ミクシルでは、新卒スタッフの成長をシリーズでお伝えしています。どのような成功体験や失敗体験を経験し、どんな風に成長したのか?スキルやマインドの成長に大きく役立ったターニングポイントとは?について迫ります。
今回ご紹介するのは、『家族アルバム みてね』(以下みてね)アプリ開発チームのエンジニアとして活躍する大倉さんです。社会人としてエンジニアとして成長し続けている大倉さんの、今の思いに迫りました。
大倉 真一希
2022年新卒入社。みてね事業部 アプリ開発チーム エンジニア
人と話すのは苦手。でもコミュニケーションに興味があった
━━はじめに大倉さんの学生時代について教えてください。
高専から大学へ編入し、すばる望遠鏡の観測画像データや知識グラフの研究をしていました。またプライベートではSNSのアプリ開発に取り組んでいました。私はもともと人と話すのが得意な方ではなく、どうしたら人と上手く分かり合えるのか?ということに興味があり、また自分と似たタイプの人が楽しんで話せる場所はないかと考えていて、実験的なコミュニケーションSNSを開発していました。
━━具体的には、どのようなアプリですか?
「手紙」という長文形式で見知らぬ人と匿名で会話できるというものです。アプリを通じて、自分が日常的に考えていたことについて、立場の違う色々な人とお話しでき、求めていたのに近いコミュニケーションの場を作れたことにとても感動した思い出があります。学生時代に学んだ、自ら課題を見つけて解決方法を考え、アウトプットするプロセスは、社会人になった今でも役立っていると思います。
━━インターンの経験も?
就職活動をする前に一度働く感覚を掴んでおこうと思い、休学して働いた経験があります。ただ、そこでは自分の学びを優先しようとしたり、協調性があまりなかったりでクビになってしまったんです。
━━それは苦い思い出ですね……
そうですね。ただ、思い返してもそうなって当然だったし、会社員としての大前提を学べたとてもいい経験でした。その経験から、社員として働くならば、会社やチームへの貢献を第一に考えるべきと思うようになりました。
また、関わっていた事業が赤字で、そのためにチームの雰囲気が悪くなったりサービスが終了することも経験して、いくら仕事や環境が楽しくても利益を出さなければ終わってしまうのだということも痛感しました。ですので社会人になったらエンジニアリングに関わらず、可能な限り事業や会社全体に貢献できるようになろうと考えるようになりました。
━━就職活動ではどのような企業の選考を受けていましたか?
主にIT・WEB系企業の選考を受けていました。MIXIはゲーム会社という印象がありましたが、企業研究を進めていくうちに「「コミュニケーションという大きなこだわりを掲げて、そこを崩さずに利益を追求している企業」だと分かり、魅力を感じるようになりました。こういった事業方針に加え、働く人の雰囲気も自分に合っていると感じ、入社を決めました。
リリース一週間前に痛恨のミスが発覚
━━入社後は、どのようなキャリアを歩んできましたか?
入社後は『みてね』事業部に配属となりました。入社2ヵ月はオンボーディングタスクをこなし、その後は『みてね』のデジタルプリントや写真アルバムなどの商品サービスを扱うチームに配属され、配送関連や商品関連、外部連携を伴うサービスの開発に携わっています。
━━入社から今までで一番思い入れのある仕事は何ですか?
成功したプロジェクトより、失敗したプロジェクトのことのほうが印象に残っているかもしれません(苦笑)。海外チームとの連携機能をつくるプロジェクトで、私がシステムの仕様や設計、スケジュールをヒアリングする役割を担っていました。打ち合わせの段階で、最終的な期限をしっかり確認していなかったため、実際のリリース日の1週間前になっても、開発が完了していないという問題が発生してしまったんです。
━━それはヒヤッとしますね…。
はい。その原因は、自分の理解内容が、相手とコンセンサスがとれていなかったことにあります。このミスを通じて、コミュニケーションの難しさを肌で実感しました。相手の要求をきちんと突き詰めて、スケジュールを組まないといけないなと。
━━ちなみに、その案件はどうやってリカバリーしたんですか?
設計自体はすでに決まっていたので、チームの方に実装のサポートをしてもらい、無事に機能をリリースすることができました。この一件以降も、コミュニケーションに関するミスは何度か起こしてしまっているので、引き続き改善できるよう取り組んでいます。
━━経験を積みながら改善を図っている最中なんですね。大倉さんの仕事のモチベーションは何ですか?
