制度もサポートもある。だからこそ「成果を上げる時短の働き方」にこだわりたい〜仕事と私と子育てと #03〜

制度もサポートもある。だからこそ「成果を上げる時短の働き方」にこだわりたい〜仕事と私と子育てと #03〜

キャリアを築いていく上で見過ごせないのは、ライフイベントの存在。中でも、家事・育児と仕事の両立に頭を悩ませる方も少なくないのではないでしょうか?ミクシィ社員はどのような「育休体験」を経て、「復帰後の両立」を実現しているのか。今回は、2020年1月~2021年5月まで育休を取得し、復帰後は別部署にて部門の立ち上げに携わり、2022年5月現在『家族アルバム みてね(以下みてね)』で働く河田に話を聞きました。

河田絵美子(かわた えみこ)
2007年10月ミクシィ入社。SNS『ミクシィ』や『モンスト』のユーザーに対する広報業務を担当。ユーザーコミュニケーショングループのマネージャーとして、8名のメンバーをマネジメント。2020年1月から2021年5月まで、産休・育児休暇を取得。復帰後は、新サービス『TIPSTAR』におけるユーザーコミュニケーションの設計・運営に従事。現在は『家族アルバム みてね』のユーザーコミュニケーション担当。

 

マネージャーが育休で抜ける。不安がなかったと言えば嘘になる

━━育休を取得された当時、河田さんは『モンスターストライク(以下モンスト)』のユーザーコミュニケーショングループのマネージャーをされていたとお聞きしました。どのようなグループだったのでしょうか?
私を含めて9名で、マネージャーの下に8名のメンバーという組織体制でした。
『モンスト』の成長に沿って、ユーザーへ「イベント情報や新機能の使い方などの情報をもっと発信していきたいよね」という話になり、私が担当することになりました。

━━部門の立ち上げに携わっていらしたのですね。
ええ、最初は1人で始めて、プロダクトの規模が大きくなるにつれてメンバーが増えていき、今の形になっています。

━━部門立ち上げから数年が経ち、マネージャーが長期休みに入ることになります。
妊娠が分かった当初は、“マネージャーが育休を取った事例は社内であまり聞いたことがないけど大丈夫かな…”と不安な気持ちがありました。自グループの経歴は自分が一番長く、“私しか知らない施策の経緯や理由”があったのも事実でしたし、リーダーを置かず組織運営をしてきた中で、いきなりマネージャーが抜けてしまって大丈夫だろうか…と。

━━不安ですね。
ですが、グループとしては成熟していて、メンバーそれぞれが自律的に動けるようになっていました。自分が抜けても、安心して任せられる状態ではありましたね。

━━そうだったんですね。上司の方の反応はどうでしたか。
驚きつつも、喜んでくれました!そして、報告した時期が、まさに来期の組織を考えているタイミングだったので「抜けてる間、どういう体制にするか?」を一緒に考えていくことになりました。

まずは、これまでの「マネージャーとメンバーだけの体制」を変更。メンバーの中からリーダーを立てて、2チーム体制にしました。それから先ほど少しお話した“私しか知らない施策の経緯や理由”をドキュメントにまとめていき、誰が見ても分かるし、対応できる運用体制へと作りなおしていきました。

 

復帰時、用意された2つの選択肢。新しいチャレンジを選んだ

━━より強い『ユーザーコミュニケーショングループ』へと組織を見直し、その後、2020年1月から2021年5月まで産休・育休を取得されたわけですね。
そうです。休みに入ってからは、『モンスト』のユーザーとして、Twitterや公式HPに上がってくるイベント情報などを楽しみに見ていましたね。メンバーにも「あのイベント楽しみにしてる!」とメッセージを送ることもありましたが、それは上司としてではなく、一人のファンとして。全く問題なく運用されていて、みんなの活躍を頼もしい気持ちで見ていました。

