2018年4月にミクシィグループに入社して1年。社会人としても成長を始めた新卒入社スタッフの軌跡を、シリーズでお伝えしていきます。どんな経験を積み重ね、この1年を歩んできたのか。そして、その先に見えてきた夢や目標は?リアルな“1年目”の声をお届けします。
吉岡はデザイナーとしてミクシィグループに入社。子どもの頃から絵を描くことが大好きだったという彼女は、大学時代に経験したインターンシップの時からミクシィに入社したいという2年越しの念願を叶えました。明るく朗らかな彼女が時折見せる強い眼差し。その根源にある想いを語ってもらいました。
描くことは、コミュニケーションのひとつ
━━━━大学ではどんなことを学んでいましたか?
情報デザイン学科メディア芸術コースを専攻し、メディアに関する美術について学びました。例えばデジタル、CG、アニメーション、カメラや、アナログな立体物、絵画の制作まで。「自分が表現したいことに適した技法は何だろう」と考えていました。
━━━━大学時代に経験したことで「現在の仕事に活かせている」と思うことはありますか。
大学の同級生と一緒に、数名で絵を描いていました。「こういう世界観でキャラクターを作ろうよ」「こういう女の子を作って」「じゃあ、その彼氏も作って」という風に、設定から話し合って描いていく。そうするとキャラクターの内面まで理解して表現できますから、より創作が楽しくなります。それは今やっていることと、あまり変わらないことでした。
━━━━創作がコミュニケーションのひとつになっていたんですね。
そうですね。線画が好きな人や塗りだけで描いていく人などみんなさまざまな作風でしたし、楽しいだけではなく、刺激的でした。
インターンシップで体験した「プロの現場」
━━━━就活の話を聞かせてください。ミクシィに入社しようと思ったのはなぜですか?
大学時代、ミクシィのインターン説明会に参加した時、社員の方が「自分がやりたい事をやらせてくれる会社。」と話しているのを聞いて魅力を感じ始めました。そして「モンスターストライク(以下モンスト)のモンスターイラストは、どんな風に作っているのだろう?」という興味もありました。
あと何よりも、モンストが大好きだったからです(笑)。モンストリリース直後からのファンでした。ゲームとしての面白さに加えて、イラストの作風が大好きなサービスでした。
そんな会社やサービスへの興味から、大学3年の夏休みに1ヶ月間、インターンシップを経験しました。
━━━━インターンシップではどんなことをしていたのでしょう。
一番印象に残っているのは「獣神化モンスター」のボール絵を担当させていただいたことです。しかもその時は、獣神化キャラクターが出始めたばかりで、話題になっていた時でしたから「そんな重要なキャラクターを触らせてもらえるの?」って思いました。
━━━━凄い!そんな責任のある仕事、怖くなかったですか?
怖かったです。全然やったことがない仕事だったので、どうやったら出来るの?っていう疑問から始まりました。制作段階としてはレタッチというフェーズの作業です。具体的には、着彩まで出来上がっている絵がゲームの中で美しく再現できるように、細かい部分まで手直しする作業です。今だったら2~3時間、早ければ30分で仕上げるものが、最初は1週間かかりました。でも、大好きなモンストのイラスト制作に関われるのが嬉しい、そんな気持ちでした。
━━━━インターンシップで感じたことを教えてください
先輩達を見て、単純に「凄い人達だな」と思いました。もの凄いスピードで仕上げていくし、同じ構図を使わないんです。例えば同じ剣を振り下ろす構図でも、全然見せ方を変えて、そのキャラクターの良さや個性の活かし方を追求している。同じポーズを取っていても、見せ方を変える技術を完璧に極めている。キャラクターデザインのプロ意識を肌で感じました。このように「仕事としてイラストを描く」というノウハウを手取り足取り教えてくれたのがミクシィの先輩達でした。
また、学生の私に対しても隔たりなく、対等に意見を聞いてくれました。たとえ間違えたことを言っても、否定せず細かいところまで丁寧に教えてくれて。
仕事面だけでなく、ランチなどの時にも気さくに話してくれました。そんな先輩達の温かい人柄に惹かれました。ここなら「自分が成長していける」と確信しました。
━━━━「キャラクターデザインのプロ」に成長できる環境だと感じたのですね?
