2023年6月5日に開催された全社総会「MIXI AWARD」。このアワードは、称賛のカルチャーを大切にしたいという思いから毎年実施しています。
今年は企業理念「パーパス、ミッション、ミクシィ・ウェイ、バリュー」(以下PMWV)が再定義されたことに伴い、「MIXI AWARD」の表彰枠と選考方法も見直されることになりました。どのように選考基準を見直したのか?そしてどのようなアワードを目指したのか?事務局の担当者(川原・村上)に聞きました。
アワード開催に込められた“2つの目的”
━━今回の「MIXI AWARD」の開催目的について教えてください。
村上 開催の目的としては、頑張る従業員を称えたいということと、受賞者のアクションをたくさんの人に参考にしてほしいという2つの狙いがありました。受賞者というのは、いわゆるロールモデルと呼ばれる人たちのこと。つまり私たちが大切にする“PMWV”の体現者です。受賞者を通じて、全従業員に「PMWVの体現とは具体的にどういうことなのか?」を知ってもらい、各自の行動変容のヒントにしてもらいたいという狙いがありました。
以前のAWARDは「最も印象に残った事業やプロジェクト」という軸で表彰しておりましたが、今年はより明確な選考基準を持って、受賞理由の納得感や公平性を高めたいと考えていました。
川原 選考基準・理由を明確にすることで、受賞者にはもっと納得感を持って受賞してほしいという思いがありましたよね。
村上 今回はコーポレートブランドのリニューアル後初となる開催ということもあり、PMWVの促進に貢献していきたい、称賛文化を作りたい、という思いを実現する場として「MIXI AWARD」はすごく適していたと思います。特に従業員同士が称賛し合う文化を作ることにおいては、過去に手ごたえがありました。
━━というのは?
川原 去年の「MIXI AWARD」では、事前に従業員から「社内で感謝を伝えたい相手と、その相手へのメッセージ」を募集し、会の最後にエンドロールとして流す、という演出があったのですが、従業員から「良かった」「嬉しかった」というポジティブな声がたくさん寄せられたので、事務局として日頃の感謝や称賛を従業員同士が伝え合う文化は大切にしていきたいという思いが強くありました。だからこそ、「頑張っている」というのはどういうことか?を明文化するべく、PMWV軸での選出・称賛・表彰へと踏み切った次第です。
▲事務局メンバー(左から加藤、川原、村上、齊藤)
「あの舞台に私も立ちたい」と思ってもらえる表彰式に
━━今回の「MIXI AWARD」開催でこだわった点について教えてください。
川原 開催方法や演出にはかなりこだわりましたね。やっぱり称賛文化を作る以前に、「MIXI AWARD」で表彰されて嬉しいと思ってもらえないと意味がないので、楽しそうなお祭りイベントではなく「ここで表彰されることはすごく価値のあることなんだ」と思わせるものに昇華していかないといけないという意識がありました。
村上 デザイン本部のみなさんに方向性を伝えたところ、「あの舞台に私も立ちたい」というすごく素敵なコンセプトを出してくれました。デザイン本部がかなり前のめりで協力をしてくれたので、こういう場を求めていたのは事務局だけじゃなかったんだ…!とすごく嬉しかったですね。
━━ちなみに参考にしたイベントはありましたか?
村上 少々おこがましいですが……映画のアカデミー賞をイメージしました。見ていて楽しいのはもちろんのこと、レッドカーペットを歩き、表彰台に上がることに対する憧れも抱いてほしい。受賞者も「自分たちってすごいんだ」という誇らしい気持ちで賞を受け取っていただきたいなと。
川原 喜びを分かち合える場として、懇親会の場も用意しました。受賞者同士の交流だけでなく、役員や他のチームの人とも話せる機会にしてほしいという意図もあります。
村上 マーブルロケーション(オンラインとオフラインの混合)での開催というのも大きなポイントでしたよね。ここ数年はオンラインのみでの開催ということもあり、受賞者がパッと画面に出てきてコメントを言ってスッと画面から消えていくという形式だったので、受賞者がちゃんと喜べる場を作りたいという思いがずっとありました。
また、全従業員の心もつながる場を「MIXI AWARD」で実現したかったので、オンラインでの視聴についても、なるべくチームや複数のメンバーで見て盛り上がってもらえるように、今回初めてパブリックビューイングの会場も用意しました。
▲社食のパブリックビューイングで授賞式を見守る従業員たち
━━パブリックビューイング会場でも軽食やドリンクなどの、ちょっとしたおもてなしがあったとか。
村上 パブリックビューイングを実施する話をしたところ、総務部にあたるせいかつ環境室から声をかけてもらったんです。せっかくならみんなで楽しめるように軽食やドリンクが提供できたらいいですよね、と。ありがたい限りです。
川原 当日は役員それぞれに選んでもらった食事やドリンクを用意してもらいました。役員はホテルのアワード会場にいるのですが、役員が会場の人たちのために選んだものを用意することで、そこにちょっとしたコミュニケーションや、現地と会場をつなぐものが生まれるんじゃないかと せいかつ環境室がアイデアを出してくれたんです。
━━それは一体感が生まれそうですね。
村上 はい。またアワード会場とパブリックビューイング会場のコミュニケーションを生む仕掛けとして、開発本部のメンバーも力を貸してくれてSlackのチャンネルで押したスタンプが会場に映るというARの演出も準備してくれました。
川原 できる限り受賞者側と視聴者側の一体感が生まれる場というのもこだわりましたよね。
受賞基準を明文化する難しさに直面
━━受賞者を選出するプロセスについてはいかがですか?
