入社3ヵ月目にして先輩を唸らせた新人デザイナー。「苦手だからこそ挑戦し続けたい!」 〜先輩と後輩 #05〜

入社3ヵ月目にして先輩を唸らせた新人デザイナー。「苦手だからこそ挑戦し続けたい!」 〜先輩と後輩 #05〜

デザイナーとして入社した2年目の髙島。今回は、チーム内外から注目を集める彼女と、上司である森へのインタビューを実施。髙島がデザイナーとして、どのような成長の軌跡を辿ってきたのかについて迫りました。

表現に苦戦した、初めての仕事
━━━━まずはお二人の仕事内容について教えてください。

:私たちが所属するUIデザイングループは、「モンスターストライク」(以下、「モンスト」)のデザインを手掛けています。グループの中は3つのチームに分かれていて、UIの設計やパーツ制作を担当するUIデザインチームと、ゲーム演出に関わるアニメーション制作やエフェクト制作を担当するVFXチーム、そしてゲーム内外のバナーやロゴ制作を担当するグラフィックデザインチームで構成されています。私が所属しているのは、グラフィックデザインチーム。リーダーとして、プロジェクトやメンバーマネジメントに携わっています。

髙島:私が所属しているのは、UIデザインチームですが、入社後は、3つのチームをローテーションしながら、色々な仕事を経験しています。

:入社したばかりの頃は、自分が何に向いているかを見極めるのは難しいと思うので、私たちのグループではさまざまなチームの仕事を横断的に経験できるような体制を取っているんです。

━━━━髙島さんは入社後、まずどのチームに配属されたのですか?

髙島:一番初めは、グラフィックデザインチームでクエストバナーのローカライズを任せていただきました。他のチームメンバーが作った国内向けのバナーを、台湾や香港などの繁体字圏向けに直す仕事です。

:デザインの構成や手順を覚えるのに最適な仕事だと思ったので、髙島さんにお任せしました。すでに国内で実施されているバナーのため、他の人がどうやって作っているのかが見えますし、制作の流れを肌で覚えるには最適な仕事だったんですね。

髙島:ちなみに、私がゼロから自分で作ったバナーはこちらです。ソルティドッグというキャラクターの、比較的難易度の低いクエストでした。

:懐かしい(笑)。このバナーは“降臨”や“究極”といったようなクエストと比べて目立ちすぎてはいけないので、他のバナーとのバランスを見て作っていく必要があったんだよね。

髙島:はい。ユーザーさんがトライしやすい雰囲気を出せるように、かわいい要素を入れたり、文字の表現にこだわったり、自分なりに工夫しました。とはいえ、初めてのバナー制作だったので正解が分からず、難しかったですね。立体感のある効果を出したり、金色に見せるにはどうしたらいいのかなど、かなり苦戦しました。森さんからは、途中で悩むことがあれば相談してね、と言っていただいていたので、たくさん相談しに行きました(笑)。今思い返せば、基本的なところでたくさんつまずいていたと思います。

:「もっと文字をキラキラさせたいんです」とか「もっとトロトロさせたいんです」とか、相談があったね(笑)。でも、文字が目立ちすぎると、キャラが沈んじゃうこともあるので、技術的な部分だけでなく、トータルバランスが大事であることもアドバイスしましたね。

━━━━デザインに取り組む中で、壁にぶつかることはありましたか?

髙島:私はずっとカッコいいデザインが苦手で。しばらくはかわいい系のデザインを任せていただいていたのですが、どうにかして克服したいという思いから、カッコいい系のデザインに挑戦してみることにしたんです。

:原田左之助のバナーですね。これは、入社3~4ヵ月目くらいにお願いした仕事だったかな。

髙島:はい、その頃ですね。まずは先輩が過去に作られた資料などを集め、じっくり眺めてみました。「このデザインはなぜかっこよく見えるんだろう?」、「なぜ原田左之助らしいと感じるんだろう?」と一つ一つじっくり深堀していくと、だんだんデザインパーツが見えるようになってきたんです。「この線を延ばすだけでかっこよく見えるんだ」「逆に線が曲がるとかっこ悪く見えるんだ」というように。正確なインプットをすれば、アウトプットもできるようになるということを、身に染みて学びましたね。

:苦戦はしたと思うけど、一歩前進できた仕事だったよね。

髙島:はい。今まで作ってきたものと全然違うテイストだったので不安はありましたが、ここで嫌だとはねのけたら一生できない気がして。今は挑戦して良かったと思います。20年くらい、カッコいい系のデザインが苦手で悩んでいたので…。こんなにすんなり解決するんだと感動しました。自分でもびっくりです。大げさかもしれないですが(笑)。

:苦手なジャンルでも、一個作れるようになると、幅が広がりますから。

髙島:全然違うデザインだったからこそ、「こういうやり方があるんだ!」という新しい発見があり楽しかったですね。

 

━━━━森さんは、この仕事を任せる不安はありましたか?

:不安はありませんでした。本人から「できるか不安だけど、やってみたいです」と言われていましたし、万が一詰まったとしてもアドバイスすれば全然乗り越えられると思っていました。本人の自信にもつながるはずなので、ちょうどいい機会だなと。

髙島:不安はあったけど挑戦してみようと思えたのは、安心して挑戦できる環境があったからだと思います。どんなに忙しくても先輩たちが相談に乗ってくれますし、困ったときは手を差し伸べてくれるので、心強かったです。

入社3ヵ月目で、デザインの概念を打ち破ったレイアウトを提案
:挑戦というと、あのバナーも印象に残っていますね。

━━━━お!挑戦したバナー!