はい。それまでは絵が好きと言っても、自己満足で良かった。でも実際にユーザーの方に提供するとなると、どう見やすく表現するか、どうしたら印象に残るデザインや構図になるか、などの視点が求められることに気づかされました。とはいえ、仕事が楽しくて、夢中でした。だから、インターンシップが終わった後も週3日フルタイムでアルバイトをさせていただくことになった時は、とても嬉しかったです。
━━━━大学の勉強との両立は、大変ではなかったですか?
教職課程のために確保していた時間を、教職課程を履修せずに、ミクシィでの仕事に充てたという感じです。
━━━━大学生としては大きな決断ですよね。
そうなんです。親にも驚かれました(笑)。ミクシィで働きたいという想いはあっても、本当に就職できるか分からない。もしかしたら教職課程を選択しなかったことを後悔するかもしれない。将来のことは分からなかったけれど、かじりついてでもやろうと思いました。でも「ガブッ」というような力強いものではなく「カプッ」と、やっとかじりついた、みたいな感じ(笑)。それが私の「修行の始まり」でした。
ハードルを乗り越えて、見えてきた目標。
━━━━入社が決まった瞬間の想いを聞かせてください。
就活では、一応他社も受けてはいました。でも一番最初に内定をいただいたのがミクシィでした。会議室で直接、インターンシップの時からずっと気に掛けてくださっていた担当の人事の方から内定だと告げられた時「やったー!やっと入社できるんだ!」と、本当に嬉しかった。嬉しくて泣きそうになりました。
━━━━ミクシィに入社したいという、インターンの時からの夢が叶った瞬間だったんですね。
はい。インターンの頃からの念願が叶いました。自分の実力が「プロに認められるレベルに到達しているのだろうか…」という不安をずっと抱えながらアルバイトしていましたので、内定をいただけて「私に可能性を感じてくれたんだ」という想いで、胸が熱くなりました。
ミクシィでは仕事を教えて面倒を見てくれた先輩方だけでなく、周辺の部署や人事の方など、たくさんの方が温かく見守って、育ててくれたと感じています。
━━━━入社後はどんな仕事をしてきましたか。
インターンシップの時から仕事をさせていただいていた部署に配属されました。仕事は、主にモンストのモンスターデザインのディレクションをしています。ディレクションは初めての経験です。
━━━━具体的には、どんな業務内容ですか?
モンスターの設定などが書かれた「想定表」を元に、形にしていく仕事です。制作段階としては、ラフ、仕上げ、レタッチと進行していくのですが、外注パートナーさんが仕上げてくれた絵を構図から確認し、自分でも手を加えたり調整しながらチェックバックを重ねながら進めていきます。それを上司にも確認するというフローを繰り返します。
━━━━経験があるとはいえ、甘くないですね。
はい。私の教育方針を後日上司から聞いたのですが、若干の経験はあるから、全部任せてみようということだったようです。でも何か問題があったり、期限内に終えられなければ、先輩が巻きとれるようにしておくと言われていました。
━━━━性格に合った教育方針だったのかもしれませんね。
そうなんです(笑)。負けず嫌いの私は、「それは嫌だー!」という気持ちで頑張りました。でも、そんな厳しいことを言っても、しっかりフォローしてくれるんです。入社したばかりの頃は、分からないことや、できないことがあると勤務時間外でも先輩がしっかりフォローしてくれました。
━━━━1年間を振り返って、大変だった仕事はありましたか?
入社して2ヶ月くらいの時、大きなイベントがあり、そのイベント限定で降臨するモンスターの担当を任せられました。大事なリアルイベントで、しかもそのイベント限定で降臨するモンスターを担当させてもらえるなんて。ユーザーの期待も大きいですから、大変というか緊張する仕事でしたが、ユーザーの反応を直に感じられる良い機会になりました。
そのイベントの時に獣神化が発表された、メインのモンスターを先輩が手掛けていたのですが、その反響の大きさを目の当たりにして「こんな風にキャラクターをデザインできるようになりたい」という目標ができました。
試行錯誤から生まれた、仕事へのこだわり。
━━━━大変な仕事を乗り越えてから、意識の変化はありましたか。
そうですね、入社した直後は迷いがありました。「自分の好きなように表現して良いのだろうか。モンストらしい絵を意識するべきではないか?」と。まだモンスターデザインを深く理解できていなかったから、萎縮していました。
でも、大きなイベントでは馬が出てくるモンスターを担当したのですが「純白だけど、紫色の夜に輝く感じ」と、馬の肌の色や質感に至るまで細かいこだわりを持って、ディレクションしました。そして、そのこだわりを周囲が評価してくれたことで、自分なりのこだわりを持って良いんだと思えました。
イベントでモンスターが発表される時は、複数同時に発表されます。今は、そうやって並べられた時に、先輩達の作ったモンスターに負けたくない、存在感を放ちたい、そういう気持ちで仕事と向き合っています。
━━━━成果を感じるような出来事はありましたか?
