ユーザーさんを喜ばせるデザインがこんなにハッピーに感じるなんて 〜新卒1年目 成長の軌跡 #06 〜

ユーザーさんを喜ばせるデザインがこんなにハッピーに感じるなんて 〜新卒1年目 成長の軌跡 #06 〜

2017年4月にミクシィグループに入社して早1年。社会人としても成長を始めた新卒入社スタッフの軌跡を、シリーズでお伝えしていきます。どんな苦悩を乗り越え、成長への一歩を踏み出したのか。リアルな“1年目”の声をお届けします。

 

6回目は、デジタルエンターテインメント事業本部 ファイトリーグ事業部 アートグループ 2Dアートチームに所属している向後。学生時代から描くことが大好きだったそうです。社会人になりデザインに向き合う意識が、学生時代とは変わったとのこと。その理由を聞いてみました。

デザインを幅広く経験できることが決め手
━━━━まずは、大学時代の専攻から。

情報デザイン学部の情報デザインコースに所属して、デザインについて幅広く学んでいました。UI/UXだったり、空間デザインだったり、エディトリアルで本を作ったりしていました。卒業制作では、動物の生態をことわざにして、人間の学びに生かすといったテーマで100ページを超えた画集を作りました。

━━━━動物の生態をことわざに?

あくまでオリジナルですけどね(笑)。例えば、「トナカイ 子に 音を送る」など。トナカイは雪国で群れで暮らしています。自分の子供を目で追っていても、豪雪地帯だと見失ってしまうんですよ。だから、自分の踵で音を鳴らし、子供を正しい道へ導くんです。それをヒントに「どんな険しい環境にあっても親はいつでも子を正しい道へと導いてくれている」という意味の生態を学びながら人間としての学びを得ることができることわざなどを100種類ほど作りました。というのも動物が大好きで…大学時代にも動物園に足繁く通ってデッサン等をしていました。

向後が手掛けた「自主制作イラスト」

━━━━なぜミクシィグループへ?

もともと『モンスターストライク(以下モンスト)』が好きでしたし、学部の先輩でミクシィグループへ進んだ方がいらっしゃったんですね。穏やかな雰囲気で面白くやっているよ、と話を聞いたので興味がわきました。IT企業って体育会系のイメージがありまして、自分の性格と合わないかなと思っていたのですが…あれ?ミクシィってそうじゃないかも?って。

━━━━実際、ミクシィグループはいかがでした?

インターンシップなどに参加できなかったため、自分でミクシィのことをがっつり調べました。就職するならゲーム業界かな、という漠然とした思いはあったんですけど、ミクシィってゲームだけじゃないんだ!とわかっていって。というのも調べていくうちに『minimo』や『Poiboy』など、幅広い事業を展開していることを知り、幅広くデザインについて学んでいる自分の大学生活とリンクしたんです。ゲームひとつとっても直接のゲームデザインだけでなく、商品展開にも積極的で色々なデザインが経験できるな、と魅力的でした。

先輩をマネる、そこから視野を広げる

━━━━入社後の具体的な業務内容は?

2Dイラストレーターとして『ファイトリーグ』のキャラクターデザインをしています。

━━━━具体的にキャラクター制作ってどのように進めていくのですか?

こういったキャラクターを創っていこう!というMTGをイラストレーター間で実施して、その案をもとに、自分でゼロからキャラクターを生み出していきます。

━━━━「こういうキャラクターを作り出していこう!」ってどうやって決めるのでしょうか?

期間ごとにキャラクターの制作数が決まっています。まだ扱っていないモチーフを探して、他の登場キャラとデザインが被っていないかなど全体のバランスをみながら制作を進めます。例えば、近未来的な女の子のキャラを作ることが決まった場合、近未来的なモチーフとはなんだろう、というところから案を出していきます。案を元に、個人でキャラクターの大ラフをつくって、イメージを固めます。そして毎朝、チームでクリエイティブを精査してブラッシュアップ。この方向で行こう!と決まったら、線画に取り掛かり、作成を進めます。

━━━━1体の制作期間は、早くてどのくらいですか?

4~5日くらいですね、時間がかかると10日程度でしょうか…制作スパンは短いかと。別チームに3Dイラストも同時並行して作成してもらうので、キャラクターの前面・側面・裏面を3D設計画として書き起こします。2Dと 3Dで違いが出ないようにしています。

━━━━先輩からの赤入れはけっこうありますか?

構図ラフ、色ラフ、線画、着彩‥各工程で必ずフィードバックをいただくようにしています。そして先輩と話し合いながら細かくつめていきます。またチーム全体で毎朝必ずクリエイティブ確認のMTGを実施しています。その中で、意見をいただくので、それを反映させるかどうか、自分で検討します。

━━━━1年間、業務に携わり、何が一番難しかったですか?

ファイトリーグのリリース前に配属が決まり、当時はファイトリーグの世界観に自分の絵をどう落とし込んだら良いのか、「良いキャラクター」とされる方向性が判断しづらかった時期でもありました。描く作業というか、自分の中でこういうキャラクターを作りたい!というビジョンが出しづらかったです。

━━━━どうやって克服しましたか?