━━育休明けが近づいて、復帰への不安は?
個人的には復帰したい気持ちが強くなっていましたね。子どもが1歳を過ぎたあたりから、だんだんと仕事が恋しくなって。なので2021年2月に保育園の入園が決まってからは、すぐに上司に連絡をして「仕事への復帰を考えています」と伝えました。

すると、上司からは「復帰後は2つの選択肢がある」と。MTGで詳しく話を聞かせてもらうと、1つはこれまでの部署に復帰する選択。もう1つは、2020年6月にリリースした『TIPSTAR』におけるユーザーコミュニケーション業務の立ち上げでした。

━━河田さんは、どのように決断されたのでしょう。
改めてこれまで所属していた部門を見た時、組織としてとても良い状態であると感じました。自分がいなくても、それぞれのメンバーが自分で考え、行動できている。抜けていた期間で、メンバーが大きく成長をしていて、そのまま彼らに任せたいと思ったんです。

━━頼もしいですね。
そして一方で、『TIPSTAR』はまだ立ち上がったばかりのプロダクト。自分の力を必要としてくれるのであれば、ここで経験を活かして業績に貢献できたら…と考えたんです。

━━すごい。復帰のタイミングで“新しいチャレンジ”を選ばれたんですね!
自分としてはそこまで“新しいチャレンジ”と思っているわけではなくて、自分の力が発揮できる仕事は何か?会社に貢献できる仕事は何か?…そんな気持ちで復帰しました。1年ほどチーム体制を構築してから、2022年の4月から『みてね』のユーザーコミュニケーションに異動しました。

━━えっ、そうなんですか。
取締役ファウンダーの笠原さんから相談がきまして、正直悩んだのですが……。私も母となり『みてね』のユーザーだったので、より実体験に基づいたプロダクトパフォーマンス向上のための提言ができるのではないかと思い、異動しました。

 

制度もサポートもある。だからといって甘えてはいけない

━━現在は『みてね』で活躍しているのですね。ちなみに産休・育休復帰後の「働き方」について教えてください。
勤務時間については、復帰当初は9時~16時の6時間勤務。半年ほど経って勤務時間を1時間伸ばしました。

今思うと笑ってしまうんですが、いきなりフルタイムで働こうとしていたんですよね。でも、育休経験者から「最初から無理しないほうがいいよ」「思っている以上に忙しい。時間がない…」とアドバイスをもらって、時短フレックスにしたんです。そして復帰して分かりましたけど、お迎えから夕飯、お風呂、寝かしつけ、明日の準備…と本当に時間がない(笑)。

━━夕方の1時間が本当に貴重なんですね。出社か在宅ワークかでも、働ける時間も変わってきそうです。
そうなんです。だから産休・育休復帰後は「週2日出社、週3日リモートワーク」で働いていました。出社日だけは『時短フレックス制度』を活用して、1時間はやい「16時退社」にしてもらいましたね。在宅ワークのときは、保育園のお迎え時間ギリギリまで仕事をしますが、出社の場合はそうはいきませんから。現在『みてねの部署においてはフルリモートを推奨しているため、このあたりは変わっています。

━━働く時間もうまく調整していたわけですね。
『時短フレックス制度』は、1ヵ月の総労働時間が担保されていれば、コアタイムをのぞき、勤務時間を自由に調整することができる制度です。なので、私のように週2日だけ1時間早く退社をしても、どこかで2時間分仕事をすればいい。他にも、子どもを病院に連れて行くので2時間だけ抜けたい場合なども、柔軟に調整ができて便利です。まだ子どもが小さくて、育児に手がかかるだけにこの制度には本当に助けられていますね。

━━心に余裕が生まれますね!周囲の方々のサポートはどうでしたか?
温かかったですね!当時もコロナの影響で保育園が休園になってしまったのですが、部署のみなさん「大変だね、何かあったら手伝うよ」と声をかけてくださって。子どもが体調を崩してお休みをいただいたときも、「早く良くなるといいね」「お大事に…」と、いつもサポートしていただいていました。

━━いいですね。育休経験者の方が多いのでしょうか?

