ミクシィグループに新卒として入社し、数年のキャリアを歩んできたメンバーに、これまでのキャリアや携わってきた業務について振り返ってもらうインタビューを実施。入社時の心境、ターニングポイント、そしてこれからのキャリアビジョンについて迫ります。
#4は、2014年に入社し、現在は新規事業の開発リーダーを務めている信夫(しのぶ)。未経験の分野に果敢に挑戦し、自らの可能性を広げ、スキルを磨いてきました。その原動力となる姿勢や意識はどのようなものなのか、インタビューしました。
信夫 裕貴 キャリア年表
年 | 主な業務内容 |
---|---|
2014年 | 「モンスターストライク」サーバーサイドチームに配属。未経験ながらも、サーバーサイドの開発に携わる。 |
2015年 | 「ブラックナイトストライカーズ」立ち上げからサーバーサイドの開発に携わる。 |
2016年 | 「ブラナイダッシュ」の開発リーダーに就任し、サーバーサイドの開発を担当。 |
2017年 | 新規ゲームの開発リーダーに就任し、開発を担当。 |
2018年 | 継続して新規事業の開発に携わる |
新たな領域を学びたいという、欲求
━━━━入社後の配属は、「モンスターストライク(以下モンスト)」のサーバーサイド開発でしたね。
はい。初めてのことばかりだったので大変でした。入社当時、ゲーム制作に関わりたいと思い、モンストの開発に希望を出していました。でも、僕のイメージではクライアントサイドだったんです。
━━━━クライアントサイドではなかったのですね、不安だったのでは。
サーバー側自体、未経験だったので不安でした。しかも、学生の頃に練習で1回書いたぐらいしかない、Rubyだったので。モンストのサーバーサイドは2名配属されたんですけど、海外と国内各1人ずつだったので、周りに揉まれつつ、1人でやっていく感じでした。ついていくのが大変でしたね。
━━━━どのようにキャッチアップしていったのですか?
これは現在も変わらないんですけど、配属された人が開発環境の構築などの最初の導入の手順をやりつつ、古い記述を直していきます。僕も環境を構築しながら、次に入社してくる人向けの資料を作成しました。そうすることで環境や使用されている技術などのキャッチアップにもなりました。周囲は皆忙しかったので、必然的に自分で調べる必要がありました。それが自分のためになったのかなと思います。
━━━━実作業の中で、技術的に大変だったことはありますか?
そもそもRubyが初めてで、最初に渡されたタスクができませんでした。書き方が分からなかったんです。モンストには独自の書き方があり、調べても分からないところもあります。そういう部分は、既存のコードを読みつつ、周りではどういうことをやっているのか、見ていきました。
━━━━具体的にサーバーサイドの開発では何をされたのですか?
最初はチート対策です。そこで、基本的な書き方を学びながら具体的な機能の開発をしていこうということになって。経験値アップキャンペーンの実装、売却のコインアップキャンペーンなどに関わりました。そして夏くらいに、もう少しステップアップした内容のサーバーサイド開発にも挑戦しました。
━━━━順調にステップアップできたのですね。
実装には1ヶ月かかりましたが、その前にもテスト駆動や、プルリクエストなど幅広い知見を得ていたことでしょうか。その経験で、コードレビューやテストを書くことの重要性が分かっていたのが大きかったです。実機やPC上で動かしてみること、また手元で確認をするということとか、細かいチェックを欠かしませんでした。クライアントエンジニアやプランナーの方とよくコミュニケーションを取り、不明点や、解決策などを頻繁に話していたことも成功の大きな要因です。
━━━━逆に、最大のピンチはありましたか?
モンストのゲームイベントの部分を改修したところ、リリース後にツイッターで「バグった!」という報告がありました。あれはもう、ドッキドキしました(苦笑)。実際に動いてるサービスに、自分でコードを書くことの影響力を痛感しました。モンストのような大規模なサービスは、すぐにユーザーからの反響があります。やり甲斐がある反面、緊張感もあります。
━━━━バグの原因は何だったんですか?