とにかくまわりとコミュニケーションをとりました。イラストに落とし込むことについていろんな先輩の話を聞いて、自分では気付かない技を盗みました。

━━━━具体的には?

例えば、「ヒーロー」を描く場合、私の中では「ヒーロー=戦隊モノ」というイメージがあり、自分の頭の中にあるものを元にすぐに描く作業をしていました。しかしある先輩の考え方にハッと気付かされまして…。

先輩は、日本の戦隊ヒーローやアメコミヒーローなど多数の引き出しを持っており「ジャンルを細分化して、条件をしぼっていくというアプローチ」で進めていました。その上、「頭の中のイメージをテキストで表現できるぐらいに具現化」させていました。

━━━━デザインの前段階として、テキストレベルで表現されていたのですね。

ええ。自分が既に知っている知見でしかイメージできなかったため、調べ方において視野が狭い状態だったんですね。先輩を見て、知っている情報の引き出しの数が多ければ、より細分化や具現化の仕方もうまくなると気付きました。それからは、参考文献をリサーチするときも、ルーツや歴史背景なども細かく調べるようになりました。

━━━━スキルアップしたことでよりインスピレーションも反映させやすくなりますね。

そうですね。自分の中で、イメージが固まっているとして、その理由をきちんと伝えてまわりとコミュニケーションをとり、自分の頭の中を言語化できると、デザインがしやすいなと思います。

「ユーザーさんのために描いてるんだ」と気付けた
━━━━それに気づいてからは成長につながりましたか。

そうですね。実際に10体ほど、キャラクターをリリースしましたし、これから世の中にどんどん出ていく予定で楽しみです。また配属当初、躍動感があるファイトリーグのキャラクターの構図の取り方や、空間を演出することがうまく表現できず、絵が平らな感じになりがちでした。そこから塗り方やグラデーションの落とし方など、細かい調整の技術やイラストスキルを研究して徐々にファイトリーグらしい構図感や空気感を演出できるようになりました。

向後が手がけたS級の既存キャラのスタイルチェンジデザイン

 

━━━━なかなか一人でやっていると気付けない点ですね。

ファイトリーグのようなデザインテイストは、入社して初めての経験でしたので、スキル面ではとにかく学びが多かったです。オブジェクトに対してボカシを入れて距離感を出す、ハイライトの色も位置によって変える…同じ効果の中でも、やり方によってイラストに奥行き感を出せると知りました。指摘をいただく前に、自分で気付けるようにだんだんとなりましたし、赤入れの回数も初期に比べたら減ってきているので成長しているな、と。

━━━━マインド面ではどうでしょうか?

「ユーザーさんに楽しんでもらうために」という意識変化がありました。学生時代は自分が描きたいものを描くといった意識が強かったと思います。しかし実際に自分が描いたキャラクターがリリースされ、ネット上での反応を見たり、オフラインイベントで実際に声を聞いたりすると、「描いてよかったなあ」と心の底から思います。また、「ユーザーさんに面白さや驚きを届けることができる嬉しさ」を改めて実感することができました。趣味で描くのとは違った楽しさがありますね。

━━━━ユーザーさんのためにもっともっと魅力的なキャラクターを描きたいですね。

そうですね。良い意味でユーザーさんを驚かせる、期待値以上のキャラクターを作り出していきたいです。なんのために、自分はキャラクターを描いているのか。ユーザーさんのためだ!と気付けてからは、より一層その想いが増しました。ちなみに…クリスマス限定降臨キャラを描かせてもらったのですが、普通だったら、サンタコスチュームを身にまとった可愛いキャラクターを想像すると思いますが…

「クリスマスを楽しんでいる人をみて、怒りで暴れまわっているクリスマスツリーのキャラクター」を描いてみました。クリスマスって楽しいだけじゃない人もいるよね、お仕事頑張っている人もいるよねという事実からアイデアを湧かせました。このキャラを出した時に、「ファイトリーグらしい」「ファイトリーグだからこそ出せるキャラクターだよね」というご意見をユーザーさんからもらったことが本当に嬉しかったです。配属当初に抱えていた「どう描いたらいいんだろう」という悩みがユーザーさんの声で解決できたように思いました。

━━━━今後の課題、は何でしょう?

イラストのスキル面では、構図において勢いを大事にしすぎて、見せたいものが見せられない構図になってしまったり…と細かい部分がまだまだ未熟なので改善していきたいです。マインド面ですと、目の前のキャラクターデザインばかりではなく、大きな視野を持ちたいと思っています。一段階上の目線というか。他チームの人ともコミュニケーションして自分から情報を取りにいって、ファイトリーグというゲームの現状や全体像をみられるようになれたらいいな、と。

ミクシィグループのデザイナーは、何にでも興味をもち、自分の知識や経験の引き出しを増やしどんどんチームにアウトプットしている人が多いので、私も興味関心の軸を増やしていきたいと思っています。

 

 

– – – – – – – – –  ※※※ - – – – – – – – –

■ pick up! ■

失敗こそ学びの力に!貪欲にチャレンジし続ける ~新卒1年目 成長の軌跡~#5
新人デザイナーには無茶ぶりを?突き抜けて成長できる「minimo」の仕組み

 

PAGE TOP