MIXIでは『アニメ モンスターストライク(以下モンストアニメ)』をはじめ、『城郭合体オシロボッツ』、映画『プロメア』などオリジナルアニメの企画・制作製作・プロデュース、アニメ制作委員会への出資といった、アニメ事業も展開しています。

2024年4月からは、ガールズケイリンを題材にした『リンカイ!』の放映がスタート。今回は、コンテンツグループの宇野さんに、MIXI_ANIME事業の概要と狙い、『リンカイ!』の制作背景とその効果などについてお話を聞きました。

宇野 博美(うの ひろみ) 投資事業推進本部 コンテンツグループ
2007年、MIXI入社。「XFLAG STORE」にてモンスターストライク(以下モンスト)グッズのマーチャンダイズを手がけた後、2020年、映像事業の新設と共に異動。2021年、投資事業推進本部のコンテンツグループに所属。主に渉外業務に携わる。

コンテンツを通じて、事業シナジーの創出と、課題解決を目指す

━━『MIXI_ANIME』事業の概要について教えてください。

2015年に配信が始まった『モンストアニメ』の企画・制作経験を活かし、モンスト以外のIPにもチャレンジするべく、2020年にエンターテインメント事業ブランド「XFLAG」内に映像事業を手がける新部署が立ち上がりました。

オリジナルアニメの企画・制作製作を手がけるなかで実感したのは、コンテンツの面白さをダイレクトにユーザーに届ける手応え、そしてユーザーを熱狂させるコンテンツのパワーです。現在はコンテンツグループとして投資事業推進本部に所属し、「コンテンツの力を使って事業シナジーを創出する」「事業が抱える課題をコンテンツで解決していく」ことをミッションに掲げ、活動しています。

━━2つのミッションについて詳しく教えてください。

事業シナジーの創出というのは、アニメ・マンガ業界とのパイプを作ることによって、他事業へのシナジーを生み出すということです。例えば、業界動向などの最新情報をキャッチアップした結果、『コトダマン』や『モンスト』とのコラボなどにも活かすことができるだろうと考えています。

もう一つのミッションである「事業が抱える課題をコンテンツで解決する」について説明すると、2019年に、ネットドリーマーズ社やチャリ・ロト社のM&A、『TIPSTAR』の立ち上げなど、MIXIが公営競技に関わるビジネスに注力し始めていた頃に、映像事業の立ち上げと企画を始めました。

様々な方向で企画を検討するうちに、全国各地にある競輪場が抱える“競輪ファンの高齢化と競輪場へ足を運ぶ人の減少”という課題があることがわかり、若い人たちに競輪を知ってもらい、競輪場に足を運んでもらうためにどうするべきか?を考えた結果、辿り着いたのがアニメやマンガといったコンテンツの力の活用でした。

アニメやマンガは若年層に受け入れられやすいですし、今から競輪を始める人にも魅力を分かりやすく伝えられる最適なツールだと考えました。新しいユーザー層の獲得、そして競輪業界を盛り上げるために、『リンカイ!』の企画がスタートしたんです。

━━「競輪」という題材を扱う上での課題は何でしたか?

私の場合、初めて競輪を見た際はルールが難しそうと感じましたが、何回か生でレースを見ていくうちにルールが分かるようになり、とても面白くなっていきました。アニメを活用していけば、まだ競輪を知らない人や、私と同じように競輪を見始めたばかりの人、競輪に興味がある人にも競輪の面白さを伝えるツールになるはずだと考えたんです。

2020年から動き出していた『リンカイ!』プロジェクト

━━女子競輪 = ガールズケイリンを題材にしたきっかけについて教えてください。

ガールズケイリンは2022年に10周年を迎えましたが、男子競輪と比べると歴史はまだまだ浅く、選手の数も少ないです。アニメを通じて、一人でも多くの方にガールズケイリンを知ってもらい、選手を目指すという選択肢が増えればいいなという考えから、アニメには“選手側”と“応援する側”という両軸の視点を盛り込むことになりました。

ちょうど競輪・オートレースを運営する公益財団法人JKAさんが「ガールズケイリンをプロスポーツ競技のまんなかへ」というブランド戦略を発表されたこともあり、これを追い風に業界を盛り上げていきたいと考えたんです。

━━なるほど。

競輪場は全国に43ヵ所あるのですが、プロジェクトが始まった当初から各競輪場に1キャラクターずつ作ることを決めていました。そのキャラクターが活躍する様子を知り、興味を持ってもらうためのプロモーションツールとして、アニメとマンガを展開していこうと。

また最近では、アニメの舞台である場所にファンが足を運ぶ“聖地巡礼”という行動がありますが、ファンによる観光などを通じて地域の活性化にも寄与できると考えていました。