テストが不十分だったことです。考慮していたケースが全然足りていなくて、細かい特定の状況でバグることを想定していなかったんです。
━━━━なるほど。テストの必要性を改めて感じられたというわけですね。ちなみに1年目のキャリアって検討していましたか?
学生の頃からゲームを制作していたので、漠然とゲーム制作に携わりたいとは思っていました。でも、ゲームは専門ではなかったので諦めていましたが、ミクシィでゲームに関われるものなら、ぜひやってみたいと思っていました。入社当時は、まさかゲームを制作できるとは思っていなかったので、運命的なものを感じましたね。
ゲーム制作への熱い想い。挑戦の日々は続く
━━━━2年目は、引き続き「モンスト」に関わっていたのですか?
はい。それで7月くらいから、「ブラックナイトストライカーズ(以下ブラナイ)」に関わり始めました。ある程度ゲームのベースができた状態というタイミングでした。
━━━━どういう経緯で、「ブラナイ」に関わることになったのですか?
1年間モンストのサーバーサイドを開発して、次に何をしたいかという話になって。モンストの海外版のサーバーサイド、モンストのクライアントサイド、新しいゲームの立ち上げ、という3つの選択肢があって。そこで、新しいサービスの方に行きました。
初期段階から関わっていかないと、機能開発はできても、根本的な部分が分からない。ゲーム制作の全体を理解しているとは言えないと思ったからです。
━━━━「ブラナイ」はどれくらい担当されたのですか?
そうですね、リリースからクローズまでやっていたので、2015年の夏から2年くらいですね。「ブラナイダッシュ」クローズの時期に、クライアントサイドのプロトタイプの開発に移りました。2016年の7月〜8月くらいの時期は、「ブラナイ」を開発しつつ、「ブラナイダッシュ」にも関わるという期間がありました。
━━━━「ブラナイダッシュ」にはどのように関わったのですか?
最初からプロジェクトを進めていきました。APIサーバーの立ち上げ、リクエスト、レスポンスを受けるという初期設定からです。サービスはクローズになりましたが、立ち上げからリリース、リリース後の機能の追加や改修などひと通りやれましたし、「ブラナイ」の時から任せられてきた、開発側のリーダーを引き続き務めることもできました。
━━━━初めてのマネジメントで、部下とのコミュニケーションにおいて工夫点はありましたか?
基本的には、モンストで見てきたリーダーのマネジメントスタイルを継承しました。1on1でコミュニケーションを取ったり、タスクを渡すフローなど。必要に応じて丁寧にコミュニケーションを取ることを心掛けました。
━━━━2年目で「ブラナイダッシュ」のリーダーになるというのは大変じゃなかったですか?
そうですね、大変でした。入社時にはサーバーサイド自体が初めてという状態だったのに、その次の年に「ブラナイダッシュ」をゼロイチで進めていけるのだろうか、という不安もありました。
サーバーサイドとクライアントサイドの隙間を埋めたい、という想い
━━━━2年目になって、意識の変化や行動指針などはありましたか?
まず、サーバーサイドの開発をゼロイチでやり始めて分かったことがありました。クライアントサイドの技術制約などの事情がわからないという事。局所的しか見えていなかったので、サーバーチームの代表として進めていくうちに、よりクライアントサイドやプランナーの事情も分かっていく必要があると痛感しました。それで、意識的に全体を見て、どのように折衷したら良いのだろうと考えるようになりました。当時は特にクライアントサイドのUnityの理解が不足していたので。
━━━━両方を知る事で、効率よく仕事を進められると考えるようになったんですね。
はい。当時、Unityの仕様や技術理解が不足しており、クライアントサイドで必要とされるものが想定できていませんでした。特に通信に絡む部分は両方見えると効率良く話が進みます。
━━━━なるほど。その後意識の変化はありましたか?
そうですね。もっと全体を理解できるようになりたいと思うようになり、クライアントサイドの知見をもっと理解したいという気持ちが大きくなりました。キャリアのビジョンで言うと、ゲームを1本作れるようなノウハウやスキルを身に付けたいと。
━━━━想いが加速していったという感じですね?