現在所属している『みてね』はパパママの割合も多いのですが、過去の部署でいうと、そんなことはなくて…。
でも一つ思うのは、「仲間」だからなのかもしれない。

━━どういうことでしょう?
ミクシィは、一緒に働く人たちを同僚・社員というより、仲間として捉えている感覚が強いと私は感じています。代表である木村のことも「木村さん」「弘毅さん」と名前で呼びますし、ニックネームで呼ばれてる方も社内ではたくさんいるんですよね。シンプルに仲間が困っているから「大丈夫?」と声をかけるし、フォローもする。自然な助け合いというか…そんな表現が近いように思います。

━━なるほど。
私自身も、とても恵まれた環境だと思っています。だからこそ、そこに甘えてばかりではいけないとも感じています。子育て中だから、時短だからと言い訳せず、成果を出せる「時短での働き方」を工夫していく必要があると思います。

━━何か工夫や心がけている点はありますか。
子どもの体調などでいつお休みするか分からないのであれば、できる限り前倒しで業務は進めておくべきだと思うし、そこから空いた時間ができたら、何か新しい仕事にチャレンジしていきたい。与えられた業務だけで満足するのではなく、より良いプロダクトにしていくために、自分ができることを探し、実践していきたいと思っていますね。

 

上長の声

河田が復帰のタイミングで上長だったモンスト事業本部の三島に、当時の様子をコメントいただきました。

モンスト事業本部 部長 三島
モンスト事業本部 部長 三島
まずはじめに産休・育休の話を聞いてすごく嬉しかったです。これまでずっとサービスの最前線で活躍していたのもあってプライベートも顧みず気を張った状態が何年も続いていました。
モンストも当時7年目を迎え、組織もリリース時期より整ってきていたのもあったので多少の不安はありましたが、これを機にゆっくりした時間を過ごしてほしい、家族との時間を大事にしてほしいと思っていました。

 

逆に現場のメンバーからはやはり不安の声があがっていました。やはり長年務めていたマネージャーがいなくなるというのは大きかったと思います。でもその不安も一時で、すぐにいなくても回るようにと現場一人ひとり考えが変わり育休に入る前には安心して育休入れる状態にまでなっていたと記憶してます。
復帰に関しては育休中に何度かどういった形で復帰するのが河田さんにとっていいか話をしていました。そんな中、育休中ではありますが新規事業を立ち上げてる部署から河田さんにオファーがありました。モンストで培ってきた能力や経験が新規事業で必要とのことでした。

 

その話も合わせて河田さんご自身の働き方の希望だったり、事業部の状況や今後の関わり方など話をして結果、新規事業の部署で活躍できるのではないかという結論になりました。復帰した部署は違いますが復帰後活躍している河田さんをみると嬉しい限りです。

 

パートナーの声
河田のパートナーにも、育休期間をどのように感じたのか聞いてみました。


知識として子育てが大変である事は認識しており、なるべく子育て以外にかかる家事などを軽減するように生活家電などを整えつつ、子育て期を迎えました。しかし、百聞は一見に如かずという言葉通りで、やはり慣れない子育てにかかる負担は大きく、特に妻への負担は大きかったかと思います。
本来、パートナーたる私が妻の心労・負担を軽減するように立ち振る舞うべきなのですが、上手くできず、事実上任せっきりになってしまいました。改めてミクシィ社における育休制度がなければ立ち行かなかっただろうなと痛感しております。ミクシィの育休制度のおかげで、社員である妻のみならず、私ども家族として生活を整えられる時間を頂けたのではないかと思います。

 

最後に
部署のマネジメントという役割を担っていた河田が、育休のため仕事を離れる。当人だけならず、部下にも戸惑いがあったかもしれません。しかしながら、チームメンバー、いわば「仲間」を信じているからこそ、自分が離れても安心して任せることができるという決断が出来たのかもしれません。
「ミクシル」では、今後も引き続き子育てにも仕事にも奮闘するメンバーの様子を紹介していきます。

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