モンストの5周年で発表された、3体の獣神化モンスターのうち1体のディレクションを担当しました。ユーザーの期待度の高いものを任せてもらえたんです。
あと、劇場版のモンストに登場するモンスターをゲームの中でも降臨させたりガチャが出たりするのですが、そのモンスターも担当させてもらえました。
さらにコラボ案件では、版権元企業の方とのやりとりも発生するような、責任感のある仕事も任せてもらえるようになりました。
━━━━密度の濃い1年でしたが、スキル面で成長できたと思うところを教えてください。
目線が変わりました。絵を見てすぐに、これから起こりうる問題や修正点などを予測できるようになりました。ラフを見て、良くない部分や活かせそうな部分などの判断もできるようになり、ディレクションもスムーズに進められるようになりました。また自分で描くときにもユーザーを意識し、より深くキャラクターと向き合えるようになりました。
━━━━プロとしての目線ですね。
そうですね。上司から「サービスってなんだと思う?」とインターンシップの時に聞かれたことがあります。その時には全く分からなかったんです。0点ですよね。でも、「ユーザーの方のために」という視点を持てている今は、きっとデザインで60点はもらえるかなと思います…60点は欲しいな(笑)まだ頭で分かっていてもできないということもあるし、未熟だと思う部分はありますが。
━━━━マインドの変化はありましたか?
最初はバタバタとして、納期が迫っているのに作業が上手く進められない時など、パニックになって、上司に「落ち着け!」と言われていました(笑)。そんな風に焦っていた私ですが、今は落ち着いて対応できるようになりました。「どこからボールが飛んで来ても、キャッチしてみせる。」みたいな感じですね。
━━━━マインドが変化した根源は何だと思いますか。
積み重ねてきた、経験と実績ではないでしょうか。1年って、短くて長いと思うんです。ボーッとしていたらあっという間に過ぎてしまうかもしれないけれど、意識的に努力していたら、十分成長できる時間だと思います。経験や実績が、どんどん自分の背中を押してくれる。追い風になってくれる。そう感じています。
━━━━前向きですね!ユーザーの反応が返ってくる仕事、怖いと感じる事はないですか?
あります。アルバイトの時に関わったモンスターイラストで、ユーザーからネガティブな評価をもらったことがありました。新しいモンスターイラストを担当する時、それを思い返すと怖くなる時があります。でも、そのモンスターを表現した時に、私には明確な意思がありました。それを信じて表現したので、その時の自分の決断に後悔はしていません。
だから今は、「ユーザーに喜んでもらえるようなモンスターを作ろう。」と自分を奮い立たせて前に進んでいます。
━━━━メンタルも成長した1年でしたね。現在の課題などありましたら教えてください。
そうですね。上手くいかずに迷うと、やはり立ち止まってしまいます。その時にどう対処するかと悩む時間を減らしたいです。上司に相談するにしても、相談の仕方ですよね。問題を分析して具体的に、可視化して捉えられるようにしておくことが大切だと思います。
課題があるということは自分にまだまだ伸びしろがあるということだとポジティブに考えて、改善していきたいです。
━━━━最後に、今後挑戦してみたいことや目標などはありますか?
たくさんの子ども達が、私が作ったキャラクターを描いてくれたら良いな。子どもって自分の好きなキャラクターの絵を描きますよね?私は、そんな光景が見たいんです。
自分の世界観の中から発信したキャラクターが、たくさんの子ども達に愛されたら。これほど嬉しいことはないです。
確かに「こう描いたらウケる」というセオリーのようなものはあります。でも私が目指すのはそういうキャラクターではないんです。自分でゼロから生み出したい。
これはデザイナーとして一生の目標といえるかもしれません。
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