販売したら変えることはできませんが、UIだとサービスをリリースした後も調整ができる特徴があります。そこはプロダクトの違いというのもありますが、もっと使いやすくするためにどんどん後から改修できるのはUIデザインの良いところだと思いますね。

━━今の目標は何ですか?
UI・UXデザイナーとしてのキャリアを磨きたいと思っています。最近ではUXなどにも挑戦しているのですが、ユーザーインタビューや、新事業の最初の段階で考えるUX設計などは経験したことがないので、今後はそういう領域もチャレンジしていきたいです。

━━今後も色々な領域に挑戦する姿勢は変わらないんですね。
色んな領域に挑戦するのは楽しいですし、自分の可能性を広げていく実感もあるので、今後もどんどん挑戦していきたいと思っています。UIデザインも、グラフィックデザインも、イラストも…色々な武器を持ったデザイナーになっていきたいですね。領域を広げれば広げるほど、散漫になってしまうこともあるので、ちゃんとそれぞれのスキルを自分で深堀して行きたいなと思っています。

━━これまでのキャリアに関して満足度はいかがですか?
100点満点ですね。自分がやりたいと思ったことに挑戦できているので、満足しています。

自分の進む道を見極めるため、挑戦し続けたい

━━今後のキャリアについて聞かせてください。
9月にデザインチームのリーダーになったばかりなので、リーダーとしての経験を積みたいと思っています。プレイヤーとしてデザインを作るのも好きなんですが、チームとしていいデザインを仕上げていく、ということも経験してみたいのでちょうど今も挑戦の時期かなと思います。自分が中心となっていいチーム作りをしていきたいというのもあります。具体的なキャリアについては、正直迷っています。制作現場でスペシャリストを目指したり、マネジメントにシフトしつつディレクションにも挑戦したり…。デザイナーには色んなキャリアがあると思いますが、マネジメントなど色々経験してみて、自分がやりたいと思える方向に進めたらなと考えているところです。

━━短期の目標としてはまずリーダーとしての経験を積み、中長期の目標としてはスペシャリストなのかマネジメントなのかを見極めていきたいと。
そうですね。またもう一つの目標として、新規事業の立ち上げ段階から参加してみたいという目標もあります。今携わっているサービスも新規事業ではあるのですが、私が入った時点では割とデザインが出来上がっていたりして、完全にイチから新規というわけではなかったので。新規事業では完全にイチからプロジェクトにジョインして、今の経験を活かしながらイチからサービスのUXやアートディレクションにも携われたらいいなと思います。

━━将来、新規事業の募集があれば手を挙げますか?
今は、このプロジェクトを成長させることが一番の目標ですが、いずれ新規事業に携わる機会があれば手を挙げたいです。MIXIでは色々な事業が生まれているので、チャレンジする場所もチャンスもたくさんある。その環境を活かし、どんどんチャレンジしていきたいですね。

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