はい。そこから段々と想いが発展して、ゲーム1本作るにはどういう知見が必要なのかと思うようになりました。自分は今までサーバーのアプリケーション側や、APIの開発しかやってなかったので、それ以外のことを知りたいと。それで、2016年の11月くらいにクライアントサイドの開発に移りました。
━━━━クライアントサイドではどのような開発をされたのですか?
社内でプロトタイプを開発している部署に異動し、4ヶ月くらい開発していましたね。でも、制作しようとしていた内容が、ユーザーのニーズと噛み合わないのではないかという結論に至り、残念ながら世に出ることはありませんでした。
━━━━それは残念な結果でしたね。
そうですね。辛いものがありましたね。そんな中、社内では複数の新規事業が立ち上がっていました。その中にゲーム開発もあったので、異動を希望しました。2017年の4月くらいのことです。
━━━━なぜそのゲーム開発を選んだのでしょうか?
自分が好きなゲームのジャンルだったのと、他の案件は少し開発のフェーズが進んでいて、ゼロからできるというのが魅力でした。
━━━━新規事業となると、挑戦の連続ですよね。
はい。全くの新規となると、ビルドや配信システムなども含めて、システムそのものを作っていくところからのスタートです。そうなると、必然的にサーバーサイドとクライアントサイドの両方を理解することが必要になります。全体を見ながら開発環境を整えていくのは、チャレンジングなことでした。
━━━━技術選定も必要ですよね。どのように決めたのしょうか?
まずは実務として耐えうるものかどうか、きちんと使えるのかというところを検証します。基本的にはメジャーなものから選択するケースが多いです。足りないものは機能要件から探していきます。
━━━━仕事の幅を広げていくことに負担を感じていませんか?
そうですね(笑)。でも、これまでも僕はコードを書くのも好きなんで、マネジメントだけではなく、開発も同時にやっていました。それは現在でも同じです。自分の興味に限界を作りたくないんです。「隙間を埋められるような人になりたい」という想いがあります。クライアントサイドとサーバーサイドの両方を理解している人が間に立てれば、それぞれの事情に沿った最適なことを考えられると思うので。
ミクシィで成長してきたからこそ想う。「職場=研鑽の場」でありたいと
━━━━これまでミクシィで挑戦し続けることができた理由は何ですか?
これは自分でゼロから開発する時にも実感しているのですが、社内に参考になるものが沢山あるので本当に助かります。ミクシィには多種多様なジャンルのプロダクトが豊富にあるので、「あのプロジェクトではどういうノウハウを使っているんだろう?」と調べられたり、エンジニア同士のコミュニケーションが取りやすい。この環境こそが、僕の挑戦を助けてくれたと思います。
━━━━働く環境って大切ですよね。
本当にそう思います。入社当時は、これほどフレキシブルに動けるとは思っていませんでしたが、ミクシィでは興味とやる気さえあれば経験できます。そんなオープンでフレキシブルな環境が、ミクシィの魅力だと思います。僕の場合は、分野を限定せず、オールラウンドで動けるエンジニアになりたいと思っていました。ミクシィでは、いろいろできると活躍の幅が広がると思います。僕自身、技術的な引き出しを増やしたいと思っています。与えられるものを待っているだけじゃ引き出しは増やせない。自ら学んでいく、吸収していく、成長していく。そういう姿勢を持つことは大切です。
━━━━今後はどのようなチャレンジをしていきたいですか?
最近では、全社的なエンジニアの成長に目を向けていきたいです。2017年の末くらいからエンジニア間での情報共有会も始めました。ちょうど、同じようなものを複数のプロジェクトで作っていたので、情報を共有できた方が効率が良いと思ったのがきっかけです。気軽に情報を共有したり、教え合うような場を作りたかったんです。それがミクシィグループに在籍するエンジニアの、全体的なスキルアップに繋がればと思っています。
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