村上 今回の「MIXI AWARD」では、PMWVを体現しているかどうかに着目したかったので、受賞者の選考にはかなりの時間を割きました。従業員投票や推薦公募がスタートしたのは2023年1月のこと。マネジメント賞については全社サーベイの部下からの声をもとに選出していますし、チーム賞は部室長から推薦を募って、それをもとに役員に選考してもらいました。私たちも本人の上長や同僚にこっそり話を聞きに行ってエピソードを収集し、それを持ち寄って選考会で受賞者について議論をしてきました。
川原 みなさん素晴らしい人ばかりで選出するのは一苦労でしたよね。というのも、PMWVを体現しているとはどういうことなのか、私たち自身も言葉にしきれていなかったからでもあります。
村上 選考のなかで「これってつまりは“発明”ということじゃないのかな?」「MIXIでいうところの“誠実”は、言うことを聞いてあげるだけが“誠実”ではないよね?」といった会話を重ねながら、選考過程で明文化しつつ判断基準を作っていった感じです。
━━他にもこだわったポイントはありますか?
川原 「MIXI AWARD」では受賞者の仕事に対する姿勢や取り組みと、第三者から語られる日常の姿という両軸を見せたいと思っていました。というのも、「そういうふうに仕事をすると、そんなふうに周りから思ってもらえるんだ」という気づきもあるかなと思ったからです。
村上 なかなか自分で自分のすごさをアピールできる人は少ないと思うので、周りの方々の言葉を借りて称えていくというスタイルを取ることにしました。「日頃どういう人だから称賛されたのか」がしっかり伝わるよう、デザイン本部がVTRの撮影も行なってくれました。
▲事前に撮影したVTRが流れ、壇上の受賞者は受賞理由を実感。
川原 もちろん受賞者本人の感動や感謝が伝わるシーンも良いものですが、今回「MIXI AWARD」を実施する前提として、どういったところが表彰されたのかをわかりやすく伝えるために、このようなスタイルとしました。
PMWVをさらに浸透させるために必要なもの
━━今回の「MIXI AWARD」を通じて、どんな課題や目標が見えてきましたか?
村上 来年以降は、従業員からの推薦数を増やしたいという目標ができました。「PMWVを体現している」という基準で受賞者を選出するのは難しいと思ったので、今回の従業員推薦では「あなたの推し社員を教えてください」という形で募っていたのですが、今回のアワードで実際に表彰された人がどういう行動をとっていたのかが徐々に浸透していき、1年後2年後に「そういえばこの人も体現できているね」「この人もそうだよね」と、みなさんの意識とともにそういう発想が増えていったら良いなと思っています。
川原 社内でのPMWVの認知度は7割ほどなんですが、日常的に意識して行動しているとなると、5〜6割に減ってしまうんですよね。ブランディング浸透についての社内アンケートで「PMWVを浸透させるためには何が必要か?」という質問に対し、「経営陣が日常的に使っているか」「それを体現した人が評価されているか」「日頃から目に触れる機会があるか」を重視する回答が多かったこともあり、「MIXI AWARD」はこれを実践する良い機会だと思っています。
━━今後はどのような計画がありますか?
村上 今後も継続してPMWVの浸透策を行なっていきたいですね。
川原 PMWVの浸透については、色々な部署が色々な目的を持って取り組んでいくことになりますが、「MIXI AWARD」という観点で見ると、もっとみんなから称賛される数が増えたり、称賛理由にPMWVが自然と入ってくるような、そういう状態を目標として長いスパンで考えるものなのかなと考えています。
授賞式の様子(イベントレポート)
▲華やかなレッドカーペットの壇上でトロフィーを受け取る受賞者たち。
▲木村社長はオーストラリアからリモート参加。
▲フォトスポットではプロのカメラマンによる記念撮影を実施。
▲受賞スピーチを終え、リラックスした状態で会食・懇親会が行われました。