2022年12月には、競輪ファンの高齢化と来場者減少という課題を解決するために、競輪場に足を運んでいただくべく、初めて競輪場にブースを出展しました。当時は、『リンカイ!』というタイトルと、伊東泉と平塚ナナというキャラクターしか決まっていない段階でしたが、それ以降はほぼ毎月ブースを出して、新キャラクター発表やアニメの内容を紹介してきました。2023年4月からYouTubeもスタートし、1年をかけてやっと『リンカイ!』を知っていただけるようになってきたんです。

━━そんなに長い時間をかけて作っていくものなんですね。

『リンカイ!』は原作のマンガがあったわけではなく、完全にMIXIのオリジナル作品になるので、いきなりアニメをスタートしても、興味を持ってもらうのは難しいだろうと考えました。まずはキャラクターを知ってもらうために、地道な活動を続けてきました。

━━そして満を持して、今年4月にアニメ放映がスタートしました。

徐々にですが、視聴者の方から「うちの地元のキャラクターはいつ出るの?」とか「うちの地元のキャラクターはどんな感じだろう?」という声が届くようになってきました。

ありがたいことに、『リンカイ!』は競輪がお好きな方も、競輪を初めて見るという方にも興味を持っていただいています。最近では、海外の方にも視聴いただいているという話も耳にしました。これからも競輪に興味を持っていただきながら、コンテンツとして楽しんでいただけるように展開していきたいと思っています。

━━『リンカイ!』のなかで、MIXI GROUPらしさが表現されている部分はありますか?

MIXIはコミュニケーションを根幹に据えたサービスを展開している会社ですが、アニメに関してもコミュニケーションの種になるものだと考えています。アニメが進展すればするほど、キャラクターの特徴が浮き彫りになっていきますし、競輪の面白さも分かってくるので、そういったところを軸に会話が増えると良いなと思っているんです。

ストーリーもどんどん進展していくところなので、興味を持っていただきながら、競輪を楽しんでもらえたら良いですね。そして家族やお友達同士で競輪を見に行くきっかけになったらさらに嬉しいですし、『リンカイ!』を作る意義があるなと思います。

━━『リンカイ!』プロジェクトを通じて、どのような成果が出ていますか?

JKAさんがガールズケイリンのブランディング戦略に力を入れていること、またガールズ選手だけが出場するオールガールズクラシック(G1)という大きなレースが新設されたこともあいまって、2020年当初と比べると、各競輪場さんや競輪の業界団体、選手のみなさんが『リンカイ!』に興味を持ってくださるようになりました。ガールズケイリンを応援してくれるファンも増えているような気がします。

また、チャリ・ロト社やネットドリーマーズ社、『TIPSTAR』からは、競輪場とコミュニケーションを取る際に、リンカイ!の話題を通じて一緒に協業しやすいという声も届いています。競輪場さんとの関係値を作るためのコミュニケーションツールとして活用いただいていることも成果の一つかなと思います。

一人ひとりが独自のスキルを発揮し、メディアミックスを実現している

━━『リンカイ!』プロジェクトの組織体制について教えてください。

アニメやマンガの制作に携わる制作チームと、競輪場などの地方自治体、他企業とのやりとりを担当する渉外チームという2つに分かれています。

━━渉外チームはどのような業務を担っていますか?

具体的には、アニメのロケハンの調整や、競輪のレース開催時にブース出展を行ったり、競輪場や観光課などの地方自治体の方々にキャラクターの設定についての相談などを行なっています。キャラクターの好きな食べ物や好きな場所などは、地元の方に人気なものとかよく行く場所などを設定に採用させていただいているんです。

━━主人公の伊東泉の好きな食べ物は「ソフトクリーム」と「いなり寿司」、お気に入りの場所は「小室山公園」でした。

伊東市の観光課の方々にヒアリングしたところ、地元の方がよく行く喫茶店の看板メニューにソフトクリームがあると伺い、採用させていただきました。いなり寿司も地元の方に有名なものだそうです。お気に入りの場所である「小室山」は、アニメの第一話にも出てきましたが、伊東市には小室山という山があって、自転車で走っている人が多く、とても綺麗な景色が見られる場所だとおすすめいただいたたんです。競輪場や地方自治体の方々と一緒に、アニメを作り上げているのも『リンカイ!』の特徴かもしれません。

━━コンテンツグループには、どのようなメンバーが所属していますか?

コンテンツグループにいるメンバーのスキルセットは、みなバラバラでユニークです。例えば、アニメのプロデューサー、マンガの編集者、イラストレーター、海外へのコンテンツ展開担当、アパレル販売経験者、玩具の流通を手がけていた人など。それぞれのスキルを活かすことで、メディアミックスをうまく進めることができています。

コンテンツを通じて、会社の他事業とシナジーを生み出したり、コンテンツ業界とのパイプ強化のなかでMIXIならではのコンテンツづくりやコンテンツ展開に興味がある方にはとても刺激のある環境だと思いますね。うちの事業は良くも悪くも状況が変わりやすく、次々と新しい事業が生まれていくので、そこにフィットしてコンテンツを生み出していくことに面白味を感じていただけると思います。

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