自分がつくった機能が問題なく動いて実際に利用されているときは、何度経験しても嬉しいです。また、サービスやチーム内の課題を見つけて解決案を考えることもやりがいの一つですね。自分が提案したプロセスなどが、チーム内に浸透したときは達成感があります。
MIXIに入社してエンジニアの仕事の概念が変わった
━━入社当初と比べて仕事の進め方は変わりましたか?]
入社前は、「エンジニアという仕事は、エンジニアリングの範囲内で自分の取り組む課題を特定して解決する」ことだと思っていました。でもMIXIに入社して、チーム全体の開発プロセスや仕組みをより良くしていくにはどうしたらいいのか?ということまで考えられるようになり、自分の視野の広がりを実感しています。
━━そうなんですね。その成長のきっかけは何だと思いますか?
みてね事業部のプロダクト開発部はスクラムを導入していて、職能の垣根をできるだけ無くしていこうという文化があります。それが大きいですね。自分はエンジニアリングをベースとして、サービスに必要なことを考えたり、知識を身につけていく意識で仕事に取り組んでいます。
━━直近では、どのような取り組みをしていますか?
良い施策とは何かや、どのような指標で施策を測定すべきかの考え方について、チーム内で共通認識を持てるようにするために、業務時間内に輪読会を開催しています。
というのも、チーム内の振り返りで施策の結果の計測や振り返りを強めていきたいという話がでて、参考になる書籍がないか探していた際に、プロダクト開発に必要な指標の設計や、フェーズごとに取り組むべきことなど、とても参考になるものがあったので、チーム全体の共有認識をつくるだけでなく、施策のアイデア出しの参考になったり、より施策の効果の振り返りがしやすくなるプロセスが作れそうと思い、始めてみたんです。
━━チーム全体の開発力の底上げを図るために始めたんですね。
そうですね。本を読むだけでなく、社内の同期エンジニアとも情報共有をしています。別の輪読会を開催している同期もいるので、ときにはその会に参加することも。携わっているプロダクトは違えど、技術的に似通っている部分もあるので、チーム開発の仕方とか雰囲気を聞くことが多いですね。
尊敬する人たちから学び、サービスの成長を支えたい
━━今後の目標について教えてください。
現在はちょうど新規商品の開発が終わったところで、次のフェーズは何に取り組むかを探る段階に入っているのですが、これからも自分の開発に関して一定の信頼を得られるように努力していきたいです。また、サービスに必要なことがあれば、引き続きできるだけ対応していきたいと思っています。
━━取り組むテーマがトップダウンで指示されるのではなく、自分たちで決めるスタイルなんですね。
そうですね。メンバー全員で案を出して、チームでどう進めていくのが一番良いか?ということを決めています。『みてね』は、既存の実装機能を新しくつくろうとすると、変更しないといけない部分が多く、その影響範囲がいろんなところに及んでしまうんです。そのため、現状を適切に理解して、実装以外の施策のスケジュールや仕様決定などの業務も広く見て、リリース予定日に間に合うよう進めていきたいなと思っています。アイデア出しの場で、精度の高い意見を出したり、色んなプロセスを改善したり変えたりしてチームのアウトプットをより大きくするということも目標の一つです。
━━今後『みてね』をどのように発展させていきたいですか?
継続的なサービス拡大と、安定したサービス提供がみてね事業部の大きな目標です。それを支えるためには、売上を上げることも重要なので、その目標にちゃんと貢献できるように取り組んでいきたいと思っています。プロダクト自体でいうと、デジタルプリントや写真アルバムなどの物流商品を、一人でも多くの『みてね』ユーザーに知っていただき、実際にプリントやアルバムが届くと「すごく嬉しい」という体験を味わっていただきたいです。
━━商品のバリューをたくさんの人に知っていただきたいと。
そうですね。そのためにエンジニアとしてより早くかつ品質も高く、技術負債の少ない形で開発できる力をつけるだけでなく、サービスのためにできることは何でも実行するようにしていきたいです。
━━将来はどのようなキャリアビジョンを描いていますか?
特にエンジニアリングに関わらず、できる範囲を広げていきつつ、そのとき重要なことに取り組んでいけたらいいなと思っています。どの範囲まで手を広げられるかは分かりませんが、自分がいることによって事業が良くなる存在を目指していきたいです。また、一緒に働きたいと思ってもらえる人になるのも目標です。
みてね事業部の中には、ロールモデルになる方が多く、全員尊敬しています。一人ひとりが「ここがすごい」というものを持つスペシャリストばかり。みなさんの素晴らしいところを少しずつ学んでいきたいです。学ぶべきところが多い刺激的な環境なので、本当に恵まれているなと感じています。