髙島:私の大好きなキャラクターのコラボクエストのバナーだったんです。実はそのとき、VFXチームに所属していたのですが、どうしてもやってみたかったので、グラフィックデザインチームに顔を出して「やりたいです!」と手を挙げさせてもらいました。

:ちょっとここでお見せできないのが残念なんですが…。バナーデザインというのは、左に文字を置いて、右にキャラクターを置く、というのがデフォルトなんです。だけど、髙島さんはキャラクターを真ん中に置いたデザインを提案してくれたんだよね。

髙島:「このキャラクターならこうするだろう」と、思い切ったレイアウトを企画さんに提案してみたんです。純粋な原作のファンでもあったので、自信を持って提案しました。

:デザインを見せてもらったときに「おお!面白い!」と。かなり斬新でした。企画チームからもコラボ先の会社からも大好評でしたね。

髙島:「バナーで笑ったの初めてだよ!」と言われたり、わざわざデスクに足を運んで見に来てくれる人がいたり。みんな面白がってくれて嬉しかったです。「笑わせられた!」という手応えがありました。

:新しいパターンを生み出してくれたのは、彼女の大きな功績ですね。

━━━━周りのメンバーも刺激を受けますよね。

:そうですね。髙島さんは職場でも自主的に行動してくれるし、仕事以外の場でもそうなんです。サークルを立ち上げたり、全社総会の映像制作に携わったり、新卒を迎える会の幹事を担当したり。最初は静かなお嬢様という印象でしたが(笑)、仕事ぶりや業務外の活動を見て、行動力があるアクティブな一面を知りましたね。

髙島:もちろん好奇心が人一倍強いのもあると思うのですが、もともとはイベント運営の手が足りず、困っている同期の手助けになれたら、という思いで参加したのがきっかけです。そこから、色々な部署の方々と接点を持つうちに、徐々にデザイン以外の仕事も声を掛けられるようになって。全社総会の映像制作は、指名をいただいて挑戦したプロジェクトでした。色々と機会を与えていただけるのは嬉しいですよね。

━━━━髙島さんは一年間仕事をする中で、森さんの印象は変わってきましたか?

髙島:今も昔も、面倒見が良さそうな優しいお兄さんだなーという印象は変わりません(笑)。

:なんだか照れますね(笑)。

髙島:一緒に仕事をするようになって、一つひとつの仕事がとても丁寧なことを知りました。仕事量が多くても、余裕がなくなったりイライラすることもなく、丁寧にこなしながらチームメンバーへの気遣い、サポートをしている姿がカッコいいなと尊敬しています。あとは、私の目線に合わせてふざけてくれるのも嬉しいです。私が退社した後に、デスクの上にぬいぐるみが集結していたり…(笑)。

:そういうのは結構ありますね。うちのグループはそこそこ忙しいと思うのですが、雰囲気はいつも和やか。楽しいことや面白いことが好きな人が多いんですよね。

━━━━ほのぼのエピソードですね(笑)。

髙島:本当にいいチームだと思います。居心地がいいだけではなくて、新卒でも挑戦する機会を与えてくれる環境です。これまで私は「やりたいです!」と手を挙げたときに、「いやまだ早いよ」と言われたことはありません。「やりたいことを、やってみよう!」と背中を押してくれる先輩たちがたくさんいるんです。

:デザインの仕事って本当に面白いんです。だから若手でもやりたいと思ったら任せる。私も未だに、「やりたい仕事ができるってこんなに楽しいんだ!」と思うことが何度もあります。好きなことを仕事にするというのは大変なことも多いですが、自分の好きなテイストや自分の好きなコラボに携わっているとき、「あれ、もうこんな時間!?」って気づく瞬間があるんですよね。ノッているときって手を止めたくないんです。その楽しさとやりがいをたくさんのメンバーに味わってほしいと思いますね。

ユーザーさんに楽しんでもらうために、まずは自分が楽しむ

━━━━これからの目標はありますか?

髙島:希望としては、一番苦手なところに挑戦していきたいと思っています。もともとずっとそうやって挑戦してきたんですよ。パソコンも苦手だったし、デザインも苦手。高校・大学ではそれを克服するための勉強をしてきました。これからも、得意と思っていない分野に挑戦していきたいですね。できないのは悔しいし、できるようになったときの感動はすごいので。

:今後は一つの分野に特化してもいいし、今のようにマルチに活躍してもいい。本人の意思を尊重していきたいですね。

髙島:デザイナーとしてまだまだ未熟なので、もっと納得できるものを作れるようになりたいです。そのためには、インプットとアウトプットが重要だと思っているので、今は先輩たちが過去に作成したものを見て、「どういう構造になっているんだろう?」と学んでいます。あとは色々検索したり、他のゲームを研究することもあります。

:そうだったんだね。素晴らしい努力だと思います。

髙島:あとは、ユーザーさんにモンストを楽しんでもらうためには、自分が楽しんでいないといいものは作れないと思うので、いつも楽しんで取り組んでいきたいです。私が学生時代から大切にしている制作のコンセプトは、「誰かを笑顔にしたい」ということ。自分のデザインを通じて、楽しい、面白い、という気持ちになってもらえるように、努力していきたいです。

 

森 政輝(写真:左)
大手スマホゲーム会社での勤務を経て、2014年11月にミクシィ入社。「モンスト」に関わる屋外広告制作やイベント告知のバナーなど、プロモーション関係のデザインを手掛ける。現在は、ゲーム内の画像、バナーなどの制作も担当。UIデザイングループ・グラフィックデザインチームのリーダーを務める。
髙島 桃香(写真:右)
美術高校では映像やデザインを専攻し、大学ではグラフィックを学ぶ。2017年4月、新卒としてミクシィに入社。「モンスト」のUIデザイングループに配属となり、UIデザインチーム、グラフィックデザインチーム、VFXチームの仕事に横断的に携わる。

 

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